まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

390名無し募集中。。。2018/04/05(木) 19:20:36.860

思いつきで新生活応援みやもも(JK3とJK2)



あいつと会ったのは、偶然だった。

「あれー、みや?」

呑気な声と一緒に現れたあいつ……もも。
みやの一つ上の学年で、いわゆる先輩ってやつ。
小さい頃から家が近所で一緒に育ってきたから、あんまりそんな感じはしないけど。
あんまり。……うん、あんまり。

「どしたの? 買い物?」
「……まあ」

大きなカートを引き連れたももは、なぜかにやにやしながら近づいてきた。
買い物以外にこんなとこ(つまり、ホームセンター)来るJKなんていないと思う。
ちょっと言葉に詰まったのは、自分の買い物じゃなかったから。
家のクッションを新しくしようとママが言い出したのが、今朝の話で。
でも、パパはノリノリで車を出してくれた。
みやはただ着いてきただけなんだけど、他の買い物まで始まっちゃったから勝手にぶらついてたってとこ。

「いつぶりだっけ? 2月くらい?」
「まあ……そのくらいなんじゃない」

そっかー、と聞こえてくる返事は、綿毛みたいに軽かった。
なんでももは普通にしていられるんだろう。
1ヶ月も会ってなかったのに。
その間、どんだけみやが……とは、癪だから言ってやんない。

「あ、そうだ。ゴーカク。おめでと」
「あれ? 言ってもらってなかったっけ?」

きゅっと上がる眉にちょっとイラっとした。
言ったけどさあ。メールだったじゃん。
「合格したよ」ってあっさりしたメールをももがよこしたから、「おめでとう」って返したの。
直接言ってあげようと思ったのに「あれ?」かよ。言うんじゃなかった。

「みや?」
「……なに」
「な、何か、怒ってる?」
「べーつに」

あ、ももが焦ってる。少しだけ、気分が晴れた。

391名無し募集中。。。2018/04/05(木) 19:21:29.650

「それ可愛い」
「え? ああ、いいでしょ?」

改めてももが押しているカートを見ると、新生活に向けたグッズが大量にあふれている。
みやが指差したのは、ちょっと飾り織りが入ったオフホワイトのカバー。
あとは、淡いピンクのカーテンとか、ハンガーとか、洗濯バサミとか。
それらは店内の照明のせいか、つやつやと光って見えた。
本当にいなくなっちゃうんだ。そう思ったら、なんだか鼻の奥がツンとした。

「あ、これなつかしー」

みやの気も知らないで、ももは植木鉢コーナーの雑貨を手に取っていた。
はっきりした赤や黄色で塗られた風車には、ひょうきんな顔をした蜂がひっついている。
どこかで見たことあるかも。なんでだっけ。
そんな気持ちでももを見たら、なぜかももの視線が春の日差しみたいでどきりとした。

「幼稚園のバス停の近くにさ、これいっぱい刺さってる植木鉢なかったっけ」
「あった、かも?」

言われてみればそんな気もする。
ひょうきんな蜂の笑顔が、小さい頃はちょっと不気味に思っていた。

「ももが小学校上がった時、みやってばもものこと探し回ったんだっけ?」
「……そんな昔のこと、覚えてないし」

嘘だし。覚えてるし。
いつも場所にももがいなくなっちゃったから、あの時のみやは必死だった。
園庭の隅から隅まで探し回って、下の学年の部屋にまで顔を出して、それでもももを見つけられなかった。

「危うく幼稚園から脱走するところだったらしいじゃん?」
「知らないし」

それにしたって、なんでそんな大昔の話を掘り返してくるんだろう。
中学に上がった日も、高校に上がった日も、なぜかももはこの話を持ち出してくる。
同じ話を何度もしてること、覚えてないんだろうか。それってやばくない?
別に、大して面白い話ってわけでもないのに。

392名無し募集中。。。2018/04/05(木) 19:22:58.760

「あ、そーだ。ちょっと手伝ってよ」
「え?」

気づけば元の場所に収められたスマイルの蜂が、びろんびろんと間抜けに揺れた。
ももの中では、さっきの話は既に終わったことになったらしい。
行くよ、とももは勝手に先導し始めるけどさ、みや、一言もいいよなんて言ってないよ。

ここ、ここ。そう言ってももが立ち止まったのは、寝具のコーナーだった。
さっき、弟の枕を選ぶためにさんざん見て回った場所でもある。

「なに?」
「ん、ちょっとさ。みやに選んで欲しくて」
「は?」

選ぶ? 何を?
ももの意図がよく分からなくて首を傾げていたら、ももの人差し指がぴんと伸びた。
その指先が示す先には寝具のカバーがずらりと並べられている。

「ベッドのシーツ。みやが選んでよ」
「……は? 自分で決めればいいじゃん」

いよいよ何言ってるんだろう、この人は。
そんな気分になって思わずももを振り返る。睨みつけたみたいになっちゃった。そんなつもりじゃなかったのに。

「いーから、ほら」

みやの気持ちなんて知ったこっちゃないって感じで、ももに背中をせっつかれた。
ああもう、こうなったら何言ってもムダだ。
ももの新生活準備を手伝ってるみたいで、本当はあんまり気が進まないんだけど。
そんなの、ももには関係ないんだろうな。

