まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

120名無し募集中。。。2019/09/27(金) 00:26:17.490

「もうやだぁ……」
「ちょっと、割らないでよ?」

何気なく置いたグラスがテーブルとぶつかって、思ったより派手な音が鳴っちゃった。
カウンターでシルバーを磨いていた佐紀ちゃんが、じっとりした視線をももに向けてくる。
わかってますよーだ。
そう思いながら、ももはカウンターに突っ伏した。
ちょっと前までなみなみと注がれていたオレンジジュースも今は空っぽ。
角の丸くなった氷がからん、って軽い音を立てる。

「てかさ、暇なら手伝うとかしろよ」
「暇じゃないもん」
「どう見たって暇でしょーが!」

佐紀ちゃんが放り投げてきたダスターを、ももは仕方なく受け取った。
現在、お昼前、11時。
ももが佐紀ちゃんのお店に来たのは10時過ぎだったから、気づいたら1時間くらい経っちゃったみたい。

「そろそろ開店時間なの。ほら早く」
「はぁーい」

ももはゆっくり体を起こして、ダスターを綺麗に折りたたむ。
適当にぐいぐいテーブルを拭いてたら、佐紀ちゃんから「角もちゃんとね!」って声が飛んできた。
もう、細かいなぁ。
大きく息を吐きだして、ももは改めてつるつるしたテーブルに向き合った。
ぼんやり映る自分の顔は、やけにしょんぼりしていた。
ああもう、嫌になっちゃう。しょぼくれた自分の顔を隠すように、ぎゅっぎゅってダスターを走らせる。

そもそもさ、そもそもの話ね?
ももだって、別に昼間から佐紀ちゃんの喫茶店でグダグダなんてしたくないわけ。
そんな時間があるなら、ベッドでゴロゴロするとか、数日前から止まったままの編み物を再開するとか、いろいろあるわけ。
なのにさ、ぜーんぶ手につかないの。それもこれも全部、あの"みや"って女の子のせい。

121名無し募集中。。。2019/09/27(金) 00:26:27.100


「ほんと珍しくない? そんな入れ込んでんの」

お掃除が終わってカウンターでぼんやりしてたら、佐紀ちゃんは変に真面目な顔でももを見てきた。
はいお礼、とホカホカのココアをももの前に置く佐紀ちゃん。
自分用のカップを手に、佐紀ちゃんがカウンターから身を乗り出してくる。

「二回目はないんじゃなかったの?」
「そりゃそうだけど」
「今のももはそうじゃないっぽいけど」
「だから困ってんのー」

ココアをぐいって一気に煽って、甘ったるさを体の芯まで染み込ませる。
もう本当、困っちゃうの。
あの夜からだよ、ももが変になっちゃったの。
バーでまんまと引っかかってきたくせに、初体験もまだだったくせに、キスすら不器用だったくせに。
でも、二人で過ごしたあの数時間は、なぜだかすごく濃密で、優しくて、ココアみたいに甘くて大切な時間だったってことは確かで。

「いつぶりだっけ、そんなになったの」
「さあ」

ももが首を傾げると、佐紀ちゃんはあきれたように力なく笑った。
だって仕方ないじゃん。もも、過去は振り返らない主義なの。

「あ、あの子は? 今どうしてんの?」
「あの子?」
「結構前に、同じようにももが入れ込んでた子、いたじゃん」
「ああ……」

佐紀ちゃんの言葉に、ようやくじわじわと昔のことが頭に浮かんできた。
ああそうだ、この感じ、みやが二人目なんだっけ。
ずーっと心の奥底に残ってる、カップの底で溶け残ったココアみたいな感覚。
あの子は、みやとはまた全然タイプが違って。
最初から、私上手いですよ?って顔して、実際本当に、悔しいくらい手練れだったわけだけど。

