まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

135名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/22(土) 14:08:31.130

8月24日。夏休み最終日。
定期演奏会を行うホールを1日借りて、ホール練習をする。
あぁ、昨日みーやんの課題が多少なりとも早い時間に終わって、長めに寝ることが出来て良かった。心からそう思う。
朝一番に学校に集合して楽器の積込を行い、会場へ移動して積み降ろし。ステージに運びいれて設置。練習が終わる夕方には全てを撤収して学校に戻って片付け。
ホール練習は、忙しい。演奏練習だけではなく、手伝いに来てくださるOGの皆様と、演出の打ち合わせや本番当日の手配等々。
「こんこんさん、第三部の司会の二人です。打ち合わせお願いします」
「あのさゆが部長かぁ。さゆが1年生の時OG一年目だった紺野です。ももちゃんは去年会ったよね。フルートだったよね。覚えてるかな?今回第一、二部司会と影アナをします。よろしく。そっちの子は一年生だよね?」
「フルートパートの先輩ですから、ちゃんと覚えてます。お久しぶりです、紺野さん。合宿に来られなかったのでちょっと残念でした。よろしくお願いします」
「はじめまして。1年生の夏焼雅サックスです。えっと、みやって呼ばれてます」
「みやちゃんね。よろしく。じゃあ早速打合せしよっか」
桃子達が司会の打ち合わせをしている横では、第三部の照明をあれこれ試していた。またステージには第三部の衣装を着て立っている者もいて、照明の色の映えの確認とスポットライトの調節を同時に行っている。
午前中を使ってこれらを行い、午後からは曲練習を行う。
特に第三部では全員が立ち上がって踊ったり、移動をする場面も多いため、照明のタイミング等も図りながらの練習になる。
第三部では、桃子と雅の司会も合わせて練習することになっている。
「ーフルートパート2年生の嗣永桃子と」
「サックスパート1年生の夏焼雅です。よろしくお願いします」
「一にお送りしましたのは、ピッコロソロが可愛ー」
台本だけの状態では何回も練習してきたけど、やっぱりステージの上だと勝手が違うなぁ。

136名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/22(土) 14:09:15.930

「桃子、雅。そんなに固くなくていいから、もうちょっと台本読んでる感消すようにして。読んでます!って感じでつまらないから」
「石川先生、そこまで酷かったですか?」
「桃子もだけど、雅がね。まぁ初めての司会だししょうがない部分はあるけど。休憩時間こんこんにアドバイス貰っときなさい。いいよね」
「石川さん、相変わらず人使いちょっと荒いです。いいですけど。じゃあ、二人は休憩中に来てね」
「じゃあ、ここからは曲メインで確認していくから、まずは曲に集中」
「はい」
空っぽの客席に向かって演奏するのはなんか変な感じ。
色々試しているのであろう照明を浴びながら練習を繰り返す。
じゃあ、次は下級生曲ね。パート移動の時間も合わせたいから、司会の二人はちょっとその部分だけやってみて。
「ーお送りしました。さて、私たちの着ているポロシャツなー」
「背中のロゴマークは第一回のー」
「次にお送りする曲では、私たち下級生がメインとなってお送ー」
「それではお聞きください。君の瞳に恋してる」
「んー。桃子、今のままだとちょっと尺が足りないから、もうちょっと何か足して」
「小物関連が分からないことには尺が短くなっちゃうんです。今回の衣装のポイントなんで、そこは外せないですし。せめてサックスのだけでも教えてください。そしたらみーやんいじってなんとかするんで」
「れいな。教えてあげて」
「仕方ない、か。金の小さめな王冠」
「わかりました。そしたら、すみません。もう一度お願いします」
じゃあみんな一回パート戻って。二人も席から離れる所から。
「ー小物をつけてるんですよ。私、もものフルートパートは銀色のティアラ。パートリーダー曰くお姫様をイメージしたとか。雅ちゃんのサックスは金色の王冠。まるで王子様みたいですね。こうやって並ぶとぴったりはまっててお似合いのカップルみたいじゃないですか?」
「王子じゃないし、カップルでもないし」
「見てください、この可愛いツンデレ王子。王子様、私たちの着ているポロシャツの背中のロゴマークには気がついてますか?」
「もちろん。背中のロゴマークは第一回のー」
「次にお送りするのは私たち下級生がメインとなってー」
後ろのみんなの移動する気配を感じながら行う曲紹介がピッタリと尺にはまった手応えはある。
「石川先生、こんな感じでどうでしょう?」
「桃子、あんたそれでいいの?」
「何がですか?尺、まだ足りないですか?」
「桃子と雅がそれでいいなら尺的にはいいけど。どうせやるんならその路線で全部いっていいよ?そこだけだとちょっとおかしく感じるから」
「わかりました。ちょっと相談します」

