「全国古書籍商連合会」(全古書連)加盟の古書店です。在庫のみならず、店主のコラム・古本エッセイ・趣味の野草写真などを掲載して参ります。

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NEW 【本棚の本だな】 (12)
アジサイの話(植物と文化双書)/山本武臣(著)★


1981年八坂書房発行/初版カバー付/[A5変判-164p +索引6p]/アジサイは、外観からガクアジサイ型とテマリ型。形態や生態などからガクアジサイ、ヤマアジサイ、エゾアジサイなどに分けられている。この他に、蕾が特徴的なタマアジサイやノリウツギ、ツルアジサイ。装飾花のないコアジサイ、ガクウツギなど多様な系統がある。本書はそんな古代から咲き続けてきた美しい花の全てを書き尽くしている。
(目次から)◆アジサイの語源考◆アジサイとその仲間◆古文献より見た昔のアジサイ考◆シーボルトをめぐるアジサイ◆水谷豊文のアジサイ◆西洋アジサイの話◆アジサイと民俗◆アジサイの美学◆アジサイの名所.他/水谷豊文やその弟子、伊藤圭介とシーボルトの関係もよく分かる。多くの文献はまるで植物と人間達の奇跡の出会いを語ってくれる。シーボルトは日本のアジサイにOtaksaという学名を用いた。これがシーボルト博士の愛人「お滝さん」の名に由来するものだと分かったのは大正末に、呉秀三博士の「シーボルト先生其生涯及び功業」の著書が出てからだった。アジサイに関しての広く深い内容、豊富な図版と相まってアジサイに限らず野草に興味のある方には必読の名著です。

【本棚の本だな】 (11)
 「広辞苑物語」新村猛(著) 昭和45年発行 
新村出先生の思い出と『広辞苑』にまつわる話をご子息、猛氏が著した書。前書きまえがきを引けば、1969年5月『広辞苑 第二版』が発刊されたが、心待ちにされていた新村出先生は前年
8月に逝去されてしまった。遺歌集「白芙蓉」に『広辞苑ひもとき見るにスモッグといふ語なかりき入るべきものを』という一首があり、同辞書に対する愛着と責任の念が感じられる。ご尊父は大槻文彦先生の『大言海』の編集に関与、その後書に「言葉の海より拾ひし玉を磨かんと欲して、新たに瑕瑾を生じしむるに至らざりしか、之を危ぶまざる能わず」と辞書の完璧性というものについて、深く関わった者だけの感じる深い感慨を吐露されているという。「広辞苑物語」には、新村出先生の生い立ちから、大辞典への夢、日本辞書の現実と理想、戦争と辞書、『広辞苑』成長記録...とニ代に亙り国民的辞書に取り組んでこられた猛氏の直截で偽りない思いが込められています。是非古本でお読み頂くとして、いま丁度NHKの朝ドラが大フィーバーを巻き起こしているのに関して書く。本書巻末に当時88歳の「父の遺言」が転写してある。「夕焼」-古くは天文期に使用例がある。から始まり、「ムッシュー」「ムッター」を削除する、「杉」-「直」(sugu)と関係....など62か条に亙り『広辞苑』の気になる部分を列挙してある。その62番目に「矢田部良吉があるのに牧野富太郎がない。これは一方的だ。矢田部が牧野を東大から追い出したのだ。」で締められている。毎朝楽しみに見ているドラマ、丁度主人公が東大へのお出入りを禁止された所で、『広辞苑』でも無事両名が記載されたのは快なるかなである。ちなみに「スモッグ」も第2版では収録された。毎年のように、新技術や新語が生まれてくる時代。言葉は生き物、取捨選択とその説明の仕方に苦慮する事だと推察する。
ps.馬鹿騒ぎの「LGBT」なぞ、一体どう語意の説明を付けるのか?辞書の解説はまさに編者の見識が問われる所なのだな。

NEW (10)
グーグル検索でも見つからなかった話

ブラウン神父役はアレック・ギネス



「ブラウン神父の童心」
ホームズと並び称される、G.K.チェスタトン作のブラウン神父が初めて登場するのが本書。1982年に創元社から出された短編集で、第一話が「青い十字架」。この映画化の件が、グーグル検索で見つからない。裏表紙に映画のワンシーンの写真。1954年にコロンビア映画で製作発表されたのである。ブラウン神父はあのアレック・ギネス。稀代の大犯人フランボウ役にセシル・パーカー。映画の題名や両名優、書名から検索をかけてもこの映画は出てこない。となると古本屋の主、何故か嬉しくなる。
『まだまだ本に詰まっている「情報」は負けてはいない』と。
 先日の古書市場で翻訳文庫の大口が出た。競りセリで誰も声を出さないので、遠目でチラと見たら、チェスタトンが数冊混じっているのに気づき、◯◯円、と声を出したが、「さては何かキキメがあるな」と上乗せされて落札を逃したばかり。桁違いのキキメなどあるはずもなく、チェスタトンだけ。他は不要な文庫で数冊の為に競るのも、と遠慮した。落札された方は100円均一でお売りになるはず。きっとお客様に喜ばれるから、それも良しである。

※蛇足的脚注:アレック・ギネス=「スター・ウォーズ」のオビ=ワン・ケノービ。(俳優として出るべきではなかった、と発言したとの事。3作だけにしとけば良かったのでは?)「アラビアのロレンス」ではファイサル王子役。「戦場にかける橋」ではニコルソン大佐と、名作大作を上げるのにいとまがない。セシル・パーカーの方は検索をかけたら、衣料品セシールのUVカット抗菌パーカーが出てきた。(笑)皆様セシルでお調べを。
※『キキメ』全集、叢書、シリーズの中で極端に流通量が少ない為、高額になる書。

