ミリタリ関係
「〇〇卿」という言葉を、イギリス貴族制度を模したファンタジー世界で使う場合の参考に、イギリスのルールについてまとめておきます。
卿はLordの訳とされています。Lordによく似た使われ方をする呼びかけにThe Honorableがありますので併せて解説します。
伯爵以上の爵位を受けると、少なくともひとつの従属称号を受けます。長男が生まれると「儀礼称号」としてこれを名乗ります。
公爵と侯爵の次男以下は、Lord △△(爵位名)と呼ばれます。同様に伯爵・子爵・男爵の次男以下は、The Honorable ×× (家名)と呼ばれます。
呼びかけとして、侯爵〜男爵は爵位名にLordをつけて呼びます。公爵の場合は目の前にいればYour Grace、その場にいなければHis Graceをつけます。
「〇〇卿」という言葉を、イギリス貴族制度を模したファンタジー世界で使う場合の参考に、イギリスのルールについてまとめておきます。
卿はLordの訳とされています。Lordによく似た使われ方をする呼びかけにThe Honorableがありますので併せて解説します。
伯爵以上の爵位を受けると、少なくともひとつの従属称号を受けます。長男が生まれると「儀礼称号」としてこれを名乗ります。
公爵と侯爵の次男以下は、Lord △△(爵位名)と呼ばれます。同様に伯爵・子爵・男爵の次男以下は、The Honorable ×× (家名)と呼ばれます。
- 例 初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーは、生まれたときは初代モーニントン伯爵の三男坊でしたから、The Honorable Arthur Wellesleyでした。初代モーニントン伯爵は二代目モーニントン男爵から1760年に陞爵(しょうしゃく)しましたが、同時に初代ウェルズリー子爵に任じられました。当然この子爵称号は、アーサーの長兄が名乗ったわけです。
呼びかけとして、侯爵〜男爵は爵位名にLordをつけて呼びます。公爵の場合は目の前にいればYour Grace、その場にいなければHis Graceをつけます。
- 例 モーニントン伯爵の話をするときはLord Mornington、公爵になってからのアーサー・ウェルズリーならHis Grace the Duke of Wellingtonとなります。
- 例 カーナーヴォン伯爵家は2度断絶して、3回目に創設されたカーナーヴォン伯爵家が続いています。1回目はアスコット子爵を同時に受け、ドーマー男爵の称号も保持しました。男系が絶えたので遺産は娘たちで分け、伯爵と子爵は断絶としてドーマー男爵は遠縁の人が継ぎました。2回目のシャンドス男爵は外征軍の会計を預かって巨万の富を築いた人で、もともとウィルトン准男爵位を持っていたものをウィルトン子爵に進め、次にカーナーヴォン伯爵の称号を受け、ついにはシャンドス公爵にまで進みました。公爵になったことでシャンドス男爵家は発展的解消になったようです。南海泡沫事件で家産が傾いたせいか2代目以降はぱっとせず3代で断絶しました。3回目の初代は伯爵の孫という血筋的には押しの弱い立場でしたが下院議員を12年務め、まずポーチェスター男爵となり、伯爵家創設後もそのまま従属称号として残しました。(第3回創設後)5代目がツタンカーメン王の墓を発掘したハワード・カーターを支援したことで知られています。
- 例「小公子」の原題はLittle Lord Fauntleroyです。セドリックのおじいさんはEarl of Dorincourt(ドリンコート伯爵)で、セドリックのお父さんはその三男坊でした。伯爵の長男と次男がなくなったので、セドリックが継承権第一位となりLord Fauntleroyとなったというのですが、おそらくこれはフォントルロイ子爵かフォントルロイ男爵の儀礼称号をドリンコート伯爵家が受け継いでいるのでしょう。セドリックのお父さんは息子と同名のCaptain Cedric Errolとだけ書かれており、まあ海軍大佐の年齢になって駆け落ち婚もしないでしょうから陸軍大尉でしょうが、母国にいるときはThe Honorable Cedric Errolと呼ばれることもあったでしょう。
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