137名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/22(土) 14:11:12.590

休憩時間に紺野さんに相談してみたら、二人が自然に話せる形が一番じゃないか、と言われた。
ももが喋って、みーやんが突っ込みを入れたり一言付け加えたりする形でなんとか台本を仕上げていく。
「みーやん、こんな感じで大丈夫?」
「ん。大丈夫。最初の台本より、喋りやすい感じがする」
「そっか。ならよかったよ。一緒に司会できるのは、今回とクリスマスと文化祭の三回しかないから、みーやんがやり易い形でできるんならその方がいいし」
「三回だけかぁ。なんでみやもうちょっと早く産まれなかったんだろ。あと数ヵ月早かったらたらもも先輩と3年間一緒だったのに」
「そこは我慢してよ。今更どうにも出来ないことなんだしさ。って言うか、みーやん誕生日いつだっけ?」
「…8月25日」
「ちょっと!明日じゃん!なんでもっと早く言わないかなぁ。遅れちゃうかもだけど、お祝いしようね」
「えっと。その、二人は付き合ってるの?」
うっかり紺野さんがいることを忘れてた。
「いえ、付き合ってるとかじゃないですよ。みーやんは仲の良い可愛い後輩です。スキンシップ激しい子達はよく見ますけど、女の子同士で付き合ってる子とか、ももいないと思うんですけど」
「あー……。そっか。ももちゃんはそういう子なんだね。変なこと聞いちゃってごめん。付き合ってる子もいない訳じゃないと思うよ?みやちゃんも、ごめんね」
女の子同士で付き合うねぇ。ももの周りにはいないよねぇ。
そう思っていたのに。
ホール練習日のハードスケジュールをこなしての帰り道。
うっかり学校に携帯を忘れたことに気がついて。
一緒に帰ってたみーやんも付き合ってくれて学校へ戻ったら、佐紀ちゃんとちいが、暗がりの中で抱き合ってキスしてるのを見てしまった。
えっと、ほっぺにちゅー、とかじゃなくてほんとのキス。
紺野さんの言葉を思い出す。
もしかして、付き合ってたり、するの?
かなり混乱してるももとは対照的に、みーやんは何故か冷静で。
「あの、みーやん。落ち着いてるけど、もしかして二人付き合ってたりする?みーやんもそれを知ってたりするとか?」
「みやが言って良い事なのか判んないから、佐紀ちゃんに聞いた方がいいと思う」
そっか。みーやんは知ってるってことなんだね。
二人は、付き合ってるってことなんだよね。
ももだけ、知らなかったのかなぁ。なんか寂しいよ

