まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

256 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 02:16:48.46 0

「ねーもも、カントリー娘。になるんでしょ」
「ガールズだ!」
「どうなの、カントリー娘。は」
「ガールズ!」
「……応援してるから。カントリーガールズ」
「ガー…!!」
「勝った!」
「…もー。みや、しつこい!」
たしかに、我ながらしつこい。
このやりとり、何回目だろう。
「なにその言い方、ひどくない?めっちゃ応援してるのに」
「そうは聞こえない…ていうか、ツンデレみやびはどうしたのよ」
「別に、ツンデレじゃないし」
「照れなくてもいいじゃーん」
「照れてないし!うざいからやめて」
「またまたぁー」
「もーやだ、ほんとうざい!」
なんてことない、いつものやりとり。
軽口をたたきあって、拗ねたり笑ったり。
ずっとこんな毎日が続いてくと思ってた。
というか、続くとか続かないとかいうレベルじゃなくて、これがあたしにとっての日常。

258 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 02:37:42.94 0

「でも、ももがプレイングマネージャー?とか、なんかうけるね」
「そお?もう、かわいい子ばっかりだからね、ももの指導で天下取れるね」
「えー、ももで大丈夫かなー?」
「失礼な!もも、Buono!でもリーダーだからね!?」
「んー……。Buono!さ、またできるかな」
「え、どうしたの急に」
「や、べつに。なんとなく」
「……有明。がんばろーね」
できるよ!とか、やりたいね!とか、そういうんじゃないんだ。
なんだかおもしろくなくて、あたしは返事ができない。
新しいグループの一員になって、しかも大層な役職付きで。
いまはその、一回りも離れたような子たちのことを考えないと。
そんなももの気持ちもわからないわけじゃないけど、少しだけ胸が痛んだ。
でも、そんな痛み、知られるわけにはいかない。
「なんかさー、愛理が泣きそうな気がする」
「たしかに!でもみやも最近涙もろいよね?心配だなー」
「そんなことないし」
「そのときはさ、ももの胸で泣いていいからね」
「いや、大丈夫です」
「もー、遠慮しなくていいよ、みやびちゃーん」
「うざいから!」
ほんとに、うざいんだから。
あたしの気持ちなんて知らないで無邪気に笑うももを見て、無性に腹が立ってくる。
「もものばか」
「なんでよ!」
「べつに。あーあ、リハまだかな?のど乾いちゃった」
不満顔のももを残して、楽屋を出る。

264 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 10:02:27.47 0

ほんとは、この日常がずっと続くわけないなんてこと、頭の隅ではわかっていたと思う。
でも、終わりがくるとしてもそれはずっと先のことだと思っていたし、ぜんぜん覚悟なんてできない。
いざその終わりが目に見えて近づいてくると、もどかしい苦しさで胸がいっぱいになる。
活動停止したからって、なにも一生会えない訳じゃない。
それはそうなんだけど、わかってはいるんだけど。
きっと、この関係はいままでどおりには続かない。
ももが、陰でどんなに頑張ってるかとか。
そのくせ、けっこうだらしないところもあることとか。
いまはあたしがもものこと一番知ってるって思うけど、この先は……
「やだ。ほんと涙もろくなったかな」
鼻の奥がつんとして、慌てて上を向く。

いっそのこと、言葉にして伝えてみようか。
たぶん、ももはあたしのこと、けっこう好きだと思う。
ほかの誰より近い距離感でじゃれあってきたけど、イヤだって思われたことはないはず。
ただ、その『好き』が、どういう『好き』かっていうと……自信がない。
そもそも、自分の気持ちだってはっきりわかってるわけじゃないし。
ただ、自分じゃない誰かが、ももの隣で、もものことは自分が一番知ってるんだ、みたいな顔をしたら。
そんなのありえないし。
でも、この先顔をあわせる機会が少なくなれば……。
それじゃあ、伝える?
なにを?
どうやって?
「……ムリでしょ」
つぶやいた声が滲んでいて、自分の涙もろさにほとほと嫌気がさした。

265 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 10:22:04.55 0

結局なにも言えないまま、いつもどおりの2人のまま、Berryzは活動を停止した。
あたりまえだけど、いままでみたいに毎日のように顔を合わせるわけじゃなくなって、たまに会っても、会うというよりすれ違うという感じで。

そうしているうち気づけば数か月がたって、たまたま事務所で会ったとき、ももの方から食事に誘われた。
とっさに嬉しいよりも驚いて、なんだかちょっと緊張してしまった。

「みや……もも、どうしたらいいんだろ」
日が落ちて暗くなった道、2人で近くのレストランに向かう途中。
ももと並んで歩くのも、ゆっくり話すのもひさしぶりで。
嬉しいような照れくさいようなあたしの気持ちに蓋をするように、ももは弱々しくつぶやく。
「なんかあった?みやでよければ、なんでも聞くよ」
思わず、足を止めてももに向き合う。
ももがあんまりしおれているものだから、軽口なんて叩ける雰囲気じゃない。
「ももさ、ももなりに頑張ってるつもりなんだけど」
「うん。ももが頑張ってるのはみやもよく知ってる」
「ありがと。でもね、もも、なんにもできなかった」
「もも?」
「……みやぁ」
泣きそうなのに泣けない、みたいな顔で、こどもみたいな大人の顔で、ももが名前を呼ぶ。
あたしは、思わず抱きしめようと手を伸ばしかけて、でも触れてはいけないような気もして、手を止める。
張り詰めたようなもも。
抱きしめる手を拒まれたら、という不安がよぎっただけじゃない。
安易に手を触れることで、ももを支えているものが崩れてしまうような、そんな気がした。

