まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

80 夏焼雅生誕祭企画@無断転載は禁止 2017/08/28(月) 00:33:18.15 0

「お誕生日おめでとーっ!」

そのセリフと一緒に、あっちこっちからポンッ!って勢いのええ音がして、紙テープが舞う。
部屋に入って来た雅ちゃんが、それを浴びて「きゃー!」って歓声をあげた。

「え、なになに、びっくりしたー!」

雅ちゃんが戸惑っとる間に、ちゃんももやお鈴ちゃんが用意してあったケーキを運んでくる。
それを見て、雅ちゃんは「やばーい!」って手を叩いた。
今日は雅ちゃんの誕生日。
せやから、Buono!のみんなやらスタッフやらでサプライズを準備して。
まあ、あんまり盛大なことはできひんかったけど、和やかなムードでええ感じやったんちゃうかな。
実際、雅ちゃんはえらい喜んでくれとったみたいやし。

まあ、ホンマはうちも誕生日やってんけど、Buono!のみんなは知らへんはずやから、何も言わんといた。
なんたって、今日の主役はみやびちゃんやしな。
うちはうちで、昨日買うたええワインがあるし、あとはいつもよりちょっとええツマミでも買うて帰ろ。
そう思って帰る準備をしとったら、ちょんちょんと肩を叩かれた。

「お、五段やん。どうしたん?」

サングラスをかけた五段は、毎度おなじみのちょっとダボッとしたスーツを着とる。
この前直したはずやねんけど、あれとは別のスーツなんやろか。
いやそもそも五段は何着スーツ持ってんねやろ。うち、結構直しとるつもりなんやけど。

「なんか用?」

うちが尋ねると、無言のまま五段が袖を引く。
なんやろ、ついて来いってことやろか。
まあこの後なんも予定ないしええけど。

五段に導かれるままに、夜の街を歩いて電車に揺られた。
降りた駅は、高級ブランドの服やらバッグやらの店が立ち並ぶとこ。
ライトアップされた町並みも昼間と違って綺麗やなあ、なんて浸る暇もなく五段はスタスタと歩いて行ってしまう。
なんやの、ちょっとくらいゆっくり歩いてくれてもええのに。
うちの心の声なんて知りもせん五段の背中は、なんや少し焦っとる感じもした。

やがて、五段が入っていったのは割とええお値段のするフレンチレストラン。
待って、待ってや、何かの間違いとちゃうか。

「ご、五段?」

せやけど、店員さんは普通に五段を案内しようとしとるし、早く来いと言わんばかりに五段の視線がうちに向けられるし。
ええい、もう乗りかかった船や。

81 夏焼雅生誕祭企画@無断転載は禁止 2017/08/28(月) 00:35:00.99 0

きっちりと仕立てられたスーツに身を包んだ店員さんは、うちらを一番奥の席に連れて行った。
テーブルの上には"Reserved"と書かれた金属背の札が置かれとる。
何が起こっとるか分からんけど、ふわふわしとる気分のままに引かれた椅子に収まった。
半個室、言うんやろうか。
店員さんがカーテンを締めてしまうと、うちらの周りから雑音が消えた。
テーブルの上のロウソクに照らされて、正面に座っとる五段のサングラスに反射した。

「……えっと……うちの、ため?」

五段は一瞬だけ唇を縮めて、ゆっくり一つ頷いた。

「……なんなん、知っててくれたん?」

もう一つ、さっきよりちょっと控えめに。
そのまま、五段は斜め下を向いてしもた。
……なんや。……なんなんや……!
自分でやっといて照れるとか、うち、どうしてええか分からんやんか!
うちがあたふたしとる間に席を立ったらしい五段が、気づけば息でも触れそうな距離におって。

「……お誕生日、おめでとう、ございます」

耳が、熱い。
絶対照れとるくせに普段全然喋らんくせに五段のくせに。
……ホンマ、ずるい。

「五段、この後」

——帰らなあかん?
とびっきりの甘い声で、五段の耳に齧り付いた。
すっ、と息が詰まらせた五段の耳が、どんどん赤うなっていく。
素早くしっかりと五段が首を振ったんが伝わってきた。
うち、ちょっとはドキドキさせられたやろうか。

夜はこれからやんな、五段?

おしまい

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます