ふたりの少女が、事務所の建物を見上げていた。
快活で人当たりのいい久川颯と、どこか不思議な
空気感を持った久川凪。アイドル見学ツアーへと
出発したふたりが初めて出会った先輩アイドルは、
小日向美穂だった。目に映るすべてに対照的な反応を
見せるチグハグな双子に、Pはひとつの道を示す。
快活で人当たりのいい久川颯と、どこか不思議な
空気感を持った久川凪。アイドル見学ツアーへと
出発したふたりが初めて出会った先輩アイドルは、
小日向美穂だった。目に映るすべてに対照的な反応を
見せるチグハグな双子に、Pはひとつの道を示す。
事務所 | |
颯 | ついに来たっ ! アイドル事務所 ! はーの時代、始まっちゃうなー ! |
凪 | また来ることになるとは。はーちゃんのオーディション以来です。 相変わらず、来るもの拒まず去る者おらずの門構えだな。 |
ふたりの少女が、事務所の建物を見上げている…… | |
選択肢 | (赤)声をかける |
颯 | あっ、ここの人ですよね ! おはようございます ! 今日からアイドルの、久川颯です ! |
颯 | はー……じゃなかった。 私、プロデューサーって人に呼ばれてきたんですけど、 どこにいけばいいかわかりますか? |
選択肢 | (赤)案内するよ |
颯 | やった ! ありがとうございまーすっ♪ |
凪 | ここがPの部屋。 アットホームな職場というやつですか。 職場(ホーム)。ということは。 |
選択肢 | (赤)名乗る |
P | というわけで、プロデューサーです。 ふたりとも、これから、よろしく。 |
颯 | ええ、そーいうやつ ! ? あ、そっか ! オーディションの時にいた人? うわー、ぜんっぜん気付かなかった ! ごめんなさいっ ! |
凪 | はーちゃんが衝撃の事実に気が付いたところで。 よろしくお願いします。なにを? |
選択肢 | (赤)デビューを告げる |
凪・颯 | でびゅー。 デビュー ! |
颯 | やったぁー ! ほんとにほんとに? ウソじゃないよね ! ? |
凪 | オーディションの日から、楽しみで楽しみで、 はーちゃんは1日あたり平均9時間しか眠れませんでしたね。 |
颯 | はーはさ、ファッションとか大好きだし ! 歌とかダンスなんかも、たぶんそのうちできるようになるし ! それに、先輩ウケもまぁまぁだと思う……たぶん? |
颯 | どんな売り出しかたでもいいよ ! 最初のお仕事はLIVE? テレビ? あ、それとも、握手会? なんでもいけるよ ! |
P | とりあえずは、デビューに前向きということで。 あとは、親御さんとの相談なんだけど……。 |
颯 | 親? いーよいーよ ! どうせいいって言うし ! っていうか、そーゆーの関係なくない? |
凪 | ……適切にやっていきましょう。いろいろと。 |
P | それなら、ご両親にはまた別途ご連絡をさせていただく、 ということにして……。ひとまず今日は……。 |
颯 | 芸能界デビュー ! |
選択肢 | (赤)事務所を案内する |
凪 | 芸能界の闇を暴くため、 一行は事務所の奥へと向かった……。 |
颯 | みてみてなー ! レッスンスタジオだ ! ここで特訓するんだよね ! ダンスとか、歌とか ! テレビで見たことあるよね? |
凪 | レッスンと特訓の違いとは? 気の持ちようですか。 |
颯 | え、すごいすごい ! これが撮影スタジオ? あそこで撮るの? はーもはやく撮ってほしーなー ! |
凪 | カメラマンがいません。 なら、いまはただの部屋ですね。 また来ましょう。 |
颯 | さすがアイドルが集まるカフェ ! メニューもなんだかお洒落……でもない ! 意外とふつー ! |
凪 | 凪はカフェラテを注文します。 支払いはPに。PPay。 |
凪 | ここは見覚えのある部屋ですね。 実家のような安心感です。ホームシックにはまだ早い。 |
颯 | ただいま ! あー、楽しかったぁ♪ アイドルの裏側、大潜入 ! ってかんじ ! |
P | そういえば、颯が気にしていたお仕事だけど……。 |
選択肢 | (赤)ふたりのユニットデビューだよ |
颯 | ユニット? はーとなーで。 そっかー、ふたりでユニット……そっかー ! ? てか、なーいつのまにオーディション受けてたの ! ? |
凪 | 土地の少ない東京では、そのような部屋が多いと聞きます。 トイレとお風呂は別が理想ですが、贅沢は言えません。 |
颯 | いやいや、それユニットバスとか言うヤツでしょ ! ? 違うし ! ぜんぜん違うし ! ふたりだよ ! ? |
P | じゃあ、最後にもう一か所、案内するよ。 |
選択肢 | (赤)ふたりを案内する |
凪 | ついに、物件案内ですか? これは期待が高まりますね。 |
女子寮 | |
颯 | わぁ…… ! ここにアイドルが住んでるの? やっば、超マル秘情報じゃん ! アイドルに会えまくっちゃう ! |
凪 | おぉ……本当に物件でしたね。 |
??? | あれ、プロデューサーさん。 それに……その子たちは……。 |
選択肢 | (赤)新人のアイドルだよ |
颯 | えっ、うわー、うわ、小日向美穂ちゃん ! 本物 ! ? 本物だーっ ! かわいいー ! |
美穂 | あははっ。ありがと。 初めまして、小日向美穂です。よろしくお願いしますね。 双子……なのかな? |
颯 | あっ、そうです、双子 ! 久川颯です ! こっちは、凪 ! よろしくお願いしますっ ! |
凪 | アイドル……想像していたよりも、普通の人ですね。 |
P | 女子寮のことをふたりに教えてくれる? |
美穂 | あぁ、わかりましたっ ! えっとですね、この寮では、私みたいに地方出身だったり 実家が遠くにあるアイドルたちが住んでいるんです。 |
美穂 | ひとり一部屋、みんなが同じ環境で暮らして、 食堂に集まってご飯を食べて、このリビングでおしゃべりをして。 アイドルみんなが、いろんな夢を見てる場所なんですよ。 |