【本棚の本だな】(ビデオだな) NEW()
NEW   笑顔の法則  

 今は亡き、竹内結子主演のコメディ。相手役の阿部寛の作品の中でも「結婚できない男」に次ぐ傑作だ。
売れっ子漫画家役で、面倒臭い男なのは共通。本作、伊豆の長岡の温泉旅館が舞台。漫画家を秘密裏に温泉旅館に籠もらせて作品を書かせる担当が竹内結子の役。次々にトラブルが襲い、それを克服していく主人公。
まさにマンガチックで、たわいもない話だが、役者で十分楽しめるドラマだ。(全5巻)
 撮影の舞台は豪華旅館「三養荘」。よくもこんな潰れるだの乗っ取られるだのというイメージダウンしそうなドラマへの提供をOKしたとものだ。場所は先日訪れた「あやめ湯」の少し先。前の公園に車を止め、外から広々としたエントランスを覗いて見た。映画のままだった。勿論私風情が到底泊まれる宿ではない。
主人公が堤防の上を自転車で走るシーンは何故か懐かしくて泣けてくる。ちょいとクールな旅館の息子、西島秀俊が、バイクで疾走するのもファンには垂涎だ。何より、旅館の女将役を野際陽子が演じていて好ましい。いつもドタバタしている主人公に「女らしく振る舞いなさい」と諭す。その着物姿が美しい。12月28日の
「徹子の部屋」に2005年タモリ宅(?)を徹子さんと訪問して「冷汁」を食べるシーンがあった。【こちら】
 それにしても竹内結子さんは本当に残念な事をしました。心よりご冥福をお祈りします。
店主、長岡から大仁にかけて狩野川にかかる鉄の橋(松原橋・千歳橋・大仁橋)のフォルムが大好きだ。シンプルな直線的な構造。(千歳橋は人道)狩野川も普段はゆったりと蛇行して橋の下を流れていく。釣り人は鮎の解禁日を待ちわびて、流れに立つ。この川の元を尋ねれば「浄蓮の滝」。友人が来ると毎度毎度連れて行ったもの。ええ「常連の滝」という位で。お後がよろしいようで。


本棚の本だな() オールディス「世界も涙」
SFマガジン1968年1月号には、ロボットSFの珠玉の名作が掲載されている。ブライアン.オールディスの「世界も涙」。きわめて短い話なので、かいつまんで書いても話の全貌が分かってしまうから慎重を期すが、読んだ店主も涙したの愛の物語である。機械に人間が支配されきった世界。禁忌を乗り越えて、若者が恋人に逢うべく「私は薔薇の木だ」と名乗って、恋人の元に潜入する。駆けつけるパトロールロボット達との会話など読み所だ。在庫が入ったのでご注文頂ければ幸いだが、光文社発行の瀬名秀明(編著)の『ロボット・オペラ』にも、この名作は収録されている。古今東西のロボット・フィクションの中から優れたものを選びだして年代ごとに収録した一冊で、各年代のロボット科学・文化・物語についても、総説が書き下ろされている。こちらは残念ながら、当店の在庫は切れている。
 アシモフとキャンベルが考えついた、ロボット三原則。
第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条:ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
これは色々矛盾をはらんでいて、物語のテーマにもなるのだが、実際のコンピュータにはプログラミングできないという。手塚治虫の「火の鳥」でも、ロボットが崖から身を投げていくシーンがあり、悲しみを誘った。車の自動運転技術が現実化してきた現代。楽だし、人間がやるより素早く正確で安全とも言えるので、列車制御から工場まであらゆる分野で、「ロボット(コンピュータ)に任せていけばいい」という判断が加速度的に進んでいけば、確かに「世界も涙」のような世界にならないとも限らないと思う。この頃書かれたSFは本当に面白い。もう現実が空想科学を遥かに追い越してしまい、SF小説も難しい状況に置かれているようだ。

【本棚の本だな】 ()
薬菜飯店」 新潮社文庫(253p)1992年発売/◆解説=俵万智。
文庫本の大山を買ったら、筒井康隆の著作が結構混じっていた。その中、久しぶりに「薬菜飯店」を見つけた。この短編集に収録の「カラダ記念日」というパロディーは実によく出来ているのだ。パロディ元の「サラダ記念日」は、ポーズが透けて見えて、ちょっとウソ臭いと感じられるが、一方"カラダ"はリアルだ。もっともヤクザの世界も、実情はあまり知らないので、あくまでイメージなのだけれど...


この味が いいねと君が 言ったから 七月六日はサラダ記念日 は
「この刺青いいわ」とスケが言ったから 七月六日はカラダ記念日
特に秀逸なのは、俵万智自身が絶賛する、
タクシーの河の流れの午前二時 眠り続ける横断歩道 を
タクシーから振り落された午前二時 眠り続ける横断歩道
見事に主語が入れ替わっている。元歌を眺め、どの位考えて作ったのか?筒井康隆は天才だからと瞬時かな。

私も真似ようとしてた時のノートが見つかった。まずタイトルである。ラとダが入った単語。こういう時は
五十音順に当たっていくに限る。意味をなすのは、以下の通り。結構あった。
◆アラダ記念日(魚屋さんの歌で)◆エラダ記念日(顎の張っている人)◆オラダ記念日(東北地方の歌)
◆ソラダ記念日(パイロットかCA)◆テラダ記念日(お坊さんの歌)◆トラダ記念日(タイガースファン)
◆ナラダ記念日(奈良県人)◆ニラダ記念日(中華料理店)◆ハラダ記念日(博多ブラブラorボクシング)
◆ホラダ記念日(話を盛る人)◆マラダ記念日(巨大な方)◆ムラダ記念日(村おこし)
◆ズラダ記念日(髪の不自由な方)◆ビラダ記念日(街頭で手配り)◆ワラダ記念日(藁に関係する人-厩務員)
一番盛りだくさんに作れそうなのは、ギャバ嬢主役で誑かしたぶらかしの日々。
◆プラダ記念日なんてどうだ!!
あのバッグ欲しいと 君が言ったから リボで払ったプラダ記念日
以下"タイトル"の替歌だけですが、見本はこんな感じ。本文の細部は各部署の担当の皆さんにおまかせしたい。
Bクラス 来年こそは優勝と 君と肩を組むトラダ記念日
父の待つ 浄土で会える 読経中 住職も泣いた テラダ記念日
焼き場から 料亭行く前に49日 涙も乾いたテラダ記念日
見違えたわ 妻が見つめて 褒めたので 胸張り歩く ズラダ記念日


