まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

173名無し募集中。。。2018/11/26(月) 00:08:56.290

山を降り、スマホとにらめっこしながらあっちこっちとみやは道を辿った。
ももはキャリーケースを両手に抱えてえっちらおっちらその後を着いていった。
ようやく目指す旅館に辿りついたとき、玄関の灯りが胸を熱くして、ふたりは同時に息をついた。

「ようこそお越しくださいました」
旅館の女将の上品な笑みに迎えられ、年季の入ったぶどう色の細い柱に囲まれた待合に通される。
けして広くはない空間に先客はおらず
みやが女将と話す間に、ももは空いたソファの端に腰をかけた。
「お部屋準備できるまでここで待っててって」
みやが言うと、ももは黙ったまま頷いた。
銘々皿に乗せられた菓子の包みに、みやは声を上げる。
「見て、このお菓子めっちゃ可愛い」
ももは湯のみの端に口をつけているところだった。すぐに離すと小さく舌を出す。
「にがい」
「無理して飲まなくてもいいのに」
「だって喉乾いてるんだもん」
「あっちの自販機で何か買ってきな」
みやが小銭を手渡すと、ももはぱたぱたとスリッパの音を立てながら、廊下の奥へ消えていった。

みやはソファの背もたれに体を預けると、首を左右に倒し、目を閉じた。
なんだかんだ疲れた。
急ぎ予約を入れた小さい旅館だったが、良かった。
いい。あとは美味しい料理を食べて、温泉にでも浸かって、寝るだけでいい。

「みやー」
ももの声に目を開けると、片手にグラスを持ったももが戻ってきていた。
「あっちにお茶とかコーヒーとかジュースのサーバーがあるよ」
「え、みやも見にいく」
立ち上がるのと同時に、仲居がこちらにやって来るのが見えた。
「お部屋のご準備ができましたので」
「これ、持ってっても大丈夫ですか?」
グラスを掲げたももが訊くと、仲居はにっこりと頷いた。
「みやも行ってくる?」
「あとで行く。もう早く足伸ばしたい」
みやの言葉に仲居は「今日はどちらかへいらしてたんですか?」と尋ねた。

みやは「ちょっと山登りに」とだけ答えると
目を合わせてきたももと一緒に小さく微笑んだ。

177名無し募集中。。。2018/11/26(月) 00:15:42.190

部屋の案内をひととおり済ませると、仲居は両手に衣装盆を持ってきた。
「こちらの色浴衣からお好きなのをお選びいただけますが」
色とりどりの浴衣が畳まれ、きれいに並べられている。
ももが不思議そうな顔でみやを見上げた。
「あ、じゃあ選びっこしようか」
「え?そういうものなの?」ももの言葉に仲居が笑う。

みやが、ももにと黄色の手毬柄の浴衣を選ぶと
似合うのを選んでと言われたももは、ピンク色に撫子の花が大きく咲いた浴衣を指差した。
仲居が退くと、ももは口を開いた。
「これなに?」
「見たことない?」
「いや、見たことはある、あるけど」
「着替え。これに着替えるの」
「どうして」
みやはいっとき考えた。
「……そういうものだから?」

広い窓の外は、ぐるりと竹垣に囲まれたこの部屋だけの庭が広がり
その端のあずまやの下に掛け流しの温泉、石づくりの小ぶりな浴槽があった。
ガラス窓に両手を貼り付けて外を眺めているももに、みやは声をかけた。
「ご飯の前に、こっちのお風呂入る?」
「あっちのお風呂もあるの?」
「ある。大きいお風呂があるんだけど、今ちょっと、行きたくない」
ももは振り返った。

