雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

176名無し募集中。。。2020/01/30(木) 22:23:03.420

熱が出てベッドで寝込んでると人恋しくなるのなんなんだろうね。
すごくすごく寂しくなるよね。
下の階にはママがいるし、弟だっている。パパだって夜には仕事から帰ってくる。
みんないるのに、一人ぼっちみたいな寂しさ。

あー、苦し。だるい。
やっぱ昨日寒い中待ってなきゃよかった。
別に今日の終業式に出れなかったのはいいけど。
結局ももは恋人とやって来て、みやが邪魔しただけだった。

「うー」

ももに会いたい。

「あーもう」

寝返りを打って体を丸める。
机の上に置かれたままのミルクティーが目に入って、虚しくなった。
昨日もものために買ったやつ。
みやは普段あんまり飲まないから、そのまま持って帰ってきた。
見たくないから、もう一度寝返りを打って背を向ける。

177名無し募集中。。。2020/01/30(木) 22:28:18.260

うとうとしかけていたら、ドアがノックされた。
ママが何か持ってきてくれたのかも。

「んー、なにー」

もう半分夢の中で、ぼーっとする。
背中越し、控えめにドアが開かれる気配がした。
だけど一向に声は聞こえなくて、閉じていた目を開く。

「ママ？」

振り返った瞬間、ぼやけていた意識が一気に浮上する。

「みや」
「...え、なに、なんで」

そこには制服を着たももがいた。
俯いてて、表情はよく見えない。

「お見舞い、来た」

とにかく起き上がらなきゃって肘を付いたら、ももがすごい勢いで顔を上げた。

「いいから寝ててっ！」

ももの高い声が部屋中に響いて、びっくりする。
あれ、なんだろ。ももっていつもこんなだっけ。
もっと冷静で、いつだって余裕たっぷりなのに。

「もうだいぶ元気になったから大丈夫だよ」

ゆっくり起き上がる。少し頭がぐわんってしたけど、気にしない。
ももは両手を握りしめてるみたいだった。

「昨日、もものこと待ってたからでしょ？」
「違うよ」
「違くない。ももが約束破ったから、」
「違う」

違うよもも。
もものせいじゃない。帰っていいよって言われたのに、勝手に待ってたのはみや。

「みやの方こそ、邪魔してごめんね」

ももの顔はいつにも増して真っ白で、そっちの方が心配になった。

「邪魔なんかじゃない。恋人にもみやは大事な後輩だって伝えたし、そしたら今日お見舞いに来ることも許してくれた」

あれ、心が冷えていく感覚がする。
なんだそういうことね。
全部があの子基準。
きっとあの子がみやに会いに行くことを許してくれなかったら、今ももはここにいない。みやに対して、ももの意思なんてないじゃん。

178名無し募集中。。。2020/01/30(木) 22:30:31.090

「何それ」
「みや？」

ももの手首を掴んで引っ張った。
そんなみやの動きを予想してなかったももの体は、簡単にバランスを崩してベッドに片手を付く。
至近距離に顔があった。綺麗な顔。

ももの手首を掴んでいた手を離して、頬に触れる。
その瞬間、ももがビクッて怯えたように震えた。

悲しくなった。
こんな風に触れたかったんじゃない。
もっともっと、大好きだよって優しく触れてみたかった。
こんなに拒絶されるなら、もういいよ。

みやと部屋に2人きりになることも、ももにとってはどうってことないんだよね。
みやばっかじゃん。全部。

「なーんてね」
「いたっ」

もものほっぺをつねって引っ張った。
ももはびっくりした顔のまま固まってるから、笑顔を作る。

「恋人さんのこと大切にしたいんなら、簡単に誰かと2人きりになるの良くないよ」

今だけ、これで最後にするから。あと少しだけ触れさせて。
ももの柔らかい髪を撫でて、耳にかける。

「まぁ、みやとなら平気だけどさ」

痛い。なんでこんなに痛いんだろうね。
もものこと、好きなだけなのに。

「お互いなんとも思ってないからね」

きっと上手く笑えてると思う。
みや意外と得意なんだよ。繕って笑顔を向けるの。

「ほら、そろそろ帰んな。塾あるんでしょ？恋人さんも待ってるんじゃないの？」
「みや、」
「お見舞いありがとね」

何か言いかけたももの声を遮るようにして、布団に潜り込む。
目を閉じた。こうしないとまた泣いちゃいそうだから。

しばらくして、ももは部屋から出ていった。

180名無し募集中。。。2020/01/30(木) 22:31:31.320


その日以来、新学期が始まってもももと会うことはなかった。
受験に無事合格したって連絡が来て、おめでとうって返して。
それだけだった。
みやはももの後輩でいい。ももが幸せなら。もうそれだけでいい。

自分の傷には、気付かないふりをした。