▲ルジタニア王国の位置
最初にこの地にやってきた人種はルジタニ族と呼ばれている。インド・ヨーロッパ語族という事からピラネーより移動してきた可能性はある。紀元前5世紀の事と言われるが、未だ詳しく解っていない。ルジタニ族はカタルゴの傭兵として初めてティトス・リティウスの記述に出てくる。
ルジタニアは当初共和制の国家であったが、紀元前429年に王政に移行した。ルジタニアの首都であった古代遺跡メリアスからは神殿を初めとする建築物や多数の金細工などが発見されており、ルジタニアがかなり高度な水準の文明を築いていた事を証明している。また、金細工の交易はこの地域を経済的に潤わせた。
紀元前179年、ルシウス・ポスミウス・アルビウスがルジタニ族を撃破した功績(第一次ケルティベリア戦争)により凱旋式を敢行している。しかし紀元前155年にルジタニ族はジブラエタルまで南下したが、紀元前153年に同地でその年のプラエトルであったルキウス・ムミウスに敗れた。
セルウィウス・スルピキウス・ガルバンはルジタニ族と同盟を結ぶと騙してルジタニ族を破り、捕虜にした者を奴隷として売り払ったが、これがさらなる反乱を引き起こした(ルジタニア戦争)。その後、ユニウス・ブルートゥス・カッライクスが紀元前114年に勝利を挙げ、この頃までにルジタニアを含む現ザーティエラ領の大部分がローマ領となった。