「どうしてんの、あの子」
「さあねえ……海外行く、とか言ってたけど。結婚して幸せに暮らしてんじゃないの」
「出た出た。どうせ連絡取ってないんでしょ」
「だって、一晩で終わる関係……の予定だったし」
「予定が狂ったくせに」
「もういいじゃん、そのことは」

良くないくせに、ってつぶやきが聞こえてきたけど、佐紀ちゃんはそれ以上何も言わなかった。

「もう一回会ってみれば? その、みやって子に」
「んー……考えとく」
「後悔しても知らないからね」
「後悔なんてしたことないよ」
「うそ、」

佐紀ちゃんが何か言おうとしたのを、お店の柱時計の間抜けな鳴き声が遮る。

「あ、開店」

札裏返してきて、って佐紀ちゃんに頼まれて、ももは席を立った。

26名無し募集中。。。2019/10/05(土) 17:42:13.150


ももがバーの入り口をくぐったら、マスターが「おや?」って顔しながらこっちを見てきた。
無理もないよね、最近ちょっとご無沙汰だったし。
お気に入りのテーブル席に座ると、マスターが無言でオレンジジュースを差し出してきた。
すらっとしたフルートグラスが、バーの照明を反射してきらきら光る。
その細さがあの子の、みやの指先みたいって思っちゃって、どうかしてるって自分で自分を笑いたくなった。
ついつい辺りを見渡しちゃったりなんかして、何期待してんだろ。
二回目はないんだってば。ぷるぷる首を振って、ももはジュースを口に含んだ。
すっきりしてて、甘酸っぱくて、頭をそっと冷やしてくれる感じが好き。

今日はゆっくりしたら帰ろうかな。
そんなこと思っていたら、ももの前でこつん、と静かにヒールの音が止まる。

「ねえ、ここ空いてます?」
「え? ……あ」

バーの古い椅子が、きい、って小さく軋む。
その人と目が合って、遅れて頭に届いた甘ったるい声がどろりと溶ける。
……こんなことって、ある?

「お久しぶりですね、ももちゃん」

するって手から抜け落ちたグラスが、机に当たって鈍い音を立てる。
でもそんなこと気にならないくらい、ももの意識は一点に向かっていた。

「な、んで」

27名無し募集中。。。2019/10/05(土) 17:43:47.870

すっかり止まった頭から、間抜けな言葉が一つ転がる。
ももを見下ろして、彼女——真野ちゃんはもともとのタレ目を更に細くした。

「主人が日本で仕事なので、私もついでに」

そう言いながら、真野ちゃんは当たり前のようにももの前に座る。
マスターは、何も言わずに真野ちゃんの前にサングリアを置いていった。

「変わらないですね、ここ。ちょっと安心しました」
「……何しに来たの」
「何って、少し寄ってみただけですけど?」

怖い顔、って真野ちゃんがからかうように笑う。
そりゃ怖い顔にもなるわ!ってももは言ってやりたかった。
でも、机の上に置いたままだった手に真野ちゃんの指がゆるゆる絡んで来て、ももの言葉は、するりと喉の奥に引っ込んだ。

「まだこんなことやってるんですか? ももちゃん」

なんで、責めるような目を向けられなきゃいけないの。

「放っといてよ」
「ももちゃんまで変わってないとは思いませんでした」
「……置いてったくせに」
「あら、寂しかったんですか?」

かわいい、って余裕たっぷりに真野ちゃんが言う。

「うふふ。今夜、どうですか?」

透き通った赤い液体を揺らして、真野ちゃんの視線がももの肌を舐める。
熱っぽい視線を向けられるのは慣れてるけど、真野ちゃんのはちょっと違う。
熱い視線なのは確かだけど、どっちかっていうとももの背筋を凍らせるような視線。

「……旦那さんいるでしょうが」
「ただディナーのお誘いなのに……何、想像したんですか?」

なんでそんな落ち着いてるわけ?
久しぶりに会ったのに普通の顔できるわけ?
何より、何より。
最後に会った時より、ずっとずっと綺麗になって、幸せそうに笑うとこ、本当に。

