まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

342名無し募集中。。。2018/12/31(月) 22:00:28.150

ラブちゃんって呼んだら、甲高い声が返ってきた。
トトトトッと軽い音を立てながら、短い尻尾を全力で振るラブちゃんが現れた。
みやが両手を広げたら、まっすぐ飛び込んでくる。
あー、ほんっと可愛い。
首回りとかお腹とか、もこもこしてて気持ちいいの。
よしよしよしってラブちゃんをなで回してたら、ドスンて低い音が響く。
誰か帰ってきたらしい。
ラブちゃんの尻尾がピンと伸びて、みやの手からするんといなくなった。
玄関の方でラブちゃんとじゃれるママの声がした。ママにはかなわないわ。
みやも出迎えに行くと、先にママから「おかえり」って言われちゃった。

「久しぶりねえ」
「よーちゃん出張でさ」
「そういう時しか寄りつかないんだから」

抱っこしたラブちゃんに「困ったわねー」と言いながら、ママがみやを押しのける。

「晩ご飯はおでんだけど良い?」
「うん」

キッチンに向かうママの背中、ちょっと薄くなったかもって不意に思った。

343名無し募集中。。。2018/12/31(月) 22:01:17.640


みやがラブちゃんと遊ぶのに疲れ始めた頃、リビングにはダシの良い匂いがしていた。
キッチンに顔を出したら、もうちょっとよってママが笑う。
できたら盛り付け手伝うからね。
そう言ってリビングに戻ると、ラブちゃんがみやの足にすり寄ってきた。
ラブちゃんはまだ1歳にもならないポメラニアン。そりゃー遊びたい盛りだよね。
おもちゃをくわえて持ってくるから、ぽいって投げてやる。
嬉しそうに追いかける時の、ぷりっとしたお尻が可愛いなって思う。

ピースが死んじゃって、もうどのくらい経つんだろ。
ちゃんとしたお葬式をあげてやって、家族みんなで見送って。
今も、寂しさは心の端っこにあるけど、だいぶ落ち着いてきた気がする。
寂しさが体にしみこんで、体の一部になったみたいな。
今でもやっぱ、家に帰るとピースが走ってくるんじゃないかって気がしちゃうんだけど。

「流川さんとは仲良くしてる?」
「もっちろん」

おでんは煮込みタイムに入ったのか、ママがコップを片手にリビングへやってきた。
ラブちゃんが、ぴょこぴょこしながらおもちゃをママに差し出す。
「よかった」って言いながら、ママはみやに向かっておもちゃを投げつけた。

344名無し募集中。。。2018/12/31(月) 22:02:28.720

「うわっ!」

おもちゃを追いかけて、ラブちゃんが飛びついてくる。
体がぐらって揺れて、みやはそのまま後ろに倒れた。
ラブちゃんの鼻息がほっぺにあたる。ほんと、人なつっこい子。
ママは、少し前から結婚のことを言わなくなった。
言わなくなったっていうのは違うか。
もともと、みやの好きなようにさせてくれてたから。

いつだったか、結婚は考えてないのってちょっと真面目な顔で言われたことがあった。
今はあんまりってみやがぼんやり返事したら、その代わり言われたのが、

「みやが死んだら葬式あげてくれる人くらい見つけなさいね」

ってことだった。
それってもう家族と同じなんじゃないのって思ったけどみやは黙ってた。
自分が死んだら、とか全然考えたことなかったし。
あの時、まだみやは若かったし。
でも、その時のママの言葉は、ちょいちょい思い出すくらいには大事にしてた。

「パパが帰ったらご飯にしようね」

ママが立ち去ったのと同時くらいで、テーブルに放置してたスマホがピロンて鳴いた。
返事するようにラブちゃんが鳴く。やっぱ可愛い。

345名無し募集中。。。2018/12/31(月) 22:03:05.330

「あら、雛子ちゃん」

寝転がったままスマホを手にしたら、画面に雛子ちゃんの名前が浮かんでいた。
この前のお出かけで交換したLINEをさっそく使ってくれたみたい。
送られてきた通知を開くと、ずらーっと長文が並んだ後にスタンプが一つくっついていた。
「よろしくお願いします」って汗をかきながら頭を下げるウサギさん。

「クッキーの練習、ねえ」

雛子ちゃんのLINEを読みながら、ついつい口に出していた。
この前、クリスマスに何か作りたいって言ってたなって思い返す。
自宅だと100パーももにバレるから、みやに助けてもらえないか、だって。
みやは全然構わないし、むしろお菓子作りとか久しぶりでワクワクする……んだけど。
でも、そういうのってせめて同年代の友達とするもんじゃない?
もしかして雛子ちゃん、友達少ないのかなって心配になる。
余計なお世話、かもしれないけど。

「いいよ、と……」

結局、みやが踏み込むことでもないかなって思って無難な返事になった。
クリスマスに間に合わせるなら、明日の夜とか?
みやのお仕事は午前中で終わるから、その後が良さそう。
よーちゃんは夜遅くなるって言ってたし。
みやが返事を送ったら、一瞬で既読の文字がついた。さすが若者。
「ありがとうございます!」って浮かれたウサギさんが送られてきた。

「みや、ご飯にするわよ」

キッチンからママの声がする。
ちょうどガチャッて鍵の開く音がして、目の前をラブちゃんが走り抜けていった。

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