まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

810名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/27(木) 03:17:13.38 0

夢でも見てるみたい。

まぶたを開けて、一番に浮かんだのはそんな言葉だった。
昨日と同じ天井。
昨日と同じお布団。
でも、昨日と違うのは。

「……ゆめ、じゃない」

しみじみつぶやいた後で、漫画みたいなセリフだな、と思う。
でも実際、それ以外の言葉が見つからないのも本当だった。
隣から聞こえるのは、もう一人分の寝息。
そうっと体の向きを変えて、それに向き合ってみる。

「みや、だ」

まだ閉じられたままのまぶたの先で、まつげがきらりと朝日を反射した。
改めて綺麗な顔だな、なんて思っていたら、まつげがふるふると震えて。

「……ん、ぅ? もも?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「んー……?」

どうやら、まだ寝ぼけているらしい。
ゆっくりと手を伸ばすと、みやの髪の毛が指先に触れた。
陽の光に照らされて、もともと薄い色がさらに薄く見える。
そのまま指を滑らせると、するりと指の間を通り抜ける感触。
現実なんだって当たり前のことが染み渡った。

811名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/27(木) 03:17:56.07 0


アイドルを卒業して所謂フツウの人になった私を、まだキラキラした世界にいるみやは、好きだと言ってくれた。
そういう乙女チックシミュレーションを、したことがないわけじゃない。
だけど、それを現実にすることは、望んじゃいけないと思ってた。
ほら、現実世界にはいろいろあるじゃん。
面倒臭いことも、難しいことも、たっくさん。
でも、みやはそんなの軽々と飛び越えて、私がいいんだと言い切った。
今までに見たことがないくらい、まっすぐな眼差しで。
そんなの見ちゃったら、建前とかそういうの、簡単に吹っ飛んじゃったの。

それが、昨晩のこと。
つまり、私たちの関係がドウリョウからコイビトへと変化したのは、つい数時間前。
変わったことといえば、そのくらいだと思ってたんだけど。

今まで何度も見てきたはずの、みやのパジャマ姿とか。
初めてじゃないはずの、寝起きの姿とか。
どうしてこんなに、ドキドキするんだろう。

「ももぉ……?」
「ん? なぁに?」

むにゃりと発せられた音は、曖昧なまま空気に溶けていく。
みやって、朝はこんなにふにゃふにゃなんだっけ。
寝起きが悪いのは知ってたけど、ここまでだなんて予想外。

「も、も……」
「どーしたの、みやびちゃん」

いつもは大人びて見える——実際大人なんだけど——みやが、今朝は小さな子どもみたいだった。
からかい半分で声をかけると、みやのまぶたが薄く開く。
起きた、かな?

「んー……こっち」

かと思えば、みやの腕がこっちに伸びてくる。
そのまま、すっぽりとみやに包まれた。

「み、みや?」

ベッドも、掛け布団も、いつもと変わらないのに。
みやの肌から、服から、甘い匂いが立ちのぼる。
それは、めまいがしそうなほど甘かった。

「もう、起きる?」
「えと……いや、どっちでも、いいけど」

意識してしまったら、なんだか言葉がうまく出てこなくなった。
何より、息を吸い込むたびに肺に満たされていく香りが甘くて、甘すぎて。

812名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/27(木) 03:18:49.20 0

「んー……どうしよ」
「眠かったら、まだ寝ててもいいよ」
「いや、もう覚めちゃったけど」

その言葉通り、みやの声はさっきより芯のあるものに変わっていた。
背中に回されている腕も、さっきよりしっかりとしている気がする。
起こしてごめんねって言ったら、ちょうど起きるタイミングだったし、なんて。
さっきまで眠そうだったくせに。

「もも、今日、どーしたい?」
「へ?」
「今日、みやオフなんだけど」

デートでもする?なんて、軽い調子で言うのずるくない?
なんだか、みやばっかり余裕みたいで複雑。

「しても、いい」
「ふぅん? どこ行こっか? どこも混みそうだけど」
「みやの好きなとこで、いい」

こんな時、インドア派って不利なのかも。
デートだなんて突然言われたって、みやが喜んでくれそうな良い感じのロケーションなんて思いつかない。

「んー……じゃあ、したいことは? ないの?」

みやの語尾に少し不満が滲んだ気がして、慌てて思考を回転させる。
やがて、行き着いた答えはいたってシンプルなもの。

「……手、つないで歩きたい」

ほら、恋人つなぎって、少女漫画とかでよくあるやつ。
あれで、二人で並んで歩いてみたい。
半分くらい本気で、もう半分は冗談だった。
だって、みやはきっと恥ずかしがるだろうな。
そう踏んで、言ってみただけのつもりだったのに。

「そんなんでいいの?」
「そ、そんなんって」
「いや、だって、手つなぐだけでしょ?」

意外にもあっさりと、その提案は受け入れられた。
思わずみやの顔を覗き込むと、至って本気ですって顔。
あ、まずい。
自分で言っておきながら、耳の先っぽが熱くなるのを感じた。

「……い、いいじゃん、別に」
「まあ、いいけど」
「けど、なに?」

どこか含みのある言い方が引っかかって、思わず問い返していた。
くるり、とみやの黒目が斜め上へと移動する。

「や、えーと」
「言ってよ」
「ももでも、そーゆーこと、思うんだなっていうか」

813名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/04/27(木) 03:19:03.92 0

何それ。
ももでも、ってひどくない?

「思ったら悪い?」
「ううん、全然悪くない」
「なんかちょっとバカにしてない?」
「まさか」

そう言うみやの声には、抑えきれなかったらしい笑いが混じっていた。
みやもそれが分かっていたのか、さっきよりも少しだけ密着させられる体。
そんなんじゃ、ゴマかされないんだから。

「だって、みや、ちょっとニヤけてるもん」
「いや、なんだろ。嬉しくて?」
「……へ?」

嬉しい? 何が?
思わぬ言葉が脳に届いて、微妙に渋滞を起こす。
みやの思考回路が読めなくて戸惑っていると、みやがくすりと笑ったのが分かった。

「もも、意外とフツーに乙女だなって思ってさ」
「意外と?」
「まーね」

さっきからひどくない? みやってば。
もも以上に乙女な人、いないと思うんだけど。
でも、みやのイメージする私には、含まれていない要素だったらしい。

「だって、ももって結構サバサバしてるとこあるじゃん?」
「ないっ」
「ふーん?」
「もうっ、みや?」

なんでだろう、今日はやけに私ばかり余裕がない気がする。
今だってさ、涼しい顔で私の頭撫でてくるし。
それがやっぱり癪で、膨らむ気持ちはほっぺたに詰め込んだ。

「あはは、ごめんって。拗ねないで?」
「拗ねてない」
「じゃ、そういうことにしとくから」

つんつん、とみやの細い指先につつかれる。

「もうちょっとゴロゴロしたら、ごはん食べにどっか行こ?」
「……やっぱりやめたとか、ナシだからね」
「分かってるって」

いっぱい、してあげる。
耳元で囁くみやの声は、やっぱり余裕たっぷりで。
無言で唇に触れてくる感触に、ちょこっとだけ歯を立ててやった。

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