服をまくったみやのお腹には、横一文字に痣が入っていた。
それを見て、ももは顔を顰める。
「何をやってんだか」
佐紀に打たれ斬られた痕がくっきりと残っている。
「天使にも痣とかつくのかな」
「そんなのつかないよ」
「じゃあ、人間だけの特権ってことか」
「まあ、そういうことだね」
みやは目の前にいるもものニットに手をかけ、頭から少し強引に脱がせた。
「ももだって、人に背中ジロジロ見られたくないでしょ」
ももは頭を一振りすると、両手で髪を搔き上げ、みやの顔を覗き込む。
「みやが、見せたくないんでしょ」

「そんなこと……まあちょっとはあるかもしれないけど」
口ごもると、ももが抱きついてくる。両腕を回すとみやの服をまくるようにして背中を撫でた。
みやは少し困ったようにももを抱き寄せると、その腰を軽く叩いた。
「さ、お風呂入ろ」

185名無し募集中。。。2018/11/26(月) 00:28:19.660

「寒い!」と騒ぎ立てるみやに、ももは笑いながらシャワーの湯を浴びせた。
「なんで外にお風呂つくってんの?わかんない」
「これがいいの!」
「声大きいよ」
「ももの笑い声の方が大きいわ」
手からシャワーを奪うと、ももの顔めがけてかけてやる。
顔を手で覆ったももがよろけ、みやはその腕を引いた。
「ほら、もういいよ、入って」
「なんなのよぅ」
「寒いからもう入るの」
追い立てるようにももを湯に入れると、続いてみやも浴槽に入り、ゆっくりと腰を落とした。
目の前を覆う大量の湯気で霞む、景色の向こうの空に、月が出ていた。
ふたりはしばらく黙ったまま、温かいお湯に溶けながら、その月を眺めていた。

そのうちももが、勝手にみやの濡れた髪を手に取り、編み始める。
好きに任せていると毛先を引っ張られ、肩に顎を乗せられた。
「みやは、もものことが好きなんだね」
みやが言葉を返せないでいると、ももは続けて言った。「好きなんだよ」
「なに、悪魔の囁き?」
「抵抗してみる?」
「しない」
ももの頭に両手をかけて、顔を寄せる。視線が絡んだ。
額をくっつけた途端みやのお腹が鳴り出して、ももは思いっきりその肩を叩いた。
「ちょっと」
「だって、お腹すいたんだもん」
「うん。すいたね」
「あと30分くらいかな。ご飯行く前に浴衣着せてあげる」
そう言うと、ももは嬉しそうな顔でみやの頰にキスしてくる。
ももの頭をぽんぽんと叩くと、みやはタオルを取って立ち上がった。

まっすぐ立たせたももに黄色い浴衣を羽織らせ、左右の長さを整えてやる。
ももは袖の端を握っていた。
腰にくるりと巻きつけて、襟をゆるませる。帯をリボン結びに締めると
ももは照れたような笑顔で「ありがとう」と言った。
みやも自分の浴衣に急ぎ袖を通す。体に巻きつけるとももに声をかけた。
「ちょっと後ろ襟ゆるめて」
「これくらい?」
「うん」
帯を締めて振り返ると、ももはふわっとした顔でみやを見上げていた。
「みや、なんか似合うね、色っぽい」
「ん、ももの浴衣も似合ってるよ。子供みたいで可愛い」
眉根を寄せたももの顔を見ると、みやは丹前を放った。
「これ着てね。ご飯食べに行こう」
部屋を出ると、ももは後ろからぶつかってきて、みやの腕にぶら下がった。