138名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/22(土) 14:12:27.420

二学期が始まった8月25日。無事部員全員が課題の提出を終えた。
みーやんは、佐紀ちゃんに聞いた方がいいって言ったけど、ももから聞いていいことなのかな?
佐紀ちゃん本人に聞く勇気が出なくて、誰の事かは隠してみっしげさんに相談してみることにした。
「あの、みっしげさんに相談したいことあるんです、今って時間いいですか?」
「いいけど、どうかした?」
「あのですね、もも学校で隠れてキスしてる人達見ちゃってビックリして。それで、ホール練の時に紺野さんが女の子同士で付き合う子もいる的なこと言ってたの思い出して。あの、そういう子とか、ほんとにいるんですか?」
「こんこんさん…余計なことを。あー。正直に答えるなら、いるよ」
「いるんだ…。もも、考えたこともなかったです」
「ももちゃんはそうだよね。因みにさ、ももちゃんは今までに誰か好きになったこととかないの?」
「ないです。恋愛とか、小説の中で見るだけで。実際に誰かを好き、とか思ったことないです。高校生なのにおかしいのかもしれないですけど」
「おかしいとは思わないかな。人それぞれ、だよ。女の子同士だからビックリしたってこと?女の子同士とかあり得ないと思った?」
「んー。女の子同士があり得ないとかより、知ってる子同士だったのと、一緒に見ちゃった子は驚いてなくて、ももだけが知らなかったのかなってちょっと悲しかったです」
「あー。ごめん、ももちゃん。さゆ誰の事か分かっちゃったかも」
「ももだけが知らなかったんですか?ももだけ教えて貰えなかった?」
「教えないって言うか、雰囲気でみんな察してるかな。態々付き合ってますとか言わないし。ももちゃんは誰かと付き合うとか、誰かが付き合ってるとか、そういう風に見ないから気がつかなかったんじゃない?」
「みっしげさん。ももどうしたらいいんですか?」
「ももちゃんは女の子同士ってとこを拒絶する気持ちとか、間違ってるって感じたりする?」
「んー。それはないです。好き同士なら良いんじゃないかなと。自分のことじゃないから言えることなのかもですけど」
「そっか。それなら見ちゃったよってからかえばいいんじゃない?何時ものももちゃんみたいに」
「そんなんでいいんですか?」
「友達なんでしょ?それでいいんだよ」
「わかりました。あの、ありがとうございました」
「で。いつどこでキスしてたの?さきちゃん」
「その一言とニヤニヤで割と台無しです、みっしげさん」

139名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/22(土) 14:14:05.700

佐紀ちゃんと二人の時に見ちゃったって言ってみた。
最初は驚いてたけど照れ臭そうに、ももにばれちゃったかぁって笑ってまぁそういうことだからさって言われた。
いつからなのか聞いてみたら、文化祭に告白されて保留してて、コンクール翌日お祭りの帰りにもう一度告白されてオッケーしたらしい。
その直後にももからの課題の確認電話が掛かってきて、甘い雰囲気は一気に消えたんだって笑ってた。なんか、ごめん。
「佐紀ちゃんは、ちいが好き?」
「うん、最初は気持ちに整理がつかなくて返事を保留したけど。二回目に告白された時に、好きなんだって思えたからオッケーしたんだよ」
「そっか。好き同士なら、ももいいと思う」
「ありがと。ももも気がついたらいいのにね」
「何に?」
「もも自身が気がつかなちゃいけないことだから、内緒」
「ふーん。何の事かさっぱり分かんないけど。あ、今日みーやん誕生日なんだって。昨日言ってた」
「言うのギリギリすぎるでしょう。あー、なんかお祝いしたいけど、時期的に厳しいよね」
「定演終わってから、皆でカラオケでも行こうか。そこでケーキとか食べる感じでどうかな?」
「あー。仲良い子達には声かけて、サプライズにしよっか」
「楽しみだね」
練習が終わって帰り道。みーやんと帰るのにも慣れた。
二人がぶつかった曲がり角でバイバイ。みーやんのお家へはまっすぐ、ももの家へは曲がることになる。
「じゃあ、みーやんお疲れ様。お誕生日おめでとう。お祝いは定演終わってからになっちゃうけど、ごめんね」
「ありがとう、もも先輩。お祝いはそんな気にしないで。あの、みや誕生日だし、一個お願い聞いてほしいけど、いいですか?」
「みーやんが敬語でしてくるお願いとかちょっと怖いんだけど。聞ける範囲ならもちろん聞いてあげるよ?なーに?」
「あの、ハグしたいんですけど。えっと、ダメ?」
「ハグくらいみーやんよくしてくるよね?今更改まって聞かなくてもよくない?はいどーぞ」
手をひろげて、みーやんを迎え入れる。
そっと抱きしめられて、ももからも手を伸ばして抱きついて、
「お誕生日おめでとう、みーやん」
って囁いた。なんだかくすぐったかった。

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