本棚の本だな()
 古川柳  女房詞「いしいしを食べて明石へ書きかかり」

「雷を真似て腹掛けやっとさせ」とか「是小判たったひと晩居てくれろ」「江戸者の生まれそこない金をため」など、江戸時代の川柳は現代でも分かるものもあるが、大概は解説を読まないと、面白味が全く湧かないものが多い。

上に掲げた句は「いしいし」が分からないと、洒落が分からぬ。「いしいし」は女房詞にょうぼうことばで「団子」の事。石山寺で「源氏物語」を執筆する紫式部が団子を頬張り終えて、あの艶っぽい物語にとりかかった、としたら、なんて空想を「いし」とかけた句だ。当時の風俗、常識、ものの言い方、俗語は当然ながら、日本歴史が分かっていないと、皆目分からない句は多い。「義貞の勢はあさりを踏みつぶし」は、新田義貞が北条氏を攻めた時、稲村ケ崎で佩刀を投じ竜神に祈ると忽ち干潟が出来、そこを進撃した。その時、沢山の浅利を踏みつぶしたろう、という。昔の大衆は教養が高かった、落語や講談、歌舞伎、お寺のお説教なんかで、歴史や仏法の事を自然と耳から学んでいたのだと思う。

 本屋に成り立ての頃、岩波新書で値を付けられる本、と覚えた書名に「青年と結核」「治安維持法」などがあるが、「古川柳」も売れ筋の基本図書だった。最近はそんな入門書から研究者用の書籍まで、パタッと動きが止まってしまった。川柳そのものが下火かといえば、豈図らんや、ネット上の無数のサイトで百花繚乱。
その裾野は広がり人口は増えている感じだ。俳句もそうだが、確かにご自分で作られる方は増えたが、感覚だけに頼った作風が多く、古句や古典に遡って勉強されるケースは減ったように感じる。音楽も美術もご自分
以前の流れを系統的に知っていないと、独りよがりに陥ると感じるのですが...
古今東西の古典の素養が感じられる重層的な作品や「本歌取り」、今で言う「パロディ」のような作品、落語でいう「考え落ち」後で膝を打つようの様な句、噛みしめると味のある佳作、などなどが書けない気がするのですが...。まあ、古本を蒐めて頂きたい一心の本屋の親爺の愚痴のようでございます。
 ただ、川柳は俳句と違い、普遍的なものを目指す文芸ではなく、その時代時代の時事風俗を皮肉ったり、面白おかしく映し出すものだから、100年150年後の人には解らなくなってもいいと割り切れば、その場限りで消えてもいいのかも知れません。まさにそんな2022年度の消耗品のような爺の句を並べてみよう。
(50年後の人の為に注釈も付けましょう。50年なんてアッという間。瞬きの如く過ぎます。)
30枚小銭を入れて赤字なり(ゆうちょ銀行ATM硬貨25枚以上入金で手数料110円)
タレントが口滑らせてハエが舞う(バズるは蝿がブンブン飛ぶ様、BUZZから来ている)
軍艦も列島一周 インバウンド?(日清日露の勝利、今何処いまいずこ。舐められきった売国総理)
ウクライナ 兵器の万国博覧会(戦争博物館並のロシアの装備、世界各国の最新鋭先端兵器の博覧会)
気休めのマスク 夏場は熱中症(マスクでウイルスを防ぐ?中世の呪いまじない?!)
位置情報オフにして ふたり旅に出る(時実新子さん風、浮気もスマホでバレる)