219名無し募集中。。。2018/11/26(月) 23:33:17.700

「ね、もも見て。このお鍋で雑炊って書いてあるんだけど、やっばい」
「まだぜんぜん食べれるでしょ」
「もも、肉食べた?」
「食べて……ちょっと食べてる途中なんだから取らないで」
「ちょっと待って、なんで、もも顔赤いの?まさか酔ってないよね、うけるんだけど」
「は?バカ言わないで。ニンゲンの酒なんかで酔うわけないれしょ」
「だよね!だよね、あはは!知ってた」
「ついでに言うと、別にご飯も食べなくても大丈夫なんらけど……ってもものお肉取らないでってゆってんじゃん!」
「これ和牛?和牛だってほんとおっかすぃ〜」
「おかしくないよ!ていうか聞いて、みや、この鯛しゃぶのお鍋、雑炊にするんだって」
「うっそ!やばー。それはやばいねー。どうする?」
「ま、みやがーお腹いっぱいならももが食べてあげるけど」
「てめ何言ってんだてめ。全然食べれるし」
「やっ。ちがうー。そのハマチのおさしみ残しておいたのにぃいい」
「もも泣かないで。ほら、あーん」
「こえ……はぃかみひょうがやんっ……」
「しょうがないなぁ、じゃあみやのとっておきのお刺身をあげるから」
差し出したブリの刺身を咥えたももが落とさないように上を向いてパクつくところを見ると
みやは手を叩いて笑い、勢い滲んだ目の端の涙を拭った。

食事は障子で仕切られた小部屋に通され
椅子に着いた時には既にテーブルいっぱいに料理の皿が並んでいた。
最初にみやがビールを頼むと、ももはメニューを覗き込み、甘いのと言って杏露酒を選んだ。
お造りで旬の刺身を堪能した。塩とすだちで香りをつけた鯛の刺身にももは口元を緩ませた。
カニの身はぱんぱんに詰まっていて口に含むとふわーと香りが広がり、ふたり無言で頬張ることになった。
野菜の炊き合わせは里芋の柔らかい甘味が舌を癒し、鱒の西京焼はみやのビールを進ませた。
栗の天ぷらはほくほくで、シシトウの天ぷらは辛いのに当たったももが涙を流した。
金目鯛のしゃぶしゃぶは昆布出汁にくぐらせた厚切りの身がぷりぷりで
とにかくぷりっぷりだと大騒ぎをしながら平らげ
和牛の陶板焼きがなくなる頃には「声大きい」「じゃちっちゃく、ちっちゃくねー」などと言い合いながら
手拍子付きの雑炊コールが始まった。
たっぷり2時間以上をかけて全料理を食べ尽くしたふたりは
「くるちぃ」「もう無理」などと言いながら、部屋へと戻って来た。

目を半分閉じたままのみやの背中を支えながら、ももは扉を開けて室内へと入る。
畳の部屋に敷かれているふかふかのお布団の上に
抱いていた腰を引きずり倒すと、みやは「ぐぅ」と言った。
「みや寝るんでしょ」
「うん」
「じゃあこの上で寝ないで。お布団の中入って」
掛け布団を力いっぱい引っ張られ、みやは布団の端までごろごろと転がった。

220名無し募集中。。。2018/11/26(月) 23:46:03.280

うつ伏せで大の字になっている丹前の後ろ襟にももは手をかけて引っ張る。
「これどうするの?」
「脱ぎます」
「重いよみや」
後ろから丹前を脱がせようとするももを無視してみやは寝たフリをした。
ももは苦労して、袖を片手ずつ抜こうとする。みやが一向に協力しないので
最後ももはキレ気味に両腕をまとめて後ろに引っ張り強引に丹前を剥ぎ取った。
肩を雑に抱かれ、布団の中央に引き戻されたみやは、すっぽりと掛け布団を被せられる。
ももの鼻息が聞こえた。

頭の下に枕を押し込まれると、みやは仰向けになった。
ぱりっとしたシーツは清潔で、お布団はぬくぬくで
手足を伸ばしたみやは声を漏らす。
「まぶしい」と言うと「はいはい」と遠くから返事が聞こえ
部屋の電灯が落とされた。
瞼の裏が暗くなって、ゆっくり呼吸するうちに浅い眠りに呑まれていく。

がさごそと何か音を立てていたももがそっと立ち上がり
部屋を出ていく気配を、みやは意識の裏側で感じた。
やっぱみやが先に寝ちゃってつまんないかな。戻ってきたら声かけようかな。
そんな風に思いながら全身が鉛のように重く沈んでいく。手も足もぴくりとも動かない。
頭の後ろから強烈な睡魔に引っ張られると、それきりみやの意識はうやむやになった。