美穂 | それに、なにか困ったことがあっても、 相談に乗ってくれる仲間が近くにたくさんいるから、 とっても心強いんです♪ |
颯 | わー、すごい ! アイドルたのしそーっ ! いーなーいーなー ! |
凪 | うむ。 あとは間取りですね。部屋は間取りです。 駅からの距離も大事ですが、やっぱり間取りです。 |
美穂 | 間取りは……えっと、ワンルームっていうか…… 1Kっていうのかな。独りで住むのにちょうどいいくらいだよ。 ふたりは今、実家に住んでるの? |
颯 | そう ! それで、これからアイドルになるところです ! |
美穂 | そうなんだ。 じゃあ、ここに遊びに来ることがあったら、よろしくね♪ アイドルの活動も、楽しんで ! |
凪・颯 | よろしくしてやってください。 よろしくお願いしまーすっ ! |
P | さて、じゃあそろそろ……。 |
選択肢 | (赤)ふたりを駅に送る |
凪 | 凪は楽しかったです。思いのほか。 芸能界の闇は、見つかりませんでしたが。 |
駅 | |
颯 | ん、ゆーこちゃんもすぐ来るって ! 送ってくれてありがと ! |
凪 | ゆーこちゃんは自覚がありませんね。 ママの役目を忘れてお買い物フィーバーとは。 |
颯 | ふぅー……はーたち、ホントにアイドルになるんだ。 プロデューサーさんもけっこう良い人そうだったし。 すごくない? ユニット、がんばろ ! |
凪 | 凪は困惑、いやワクワクしています。 まずは……ゆーこちゃんを説得しなければ。 |
地元、徳島。ふたりは、娘たちのアイドルデビューに
難色を示す母親に、春休みの間に結果を出すという
約束を取り付ける。徳島にしばしの別れを告げ、
東京へとたどり着くと、入り組んだ通路と人の多さに
翻弄されながら、力を合わせて事務所を目指す。
難色を示す母親に、春休みの間に結果を出すという
約束を取り付ける。徳島にしばしの別れを告げ、
東京へとたどり着くと、入り組んだ通路と人の多さに
翻弄されながら、力を合わせて事務所を目指す。
数日後…… | |
颯 | ってかんじでさ〜、 レッスンしなきゃだし、お仕事も向こうがほとんどだし、 アイドルになるには、東京にいかなきゃなんだって ! |
凪 | 行ったり来たり、もしくは来たり行ったりしますか。 |
颯 | 地元から通いでどうにかなる感じじゃないんだよね。 だから、ゆーこちゃん、お願い ! |
久川母 | うーん……困ったなぁ。 どうしよっかー。 |
久川母 | まさか本当に受かるなんて思ってなかったもん。 パパもママもそう何度も付き合っていってあげられないし、 簡単には引っ越すわけにもねぇ……。 |
颯 | もー、ゆーこちゃんはわかってないなー ! 受かるに決まってるじゃん ! 将来のトップアイドルだよ ! |
凪 | 近くの他人はしょせん他人。 旅は道連れ世は情け。 東京の叔母さんを頼ってみては。 |
久川母 | あー、そうね。東京に住んでるものね。 数日くらいなら大丈夫かなぁ。 |
久川母 | でも、そんなにいきなり……ねぇ? 芸能界だって、厳しい場所だって聞くし……。 |
颯 | 心配性すぎるよゆーこちゃん ! だいじょうぶだって ! ヤバくなったら……ほら、ちゃんと相談するし ! |
颯 | それにさぁ、大チャンスじゃない? はーとなーでユニットデビューして、超売れちゃってさ、 テレビとかバンバンでちゃうかもなんだよ? |
颯 | いくっきゃなくない ! ? だからねー、お願いお願いお願〜い ! |
久川母 | そうねー……颯はいいとして、凪もやりたかったの? アイドルになりたいなんて初耳なんだけど。 |
凪 | 凪ははーちゃんひとりだと心配なので。 いくとき。いくなら。いくべき。 |
颯 | ほらほら、なーもこんなにやりたいって言ってるし ! 一生のお願い ! ね ! ? |
久川母 | ……仕方ないなぁ。 わかった。その代わり、条件をつけるからね。 |
久川母 | 今は春休みに入ったところだから、 この休みいっぱいなら、好きにしていいよ。 叔母さんには話しておいてあげるから。 |
久川母 | それで、春休みが終わるときに、 大丈夫だって思えたら、 そのまま続けてもいい。これでどう? |
凪 | 勝ったな。 |
久川母 | ママも、あなたたちがアイドルになるのを 邪魔したいわけじゃないから。 でも、心配するのは親の仕事なの。 |
颯 | もー……わかった、それでいーよ ! 可愛い娘のことだもんね、仕方ないっ ! |
凪 | ゆーこちゃんは押しに弱い。 凪たちは知っています。娘なので。 |
さらに数日後…… | |
颯 | 徳島の景色も、これでさよならかぁ……。 はーは、やるぞーっ ! |
凪 | なーも、やります。 |
久川母 | ……ふたりとも、いい? 怖い人にはついていかないで、周りの人には礼儀正しく、 約束は守って、それから……。 |
凪 | ゆーこちゃん。着いたら、連絡しますよ。 |
颯 | ちょーキラキラのアイドルになって、 ゆーこちゃんもLIVEに呼んだげるからね ! |
久川母 | ……いってらっしゃい。 身体に気を付けて、ふたりで仲良くね。 |
凪・颯 | いってきます。 いってきますっ♪ |
東京 | |
凪 | はーちゃん。東京に着いてしまいましたよ。 |
颯 | すごくない? なーとはーのふたりでも、何とかなるもんだね ! |
凪 | ここから、ふたりでいきましょう。 |
颯 | ユニットだもんね ! よーし、始業式までに成果を出して、アイドルになる ! うん、やるぞーっ ! |
凪 | おー。 |
颯 | まずは、事務所にたどり着かなくちゃ ! 東京、人多すぎだし ! |
凪 | こんなこともあろうかと、 山手線ゲームの練習をしてきましたよ。 |