267 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 10:30:05.02 0

「もも。ももは、すごく頑張ってるよ」
「……うん。」
「みやは、そんなももを、すごく尊敬してる」
「……うん。」
「みやは、いつだってももの味方だから」
あたしはどうしていいかわからず、必死で言葉を探す。
「……うん。……みや、ありがと」
しばらくうつむいていたももは、振り切るように顔を上げて、にこっと笑う。
「あー、めずらしく落ち込んだらおなかすいちゃった!早くいこ!」
あたしは自分の選択が正しかったのか確信が持てないまま、頷いてももの後を追う。

数日後、カントリー・ガールズのメンバーが脱退するという話を聞くまで、あたしはずっともやもやした気持ちを抱えていた。
原因がわかってすっきりしたかといえば、そんなわけはなくて。
あのときももに、なんて言ってあげたらよかったんだろう?
自問自答を繰り返して、胸がつぶれるような思いをして、それでもももはこの何倍も辛いんだって思うと、悔しくて涙がこぼれた。

268 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 10:43:13.78 0

それから数か月。
ももとはまた、たまに顔を合わせ、すれ違い、少し言葉を交わすくらいの日々。
そんな状況に変化があったのは、カウントダウンコンサートにBuono!で出演できることになったからだ。
あたしはもう内心ドキドキで、その理由は、大勢の前でのパフォーマンスがひさびさだとか、色々あるんだけど。
「あ、みや!こうやって一緒にリハーサルするのひさしぶりだね!」
「もも。ほんと、リハーサルなんてめっちゃひさしぶりだから緊張するよー」
ひさびさにももと一緒に活動できるのも、ドキドキの原因。
実際あたしはなんだか気持ちがふわふわして、持ってきたはずのレッスン着さえ見つけられない始末だった。
とはいえリハーサルが始まれば浮ついた気持ちではいられない。
2人とずいぶん差が付いてしまっていることに、マジでヤバいって焦ったり。
ブランクを埋めるのは大変だと実感させられるリハーサルで。
リハーサルが終わってぐったりしているあたしの疲れ具合といったら、ももがニコニコ近寄ってきたのも、ちょっと面倒だなぁなんて思うほどだった。

「みや、おつかれー」
「おつかれ。てゆーか、マジでつかれたー」
ももは、おかしそうに笑ったと思うと、少しだけまじめな顔になった。
「あのね、みやに言いたいことがあるの」
「え。なに?」
真剣な眼差しに、どきっとする。

271 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 11:04:59.62 0

「ももね、みやのこと好きだったんだー」
「え?」
すぐには意味が理解できず、固まってしまう。
「うふふ。びっくりした?」
「いや。するでしょ、それは」
動揺するあたしにかまわず、ももは続ける。
「でね、つらいとき、みやに慰めてもらったこと思い出して頑張れたから。感謝の気持ちを込めて、伝えてみました」
「ええー……?」
「あ、大丈夫。いまはもう、そういうんじゃないから。ね、気にしないで、いままでどおりよろしくお願いします!」
「いや、ちょっと」
「あー、ずっと言うか迷ってたんだけど、すっきりしたー!じゃあまたね!お疲れさま!」
「ちょっと、もも」
ももは、くるりと後ろを向くと、あたしの声なんて聞こえないみたいに去っていった。
「なに……?どういうこと?」
歌詞とかダンスとかを散々詰め込まれたあたしの頭はもう完全に容量オーバーで、ただ呆然とももの背中を見送ることしかできなかった。


「あのさ、もも、こないだのことなんだけど」
「だから、もう気にしないでって言ってるのにー。いまはほんとにね、そういうんじゃないから」
「そういうんじゃ、って」
「もう、この話はおしまーい」
さ、リハーサルだ!と、ぱたぱた走っていくもも。
あれから数日経って、あたしはまだなにがなんだかわからないような気持ちでいた。
ももが、あたしのことを好き?
でも、いまはそうじゃない?
なんなのそれ、勝手すぎるでしょ。
「ばか……」
口に出すと、ほんとにばかみたいだ。
あのとき、なんでももを抱きしめなかったんだろう?
あのももが弱音を吐くなんて。
それを受けとめるのは、きっとあたししかできなかったのに。
「あたし、ほんとばかだ……」
いままでの関係が壊れるのがこわくて、一歩踏み出す勇気がなくて。
もものこと、あたしが一番わかってるなんて思ってたのに。
「もも……みやだって、もものこと、好きなんだよ……」
あたしの声は、誰にも届かずに消えた。

274 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 12:30:49.68 0

「それでは早速、ゲストを呼びたいと思います。今回のゲストは!」
「カントリー・ガールズの、嗣永桃子でーす。よろしくお願いしまーす」
ももと一緒のMCなんてひさしぶりで、思わず頬がゆるんでしまう。

あれからしばらくは、かなり落ち込んだりもしたけど。
ももがあたしのこと、もう好きじゃなくなったとしても。
あたしがももを好きなのは変わらないし。
その事実に気がついたら、なんだかもう、悩むのがばかばかしくなった。
思いきって、プライベートのこととか聞いてみたりしちゃう。
ももがまだBerryzのことを大切に思ってくれてることとか。
特に交友関係が広がってなさそうなこととか。
なんかもう、いろいろと嬉しくって、あたしは顔がほころぶのをとめられない。
「もー、みやったら、ももちのこと好きなんだからー!」
だから、少しだけ素直になってみようかな、なんて。
「ふふふ、まあまあ好きです」
予想外の答えにちょっと戸惑うももがおもしろくて、あたしは笑う。
この収録が終わったら、今度こそ、勇気を出して伝えよう。
手遅れだってかまわない。
何度だって、言おう。

「もも、好きだよ」


おしまい

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