まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

684 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/09(日) 00:53:30.81 0
やっつけ感満載だけどもっちゃん→今月→?←五段で


「もっちゃーん、これ片しといて」
「はーい」

元気な返事と一緒に、うちが手渡したメイク道具を持って駆け出すもっちゃん。
ちょっと前からうちのアシスタントになった子なんやけど、小っさいながらなかなかよう動く。
ぱたぱたって部屋の隅っこへ走って行くもっちゃんを見ながら、うちも偉うなったもんやなって実感がじわじわと湧いて来た。
そんな風にしみじみしとったら、コンコンと後ろから控えめなノックの音。
五段や、って。
振り返らんでも分かるようになったんは、いつからやったかなあ。
くるりと振り向くと、ビンゴやった。

「お、五段やん。明日の打ち合わせ?」

こくり、と首が一回縦に振られる。
せやな、明日はひなフェスやもんな。
久しぶりにBuono!の出番がしっかりあるっちゅうんで、雅ちゃんを始め、みーんな気合い入っとった。
新星のおばあちゃんも張り切ってケータリングの仕込みしとったし、そんなん見たら、うちも気合入るっちゅうもんや。

「今日も盛況やったみたいやし。明日も期待できそうやな?」

こくり、とまた五段の首が上下する。

「ももちゃん、見るの楽しみなんやろ?」

今度は、ぴくりと反応する五段。少ししてから、慌てたように頷かれた。
あんたがももちゃんのファンやなんて、周知の事実やんか。
今更照れることあらへんやろ、と思うんやけど。
五段には五段の考えがあるみたいやから、ツッコまんといた。

「あ……お疲れ、様です……?」

ハッと気づいたら、もっちゃんが戻ってきとった。
あーせやった、もっちゃんと五段は初対面やったな。

「もっちゃん、こいつな、シークレットサービス……なんやったっけ?」

無言で五段が首から提げとった名札を見せてくる。
せやせや、シークレットサービスチーフやな。

「五段言うねん。無口やけど、これが普通やから」
「は、はあ……」

685 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/09(日) 00:53:51.70 0

うちらの様子に、訝しげな視線を送ってくるもっちゃん。
まあ、気持ちは分かる。
うちも、最初は五段が全然しゃべらんのに戸惑ったからな。

「この子はもっちゃん。最近入ったうちのアシスタント」

おずおずと会釈する五段の唇が、むずむずと動くんが見えた。
よろしくお願いします、ってところやろうか。
対してもっちゃんは、硬い表情のまま。

「もっちゃん?」
「え? あ、はい」

うちが声をかけると、もっちゃんはようやく少し緊張を解いた。

「よろしく、やって」
「あ……よろしく、お願いします」

ぎこちなく五段ともっちゃんが挨拶を交わしたところで、ザザザ、と雑音がした。
五段のレシーバー、やろうか。
もう行かなあかん、という雰囲気を醸す五段に、またな、と手を振る。
相変わらずシークレットなんちゃらとは思えんような走り方で、五段は部屋からおらんようになった。

「……五段さん、でしたっけ」
「せやで」
「ご友人、ですか?」
「せやなあ……というよりは、仕事仲間かな」

実際、五段とうちはそんなに頻繁に顔合わすわけやない。
せやけど、仕事現場が一緒になる時、五段は大体いつも顔を出してくれるんや。
お疲れ様、言うてな。

「あー、オロナミンC余っとったんあげたら良かったな」

今度会ったら押し付けよ。
誰の希望か知らんけど、差し入れらしいオロナミンCが売るほど冷蔵庫に入っとったし。

「仕事仲間……」
「どないしたん? 五段が気になるん?」
「いえ、いや……面白い人ですね」
「はは、せやな。間違ってへんわ」

まあ、五段と打ち明けるんは時間かかることやし、ゆっくりやったらええわ。

「さて、そろそろ帰ろか。明日は早いで」
「はーいっ」

もっちゃんの手の挙げ方はめっちゃピンとしとって、なんや小学生みたいやなって思った。

686 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/09(日) 00:54:33.56 0


じゃあまた明日、なんて言って、もっちゃんと別れた後で忘れもんしたことに気がついた。
定期券忘れるとかアホやろか、うち。
もっちゃんには忘れもんせんように、なんてカッコつけたのになあ。
急いで楽屋に戻ろうとして、廊下の向こうから響いてきたんは聞き覚えのある声。
——もっちゃん?
そんなことあるやろか?
さっき、バイバイしたばっかりやで。

「——いえ!」

恐る恐る近づいていったら、いきなり鋭い声が耳に刺さった。
間違いなくもっちゃんなんやけど、こんな怒っとるようなんは初めてや。
あかん、緊張してきた。
そろりと角から覗くと、もっちゃんの後ろ姿があって、その向こうには。

「……は? ……五段?」

顔の割に大きめのサングラスと、ちょっとダボっとした黒スーツ。
そんなん、五段しかおらへん。
せやけど、なんでもっちゃんと五段が?