「どんなのがいいの」
「みやが好きなのでいいって」
「訳わかんないんだけど」
「いいじゃんいいじゃん。可愛いの選んでよ」

可愛いのって言ったっていろいろあるじゃんか。
ぶつぶつと口の中で言いながら、みやはシーツに目をやった。
グラデーションになるように置かれたカバーは、本当に目移りするほど種類がある。
色もそうだけど、模様も本当にたくさんあって、マジで困った。
もも、どんなの好きなんだろ。

393名無し募集中。。。2018/04/05(木) 19:23:19.910


ももから、別の県の大学に行くって聞いたのは今年の夏休みだった。
家からは通える距離じゃないから、一人暮らしするんだって聞いたのもその時。
ちょうどその時食べてたソーダアイスみたいにあっさり言ったから、飲み込むまでにしばらくかかった。
だってももの高校の近くにもそこそこの大学はあったし、大半の人はそこを目指すから。
みやは何の疑いもなく、もももそこに行くもんだと思ってた。
それが、何? 別の県? 一人暮らし?
何一つ、聞いてない。
ずっと一緒に過ごしてきたのにさ。
それなのに。なーんにも、みやは知らされてなかった。
しかも後で聞いたけど、落ちたらカッコ悪いから受かったら言おうと思ってた、なんてさ。
みやのことを、なんだと……いや、ただの幼馴染だけど。
そう考えたら、ちょっと凹んだ。


ハート柄。大学生には甘すぎ。
星柄。ももっぽくない。
いちご柄。お肌ぷるぷるになりそう。
気になったのを手に取ってはみるけど、どれもこれもピンとこない。
だって、ももがどんな部屋に住むのかも知らない。
ももがどんな大学に通うのかも、どんな大学生になるのかも、知らない。

「なんか、全部微妙……」
「んー、そっかあ」
「ももは? 見てていいなって思ったのないの?」
「みやがないならない」

こいつは。
もう投げ出したい気持ちでいっぱいだったけど、ももの視線がビシバシ刺さってくるから飲み込んだ。
一人暮らしのJDに合う柄なんて分かんないですけど、マジで。
そう思いつつ、自分なりに想像を巡らせてみた。
鍵が開いて、部屋に入ってくるもも。もちろん一人。
疲れたーとか言うのかな。それじゃOLか。
一人。一人なんだ。ふと、その事実が胸を刺した。
ひとりぼっちって、寂しくないのかな。
引き出しては戻し、また別の手に取って。
数回繰り返して次に現れたカバーは、はちみつ色とオレンジ色のチェック柄だった。
お花見の時の太陽みたいな、暖かくてほっとする色。

「……あ」

ももと、声が揃った。

394名無し募集中。。。2018/04/05(木) 19:23:53.420

「お日様みたいな色だね」
「うん」

お日様に包まれて眠るもも。うん、悪くない。
イメージが繋がって、持っていたカバーを持ち上げてももに見せる。

「ファイナルアンサー?」
「なにそれ」

ファイナルアンサーだけど。ももだってピンときたでしょ?
頷いて、カートにカバーを突っ込んだ。
新生活を彩る生活雑貨の中で、お日様のカバーは一番ピカピカして見えた。

「ん、ありがと」
「どういたしまして」

これで最後かな。ももがポッケから出したリストとカートの中身を見比べる。
ふと、ももの声が耳元でざらついた。

「……たまには、帰ってこい」
「ん? なーに、寂しいの?」

ここで、うんって素直に頷く自分を少しだけシミュレーションしてみた。
そんなことできてたら、苦労してないんだよね。
結局、みやの口から出てきた言葉は別のもの。

「ももの方こそ」
「え? ももはダイジョーブだよ」

ももの声に妙な抑揚がつく。
まさかと思って顔を向けると、わざとらしいまばたきが目に入った。
小さい頃から知ってる。嘘つく時の、ももの癖。
少しの沈黙があって、ももはバツが悪そうに唇をきゅっと引き結んだ。

「たまには帰るから。みやも、会いに来て」

あーずるい。ほんとずるい。
なんでこういう時だけ真面目な顔で、大事なことを伝えるような言い方するの。

「行かないわけ、ないし」

結果的にぼそぼそとした言い方になったけど、ももにはしっかり届いたらしい。
ももが心底嬉しそうにくしゃりと笑ったから、春になったら速攻押しかけてやろうって決めた。

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