まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

713名無し募集中。。。2018/12/05(水) 21:12:00.510

懺悔しよう。ここが会社の中だってことはわかってるんだけど
私、今、膝の上にもーさんを抱っこして、後ろの鏡に寄りかかったまま
上から与えられる唇を自堕落に楽しんでました。ごめんなさい。
そろそろヤバイかも。私は目の端で時計を見た。
「もう、戻らなきゃ」
そう言って、すぐ間近に視線を合わせようとしたら、サッと逸らされて
ふと、思いつく。
片腕で背中を抱いたまま、私はもーさんの左胸の下に手を這わせた。
「あっ」
「あーちょっと」
仰け反った上半身が落ちそうになるのを、慌てて支える。ちょっと手を当ててるだけじゃん。
すっごい目の前の、触りやすい位置なのが悪い。
押し当てる手のひらに、もーさんの心音を感じる。
「すっごい。バクバクしてる」
うーわ、耳真っ赤。
あ、駄目だ。こんなことしてたら、私まで赤くなってきちゃう。仕事しなきゃ仕事。
膝から下ろし、横に置いていた眼鏡を手渡してやると
もーさんは不機嫌そうに目を伏せた。
「押しが強くてびっくりだよ」
「だって、会いたかったんだもん」
もーさんは、私を睨んだ。私は、なんか今日はもう満足しちゃって
何でもいいよって気分。
「もういじめない」
「虐めてる自覚あるんだ」
「もうしない」
「なんなのもぅ。そっちばっかりスッキリした顔してさぁ」
そう言ってから、ちょっとだけ笑って、背を向けたもーさんがコートを羽織る。
「旅行って、どこ行くの?」
「それも、あとで、連絡する」後ろ向いたまま。
「すごいもったいつけるよね」
「なっさんは急ぎすぎだよ」
そうかな。そうでもないぞ?君はいろいろ、待たせ過ぎるよ。
面倒くさい子なのは、もうわかったけど。
「勢いで突っ走るのも好きだけどさ」
そう言いながら、もーさんはバッグを肩にかけ、やっとこっちを見た。
「時間かけて言葉で確認したいこともあるの」
いいよ。わかった。
少しずつ、もーさんのこと知っていくことにする。

714名無し募集中。。。2018/12/05(水) 21:17:19.370

帰りの駅のホーム、エレベーターの裏側に立っているシルエット。
見覚えのあるその姿に私は足を止めた。
電話をしている。この間はまったく見れなかった、柔らかい笑顔がそこにあった。
なんて呼ばれてたっけ。そうだ。
矢島は「ごめんごめん、わかってるよ」と言いながら、笑っている。
その整った容貌は笑うととても親しみのある、人の良さを感じさせるものになる。
私は、少し苛ついた。
いや、イケメンなのはいいよ。いいことだ。そうじゃなくて
あなた、もーさんを泣かせてたの、ついちょっと前のことだよね。なに笑ってんの?
ああ、これってなんて八つ当たり。彼にはとんだとばっちり。
そんなの、わかってるけど。
もーさん、あの彼と、どれくらい付き合ってたんだろう。
あの様子だと、結婚の約束だって、してたんだろうと思った。
……ううん、いいや。もう、今は関係ないし。
その場を離れようとしたとき、私の耳に「新婚旅行の話だけど」
という言葉が飛び込んできた。
「この間見せてくれたパンフレット、あれに書いてあったツアーのさ」
私は耳を傾けた。いや、他の人の、話してるんだよね。
「え?いやだって、それはずっと前から約束してただろ?」
なんか嫌な感じがする。
ここから、離れた方がいいかもしれない。
「いいよわかった。言うことはなんでも聞くけどさ」
だって私、忘れるって、もーさんに言ったじゃん。
あのカフェでのこと、聞いたことは全部忘れるって。
「俺の希望だって少しくらいいいだろ?この新婚旅行で
俺たち2人の夢だった海外がやっと、叶うんだから」
私は、照れたような笑顔の矢島から視線をはずした。いやいやいやいや。
人違いだったかな。
私は再びそっと、じーっと、電話している彼の姿を見た。
話しながら、困ったようにきゅっと眉間にシワを寄せた瞬間、やっぱり同じ人だと確信する。
どういうこと?
そんなこと、あっていいわけない。
いろいろあって別れたとしたって、お付き合いはきっと誠実だったんだろうって。
「わかってる。指輪も一緒に、選びに行こうね」
なんで指輪なんか買いに行こうとしてるの。
待ってよ、あの時なんで復縁なんか迫ってた?それであんなに、もーさん傷付けて。
私はいつの間にか、矢島に向かって歩きだしていた。
矢島は電話を切るとこちらに背を向け、その場に立って電車を待っている。
2人のことは、私には関係ないよ。そんなのわかってる。
けど、もーさんが一度は真剣に心を預けただろう彼が
よりによって二股男だったなんて、そんなの許せない。
許せないんだけど。
私が回り込むようにすぐ横に立つと、矢島はびっくりしたように顔を上げて
「ど、どうかしましたか?」と言った。

