まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

166名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/26(火) 22:39:29.450

 多分、数秒かそこいらだったと思う。頭を打った私は少しの間、気を失っていた。
意識を取り戻し、はっきりとしない頭で、ただ、逃げなくてはという焦燥感の中、コツコツと足音が響き、重たい頭を床から引き上げたとき、白い床に映える赤いエナメルの靴がふた揃い、視界に飛び込んで来た。
「これは、これは」
「珍しいお客さんやな」
 顔を上げると、白い襟に赤いボタン、白い大きな水玉の散ったスカート地が可愛らしい色違いのワンピースを着た少女が二人、こちらを見下ろしていた。髪の長い少女が薄紫色、おかっぱの少女が黄色である。
「あ、あなたたち、研究所の人なの?」
 私が尋ねると、二人は顔を見合わせた。

167名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/26(火) 22:41:10.270

「研究所という言い方には若干違和感を覚えますが」
「まぁ、そんな風なもんやなぁ」
「そ、そうだ、私たち追われていて、早く逃げなくっちゃ、ねぇ、みや」
 そう言って後ろを振り向くと、大小の金属片がバラバラと飛び散っているのが目に入った。みやは、みやの姿はない。
「大丈夫、あいつらは入ってこられへんで」
「まあまあ、これは派手にやられましたねぇ。あら、結、あったわよ」
 薄紫色のワンピースの少女は上品な仕草でしゃがみこむと、金属片をかき分け小さな立方体の箱をつまみ上げた。
「やだ、みや、みやは、みやを助けないと」

169名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/26(火) 22:42:42.760

 私は痛む足を引きずりながら立ち上がり、入って来たと思われる壁をゴンゴンと叩く。どうしよう、私のせいで、みやが。
「彼女の”コア”はここにありますが。あなたがお探しなのはこれでは?」
 振り向くと、髪の長い少女が首を傾げていた。続けておかっぱの少女が口を開く。
「ボディはもうあかんやろね、こんだけ壊れてもうてたら。まぁ”コア”さえあればどうとでもなるやろ」
「それがみやの”コア”……?」
「状況から察するにそう考えるのが自然かと思われます」
 薄紫の少女がツン、と顎を上げる。
「それがあれば、みやのこと治せるの?」
 すがるような目線を向けると、髪の長い少女は小首を傾げた。

170名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/26(火) 22:44:44.720

「直すも何も、このタイプのアンドロイドですとコアの外殻がチタン合金でできていますので問題はないと思いますが?」
 問題ないという言葉にとりあえずホッと胸を撫で下ろす。
「それより問題があるのはあなたの方です」
「え?」
 顔を上げた途端、おかっぱの少女に後ろから羽交い締めにされた。驚いて手足をばたつかせるが、少女はビクともしない。
「あなたがこの施設にやって来たことは重大なバグです。前代未聞です。早急に原因を調べなければ」
 髪の長い少女がブツブツと言いながら、ワンピースのポケットから透明の四角いケースを取り出した。そしてそれを私の首筋に当てると、プシュ、という音がして、私は再び意識を失ったのだった。

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