呼吸が途切れる度ハッとする。ミヤビヒルドは、どうしたんだっけ。
それから、取り戻したことを思い出して安心する。
そういえば、確認もしていない。あれは本当にももの大切な聖剣だったんだろうか。
佐紀は本当のことを言っていたんだろうか。
あの時、壺に隠していたミヤビヒルドを取り出すとき、佐紀は確かに小さく呟いた。
『一緒にがんばろうねって、言ってたくせに』
あれはみやに聞こえるように言ったんじゃない。
ももに、いや、やっぱりただの、独り言だったのかもしれない。

ミヤビヒルドをみやに差し出して
この聖剣に刺し殺されるなら、それも、ももの本望だろうと佐紀は言った。
本当にそうだろうか。
ならそうしてあげたいと思ったのは勝手な思いだろうか。
大切な聖剣はこの手に戻って来た。取り戻したよね。そう、取り戻したよ。取り戻したんだ。
まだきっと、考える時間はいっぱいある。

222名無し募集中。。。2018/11/27(火) 00:03:49.140

薄目を開けると、部屋の中はまだ暗かった。畳の匂いがする。みやは天井に目を凝らし二度三度瞬きをした。
膨らんだ掛け布団の端が鼻先の産毛を撫でる。
もぞ、と体を動かすと、布団の中はたっぷり熱を湛えていて、その心地良さにみやは再びうとうととした。
時間がわからない。寝た方がいいのか、起きた方がいいのか、よくわからない。
枕に埋まったまま首を傾けると、不意に聞こえてきた右からの呼吸音に、みやは目を開けた。

隣の布団で、背中を向けたももが眠っている。
こんもり盛り上がった掛け布団の端から、跳ねた毛先がこぼれている。
すぅー
みやは聞こえてくる呼吸音をしばらく数えた。
なんだっけ。そうだ。疲れてて、お腹いっぱいで、すごく眠かったんだ。
目が慣れてくると、ももの寝ている横、除けられたテーブルの上に水の入ったグラスとアイスペールが見えた。
起こさないようにそっと体を起こして手を伸ばすと、みやはグラスを手に取った。
ペールの氷は溶けてしまっていた。グラスに口をつけるとそれでも水は冷たく感じて、一気に呷ると全部を飲み干す。
唇の端から溢れ伝った水滴を、みやは手の甲で拭った。
すぅー
足を動かすと、浴衣が絡みついた。みやはちょっとだけ裾を整えると掛け布団をめくり
布団から這い出して、ももの頭を上から覗き込んだ。

すっぽりと体を覆っている掛け布団を剥ぐ。
開放された熱気とともに、不思議な匂いが鼻をついた。
こちらに背を向ける左肩に手を置き軽く手前に倒すと、頭をかくんと仰向けに落として、ももは薄目を開けた。
黄色い浴衣は寝乱れてあちこち皺が寄っている。
見下ろすみやの顔を探るように視線を動かすと、ももはすぐにまた、とろりと瞼を閉じた。
みやはその傍らに座り、ももの体を締め付けている帯に触れた。
結び目は指をかけるとするりと解け、細い帯は滑らかな当たりでみやの手のひらを擦る。
襟を開き、触れた鎖骨の下、肌はしっとりと熱を帯びていた。
「なに」
寝惚けたような、もものくぐもった声。
「どこ、刺してほしい?」
ももは、あぁ、と唇を開くと「考えてなかった」と言い
急に鼻に皺を寄せ、くぅと欠伸を噛み殺した。その頭の横に手を着く。
近付いて、顔を覗き込むと、ももはふっと目を開けた。
「みや」
「ん」
「みやが決めていいよ」
その試すような響きにみやは少し躊躇いながら、ももの浴衣の中に手を入れ肩をはだける。
青白い胸元に唇を落とすと、ももの指先が伸びて、みやの髪をそっと耳にかけた。