715名無し募集中。。。2018/12/05(水) 21:19:53.620

「私、つぐながさんと今、一緒の会社にいる者ですけど」
睨みつけながらそう言うと、矢島はハッとし
それから、掴みかかって来そうな勢いで私に詰め寄った。
「彼女は今、そちらで働いているんですか」
「そっ、そうですけど」
何?顔を引きながら私が言うと、矢島は横にあったベンチによろよろと腰を落とした。
いちいち挙動が突然だ。
私がビビリながら「あの、彼女との関係って」と切り出すと
矢島は初めて不思議そうに私の顔を見た。
「どうして私のことを?」
「あー、えっと、先日つぐながさんとご一緒のところを、お見かけしたもので」
矢島はそうですか、とカバンから取り出したペットボトルのキャップを捻った。
「私が、至らないばっかりに、彼女に会社を辞めさせることになってしまって」
「えっ?」
「彼女が会社を辞めたのは、私のせいなんです」
何か、思っていたのと違う。私は促されるまま矢島の隣に腰掛けた。
「彼女は、あなたに何か言っていましたか」
「いえ、何も」そう言うと、矢島はペットボトルをメキっと凹ませた。
「私は、社内で起こっている彼女への嫌がらせにも、何も気づかなかったんです。
なのに彼女は、引き継ぎも全て、問題ないように調整していってくれてたんですよね」
私はもーさんが前職の話をスルーしたことを思い出していた。
「彼女は私に、この会社と今の仕事を愛してるんです。って、そこまで、言ってくれていたのに」
ああ、はい。ごめんなさい。これ以上、私ここにいたくないかも。
いいよもう話切り上げてくれて。話しかけたのは悪かったけど。
「お恥ずかしい話ですが彼女が辞めて以降、進行がままならなくなってしまって」
またまた、そんなわけないだろ。と私は思ったが
矢島の会社はそれほど大きい会社ではないようで
動ける社員だけに頼みっきりのような現状も話からは伺えた。知らんがな。
「いくつかの取引先から文句が来るようになって初めて、彼女がしてくれてたことに気づいて
なんとか戻ってきてくれないかと、お詫びもこめて時計を贈ったんです。
時間厳守。と彼女がよく言っていたのもありまして」
この間も、もーさんよりだいぶ遅かったよね。と私は思った。
『それじゃ未来なんて築けない』ってもーさん言ってたっけ。
こういう意味だなんて、思ってなかったけど。
「あなたが、彼女の分、倍動いてみたらいいんじゃないですか」と私は言った。
倍、いや、3倍くらい動いてもいいかも。と私は勝手に見繕う。
「私が?部下がやってたような仕事を?」
そう言う矢島を見ながら私はやっと立ち上がった。
「あなたが会社を背負って雑用もやって、その背中を部下に見せてあげればいい。
なぁんて、知りもしないで勝手なこと言ってごめんなさいね」
そう言い捨て、返事も待たずに私はホームを歩き出した。
震えるほど怒っていたもーさん。クールだと思っていたけど、とても情熱的だ。
彼女の、仕事に対する思いがとても好きだと思う。
やっぱり私、あの子のことが好きだ。

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