颯 | そんなん参考になんないよ ! とりあえずあっち行ってみよ? |
颯 | あれ、こっちじゃなかったかも。 おっかしーなー……。 |
凪 | はーちゃんはときにあんまり考えずに行動しますね。 |
颯 | そーゆーこといわないでよー ! |
颯 | 駅の中で迷うってどういうこと……? あのお土産屋さん、さっき見なかった? |
凪 | ネットの地図によれば、 このあたりに階段があるはずなのですが……。 |
颯 | いや階段いっぱいあるし? ……あ、もしかしてあそこかも ! |
渋谷 | |
颯 | 渋谷、着いたー ! もう着いたようなもんじゃない? |
数分後 | |
凪 | 着いてませんね。 どこからでたらよいものやら。 |
颯 | てゆーか人、多すぎじゃない? 荷物潰れちゃってないかなー。 |
凪 | これで満員電車じゃないというのだから恐ろしい……。 |
事務所 | |
颯 | やっとついたぁ……ほんと、もうクタクタ……。 |
凪 | 着いた記念に、ゆーこちゃんに送る写真を撮りましょう。 映えてください。 |
颯 | そんな無茶言うなし ! でもこれがアイドルの第一歩 ! はやくPちゃんに会いにいこう ! |
颯 | おはようございまーすっ ! ! |
凪 | 残念、誰もいなかった。 |
颯 | ……えっ? |
颯 | ど、どーしよっ ! このパターンは考えてなかったっ ! ? |
Pの居ない事務所で途方に暮れる凪と颯。
偶然現れた宮本フレデリカに連れられ、再び事務所を
探検することに。フレデリカの撮影現場を見学し、
彼女の厚意で撮影を体験する中で、
アイドルというものをより深く知っていくふたり。
アイドルになる未来が、現実味を帯びていく――。
偶然現れた宮本フレデリカに連れられ、再び事務所を
探検することに。フレデリカの撮影現場を見学し、
彼女の厚意で撮影を体験する中で、
アイドルというものをより深く知っていくふたり。
アイドルになる未来が、現実味を帯びていく――。
颯 | えー、どうしよ。 なー、どうする? |
凪 | 待つしかないでしょう。 凪は読書で時間を潰すので、はーちゃんは存分に 踊りでも、歌でも。 |
颯 | いやいや、ただでさえ不審者っぽいのに、 こんなとこで歌って踊ってたらヤバいやつじゃん ! |
フレデリカ | フンフンフフーン♪ フンフフーン♪ |
颯 | なんか歌ってる人きたー ! ? |
フレデリカ | ななななにやつっ ! ええい、手を上げろ ! そして下げろ ! 右手上げないで、左手下げない ! さもなくば、バキューンバキューン ! ! |
颯 | ええっ ! ? え、え、右手上げないで、左手っ ! ? |
凪 | たかが銃弾程度で凪を貫こうとは。 凪を倒したければ、豆腐の角でももってくることですね。 |
フレデリカ | くっ ! 冷蔵庫のプリンはあげないぞっ ! |
凪 | なかなかやりますね。 インターネットレスバトルで無敗を誇る凪に即レスとは。 |
フレデリカ | うふふ♪ 面白い子だねー♪ アタシは宮本のフレちゃん ! おふたりはだぁれ? |
凪 | 凪です。 |
颯 | 久川颯 ! 新人アイドルです ! フレデリカさん、テレビでよく見てます ! お会いできて嬉しいですっ ! |
フレデリカ | 新人ちゃんかー、なるほど♪ よろしく、久川颯ちゃん、ネギちゃん ! |
凪 | ネギ。 |
フレデリカ | それで、ふたりはプロデューサーにご用事? |
颯 | はいっ ! これからお世話になるんです。 けど、来てみたらいなくって ! |
フレデリカ | おお〜。じゃあ、連絡してみよっか〜。 |
フレデリカ | う〜ん、お返事こないねー。 いつもなら連絡返してくれるんだけど。 打ち合わせ中かな? 探しにいってみよっか ! |
颯 | いいんですか? |
フレデリカ | おっけーおっけー♪ フレちゃんの後についてきなさーい♪ |
フレデリカ | プロデューサーを探せ ! フレちゃん事務所ツアー♪ こちらは衣裳部屋でーす。 女の子の服が大好きなプロデューサーは……いないっ ! |
颯 | わぁ〜っ ! めちゃくちゃいろんな衣装があるっ ! これを着て舞台に立つんだよね ! すっごいなぁ…… ! |
凪 | このスカートは……見えないのでしょうか。 見せるのか。見せちゃう方のやつかー。 |
フレデリカ | お次は新館の食堂 ! 旧館にはないんだよね。 ちなみに食堂は寮にもあるけど、 こっちはスタッフさんがたくさんいまーす♪ |
颯 | 学校の食堂より豪華だ ! すごーい ! |
凪 | 今週のA定食はからあげ、B定食は鯖塩焼き、 カレーにうどんそばラーメンと…… チキンサラダのローカーボメニューまである。やるな。 |
フレデリカ | こちらは中庭〜。 アイドルたちが語らう場所だね。 見た感じプロデューサーらしき人はいないみたい ! |
颯 | なんか、余裕あるなー。 天気がよかったらここでランチしてもいいかも ! |
フレデリカ | さ〜て、お次の行先は〜? ……って、おっとっと。 |
凪 | ん? |
フレデリカ | ごめんね、おふたりさん ! そろそろ撮影にいかなきゃ。 ……あ、そうだ。良かったら、一緒に来る? |
颯 | いいんですか ! ? 行きたいですっ ! なーも行きたいでしょ? 行きたいって ! |
凪 | 凪もいきたい、とはーちゃんが言っています。 |
フレデリカ | じゃあ、いこっかー。 プロデューサーは見つからなかったけど、 連絡いれておこー。 |
颯 | はーたち、ここにいていいのかな? メイクしてくるって言ってたけど、まだかな? アイドルのお仕事を生で見るなんて、すごくない? |
凪 | さっきまで喋っていたフレちゃんは アイドル感ありませんでしたが、どうでしょうね。 そしてPがいないのも、いいのか。 |
フレデリカ | 大丈夫だよー。 フレちゃん、ひとりでもできちゃうタイプだもん。 |
