ウクライナは早期から停戦交渉に(比較的)前向きであり、そこで提示していた条件は断片的に漏れ聞こえていたが、2022年11月頃には「10項目の平和原則」としてまとめられた。
https://www.parleypolicy.com/post/the-ukrainian-pe...
2023年5月の広島サミットにおいて、「ウクライナに関するG7首脳声明」に次のような記述が入った。
'>我々は、ロシアの部隊及び軍事装備の完全かつ無条件の撤退なくして公正な平和は実現されないことを強調する。これは和平を求めるあらゆる呼びかけに含まれなければならない。' 全文
https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/ua/page1_00...
ゼレンスキーの広島からのツイートでも、平和原則に言及しながら、そのことが確認された。
これにより、和平仲介で存在感を示そうとした中国は行く手をふさがれてしまった。
ゼレンスキーの21日夜の演説を読む限り、すでにポイントは「侵略からの原状復帰を求める全世界の団結」を普遍的な紛争解決の道筋として求め、その原則への支持をG7と世界に求めるところに移っているようである。全文
https://www.ukrinform.jp/rubric-ato/3712290-zerens... 原爆資料館を出てから、ゼレンスキーが演説草稿に手を入れる時間は極めて短かったから、演説草稿の中心部は修正されずに残っているはずで、それが原爆への言及がほとんどない演説後半なのであろう。
サミットからいくらも経たない5月27日、『「占領地」承認が終戦条件 中国代表と会談のロシア次官』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023052700385 など、ロシア外務次官の談話が報じられ、ロシアがこれと正反対のことを言い出したが、おそらくG7サミットではこうした主張を事前に織り込んでいたことであろう。WSJ 'Europe Rebuffs China’s Efforts to Split the West in Pushing Ukraine Cease-Fire'
https://www.wsj.com/articles/china-pushing-ukraine... は中国特使がこの線で欧州を説き回り、成果を得られなかったことを述べているようである。