225名無し募集中。。。2018/11/27(火) 00:21:57.840

みや、と何度も呼びかけられ、ようやく「なぁに」と舌を動かしたら
それは思いの外、子どもをあやすような優しい響きになった。
まるで溺れた子どものように、ももがしがみついてくる。

耳を噛まれる。「もっと」という言葉が耳の奥に飛び込んできて
みやの胸はかっと熱くなった。
「どうしたの?」
返事の代わりに、ももはみやの首を叩く。
「もっと、欲しいの?」
唇を合わせながら言葉を捻じ込み、指先の力を緩める。ももが声を漏らす。
「……ほしい」
軽く撫でてやる。でもまだダメ。まだ足りない。
「じゃあ、言って」
鼻先を合わせると、ぎゅっと瞑ったままのももの瞼が震えているのを見る。
何度も息を詰まらせながら、ももが唇を開いた。
「愛してる」
「ダメ」
音を立てて唇を吸った。そのまま押し付け、ゆっくり唇を開いた。
「みやの目、見て言って」
心臓が破裂しそうだ。胸をぎゅっと押し付ける。この鼓動を全部移してやりたい。
ももの目が開かれるのを、みやはじっと待った。唇を離すと上から見下ろす。
「もも」
今、ちゃんと届くように、言ってよ。
瞼が薄く開かれた。探さなくていいように捕まえてあげる。
視線を捉えると、みやの口許はふっと緩んだ。
「言って」

「愛してる」
片手で頰を寄せると、顔を押し付けた。
「もっと言って」
「……してる。あいしてる」
言葉の意味が頭の中で散った。意味わかんない。何言ってんの?
笑おうとして、みやの歯は小刻みに鳴った。息を深く吸い込む。甘い香りにむせ返りそうになる。
指先で深く深く探ると仰け反っていくももの肩を全身で押さえつけた。
「絶対、離さないから」
応えるように、腕の中でももの体がびくんと跳ねた。

227名無し募集中。。。2018/11/27(火) 00:31:54.780

白いコートを着たももが、時刻表を見上げている。
キャリーケースを引きながら、みやは後ろから声をかけた。
「切符買ったよ」
ももは振り返ると「もうちょっと待つようだね」と言った。
お土産の袋をぶら下げている。

「ホームの待合室行こう。ここ寒いし」
さっと歩き出したみやの後を、ももは小走りで追いかけてくる。
「よかったね。キャリーケース直って」
「旅館の人、親切だったねー」
「いい人だったね」
「うん。ね、温泉どうだった?」
「……みやさぁ、なんか緊張してなかった?」
そう言われて、みやはふっと笑い、口許を押さえた。
「うん。あの」
「なに」
「なんか、ももと、普通に旅行してるみたいって思ったら緊張した」
ももは一瞬びっくりしたような顔をして、笑い出した。
「可愛い」
みやは肩でももの体を突く。
「ほら、ももの切符これ」
「照れてる」
「照れてないし」

改札を抜けるとホームに出た。薄曇りで柔らかい日が差している。
ホームの端に待合室を見つけた。
ベンチに腰掛けると、ももは反対側のホームに停まった列車をじっと眺めていた。

「ももって、どういう天使だったの?」
「え?」
「なんでやめたの?」
「うーん……千奈美が言ってた通りだよ。向いてなかったんじゃない。なんで今更」
「なんかちょっと、見てみたかったなーって」
「いいの?」
「何が?」
「ももが天使のままだったら、みやに会ってなかったと思うけど」
そう言われて横を見ると、ももと目が合った。
みやはコートのポケットから飴を取り出すと、ももに差し出した。
「出る時フロントでもらったの。食べる?」
「うん。食べる」
小さい塩飴だった。包みを破く、ももの指先を見ながらみやは言った。
「大丈夫。ももが天使でも会ってたと思う」

黙ったまま、ももが寄りかかってきたので、みやは肘で押し戻してやった。

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