フレデリカ | メイクも終わって、アイドルモード♪ じゃ、いってくるね〜。 |
カメラマン | はーい、フレちゃん、じゃあ、打ち合わせ通り カッコいい感じでいってみよっかー。 |
フレデリカ | うん。いいよ。任せて。 |
颯 | わっ、すごっ ! カッコよくって言われたら、カッコよくなった ! え、そんな表情できんの? うわぁ〜、プロ〜 ! |
凪 | さっきまでは、フレちゃんさんだったのに。 メイクの力、すごい。 |
フレデリカ | そーだ、ふたりもちょっとだけ撮ってもらう? 観てるだけじゃ、つまんないよね? |
颯 | えっ、いいんですか? だって、フレデリカさんの撮影じゃ……。 |
フレデリカ | いーのいーの、今日は本番じゃないから♪ あのね〜、実は今日、 フレちゃんのお友だちが来てるんだけど〜。 |
フレデリカ | ちょっとだけ、撮ってもらえない? おねがーい♪ おっけー? だよねー♪ ふたりとも、おいでー♪ |
颯 | ひ、久川颯ですっ ! アイドル……見習い? みたいなかんじですっ ! よろしくお願いします ! |
カメラマン | よーし、じゃあ撮っていくね ! まずは……そうだね、肩の力を抜いて、 リラックスしようかー。 |
颯 | り、リラックス ! はいっ ! |
カメラマン | おっと、余計に力入っちゃったかー。 まぁいいや、撮るねー。笑ってー。 |
颯 | はいっ。 え、えへへ♪ ……ど、どうですか? |
カメラマン | んーんー、初々しいねー。 |
颯 | えー、アイドルっぽくないですか? おっかしいなー……。 |
颯 | めっちゃ緊張したぁ。 はー、けっこう撮られ慣れてるんだけどなー。 |
カメラマン | みんな最初はこんなもんだよ ! さ、お次は……。 |
凪 | 久川凪です。 |
凪 | 見せつけてやります。 はーちゃんとは違う、凪スマイルを。 |
カメラマン | 凪ちゃん、笑ってない ! 表情変わってないよ ! えーと、ポーズ変えてみよっか ! 棒立ちじゃなくて、可愛らしく……。 |
凪 | りょ。凪は1/1可動式です。 ポーズも完璧ですよ。 |
カメラマン | 凪ちゃん、変わってない ! 棒立ちだよっ ! |
颯 | なー、いつもよりふざけてた? あ、もしかして、なーも緊張してたとか? |
凪 | カメラ機材に興味を取られました。 凪も、もっといいレンズが欲しいですね。 |
颯と凪が、緊張しつつ撮られている…… | |
フレデリカ | 楽しそうだね ! ふたりも、プロデューサーも♪ |
P | まったくだね。 |
凪・颯 | 今日はありがとうございました。 今日は、ありがとうございましたっ ! |
フレデリカ | うんうん ! おふたりさんも、これから頑張ってね ! じゃあ、ばいばーい♪ |
選択肢 | (赤)お疲れさま |
P | 今日はお疲れさま。楽しめた? ご親族の家まで送っていくよ。 |
凪 | なかなかエンジョイできましたね。 疲れて……眠いです。 |
颯 | それで、フレデリカちゃん、すごかったー ! オーラっていうか? 優しくて面白い人だったのに、カッコよくて ! ね ! |
凪 | いろいろなことがありました。 今日は、とても。いろいろ……。 |
颯 | ねー ! はーたちも、あんな風になれるのかな? ううん、なるんだよね、なりたいなぁ……。 |
選択肢 | (赤)ふたりとも? |
颯 | すごい……アイドルに……。 |
凪 | なる……ます……。 |
ふたりは眠ってしまったようだ…… | |
選択肢 | (赤)お疲れさま |
P | 本当にお疲れさま。これから、頑張っていこう。 |
凪と颯のユニットデビューに向けて大きく動き始めた
ふたりの世界。楽曲に衣装にと、着々と進む準備の
なかで、特別講師の乙倉悠貴からレッスンを受け、
夕食の場ではアイドルらしい振る舞いを目撃する。
食事を終え、Pがふたりを宿泊先へ送ろうとするも、
凪はそれを断って……。
ふたりの世界。楽曲に衣装にと、着々と進む準備の
なかで、特別講師の乙倉悠貴からレッスンを受け、
夕食の場ではアイドルらしい振る舞いを目撃する。
食事を終え、Pがふたりを宿泊先へ送ろうとするも、
凪はそれを断って……。
事務所 | |
P | さて。いよいよ、本格的にやっていくよ。 |
凪・颯 | おー。 おーっ ! |
収録スタジオ | |
作曲家 | ふたりが、今回の新人アイドル? |
颯 | はいっ ! 久川颯です、よろしくお願いします ! |
凪 | 久川凪です。 |
作曲家 | 双子ちゃんか。よろしくね。 ふたりは、曲に何か希望はありますか? |
颯 | 可愛くて、カッコイイのがいいです ! それで、超売れるヤツ ! キャッチーで、ポップで、アイドルしてる曲 ! |
凪 | んー、なんでも。べつにいいんじゃないですかね。 だって。 |
作曲家 | だって? |
凪 | 面白い人が歌えば、なんでも面白い。そういうものです。 |
作曲家 | はっはっは ! なるほど、面白いね ! 双子だけど、性格はバラバラなわけだ ! うん、キミたちの曲を創ろう ! |
P | よろしくお願いします。 |
衣装部屋 | |
スタッフ | アイドルは衣装を着ないとね。 今日は衣装を作るための採寸をします。 では、ひとりずつ測っていきますね。 |
P | 外で待っているよ。 |
スタッフ | じゃあ、まずは颯ちゃんから……。 |
颯 | ちゃんと測ってね ! はーたちは双子だけど、スタイルは違うから ! はーのほうがスタイル良いし ! |
スタッフ | はーい。腕の長さ測るので、伸ばしてくださいね。 次はこっち。そう、伸ばしてね。 ……はい、おっけーです。次は凪ちゃん。どうぞ。 |
凪 | のびー……。 |
スタッフ | ……たしかに、少しずつ数字が違いますね。 衣装はきちんと合わせますので、ご心配なく。 |
凪 | 入れ替わりトリックが難しくなってしまいましたね。 |