「……むかつく」
「あら、はしたないですよ。ももちゃん」

真野ちゃんの爪の先が、じわじわとももの手の甲に突き立てられた。

28名無し募集中。。。2019/10/05(土) 17:45:51.990


二回目はなしって決めてるのは、真野ちゃんのことがあったから。
自分がハマったらずぶずぶ沈んでいくタイプなの自覚してるから。
ももと同じだけの重さを、向こうが背負ってくれるとは限らないのも知ってるから。
諦めたつもりで心の奥底にしまっておいた感情は、けれど真野ちゃんによっていとも簡単に顔を出す。

「お水、いります?」

二人でも余りそうなほど大きなベッドの端に座って、真野ちゃんがミネラルウォーターを差し出してくる。
ももが首を振ると、真野ちゃんは「そうですか」ってつぶやいてそれに口をつけた。

「……本当にいらないですか?」

小さく上下する喉元を見つめていたら、真野ちゃんがそう言いながらペットボトルを軽く振ってみせる。
真野ちゃんの濡れた唇に、勝手に視線が引き寄せられる。
気づいたらももの腕は勝手に動いていて、真野ちゃんはわかってますよとでも言いたげに笑った。

「重たい女してますね、相変わらず」
「そんなことないし」
「ありますよう。私のこと、忘れられなかったくせに」
「違うもん」

少なくとも、最近はようやく抜けられた、気がしてたのに。
まるで蜘蛛みたいに笑いながら、真野ちゃんはもものことをぐるぐる巻きにする。
がんじがらめになっちゃったら、今度こそゆっくり死んでいくだけかもしれない、なんて。
ぬるくなった水を飲み下しながら、ももはそんなことを想像した。

「じゃあ、お詫びしますね」
「は?」
「寂しくさせちゃった、お詫び」
「だから、寂しくなんか」

真野ちゃんがももの肩に体重をかけてくる。真野ちゃんて、こんな力強かったっけ。

「まだまだ、夜は長いですもんね」

真野ちゃんがベッドサイドのボタンに手を伸ばす。
ふっと電気が消える直前の真野ちゃんの笑顔が優しくて、ももはぎゅって目をつぶった。

29名無し募集中。。。2019/10/05(土) 17:48:37.320


水いりますか、って真野ちゃんの声がする。
重たい瞼をどうにか開けたら、薄闇の中で真野ちゃんの気配が動くのが見えた。

「汗、すごいですよ。水分とらないと」
「……誰の、せい」

仰向けの体をどうにか起こして、真野ちゃんが手渡してくれたボトルを両手で掴む。
するする降りてくる液体はお腹がびっくりしそうなほど冷たい。いつの間に冷蔵庫に入れたんだろう。
体の中にこもってた熱が、ようやく少しだけ収まっていくような感覚。
ももが長い息を吐くと、真野ちゃんの熱っぽい手のひらがももの腰に添えられた。

「なに」
「え? 何がですか?」

分かってるくせに、とぼけた言い方。
苛立ってほっぺを摘んだら、真野ちゃんにその手を捕獲された。

「お楽しみ、これからなんですけど」
「は?」

実はプレゼントがあって、と真野ちゃんが裸のままベッドから降りる。
普通、プレゼントって言葉は胸が躍るものだと思うんだけど、なんでだろう、今は全然そんな感じがしない。

「電気、つけますね」

一瞬、ライトがももの目を刺してきて、ももは思わず目を閉じた。その間も、ガサガサと紙が擦れ合うような音がする。
ようやく慣れてきた目をゆっくり開けると、ピンク色の物体が乱れた白いシーツの上に横たわっていた。
その形は、いわゆるあの、男性のモノを模したもので。

「ね、かわいいでしょ?」

およそかわいいなんて言えないようなサイズのものを拾い上げ、真野ちゃんが心底嬉しそうに笑いかけてくる。
そんなどぎついピンク色、ももには絶対似合わないって思うのに。