古川柳事典在庫

本棚の本だな()
『日本の七十二候を楽しむ』旧暦のある暮らし (文-白井明大・絵-有賀一広) 東邦出版発行
 獺のまつり見てこよ瀬田の奥 (芭蕉)
 自然に対する優しいまなざしに溢れた一冊。愛らしいイラストは、瑞々しく季節の風物を蘇らせる。
旧暦には四季を六等分した「二十四節気」という区切りがあった。春は立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨の6つ。夏・秋・冬にも各6つで一年は24節に分けられる。更にこの
「節気」も5日毎ごとの「初候」「次候」「末候」に区切られ、合わせて72の名前が付けられている。これを「七十二候」しちじゅうにこうという。花や鳥、草木、自然現象にまなざしを向ける暦で、生きとし生けるものの息吹に満ちた暦であり、農事暦でもあった。少し前までは、各地に季節ごとの行事-風習が残っていた。忙しさに埋没し、進みすぎた「文明」に疎外されている今の時代。美しい自然と共に生きていた先人の事を思い起こせたら、ちょっとでもその興趣を取り入れられたら、豊かな気分になれるのではないだろうか?
今の候は「雨水」、「土脈潤い起こる」。大地が潤い目覚める頃で、「『獺魚を祭る』かわうそうおをまつる」という不思議な季節とされていた。獺はよく魚を捕えては、岸の岩の上などに並べ、なかなか食べようとしないという。それを祭の供えものように見たて「獺祭」と呼んだ。お隣の山口県からこの名の日本酒が出てプレミアが付く程だ。店主には「本醸造」や「純米酒」など遠い世界の話。専ら紙パック入りの二級酒専門で、その価値は分からずにいる。
 先月、葬儀で藤沢まで移動した間に読み終えた宮地伝三郎の「俳風動物記」に、俳句に随分登場する「獺祭」だが、実際にその光景を見て詠んだ俳人はいるだろうか?と疑問を投げかけている。「獺祭」の出典は「礼記」の「東風解凍 蟄虫始振 魚上冰 獺祭魚 鴻雁来」。更に「獺祭」を宋の
孔平仲が『談苑』の中で「李商隠為文 検閲書冊 左右鱗次 号獺祭魚」と、詩文を作るのに参考の書物をたくさん拡げ散らかす様になぞらえた。これを踏まえて、かの正岡子規も自分の書斎を『獺祭書屋』と名付けたのである。
芭蕉以外にも、獺を詠んだ句は多いが"青淵にをその飛び込む水の音"(曽良)・"魚まつる獺おぼろげなり水の月"(青橘)・"何魚を祭るぞ獺のかげおぼろ"(文児)・"獺の祭りに恥じよ魚の店"(蝶夢)など、句に迫力が感じられない。これらは古典の引用で気取っているだけで、実際の獺の生態を目撃してはいないからだろう、と推察している。子規の句でさえ"茶器どもを獺の祭りの並べ方"で、獺祭を目撃した経験は無さそうだ。では「礼記」の記述がでたらめか、といえば、R.ライデッカーの『王室自然史』にカワウソは食う以上の魚を殺し捨てていく、といった生態や行動がかなり詳しく述べられていて、「礼記」の記述があながちでたらめとは言えないという。人懐っこい動物で、中国では今でも鵜飼よろしく獺飼がされているとの事だ。猟虎らっこ同様、毛皮が立派な為捕らえられ、日本では絶滅したと言われているが、著者は松山の道後動物園で見たという。
いずれにしても棲家が人里にあまりに近すぎたというのが、悲劇だったのかも知れない。「供物」の真偽はともかく、カワウソは昔はどこでも見かけた愛嬌ものだったのだ。    冬川や孤村の犬の獺を追ふ (蕪村) 

本棚の本だな()
「東京古書組合百年史」に引き続き、姉妹編「古本屋的!(東京古本屋大全)」を御恵送頂いた。
百年史で選出された愚生のコラム3作の内「狸算」という落語が掲載されていた。
業界では有名なズッコケ話で、現在は著名で一流の、あの方のエピソードなのですが、誰かは明かせません(笑)。
 当時、東京組合の機関紙「古書月報」に拙文を書き散らかしていたのは、そもそも記事を各本屋さんに寄稿して頂く機関紙部員という役を拝命していたからなのである。
全国版の「全連ニュース」という冊子も隔月で発行しなくてはならず、尻込みしたり渋る店主の皆さんに記事を書いて頂くのがとにかく骨であった。あれこれ口説き回った末、締め切りにどうしても間に合わない時は、自分で書く羽目に陥っていたという次第なのだ。
 本書は全てその「月報」に掲載された古書店主の投稿から成っているのだが、座談会、インタビュー、追悼文、格調高いもの、斜に構えた話、国宝級の古典籍の話から末端のトホホな自嘲譚まで網羅され、百花繚乱。正に編集の中山氏の思惑通りの素晴らしい仕上がりとなっている。
 懐かしい先輩、つるんで飲み歩いた同輩...もう愛おしいばかりの仲間を思い出し、感無量だ。
えびな書店さんの「パパは古本屋」も、若くして亡くなった火見子ちゃんの葬儀に参列した日が蘇ってきた。NENO書店のコラムも身につまされた。お客が帳場の中に入り込んでいたので、注意したら、腹をど突かれ毒づかれる。売上帳を見られたようで「売上が250円の本屋の金、盗めるかよ」最後はその客が450円買ってくれて「まっいいか」となる情けなさ。NEMOさんはパソコンに詳しく、1995-6年頃、当店もPC移行を目指していた時、随分相談に乗って貰った。今は消息がわからずにいる。もしこのコラムを見たら連絡乞う。
 本書トークイベントの章に登場の、悠山社の橋本直次郎君。最初に会った時、マンガから飛び出してきたのかと思った。「根性ガエル」の[ひろし]に生き写しだったのだ。頭にサングラスをひっかけてるし、胸にピョン吉が張りついてんじゃないと?上着をめくりたくなった。実は彼の作ってくれたHP上の「注文フォーム」を今だに当店は利用している。http://www.asahi-net.or.jp/~dc8n-hsmt/kusaki-order...
 NEMOちゃん、悠山社君、古群洞さんと私の4人で、中央線のバーチャル古書街を結成したのも懐かしい。まだ「日本の古本屋」も「ヤフオク」も無いネット黎明期の話だ。大多数のお客様がPCを持っていない頃だから、立ち上げは早過ぎて注文はサッパリだった。
 大先輩の話、安芸書房の福光さんのインタビューは、壮絶な人生が語られていて、もはや偉人の伝記だ。歩兵十一連隊時代、中隊長に酒を所望され、広島の実家の酒屋に帰り、帰還する際、バスに乗って中心地を目指したのだが、忘れ物を思い出し次のバスになり、原爆直撃から逃れた話。懸命に被爆者救助をする中、米兵をリンチする光景に出会う...安芸さんは国宝級の「古典籍」を良家から引き出され、その保存に大いに寄与された。何千万という売上を上げながら、手元に金が残ってない、というのが素晴らしい。中央線支部で「優良市」や「大市」を開催する時は、福光さんに出品して貰わないと格好がつかないので、よくマンションまで集荷に伺ったものだ。誰にも優しくて、私のような駆け出しも別け隔てなく可愛がってくれた。
 苔花堂の五本木正子さんのコラムも読めて有り難かった。彼女は勝手に私が「弟子」と決め先輩から教えて頂いた事を全部伝えようとした人。ご本人は赤貧の古本屋を「師」などとは露程も思ってはいないだろうが...何でも素直に聞き入れて実行する姿に「この人は将来絶対に伸びる」と確信していた。店名「苔花」は「泥花」から取ってくれたものと信じている。世田谷の大宮八幡での結婚式に参列した時は、娘を嫁に出す心境だった。もっともお相手は立派な男で、披露宴での東京農大の同窓生の「大根踊り」が素晴らしかった。
この壮大な社の境内で、サミットストアというスーパーの依頼でそれまでにも何度も青空古本市をしたものだ。このサミットストアをいつも一緒に転々と移動販売していたのが、ポラン書房さんで、この奥さんも本書に登場している。寂しい事に近年、大泉学園の実店舗を閉じられた。勿論NETで古書店は継続中だ。