スタッフ | ふふっ、そうですね。 おふたりとも随分とオシャレだけど、 ファッションにこだわりはありますか? |
凪 | 凪はゆーこちゃん譲りのオリジナリティハイセンスですが、 ときにははーちゃんの着せ替え人形です。 はーちゃんの気まぐれメニュー。注文の多いシェフです。 |
颯 | はーはこだわり派だよ ! 可愛いのがいーけど、甘すぎて媚びになるのは違うし ! 今日はガーリーだけど、似合うのはなんでも着るし ! |
スタッフ | なるほど。じゃあ、着てみたい衣装とかもあります? |
颯 | そうだなー。ちょっと肌出すのとかいいよね ! 地元だとチョーシ乗ってるかんじになっちゃうけど、 せっかく東京で、アイドルなんだしっ ! |
颯 | あ、でも、なーと一緒なら可愛いほうがいーかなー? |
凪 | あまり露出が激しいと、ゆーこちゃんに怒られますよ。 JCに許される服でやっていきましょう。 |
颯 | そーだね ! あとはー的には、小物もこだわりたいんだよねー。 たとえばさー……。 |
レッスンルーム | |
悠貴 | おはようございますっ ! 特別講師の乙倉悠貴ですっ ! 颯さん、凪さん、よろしくお願いします ! |
颯 | 乙倉悠貴ちゃんだーっ ! うっわぁ、背ぇ高っ ! 細っ ! 顔ちっちゃ ! |
選択肢 | (赤)先輩アイドルだよ |
颯 | あっ、そっか…… ! 失礼でした……ごめんなさい。悠貴ちゃん。 |
悠貴 | い、いえいえっ ! そんなっ ! 大丈夫です ! 普段はトレーナーさんがレッスンしてくださるんですけど、 今日は私から、いろいろと教えさせてもらいますねっ ! |
凪 | 先輩アイドルとの異文化交流、始まります。 |
悠貴 | っと……基礎のステップはこんな感じです ! ってことで、早速やってみましょう ! |
颯 | すっご、悠貴ちゃんって、たしかはーより年下だよね…… よーし、はーも負けてらんないっ ! やるぞーっ ! |
凪 | 腕がこうで、腰が……わかりませんねこれは。 |
悠貴 | ちょっと難しかったですか? はい、ドリンクありますよっ ! 水分補給、きちんとしてくださいねっ ! |
颯 | はーはこんなへとへとなのに…… 悠貴ちゃん、全然元気じゃん……すっごぉ……。 |
悠貴 | 余分な動きが減ると、体力を使わなくなりますよっ。 それに、もうだいぶできるようになったじゃないですか ! すごいですよっ ! |
凪 | はぁ……ふぅ……もう一回……。 |
レッスン終了後 | |
颯 | ああー……ジュースが沁みるぅ〜〜。 |
P | レッスンも終わりだし、そろそろ夕食にしようか。 |
颯 | はいはい ! はー、お肉が食べたいっ ! それか、中華もいいなっ ! デザートも食べたい ! |
凪 | ファミレス一択ですね。 ご一緒に、どうぞ。 |
悠貴 | わ、私もいいんですかっ ! ありがとうございますっ♪ |
みんなで夕食にいくことになった…… | |
ファミレス | |
颯 | 悠貴ちゃんに聞きたいんだけどっ、 どんな気持ちでアイドルやってるの? |
悠貴 | 私を応援してくれる人に、楽しんでもらいたいって気持ちですっ。 そして、自分もムリせず楽しむことっ ! あと大事なのは、ちょっとのミスではへこまないこと ! |
悠貴 | なーんて。 私もまだまだ、偉そうに言えるほどじゃないんですけどっ ! もっともっと、キラキラ可愛いアイドルになりたいですっ。 |
凪 | 楽しむ。楽しませる。 |
颯 | へこまないのなら、はーも得意 ! |
悠貴 | あんまり心配しなくても、大丈夫だよ ! 努力を続ける心があれば、あとはプロデューサーさんが、 助けてくれますからっ♪ |
??? | あのー、すみません……。 乙倉悠貴さん、ですよね……? |
悠貴 | はいっ? |
ファン | やっぱり ! ホンモノだっ ! わぁ…… ! あの、あの、ファンでっ ! サインいただけませんかっ ! |
悠貴 | あっ、ありがとうございますっ。 えーっと、じゃあ、サインだけっ。 これでっ、どうぞ♪ |
ファン | わぁ、わぁっ……やったぁ♪ ありがとうございますっ ! 家宝にしますっ ! |
悠貴 | こちらこそ、ありがとうございますっ。 これからも、応援よろしくお願いしますねっ♪ |
ファン | はいっ ! お邪魔しましたっ ! |
颯 | はぁー……アイドルー……。 |
凪 | アイドル……。 |
悠貴 | へ? どうかしましたか? さぁ、冷めないうちに食べましょうっ ! |
悠貴 | では、私はこれで失礼しますねっ ! ふたりとも、また事務所で♪ |
P | さて…… |
P | ふたりをご親族の家へ送るよ。 |
凪 | …………。 |
颯 | ん……? なー? どうしたの? |
凪 | いえ、帰りません。決めました。 凪は、女子寮に住みます。 |
P | ……え? |
颯 | ええーーーーっ ! ? |
突如、寮に住むと宣言した凪。凪と離れて寝起き
することに違和感を覚える颯だったが、それも
アイドルには必要なことだと美穂に諭される。
別々に一夜を明かし、互いの存在を再認識した
ふたり。翌朝、そんなふたりの様子を見たPは、
予定を変更し、ふたりを街に連れ出すのだった。
することに違和感を覚える颯だったが、それも
アイドルには必要なことだと美穂に諭される。
別々に一夜を明かし、互いの存在を再認識した
ふたり。翌朝、そんなふたりの様子を見たPは、
予定を変更し、ふたりを街に連れ出すのだった。
凪 | 凪は女子寮に住みます。 いいですね。 |
選択肢 | (赤)どうして? |
凪 | 山があります。 Pはそこに山があるとき、登りませんか? |
選択肢 | (赤)それは…… |
P | それは親族のかたも心配するだろうし……。 |
颯 | Pちゃん、ムダムダ。 このモードに入ったなーは絶対言うこと聞かないよ。 はーにはわかるんだよね。 |