「ちょっと、こっち来てください」

もっちゃんが五段の手をひっつかんで、さっきまでうちらのいた楽屋へと引きずりこむ。
な、なんや、喧嘩か?
せやったら、はよ止めなあかん。
慌ててもっちゃんの後を追うと、なぜか部屋からはごお、という風の音。
これは、ドライヤー……?

687 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/09(日) 00:54:57.62 0

「——ですから! もう!」

そーっと部屋の中を伺うと、もっちゃんが手にドライヤーを握っとるんが見えた。
ということは、その相手は五段ということや。
なんで?
疑問がむくむくと大きゅうなっていくんやけど、さすがにこの状況で飛び出せんやろ。
廊下に引っ込んで聞き耳を立てとったら、不意にドライヤーの音が止んだ。

「……あたし、そういうの我慢できないですから」

もっちゃんが、ぽつりとそう呟いたんが耳に届く。
どういうことなんやろうか。
もっちゃんと五段、顔見知りやったんか?
せやけど、そんな雰囲気は全然感じられんかったしなあ。
もっちゃんはともかく、五段は嘘がつけへんから。

「ちゃんと言わないと、知りませんからね」

相変わらず厳しいもっちゃんの声が飛ぶ。
それはきっと、五段に向けられたもんで。
なんなんや、ほんまに。
やっぱり音だけじゃ分からん、と再び部屋の中を覗き込む。

「……できました」

ちょうど、もっちゃんが腕を下ろすんが分かった。
その声はちょこっとだけ満足げで、ちょこっとだけ悔しそうで。
視覚情報が入っても、やっぱり状況は分からんなって思った時やった。

「可愛いんですから、それくらいやってもいいと思います」

は? もっちゃん、誰に言うてんの?
そこで、くるりともっちゃんが踵を返した。
あ、あかん。
急いで顔を引っ込めたけど、もっちゃんの足音はずんずんとこっちに近づいてくる。
やばいやばいやばい、と焦るうちの横を、もっちゃんはわき目も振らんまま通り抜けた。
な、なんやったんや。

688 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/09(日) 00:55:14.53 0


もっちゃんの足音が遠のいた後で、そういえば、と五段の存在を思い出した。
忘れもんしたんやって言えば、不自然やないよな。
3回くらい心の中でセリフを繰り返し、うちは楽屋に足を踏み入れた。

「あれ、どこやろ……おー、あったあった」

さも忘れもんして今ここに来ました、って体を装う。
ちょっと上手くできたんやない?って自画自賛。

「……あれ、ごだ——」

ん、って言おうとしたんやけど、思わず言葉が途切れてしもた。
なんでって、そんなん。
こっち向いた五段が、可愛らしい髪型にされとったからや。
丁寧に編み込まれてアップにされた五段の髪の毛。
いつも、ポニーテールにちょっと雑な編み込みくらいしか見たことなかったせいやろうか。

「……かわ、いい」

頭に浮かんだ言葉は、気づいたら口から漏れとった。
五段の頬が、耳が、赤く染まっていくんが見えた。
唇をきゅっと結んで俯く五段は、ほんまに、いつにも増して可愛い気がして。

「何が、あったん? さっき、もっちゃんとすれ違ったんやけど」

もっちゃんの名前を出すと、五段が少しだけ顔を上げるんが分かって。

「ご、五段?」

椅子から下りてきた五段が、突っ立ったままやったうちの胸に飛び込んできた。
さっきから何なんや、もっちゃんもやけど、五段も変やで。

「……五段? どないしたん」

うちより背の低い五段の腕は、ちょうど腰あたりに回されとった。
そこにぎゅっと力が入れられて、何やちょっと嬉しい気もするなって。
そんなことを思っとったのも束の間や。

「あ、ちょ、五段……?!」

突然、うちの腕の中からするりと抜けだして、五段は部屋を飛び出ていった。

はあ……?! なんやねん、マジで。

取り残されたうちは、明日五段を問い詰めたる、と心に決めた。


おわり

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