※紹介した古書店のHPは右メニュー欄の下方に[ご同業リンク]して貼ってありますので、是非御覧ください。
 大病後、熱海〜北九州と流れ着き、東京組合員に配布の「月報」は読めなくなっていたので、最近投稿されたもの、向井Jr.の日誌など楽しかった。父君は、カラオケでは「熱き心に」が専売となっていて、同席者は歌えなかった。ちなみに山岡さんは「柳ヶ瀬ブルース」。弘栄さんは「空の神兵」。長谷川ちゃんは「安奈」。岩森ガンチャンは何だっけ...千年堂はJAYWALK専門。かくいう私めは「ヒーロー」と「青春歌謡」...
いやああの頃のスナックとカラオケ料金貯めてりゃ、安曇野辺りに家買えたな。ねえ古群洞さん。奥さんが
井上荒野で直木賞ですから、その再婚の成り行きも本書に披露されていて貴重です。
 威儀を正して!「古本屋的!」是非、お買い上げの上、お読みいただきたい一冊です。
[2700円+税 本の雑誌社発売 ISBN:978-4-86011-466-4]
※本書を編した、中山信如氏の本の内、「古書通信」誌上に掲載した映画文献目録全107回分が再録されている「一頁のなかの劇場」は労作。「文章あれこれ」と題された第二部[稲垣書店目録21のなぜ]に「なぜ売上結果を発表してしまうのか」の項があり、当店目録が触れられている。「泥花」の注文重複コーナーのインパクトが並でなく「一頁のなかの...」で実現させたと。拙い当店の目録がお役に立った訳だ。巻末には顧客名簿まで公開されていて、紀田順一郎氏、横田順彌氏ら著名人に混じり、北九州から唯一、若松書房さんが名を連ねている。残念ながら、「一頁のなかの劇場」は[非売品]で、購読をお薦めしたくても叶わない。中山氏のユニークさは「古本屋おやじ」(ちくま文庫)で知る事ができるので是非ご一読を。(ISBN:978-4-48003-713-8)

本棚の本だな() 「絵画で読む聖書」
ブリタニア王女は数奇な運命に翻弄され「聖女ウルスラ」となる
 畑中佳樹著、映画評論集『誰もヒロインの名を知らない』が入荷。巻頭の章は「ジェームズ・ボンドの女たち」。副題は
(ボンドガールからボンドレディへ)「悩殺的な肉体と空っぽの頭のヒロイン」から「頭がよく有能な女スパイ」へと、変更するのに、1977年「私を愛したスパイ」まで15年もかかった、と著者は言う。詰まるところは「ビキニから制服への転換」。畑中氏は、ボンドのお相手は性を感じさせない「人間人形」(足穂)もいい、キリッとした制服の女がイイ、
というが、爺は野性的でセクシーな女性が好きだ。白いビキニが好きなんじゃ!ショーン・コネリー以後の007に興味が湧かなかったのは、ボンドレディなんぞを登場させたせいだったのか!クールで性を感じさせないヒロイン?プロデューサー氏に進言するなら、「賢明で勇敢でセクシーという女性像もあり」なのではないかと、チャチャを入れたくもなる。現に「エイリアン」のシガニー・ウィーバーの下着姿にはぞっこんの爺である。
 さてさて007。前にも書いた中学の時衝撃を受けた「Dr.No」
チラシには初代ボンドガールはアーシュラ.アンドレスとあるが、現在は独語式にウルスラ.アンドレスと表記が変更されている。
ウルスラと言えば2018年のドラフトで巨人の6位に指名された戸郷君。昨年は9勝し大活躍。彼は宮崎県の聖心ウルスラ学園出身。

 どんな聖人なんだ?疑問に思った時は開く座右の一冊。中丸明著「絵画で読む聖書」
これ一冊で聖書がバッチリ分かるスグレモノ。何せ会話部分になると、「だでかんわ」とか
「聞きゃーてちょ」とか、「カナン弁」が「名古屋弁」になるのだから痛快無比。巻末に便利な索引「聖人列伝抄」がある。聖女ウルスラの項を見ると、ブリタニアの王女。イングランド王から、息子コノンの嫁にと請われ、断る名目で出した条件が、自分の侍女以外に、話相手に貴族の処女10人。その各々に処女の侍女千人をというもの。英倫王、この1万1千人という条件を飲んだてんですから驚く。よくそんなにいたね。結婚後、王子と約束のローマ巡礼に出ての帰路、フン族に遭遇、皆殺しに。王女は「嫁になるなら一命を助ける」と持ちかけられるが「フン」と拒絶。矢で射殺されるのでした。
アカデミア美術館に行けばカルパッチオの「ウルスラの讃美」が見られるとの事。画家はこの伝説がお気に召したのか、敬虔なるウルスラを題材に8枚もの名画を描いたという。
 ボンドガールの名がウルスラ。あちらの名は、聖書がらみが多い。英語表記だとピンと来ないが、ポールがパウロでジョンがヨハネで、マークがマルコでルークがルカか...
あっ、これ「黒後家蜘蛛の会」(5)の第一話「同音異義」に使われてました。衒学的なこのシリーズを池央耿氏はよく訳された、と感心する。「あなたは何をもって、あなたの存在を正当となさいますか」が、招かれたゲストが毎回、会から問われるお決まりのセリフ。
「私は古本屋の主ふるほんやのあるじとして存在を正当化できます」と自信を持って答える為、[全く売れる当てが無いのに店を開店した]という秘密を、最後に告白する次第だ。