颯 | はーのお小遣い犠牲にしてカメラ買ったときも こんな感じだったもん。懐かしいなー。 このままだと、明日になってもこのまんまここにいるよ。 |
凪 | ここは、はーちゃんの言葉に従ってあげてください。 悪い子じゃないんです。 |
選択肢 | (赤)……わかったよ |
女子寮 | |
P | はい、こちらで責任をもって預からせていただきますので、 どうぞよろしくお願いします……。 |
颯 | 連絡ありがと、Pちゃん。 びっくりしたけど、一晩だけだし、まぁ大丈夫だよ。 |
凪 | よくやった。凪は労っています。 やはり、ここはいい。 |
美穂 | あれ? プロデューサーさん……それに、颯ちゃん、凪ちゃん? また、どうしたんですか? こんな遅くに、また見学。 |
凪 | 凪はここに城を構えることにしました。 職場がアットホームです。 |
P | 一晩、ふたりを寮に泊めることになってね。 |
美穂 | わかりました ! そういうことなら、空き部屋はいくつかありますし、 そこに入ってもらえばいいのかな。 |
美穂 | 今日は他に誰も泊まりに来てないから、 ひとり一部屋ずつ使えると思いますよ。 |
颯 | えっ、ひとり一部屋? |
凪 | おぉ……夢のマイホームならぬ、マイルーム……。 |
颯 | いや、でもさ、別に……。 |
選択肢 | (赤)颯、どうかした? |
颯 | ……んーん、なんでもない。 だいじょーぶ。 |
美穂 | なにか心配なら、教えて? 助け合いが女子寮の良いところだから。 |
颯 | いや、大丈夫だって。ほんとに。ぜんぜん。 |
美穂 | そーお? |
凪 | 凪は大丈夫ですよ。はーちゃん。 |
颯 | んー……。 |
美穂 | ……? |
颯 | なんか、なーと離れて寝るのって、よくわかんなくて。 これまで、ずっと同じ部屋だったし……。 その、いきなりだから、なんてゆーか……。 |
美穂 | うん、わかるよ、その気持ち……。 私に姉妹はいないけど…… ひとりでここに来た初めての夜は、寂しかったなぁ……。 |
美穂 | ここに来るときは、みんな独りなの。 私も寂しかったけど、いまではそれも、 大事なことなんだと思う。 |
美穂 | ここでは、みんな独りから始まって、 友だちを見つけて、ライバルになって、 仲間になっていくの。だから……。 |
颯 | うん……わかった。 ってゆーか、なーも、寂しくなっても知らないからね ! |
P | 大丈夫そうだね。 |
美穂 | はい ! あとは私たちに任せてください ! |
選択肢 | (赤)おやすみ |
凪・颯 | おやすみなさい。 おやすみ ! |
凪 | ……おひとりさまになりたいのは、ふたりだから。 ずっといっしょにいましたね。 |
凪 | でも、凪は自分の場所がほしい。 ……はーちゃん、やっていきましょう。 |
颯 | なーがいないって、なんか、ヘンな感じ……。 ……ゆーこちゃんは、どうしてるだろ。 寂しくて泣いちゃってないかな。パパもいるし大丈夫かな。 |
颯 | こうやって、アイドルになるんだ……。 だったら、はーも頑張らなきゃ……。 アイドルになるんだもん……。 |
翌朝…… | |
颯 | はい、苺ジャム。 なーの今日の気分はこれ、でしょ? |
凪 | さすが、凪検定1級のはーちゃんです。 よくわかっていますね。 |
選択肢 | (赤)おはよう |
P | おはよう。 なんだか、昨日までより仲が良いような? |
颯 | はーたちはいつも仲いーし ! で、今日は何するの? 成果? っていうの出さなきゃなんだけど ! |
ふたりは、互いのことを気にかけているようだ…… | |
選択肢 | (赤)今日はオフにしようか |
凪 | 始まったばかりなのに、オフになってしまった。 |
原宿 | |
颯 | きたきたーっ ! ここが原宿 ! ? すっごい人 ! お店 ! ほらほら、Pちゃん、なー、早く ! おいてくよ ! |
凪 | 情報が多い。凪はいま、東京を見せつけられています。 あとはーちゃんが地元で見たことないほど生き生きしているな。 |
颯 | クレープあるよクレープ ! ホントにお店で売ってる ! 種類めっちゃある ! |
凪 | これははんぶんこの流れですね。わかりみです。 はーちゃんはイチゴを選んで、凪もイチゴを選ぶやつです。 |
颯 | 見て見て、かわいくない? なー、イチゴ以外選んでっ ! |
颯 | 服屋さんにこんな服あるなんてすごくない? えー、えー、どれにしよ? ほんとに買ってくれるんだよね? とりあえず、これとこれと……なーはこれ着てみて ! |
凪 | 凪はいま、全力でマネキンをしています。 何ごとも全力なのが売り。だけど値段は、プライスレス。 |
颯 | 買った ! 遊んだ ! ちょー楽しかった ! |
颯 | ねーねー、Pちゃん、写真撮って ! 新しい服、ゆーこちゃんに自慢すんの ! |
凪 | 映えの聖地で、カメラを託します。 この意味がわかりますか? どういうことだ。 |
じゃあ、撮るよ | |
颯 | どう? 撮れた? サイコーじゃない? |
凪 | JCに合法的にかわいいと言えるチャンスですよ。 いまだけは、通報しないでおいてあげます。 |
選択肢 | (赤)いい顔をしてる |
P | とても楽しそうだ。颯も、凪も、ふたりともいい顔をしてる。 |
颯 | そりゃそうでしょ ! だって、はーとなーは……。 |
凪・颯 | バディなので。 バディだもんねっ ! |
寮での生活もすっかり慣れた凪と颯。レコーディング
にMV撮影にと、気持ちは浮き立ちながらも、
ふたりはいつの間にかアイドルになっていた。
そうしてやってきた、デビューイベント。緊張が
ピークに達したとき、凪と颯は手を取り笑い合う。
ふたりなら大丈夫。なぜなら、颯と凪は――。
にMV撮影にと、気持ちは浮き立ちながらも、