「ももちゃんのために選んできたんですから」

他にも、いっぱい。
そんな風に言われて、左胸辺りがチクチクと疼く。
こんなことで揺さぶられちゃうももの心は、なんて単純でバカなんだろう。
真野ちゃんがひっくり返した何の変哲もない茶色の紙袋から、バラバラと大小様々な道具が現れる。
大人のおもちゃ、とかよく言われる類のやつ。
なんで海外製のこういうのって、どれも全部ビッグサイズなわけ。
そんな、バカみたいなことまで考えちゃって。

「ほら、こんなにたくさん。……全部、ももちゃんのためなんですよ?」

耳元で囁かれて、ももは思わず唇を噛んだ。そうでもしなきゃ、体の支えがなくなっちゃいそうだったから。
真野ちゃんの体がももの方に伸びて来て、両腕にすっぽり包まれる。
押し付けられる肌の柔らかさが、ももの頭をくらくらと眩ませた。

30名無し募集中。。。2019/10/05(土) 17:50:37.480


息苦しさも、多少の痛みも、不快なはずなのに拒めない。それは全部、相手が真野ちゃんだから。
ちゃんとほぐさないといけませんよね.
そう言って、真野ちゃんはじっくりじっくりももを追い詰めた。
暴力的なサイズの道具とは裏腹に、真野ちゃんの指先はほっそりしていて優しくて、それが一層ももの体を昂らせる。

「ふふ、喜んでくれて嬉しいです」
「ぅ、ぐ」

開かれた両足の間から、真野ちゃんがももを煽るように見つめてきた。
ぬるぬるになった真野ちゃんの指が、もものいいところをぐーっと押しつぶした。
途端、ももの背筋をぞくぞくした甘さが突き抜ける。

「っあ……!」

思わず反ったお腹を無理やり押さえつけられて、何かがもものナカをえぐるように入り込んでくる。
無理、って思うたびに真野ちゃんの指がももの腰を溶かしてきて、引けそうになる腰を捕まえられて。
それにスイッチが入った瞬間、瞼の裏で火花が散った。


もう少しだからって言われて、ももはどうにか暴れまわる熱に耐え続けた。
いっぱいお願いしたのに、まのちゃんのゆびが、またはなれる。
もう、やだ、ほんとうに、もう。

「もぉ、っ、ま、のちゃ……っ」
「あ、大変」

まのちゃんの手がぴたって止まる。なんでやめちゃうの。
ぼうっとした目から、熱っぽい涙がぼろぼろこぼれる。

「なんっ、で、ぇ」
「ごめんなさい、私帰らないと」

息をすったら、お腹がびくびく痙攣した。
真野ちゃんがももの髪をそうっと梳く。違うの、そこじゃないの。
何か言おうとしたけど、ももの喉はしゃくり上げただけだった。

31名無し募集中。。。2019/10/05(土) 17:51:09.580

「本当はね、さよなら言いに来たんです」

ももに覆いかぶさってきた真野ちゃんが、ほっぺに柔らかくキスをしてくる。

「でも、私優しいので。終わりにしないであげますね」

真野ちゃんは穏やかに笑うと、ももの鎖骨のあたりに噛み付いた。

「った! ぁっ……」

痛みを覚えた場所に、今度は真野ちゃんの唇が緩く吸い付く。
ぴりっとした感触も、ももの脳みそは勝手に甘い痺れに変換した。
吸い付いた場所をぺろっと舐めた真野ちゃんが、ゆっくりとももから離れる。
名残惜しい、なんて、思ってくれてるわけ……ないか。

「ごめんなさい、帰りますね。ももちゃん」
「……ぅ、そ」

本気?
そう思ったら、体の中心がじわじわと疼き始める。
衣擦れの音がして、真野ちゃんは何の躊躇いもなく着替え始めた。

「本当に、いっちゃ」
「じゃあね、ももちゃん」

真野ちゃんの背中がにじむ。
ドロドロの熱を持て余したまま、ももはベッドの上でうずくまった。

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