(2)日本交通公社発行「旅」【肌触りのいい温泉】
1963年3月号の「夜の地方都市」という特集が「水戸」篇だった。
「夜の」である。そこ書かれている歓楽探訪略図は、
爺の生家の近所、フランチャイズという訳なのである。地図右「水戸松竹」のある通りを北に電車通りを越えると、荒木町になる、地図上その左右に伸びる電車通り沿いに、2Kmも連なる水戸の商店街がある。生家の隣の泉町1丁目に「伊勢甚」と「島津」二つのデパートが向かい合わせで建っていて、ここが事実上の水戸の中心となっていた。
(路線価1位はこの百貨店の向い合う地点)  [泉町広小路側から1丁目を望む。京成と変わった伊勢甚のマークがまだ見える(数年前)↓]
ウチはそこから百メートル程離れた2丁目。角が泉町会館という商店会館、右に「十銭屋(瀬戸物)」「イザワ靴店」「さか本(食堂.宴会)」「千葉屋(和菓子)」「小貫写真館」
「可奈女鮨」。
そこで店はちょっと途切れて国定教科書
[角から5軒目の看板建築の実家(取壊し今は無い)] 販売の倉庫があった。会館と国定の間にある6軒が2丁目の中でも更に、絆が強く『六軒会』というのを形作っていた。七夕になれば、このグループで一致協力、他に負けない出し物を作ろうと頑張り、賞も貰ったような記憶がある。お祭りや年末年始の期間は、店の前の通りは、1m先も見えない位の人出。賑やかだった。「可奈女鮨」の旦那はウチの親父に、芋銭の書簡を扁額に仕立ててプレゼントしてくれたような粋な人。この額、今は当古本屋の壁に掛かっている。「譲って」と乞われた時は「親の形見で」とお断りしいる。
 暮れになれば、正月用の鏡餅やのし餅を配達して回ったお店が書かれている。「むさし」の黒塀に突き当たって左に曲がると、検番があって、綺麗どころが踊りの研鑽を積んでいた。その先にはバレエ教室があって、配達の帰り窓越しに覗いていたものだ。断じてヤラシイ気持ちはないがレオタードやチュチュは好きである。
 凄いのは、この地図内に、松竹、大映、日活、東宝と大手映画館4つが載っている事。ただ親父が東映専門だったので、ずっと駅寄りの中央郵便局の手前まで毎週自転車に乗せて貰って通ったものだ。いつも帰りに寄る、映画館横の西洋料理店のチキンライスが好きだった。それから坂を下って、汽車を見に行くのが何よりのご馳走。SLが操車場を右に左に湯気を吐いて走るのを飽きずに見ていたものだ。常磐線(上野水戸間)電化は昭和36年6月1日。それまで、観梅で有名な、常磐公園の崖の上から、眼下の千波湖に向かって、長々と凧揚げをしていたのだが、真下に架線ができ、できなくなりガッカリしたのを覚えている。
 松竹は北関東で最初の70ミリ映画館、京王グランドとなった。爺はここで初めて「ベン・ハー」を見て、70ミリの迫力に圧倒された。京王グランドから、金魚坂(外堀で金魚の養殖販売をしていた)へ向かっていくと、今はラブホテル・ソープランドが並んでいる。爺が高校生の頃、すでにトルコ風呂があり行ったものだ。誤解なきように、暮れに鏡餅の配達にである。綺麗なお姉さんに「寒いのにごくろうさま」なんて言われちって...「テヘヘ」全く素晴らしい環境の中で育ったものだ、と今更ながらに、この地図を見て感動したところだ。
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※当家(店)が写っている奥に、ベビがのたくったような塔が見えるのが「水戸芸術館」。美術館・コンサート・劇場の複合文化施設。設計はかの磯崎新。初代館長は「モーツァルト」の吉田秀和氏。2代目は小澤征爾がさん。勿論、爺は行った事もない。すぐ裏なのにね。日頃から有料施設には入らない爺だが、実は、この場所に我が母校『五軒幼稚園-小学校』があって、変わり果てた姿を見たくないのである。何が文化じゃ!!明治6年開校、百十年も続く学校を移転して、どこが文化?【♪流れもとわに一すじに 豊けくそそぐ那珂川の 水にも深きさとしあり 心をきたえ身をねりて はえある学びやほこれよと 共にはげまん国のため】という、素晴らしい校歌は今だに歌える。3番まであるのだが、最後の行は全部「共にはげまん国のため」で終わる。街の中心地から、子供たちのこの歌声が流れてくる所に水戸文化-精神が息づいているのではないかな?モーツアルトじゃなかっぺ。(ウィーンじゃねえんだからよ。)