ふたりはいつの間にかアイドルになっていた。
そうしてやってきた、デビューイベント。緊張が
ピークに達したとき、凪と颯は手を取り笑い合う。
ふたりなら大丈夫。なぜなら、颯と凪は――。
美穂 | これはね、卯月ちゃん、響子ちゃんと一緒にLIVEしたとき ! 楽しかったなー♪ |
凪 | 響子さん……たしか、食堂のお姉さん。 お料理が美味しい。覚えました。 |
颯 | なー、失礼すぎ。 もうちょっと頑張って人の名前覚えよ? 最低でも、同じ事務所のアイドルとスタッフさんはさ。 |
美穂 | ふふっ。 ふたりとも、この何日かですっかりここに馴染んだよね。 ひとりで寝るのも、もう慣れた? |
颯 | ちょ、それは言わないで ! ま……でも、馴染めたのは美穂さんたちのおかげだし。 その、ありがとうございます。 |
凪 | いま、はーちゃんの貴重なデレシーンでしたね。 この匂いをかぎつけて、やってくるはず。 |
選択肢 | (赤)迎えにきたよ |
凪・颯 | おはようございます。 おはようございますっ ! |
歌録り | |
颯 | チグハグなんだ ! |
ディレクター | いいよいいよ ! もっと楽しく歌っていこう ! |
凪 | タワシは流しへ、へ、へ、へ、へ♪ |
颯 | なーがリズムに乗ってるの、めっちゃウケる ! |
ディレクター | オッケー ! いいと思いますよ、プロデューサーさん ! |
選択肢 | (赤)よいと思います |
颯 | えっと……? オッケー? 歌、完成ってこと……? |
凪 | ……これが、お店に並びますか? |
選択肢 | (赤)頑張ったね |
颯 | 頑張った? なんか……緊張して、歌ってたら、終わっちゃった。 あ、いや、頑張ったよ ! でも……? なんか、成果とか、結果とか、でた? |
凪 | どうにも、ふわふわしています。 これで、いいかは……わからない。 |
ディレクター | いいものになったよ ! 楽しくて、元気で、かわいくて、だけどちょっと不思議な、 キミたちの歌だ ! お疲れさま ! |
颯 | そ、そうかな。ま、そうだよね。 はーはなんでもできるもん ! えへへ……♪ |
凪 | もしや、凪はいま、不労所得を手にしてしまったのでは? いや、働いた……。 この歌が売れれば、アイドルを続けられる……。 |
MV撮影 | |
監督 | うん、とりあえず、ふたりで遊んでるカットから。 イマドキの女の子らしく、元気に頼むよ ! |
颯 | イマドキっぽく? えっと、どーしよ、わーい ! とか……? |
凪 | いえーい ! わーお ! ……努力が必要ですね。 |
選択肢 | (赤)アドバイス |
P | アドバイスが必要かな。 カメラは気にしなくていいから、 原宿で遊んだときを思い出して。 |
凪 | 原宿の……。 |
颯 | ときみたいに……。 |
凪 | では、とりあえず……はーちゃん。 MV撮影記念ということで。ふたりで自撮りますか。 |
颯 | えっ? 自撮り? 撮影中に撮影ってわけわかんなくない? |
凪 | はーちゃんお得意の変顔の出番ですよ。本邦初公開。 カメラは気にしなくていいと言ったPに、 発言を後悔させてやりましょう。 |
颯 | 変顔とか別に得意じゃ…… |
凪 | ふん ! |
颯 | ぷっ。なにその顔 ! あ、あはは ! なー、不意打ちはズルいって ! |
監督 | おっ。いい顔が出始めたね。 まだちょっとぎこちないけど……初心さも強みかな。 よし、撮っていこう。 |
監督 | よし、オーケー。 ふたりとも、おつかれ ! |
颯 | あれ……? 終わり? ダンスとかちょこっと撮ったけど…… ほとんどはーたちふたりで遊んでただけじゃない? |
カメラマン | 楽しい映像がいっぱい撮れたよ ! お疲れさまでした ! |
凪 | ……凪たちは、これでよいのですね。 よくわかりません。 |
選択肢 | (赤)お疲れさまよかったよ |
凪 | こうやって、労われるのであれば、 つまり、仕事をしたということでしょうか。 |
颯 | はーたち、アイドルになりたくて頑張ってたけど…… いつから本当のアイドルなのかな? |
選択肢 | (赤)もうアイドルだよ |
P | スタッフみんなは、ふたりを見て、楽しそうにしていた。 誰かを笑顔にできたなら、もうアイドルだよ。 |
颯 | もうアイドル ! ? そっか。そっかー……はーたち、アイドルかぁー♪ |
凪 | いつのまにか、なれてしまった。アイドル。 |
選択肢 | (赤)ユニットでもある |
P | アイドルとして、補い合って、高め合える。 ふたりは双子なだけじゃない。 もう、立派なアイドルユニットだ。 |
颯 | アイドルユニット…… ! 双子の颯と凪じゃない……? |
凪 | アイドルのはーちゃんと、 アイドルの凪ですね。 |
選択肢 | (赤)次は、ステージだ |
凪・颯 | はい。 うんっ ! |
デビューイベント当日 | |
颯 | ヤバい、心臓ばっくばく。 緊張もだけど、テンションおかしいかも。 今日のストアイベント、大丈夫かな。ヤバくない? |
凪 | はーちゃんがバグってますね。 凪も……わかりません。 |
颯 | お客さん、いる? いない? いなくて失敗したらヤバいよね。 でも、こっから、アイドルユニットになるんだよね。 |
凪 | ……はーちゃん。 |
凪 | 手を……。 |
颯 | ……うん。 |
凪 | はーちゃんは、ひとりじゃありません。 |
颯 | うん……はーたちなら、大丈夫、だよね。 |
選択肢 | (赤)ふたりは面白いね |
P | ふたりは似ているわけじゃない。でも、面白い。 心の中は、鏡写しみたいだ。 |
凪 | 当然です。 なぜなら、凪たちは……。 |
凪・颯 | 双子なので。 双子だからね ! |
選択肢 | (赤)いっておいで |
颯 | うん ! |
凪 | いってきます。 |
颯 | 初めまして ! 久川颯です ! |
