まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

668名無し募集中。。。2018/07/28(土) 23:23:54.240

街路樹の緑が色濃くなり、日中汗ばむようになってきた頃。
雅は夕方までイベントがあり、桃子は大学時代の友人の結婚式に出席すると言った。
前日に着てみてと頼んだドレス姿は久々に気合いが入っている感じで。
可愛いすぎてソファに押し倒しそうになったのに、シワになるでしょと怒られて渋々未遂で終わった。

二次会から帰ってきた桃子はほんのりと頰を赤く染めていた。
随分ご機嫌な様子で、濃いブルーのパーティードレスに身を包んだまま、ソファに座った雅の上に腰かけ横抱きのようにして首に腕を回してくる。
まるで学校から帰った子どもが今日こんなことがあってねとお喋りするように、どんな流れでこんな内容だった、こういう余興があった、と楽しそうに話し始めた。
もっとも、一番熱のこもっていたのはビュッフェでローストビーフをたくさん食べたという報告だったのだが。
はしゃぐ桃子を微笑ましく見つめながら、雅はどこか胸のざわつきを禁じ得なかった。
ドレスもアップスタイルにまとめた髪も胸元の控えめなパールのネックレスも、全てがよく似合っている。
普段の振る舞いでは幼く見えることが多い桃子も、年相応に着飾れば大人の女性だ。

669名無し募集中。。。2018/07/28(土) 23:25:12.500

急に下を向いた桃子が、雅の手を触りながらぽつりと呟いた。
「みんなに祝福されて、あんなに幸せそうで」
「うん」
「なんかね、もぉも結婚したくなった」
心臓がキュッとなる。
「…うん」
酔っているだけに本音なのだろう。
同性で一緒にいれば避けられない問題だ。
そしてそれはお互いに見ないふりをしてきたことでもあった。
「認められるっていいよね」
「そうだね」
なんと言ってやればいいのか分からずにただ頷いた。
好きだからそばにいる、大人になったらそれだけでは済まされないこともある。
雅にだってそれくらいわかる。

「ねぇみや」
「ん?」
「今好きなのはもぉかもしれないけど、みやが好きなのは男の人でしょう」
「…言うねぇ」
「でもそうでしょ」
「…まぁそうかもしれないね」
「だから時々思っちゃうの」
「もも、もう分かったから寝よう、酔ってるよ」
「酔ってない」
「変だって、さっきまで楽しそうだったのに」
「変じゃないよ!」
肩をつかもうとした腕を振り払われる。
「もぉの話を聞いてよ!」
「分かった、分かったからごめんね」
手をそっと掴んで落ち着かせようとする。
桃子は荒い息を吐きながら瞳を潤ませていた。

「もっと普通に、デートしたり、手をつないで歩いたり、もぉだってしたいよ」
「うん」
二人で暮らしていることさえお互いの家族以外にはほとんど知らせていなかった。
「時々思うの。もぉさえいなければって」
「もも…」
「もぉさえいなければみやはもっと普通に…もっと普通の幸せを手にできるんじゃないかって」
雅の手の上に雫が落ちた。

じっと眼を見つめ、濡れた頬をそっとなぞる。
「みやが欲しいのは、ももだけだよ」
それだけは絶対に言えると思った。
「ほんとに?」
「ほんとうに。」
桃子の揺れる瞳に、力強く頷く雅が映った。
「勝手に悩まないでよ」
頭を撫でると、薄い唇をキュッと上げて、苦しいほどに抱きついてくる。
「みやぁ」
「なに?」

「…すき」
みやもだよ、と返しながら背中をさすってやる。
しばらくすると桃子の呼吸は穏やかで深いものへと変わっていった。

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