前提として、麻雀には1,2,3,…,8,9と数字の振られた牌があり、これらの中から1,2,3や
3,4,5や7,6,5のように連続した3数を集めることでミリジャンにおける3人役のようなもの(順子といいます)を作ることができます。
ここで、例えば14枚の牌のうち(※麻雀では1人の持つ牌の枚数は14枚)、11枚を役が完成した状態で持っており、残り3枚として3と5を持っていて、上がりの為に最後の1枚を待っている状況だとします。この時、何の牌を引いてくれば上がることができるでしょうか。
正解は、もちろん4です。4を引けば3,4,5となり、役を作ることができます。
では、同じ状況下で、3と4を持っている場合はどうなるでしょう。
正解は2種類あります。2と5です。
2を引けば、2,3,4となり、5を引けば、3,4,5となって、どちらの場合でも役を作ることができます。
前者の例の状態を「1面待ち」、後者の例の状態を「2面待ち」と呼びます。
すなわち、あと1枚で上がれる状態において、その牌を引ければ上がれるという牌がn種類ある場合、「n面待ち」と呼びます(nは1以上の自然数)。
そして、n≧2のとき、すなわち上がれる牌が複数あるときのことを総称して、「
多面待ち」と呼ぶのです。
麻雀では、牌は全部で34種類です。
前者の例では、上がりとなる牌が1種類しかないため、自分で牌を引いてきたり他人が牌を捨てたりするときに上がれる確率は単純計算で1回当たり1/34≒2.94%となります。
一方、後者の例では、上がれる確率は2/34=1/17≒5.88%です。
もちろん状況に応じて細かい確率は変わってきますが、基本的には1面待ちより2面待ちの方が上がれる確率が高くなります。
更に、残り6枚の状況で2,3,4,5,6を持っている場合、
- 1を引けば1,2,3と4,5,6で上がり
- 4を引けば2,3,4と4,5,6で上がり
- 7を引けば2,3,4と5,6,7で上がり
と、3面待ちとなります。
3面待ち以上を作ることができれば上がれる確率がぐっと上がることになります。麻雀では最大13面待ちが存在します(「国士無双13面待ち」で検索)。
(※麻雀とミリジャンにおける「役」という言葉の定義は若干異なっています。本項ではミリジャンにおける定義に沿って説明していますが、本来麻雀では単独の順子を指して「役」とは言わないことにご留意ください。)