凪 | 久川凪です。 ふたりで……。 |
凪・颯 | miroirです ! |
デビューした凪と颯へ、もう後輩ではなく
仲間でライバルだと歓迎するアイドルたち。
ふたりの道は同じ道ではない。それでも歩いていく。
互いの姿を、自分を映す鏡として…。
アイドルになる前、少女たちが見ていた東京の景色は
一変し、頭上には桜の花びらが舞っていた。
仲間でライバルだと歓迎するアイドルたち。
ふたりの道は同じ道ではない。それでも歩いていく。
互いの姿を、自分を映す鏡として…。
アイドルになる前、少女たちが見ていた東京の景色は
一変し、頭上には桜の花びらが舞っていた。
デビューから数日後 | |
凪・颯 | おはようございます。 おはようございまーす ! |
フレデリカ | おー、その声は ! 颯ちゃんに凪ちゃん ! おはおは〜 ! |
悠貴 | デビューストアLIVE、おめでとうございますっ♪ どうでしたかっ? |
颯 | なんか、ドキドキして、わーってしてたら、 終わっちゃってた。でも、すっごい楽しかった ! |
凪 | あれが、アイドルとして見る景色なのですね。 音楽のテストとは、違いました。 |
フレデリカ | んふふ〜、よかったね〜♪ 楽しくって♪ |
悠貴 | これからもきっと、もっと楽しいことがいっぱいですよ ! |
凪 | ……楽しみです。アイドル。 |
フレデリカ | しかーし ! ! ひとたびデビューしてステージに立った以上、 もうフレちゃんも容赦はせぬぞ ! ! |
悠貴 | ですねっ。もうふたりとも、 この事務所の大切な仲間で、ライバルですから。 |
颯 | もちろん ! はーたち、負けないから ! |
フレデリカ | その意気じゃ〜〜♪ |
選択肢 | (赤)おはよう |
美穂 | おはようございまーす。 |
颯 | Pちゃん、それに、美穂ちゃん ! おはようっ ! |
凪 | おはようございます。 |
颯 | ね、ね、今日のお仕事は? |
P | 今日は取材が一件と、イベントの話が 来ているから、その打ち合わせにいくよ。 |
美穂 | ふふ。順調ですね♪ |
凪 | ビッグウェーブ、来てしまいましたか。凪なのに。 |
美穂 | あ、そういえば……。 もうすぐ春休みも終わりますけど、 ふたり、女子寮はどうします? |
美穂 | 正式に入寮するなら、 いろいろ手続きを始めないと。 |
選択肢 | (赤)ふたりはどうしたい? |
凪 | 凪はこのまま、寮に住みます。 アイドルをやって、自分の城に住む。 そのためにアイドルになりました。 |
颯 | そー言うと思った ! しょーがないから、はーも一緒にいてあげる。 なーをほっとけないからね♪ |
凪 | そういうことにしておきましょう。 |
美穂 | なら、今度から寮仲間だね。 ちなみに、親御さんは大丈夫? |
颯 | ゆーこちゃんはいいよって言ってくれたし、大丈夫 ! |
P | じゃあ、そうしよう。連絡はしておくよ。 |
颯 | ま、なーがいればいつだって実家みたいなもんだし? ひとりで寝るのも、べつにたいしたことないし ! |
凪 | 強がってるはーちゃんは可愛いですね。じつに。 |
街中 | |
颯 | なんかさー、 都会とか、都会にいる人って、スゴイと思ってたんだよね。 でも、全然そんなこと関係なかった ! |
凪 | こっちに来たばかりのはーちゃんも、 都会に住むことになった今のはーちゃんも、 同じ人ですね。 |
颯 | アイドルもそうなんだよね。 アイドルの人って、みんな可愛いし、カッコいいし、 スゴイと思ってた ! |
凪 | アイドルになる前の凪も、 アイドルになった今の凪も、同じ人です。 ……たぶん。 |
颯 | ユニットになる前と、なった後のはーとなーも、 同じかな? |
凪 | うーん、違うんじゃないですかね。 |
選択肢 | (赤)どうして? |
凪 | 同じ部屋で寝ていませんし。 それに、朝食はパン派の凪に合わせずに、 はーちゃんは和食を選ぶようになりました。 |
颯 | そこぉ ! ? |
凪 | いままでは、どれもこれもいっしょでした。 でも、今はだんだん違いがでていますね。 これからも、きっと、朝ご飯は別でしょう。 |
颯 | ……たしかにそうかもね。 アイドルにならなかったら、ずっと一緒だったかも。 |
凪 | ずっと一緒だったら…… はーちゃんはきっと、楽しくありませんでしたね。 |
颯 | ……そんなことは、なかったと思うけどな。 |
凪 | 凪は、アイドルの……今のはーちゃんが 本物のはーちゃんだと思います。 |
颯 | 自分らしい、とかってやつ? |
凪 | その通りです。 |
P | 凪も、アイドルの方が凪らしいよ。 |
颯 | そーそー ! なーみたいな変な子は、 目立って面白がられるべきなんだから ! |
凪 | ……じゃあ、目立ちまくっちゃって売れまくっちゃいます。 はーちゃんより。 |
颯 | べつにユニットなんだから、全然いいけど ! |
凪 | ソロとか、別のユニットとか、あるかもしれません。 世界が凪という才能に気付いてしまいましたからね。 |
颯 | ふたりでユニットデビューして何日も経ってないのに、 そういうこと言う ! ? |
颯 | いーもん、そうなったらはーだってめっちゃ売れるし。 |
P | 互いに売れまくったら、また一緒に活動して、 もっと売れるということで、ひとつ。 |
颯 | 帰ってくる場所みたいな? |
凪 | ふたりが実家とは、よく言ったものですね。 |
颯 | すっかり桜の季節だよねー。 |
凪 | 凪たちがここに来たころは、 まだ咲いていませんでしたね。 |
選択肢 | (赤)新しい季節だ |
颯 | どんなことが、待ってるのかな? |
凪 | ふたりでなら、なんでも。どこまででも。 |
選択肢 | (赤)楽しんでいこう |
凪・颯 | はい♪ うんっ♪ |
コメントをかく