(1) 光文社文庫 『本格推理』
 1992年、光文社文庫の折込冊子「文庫のぶんこ」で「本格推理」の募集がされ、締切までに何と238篇もの応募があり、編集部を喜ばせた。選考は、鮎川哲也氏が当たり
全作品を読まれたそうだ。本書は応募作品の中から選ばれた短編からなる作品集の第一弾。何と最年少は14歳の中学生の作が選ばれたのには驚いた。爺が印象に残ったのは、村瀬継弥 氏の「藤田先生と人間消失」。「本格推理」と言っても、パズルのように無機質なだけでは小説としてはイマイチで、本篇は、青春への挽歌であり、甘酸っぱい余韻が心に残り、読後感が実に爽やかである。トリック自体はかなり早い段階で推測は付くのだが、このトリックが「犯人」の暖かい心から企画されていたところが憎い。
 北森鴻氏の美術物の推理「仮面の遺言」も読みやすくこなれた逸品。事件の端緒からエンディングまで破綻が見られない上、読者をグイグイ引っ張っていく力がある。ただ地元民としては一点、下関の彦島が「小島」と書かれている点が気になった。我々にとって、彦島は本州と一体で、島という印象は全く無い。下関駅との間に川がある程度の感じだ。山陽本線はこの「島」から海峡に潜っていくのだ。島の北端の南風泊港はえどまりのフグのセリ市は全国的に有名だが、海岸沿いには三菱造船所のドッグや化学工場の立ち並ぶ工業地域である。少し前、北九側の小倉日明の工業団地とここを結ぶ橋を架ける案があり、郷土はこぞって期待していたのだが、妨害勢力の意味不明のヒステリーで潰されてしまった。博多や八幡-小倉方面から、企救半島の突先の関門橋までは、随分迂回しなくてはならず、下関側の降り口も一山向こう側である。大型化したトラックは狭い関門トンネルを通れぬ現在、二つ目の橋が架けられれば産業振興に大いに役立ち、様々なコスト削減になり、寂れかけている北九州-下関両市も少しは活気づくはずだったが、残念至極。「何でも反対」集団は、地域や日本が活性化して栄えるのがどうにもお嫌いのようだ。
 さて気を取り直して...巻末に招待作として配されたのは、津島誠司氏の「牙を持つ霧」と二階堂黎人氏の「赤死荘の殺人」。両氏共、すでにプロとして活躍の方の作品。津島氏の作は、島田荘司編の「奇想の復活」に一度収録されたもので詳細は略する。「赤死荘...」はデビュー以前に書かれた処女作という事で本邦初公開。二階堂氏、当時ディクスン・カーにのめり込んでいたご様子で、鮎川氏も「仮にカーの遺作の翻訳と称して紹介されたら、カーマニアの大半が騙されるに違いあるまい。」と選評に記している程だ。イギリスの陰鬱な風景や建築も上手く描けているし、H.Mを始めとする登場人物を自身が創造したかのように自家薬籠中の物にしている。ヘンリー卿のセリフの中には数々の事件(本のタイトル)が出てくるので、当たってみたくなる読者も多いと存ずる。当店にもHPBで3冊在庫している。
 「本格」好きの読者の支持を受けて、文庫「本格推理」は15冊・「新本格推理」が9巻まで出版された。

1-2.ディクスン・カー名義3.カーター・ディクスン名義早川書房発行-初版

(1)九つの答/(HPB394)/青木雄造.訳 昭和33年/[1,980円]
(2)パンチとジュディ/(HPB-485)/西田政治.訳昭和34年/[2,100円]
(3)爬虫類館殺人事件/(HPB-418)/村崎敏郎.訳昭和33年/[2,000円]
◆この文庫誕生の発端「文庫のぶんこ」は当店の得意とする冊子。「文庫のぶんこ」」の在庫リスト


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古楽夢 最新
牧野富太郎とバイカオウレン
BN目次:1〜35話
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【当店宛贈呈本】
詩画集うずま川(巴波川/栃木市)


言わぬが花PART233-60

キティちゃん新幹線に乗る
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NEW 2023年ドラマベスト1は
TVは「コタツがない家」
映画は「ゴジラ-1.0」



【久保田万太郎-特集】


新入荷・ヤフオク最新出品

HOT WACKS BOOK XI
「海賊版のバイブル」
ホットワックス11

1985年BLUE FLAKE PRODUCTION発行/1975年から25年以上にわたって流通したカナダの本。海賊版音楽のリリース&レビューを掲載。ソース.品質.トラックリスト.パッケージなどの情報満載。海賊版コレクターの間では一般に「海賊版バイブル」と呼ばれている。(洋書-英語)
Accept.Beatle.Dylan.ELP.PinkFloyd.
RollingStones.ZZTop等網羅!
5000円

★豊前森山 教覚寺の歴史★
''浄土真宗本願寺派/世の中安穏なれ 仏法ひろまれ(親鸞聖人)/''平成19年発行/5000円
[非売品]/[A4判151p]/阿弥陀如来立像・本堂内陣及び余間・和朝親鸞聖人御影・真向見真大師・本願寺蓮如画像・方便法身尊像・墨書楷書体六字名号など寺宝の写真満載/◆草創◆寺門形成◆本末制度の成立と廃止◆四日市東西別院の発足と教覚寺・学僧.崇郭師と豊前学派・◆本堂.庫裏建築と方式整備他、巻末に年表、資料など/※誠に残念ながら、10pに線引き(マーカー)あり・それ以外、函も含めて美本


古通豆本 他-豆本関連


署名本


安心院動物化石群
琵琶湖博物館研究調査報告18号
高橋啓一.北林栄一(編)

平成13年琵琶湖博物館発行
[A4判193p]3000円
琵琶湖博物館がなぜ大分県の安心院で調査を?琵琶湖とその周辺のことを知ろうとすると、日本列島全体は勿論、東アジアから世界へ出かけていって調査しないとならないのです。本報告書で解き明かされたのは、約400万年前、ちょうど琵琶湖が誕生した頃の日本列島、琵琶湖に周辺に生息していた動植物のありさままでありありと思い描かせてくれました。オオアタマガメの骨格化石発見は世界で初めての事であり、この時代の脊椎動物の化石がこれほどまとまって見つかった事はありません。(はしがき)/


