まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

550名無し募集中。。。2018/12/20(木) 20:13:19.120

ご飯食べましょーよって誘ってきたのはにへだった。
にへの娘ちゃんも一緒だって言われたら、どんなに急でも頑張って時間空けちゃう。
みやがちっちゃい子に目がないの知ってて、そういう一言添えてくるんだろうな。にへちゃんは。

新鮮さを売りにしているオーガニックカフェは、赤ちゃんも入店可能って書いてあった。
ふんぎゃあってぐずる娘ちゃんを眺めつつ、みやはサラダを口に入れた。
娘をあやすにへちゃんは、ここ最近ですっかりママが板についたみたいだった。
メイクやファッションが落ち着いてきたのも、もちろんある。
でも、絶対内面が変わったせいだって思う。
今だって、娘ちゃんをひょいって抱っこするのがめちゃくちゃ自然だし。
抱っこされた途端にご機嫌になった娘ちゃんが、みやを見てにこーってした。
ぷくぷくした赤リンゴのほっぺも、むちむちの二の腕も、ずーっと見てられるよね。
……まあ、他人の子どもだから可愛いっていうのは絶対あるんだけど。

「みやちゃん、この前の試供品めっちゃ良かったです」
「ん? なんだっけ」
「あれですよぉ、ママのためのスタンダードセットのやつ」
「あーあれ。使ってくれたんだ」
「だいぶ助かってます。今日も使ってるんですけど」
「え、うれしい」

にへの頬にほんのりと差す赤みは、自然な感じで発色してて良い感じ。
ママのためのスタンダードセットは、miaowで今度計画してる商品の一つだった。
子どもばっかりの生活だと、メイクする余裕なくなるって聞いたのはいつだったかな。
でも、ママだってきっと、キレイでカワイクありたいと思うんだよね。
だから、ママのお肌にのりやすくて、赤ちゃんのお肌にも安心なものを作りたいなって考えてるの。
ママとか、事務所の先輩達とか、ママになった友達とか、もちろんにへにも。
いろんな人にリサーチして、よーちゃんとも話しながら進めてるところ。

「みやちゃーん、にへーっ」

知ってる声が聞こえて、にへと二人でそっちを見た。
ばたばたと不思議な走り方で、ひかるが近づいてくる。
店員さんにぶつかりそうで、見ててハラハラするのは相変わらず。

「お待たせ、しましたっ」

肩で息をするひかるに、座って水でも飲みなよって勧めてやる。
メニューどこやったっけって思ってたら、にへちゃんがさっと取り出した。
ありがと、と伸びるひかるの左手。
すっと目がいって、思わず「えっ」て声が出た。
ひかるの左手の薬指で、真新しいリングがぴかぴかしてる。
みやが無言で指差すと、ひかるはでへへって体をくねくねさせた。

552名無し募集中。。。2018/12/20(木) 20:20:52.440

「みやちゃん聞いてやってくださいよー!」

にへちゃんがひかるをぐいぐいって肘でつつく。
ひかるは頬を赤くしてはにかみながら、実はって切り出した。

「プロポーズ、されました。この前の日曜に」
「へえー! よかったじゃん!」
「おめでとーっ!」

やけにテンション高いにへちゃんが、すごい勢いで手を叩く。
抱っこしてる娘ちゃん、ひいてんじゃん。
こういうとこ見ると、変わってなくてちょっとほっとするけど。

「何年くらいだっけ?」
「3年、ですね」

前に見せてもらったカレの写真が浮かんだ。
すらっと背が高くて、笑った顔が日向ぼっこしてる猫みたいな人。
ひかる曰く天然らしいけど、ひかるに言われるくらいだから相当なんだと思う。
ポケモンシールを冷蔵庫で冷やす話で意気投合したって言ってたし。

「ねえねえ、プロポーズってどんなだったの?」
「そっ、それはぁ……秘密」
「ええーっ、私の時は聞いたじゃん!」
「それはにへが言いたそうにしてたからでしょ」

サラダの器がさげられて、代わりにパスタが目の前に置かれる。
湯葉とたらこクリームのパスタの上に、青じそと海苔がこんもりと盛られていた。
ベースはクリームなんだけど、和風だしと湯葉の風味でさっぱりして好きなんだよね。
くるくると巻いて、口に運ぶ。

555名無し募集中。。。2018/12/20(木) 20:23:36.370

「挙式は?」
「今度二人で見に行こうって話してて……でも結構先になりそう」
「だよね。私の時もめっちゃ混んでて、早くて1年先って言われたし」
「え、マジで?」
「そーなんですよ。東京は式場も混むんですよね」

