時間を最重要視するなら、いの一番に大切なポイントはあまり大量の浣腸液を使ってはいけないということだ。だって結局出さないといけないのだから。急いでいる最中に最もしたくないこと、それはガスや固形物を直腸や結腸の奥へ奥へ押しやる事だ。テンパっているとき、逸る気持ちでなるたけ大量の浣腸液を腸内にどんどこ流し込むことは大変蠱惑的に思える。しかし、それではブツを後退させること確実だし、出すに出せないような便秘や腹痛を引き起こす。勇み足だ。「急がば回れ」でうまくやろう。ブツをおかしな方向へ押しやらぬよう、浣腸液を満たす間は起立するかあるいは背筋をまっすぐ。浣腸液が入るのを「助長する」体位や裏技は使わない事。もしすんなりと入ってこなかったり、飽満感や圧痛を催したなら、ガス乃至固形物に浣腸液が突っ張っていると知るべし。浣腸液が固形物を通り過ぎて行くのはセーフなのだが(どんぶらこ奥へ流されない限りは)、液がガスを行き過ぎるとまずい。蒸気閉塞vapor lockになる。そうなると、踏ん張ってる最中のどん詰まり感はすごいことになるのだがわたわたしつつも何にも出てこない。という訳で、圧痛感がガスポケット由来なのか固形物由来なのか分からない以上は、それがガスであると踏んでいかなければならない。 往来の妨げとなるガスポケットを結腸が逸らしてくれるのを待つような時間はないのだ。