★日本の草木染/上村六郎/限定版
染見本布52種貼付/草木染標本.
染草写生図
  20,000円〜

昭和41年京都書院発行/初版函付千部限定版/[A4判125p]/日本の古代染織について・古代の染織から近代の染織へ・草木染の復興について・天然染料の種類とその染方・染色に際しての諸注意など

インド哲学仏教学研究(I)(II)2冊/     金倉円照(著)
昭和48-49年春秋社発行/初版函付/[A5判482p.418p]/(I)=仏教学篇・(II)=インド哲学篇1/※函の背中心にヤケ少シミあり/本文は線等なく美ですが(I)巻の小口に数点シミ・(II)巻は美本 10,000円〜

★日本の放浪芸 カセットテープ全19巻/小沢昭一/
「一条さゆりの世界」他★

ビクターカセット各巻函入-各巻の解説と発刊目録付/
取材構成ナレーション=小沢昭一
(録音)1970-1971
【(1)-(7)=道の芸.街の芸】【(8)-(12)=渡世(てきや)芸術】【(13)-(16)=旅僧たちの説法】【(17)-(19)=「オールA級特出特別大興行」】
/20,000円

★masakane★
米倉斉加年画集

1981年集英社発行
初版カバー
※本文は良好、小口に僅かなシミ・天に筋状のシミが4本あり。
 5,000円〜

日本の希少淡水魚の現状と
系統保存
ーよみがえれ日本産淡水魚
長田芳和.細谷和海(編)

日本魚類学会監修
1997年緑書房発行
初カバ.[B5判-379p]
◆第1章:希少淡水魚の現状(日本の希少淡水魚・イトウ.他)
◆第2章:系統保存の技術的展開(川魚との共存をめざす河川管理・魚がすみよい水質管理.他)
◆第3章:保護活動と行政(市民レベルでの淡水魚保護活動;天然記念物指定の希少種とその保護.他)
◆第4章:系統保存の方向性と課題(生物多様性を考慮した淡水魚保護・淡水魚の減少要因と回復への道.他)

        15,000円〜

【各地展覧会情報】
日本的フォービスム展


店主の書いた(旧)コラム
松本清張旧宅を買う!?(改訂版)


NEW
小倉 Music hall大詰 17番ホールへ
【総理大臣の帽子】

写真はホームランブラザーズ

【本棚の本だな-10】
「ブラウン神父の童心」
グーグル検索でも見つからない話
ブラウン神父役はアレック・ギネス

ホームズと並び称される、G.K.チェスタトン作のブラウン神父が初めて登場するのが本書。1982年に創元社から出された短編集で、第一話が「青い十字架」。この映画化の件が、グーグル検索で見つからない。裏表紙に映画のワンシーンの写真。1954年にコロンビア映画で製作発表された。ブラウン神父はあのアレック・ギネス。稀代の大犯人フランボウ役にセシル・パーカー。題名や両名優、書名から検索をかけてもこの映画は出てこない。
【本文に続く】

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幕間の小咄  (旧作はコチラ)
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遅ればせながら、熱中症の方が重篤になるというので、屋外のマスク着用が軽減された。
やっとこんなシャレもUPできる。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
実店鋪を出してやっと軌道に乗ったかな、という矢先の武漢風邪騒ぎ。
色々な無料サイトに店舗案内を載せていたので、
「貴店の蔓延予防対策を明記せよ」という通達が次々届いた。答えは、
「お客様が来店されたら、店主はマスク装着」
だから店で息苦しいマスクをする事はなかった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

言わぬが花(057) ◀文字拡大版▶
シーボルトの「日本植物誌」

◀文字拡大して本文へ続く▶

創刊号【草木染】〜30号迄
【月刊 染織α】創刊号-40号迄 【月刊 染織α】115-257号迄

各種全集叢書-内容見本


北九州.福岡.九州の歴史

ヨット.航海記.海洋文学

古銭研究書


メトロニュースn0.51-no.134


45年前の音源デジタル化!
音声ファイルへのリンク

 緊急企画 
『リメンバー・広島』 
1981年広島留学時の自作応援歌音源公開! 

ガッシー.スチュワートこと
山本雅史君追悼:
 追悼文へ➡

2022年1月26日逝去。葬儀は同1月30日家族葬にて執り行われました。まだ悲嘆と寂しさの只中におりますが.ここに深く哀悼の意を捧げます。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
『吉田隊長の後悔日誌』
MusicLife.映画や本の話.オリジナル曲.
八王子アドベンチャーズなど掲載の、
盛り沢山のブログ。
※店主の古い友人で共作した曲もココで聞けます

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

彷書月刊大量在庫有








幕間の小咄
鳥取砂丘-さくら貝の歌


【あとがき ほいほい】
「古楽夢」の補遺を集めました

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 再録 
山頭火俳句のパロディ




■古本乙女の日々是口実
カラサキアユミ

■本屋になりたい-この島の本を売る
宇田智子著.高野文子絵

■古書まみれ/中川道弘

atwiki時代の写真紀行のデータ発見-復刻掲載


北九州各地の「小さな旅」


◆フォト旅行記-(出不精店主の遠出編)
旧フォトアルバム-吉祥寺の藤
[ヤフーフォトに掲載していた組写真、ヤフーBOXに移換されました。]

昔の古書コラム。資料あちこちに分散していて、再録も進みませんが、ボチボチと。お付き合い下さい。

ご同業古書店リンク欄

唐津-西海洞書店ブログ
アクティブに各地を彷徨う古書店主の見聞録。

【''古書肆 l'archiviste-フェイスブック''】
店舗で古本市で大車輪の営業中!




 
 


 







北九州古書組合のページ 
↓前回の優良書市風景

◆組合加入のすすめ
◆古本エッセイ
◆御同業向け市場日程などなど

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