スプーンを握るにへの指にも、グラスを掴んだひかるの指にも。
プラチナのリングは妙にまぶしく見える。
とはいえ、わりと普通の気分だなって思った。
そりゃみやだって、胸がざわつく時期もあったし、ちょっと寂しい時期もあった。
でも今は、まあまあ幸せだからいいの。
寂しくないって言ったら嘘になるけど、どっちかというと卒業式の日みたいな、そんな寂しさだから。

「そういえば、最近よーこさんとはどうなんですか?」
「どうって……普通だけど?」
「じゃじゃじゃ、昨日の晩ご飯は?」
「ハヤシライス。もーめっちゃ美味しかった」
「いーなあ。よーこさん、ほんとプロ級ですもんね」
「今度会ったら言ってあげて」

よーちゃん、どや顔しながらフライパン振ったりするんだろうな。普段しないくせに。
あーいいなって思った。楽に息できる感じ。
にへの旦那やひかるの彼氏と同じレベルで、よーちゃんの話が出てくる。
いや、よーちゃんはそういうんじゃないんだけど。
だって、キスなんてしないし。セックスとかもってのほか。
ハグはしないこともないけど、ピースをもふもふしてた時と同じような感覚。
よーちゃんは一緒に住んでてめっちゃ仕事できるけど、ペットみたいだなって思うことが多い。

「みやちゃん、スマホ鳴ってません?」
「え? あ、みやか」

テーブルの上のスマホには、見たことのない電話番号。
携帯っぽいけど、全然心当たりがない。
間違い電話かなって思って切ったら、またかかってきた。
切る、かかってくる、切る、かかってくる……5回くらい繰り返して、みやは根負けした。

「ごめん、ちょっと出てくる」

もー、のんびりご飯食べてんのに。
間違い電話ですよって教えてあげよ。みやってば優しい。
通話ボタンを押すと、意外に可愛らしい声が耳に飛び込んできた。

556名無し募集中。。。2018/12/20(木) 20:26:41.440

「もっ、もしもしっ! あのっ! みやびさん、ですか?」

名前呼ばれるなんて思ってなくて、全身がざわざわって震える。
聞き覚えはあった。知らない番号なのも当たり前だった。

「……雛子、ちゃん?」
「そうです! ……よかったぁ」

ほっとしたのが声だけでも伝わってくる。
なんでみやの番号を?って思って、ママから聞いたのかなって思いつく。
よく分かんないこだわりで、同じ番号使い続けてるから。

「あの……また、会ってもらえないですか」
「また、って」
「みやびさんが忙しいのは分かってるんです! けど……」

雛子ちゃんの声は、妙に切羽詰まってる感じがした。
みやに会わなきゃいけない理由でもあるんだろうか。

「大丈夫。日曜にする? 土曜日?」

最近の中学生の生活って全然分かんないけど。土日って忙しいのかな。
普通の子は部活とかあるんだっけか。
25年前の記憶は、自分でもびっくりするほどぼんやりしていた。

「日曜……が、いいです」
「おっけ。じゃあ日曜ね。えっと、」
「あ、ママ帰ってきちゃった! ま、また電話しますっ!」

一方的なブツッという音が耳に突き刺さる。
今、うっすらと「ただいま」って聞こえなかった?
ざあっと血の気が引いて、首の後ろが変にじっとりする。
手から滑り落ちそうになったスマホを、みやはしっかり握り直した。

557名無し募集中。。。2018/12/20(木) 20:28:23.960

席に戻ったら、にへちゃんの娘ちゃんはベビーカーですやすやしていた。
パスタは既にいなくなっていて、代わりにクレームブリュレがちょこんといた。

「みやちゃん、大丈夫ですか?」

顔色、やばいですよってにへちゃんが苦笑する。
まだ胸の真ん中がどくどくしてた。全身が心臓になったみたい。
こんなの、何かあったって丸わかりじゃん。

「さっきの電話ですか?」
「いや、なんもないから」
「まだ何も言ってないじゃないですかあ」
「はいはい」

つやつやした茶色いカラメルにスプーンをぶつけた。
表面をパキパキ割って食べるのが美味しいらしい。
これ言ってたの、ももだっけ。

「まさか……?」

スプーンで掬おうとしてたら、にへがにやついていた。
そっと小指を立てて、意味ありげに笑う。
いやいやいや違うから。変な勘違いしないでよ。
ひかるも純粋な目で何それって聞かないで。

「違うから! 事務所の後輩からだから」
「ホントですかぁ?」
「ホントだっての。その顔やめな」

ぴしゃって言ったら、にへちゃんは肩をすくめた。
だからひかると目配せすんのやめてってば。
二人を視界から追い出して、みやは目の前のクレームブリュレに集中する。
粉々になったカラメルが、口の中でざらついた。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます