まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

921 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/18(金) 16:38:23.60 0

みやほど、分かりやすい人もなかなかいないよね。
無言でスマホをいじってるみやを眺めながら、しみじみとそう思った。

今日も帰りは迎えに来てくれるっていうから待ってたのに、やってきたみやはちょっと不機嫌だった。
不機嫌っていうか、どっちかというと拗ねてるってやつかな。
原因は何となく察しがついてる。
今朝はね、いつもの「いってきます」のちゅーがちゃんとできなかったんだよね。
ももはももで、ちょっと集合時間早めだったし。みやはみやで、夜は飲み会とかで帰りが遅かったし。
だからまあ、ももが起きなきゃいけない時間にみやが爆睡してたのは仕方ないことなの。
ももとしては、ちゃんとしたつもり……なんだけど、みやに言わせれば「覚えてないのはしてないのと一緒」だって。

そんな拗ねてるモードの夏焼さんは、楽屋に入ってくるなりももから少し離れたパイプ椅子に腰を下ろした。
いつもだったらももの隣に入りこんでくるくせに。
つまらなさそうにスマホの画面を見つめたまま、みやからは何も言ってくれそうにない。
もう片方の手は所在なさげに、持っていたペットボトルをいじっている。
本当、頑固で意地っ張り。おまけに意地の張り方がちっちゃい子と大差ないし。

「ねー、みや?」

こうなったらももから働きかけるしかないかって投げかけてみた言葉は、受け取られることなく床に落ちた。
さすがにちょっと傷つくんですけど?
頑なな態度にイラッときて、嫌味の一つでも言おうとしたところで、みやがぽつりと呟いた。

「……今日のこと、話してよ」
「え?」
「今日、あったこと」

みやの真意を測りかねていると、早くって急かされる。
そんな時でもみやの視線はスマホに落ちたままで、わけ分かんないけど言われるままに話題を探した。
お仕事はもちろん楽しかったし、休憩時間に舞ちゃんと結ちゃんが真剣に考え込んでいた話とか、やなみんのマシンガントークの内容とか——。

その時、みやの肩がわずかに揺れた気がして、あれっと思った。
もしかして、いやもしかしなくても、ウケてる?
ちょっと嬉しくなって、カラカラカラ、と頭の回転数が増したのを感じた。
口を押さえて、肩を震わせるみや。
視線は合わないままだけど、その反応が嬉しくてももの話す熱も上がっていく。
それでさ、その時の知沙希ちゃんの耳が真っ赤で、とか。
梨沙ちゃんがそれに対してツッコんで、とか。
吹き出しそうになったのを、何とか抑えようとするみやが見えた。
なんかもう、声を出さないことに意地になってるみたい。
そっちがその気ならこっちだってって思った矢先、ペキャ、と間抜けな音が響く。
床に転がるペットボトルが見えた。
勢い余って、みやが落としたらしいと分かった。
不意に、空気が途切れて。

922 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/18(金) 16:38:52.19 0


すっと持ち上げた視界の先で、かちり、と合わさる、視線。
みやの瞳。
すきだよ、って熱さをもった視線。行為の最中に、真剣に言う時みたいな。
そんなの、ずるい。
眉毛だけを器用に動かして、それで、って催促されたような気がした。
ああもう、いいよ。根比べはももの負けでいい。

「……もぅ! こっちきてっ!」

よくできましたとでも言うように、みやが目を細めて。
その顔すきだなって、それだけでとくとくと心臓のテンポは速まる。
ぎ、とパイプ椅子が音を立てて、みやの視線はずっとももに集中していて、さっきと真逆。
みやに見下ろされて、ゆっくりと詰められる距離に耐え切れなくて目を閉じた。
柔らかい感触が唇にひとつ、額にひとつ、ほっぺにもひとつ。
そのままゆっくりと移動して、耳元にみやの吐息を感じた。
温かいものが耳朶に触れて、ぺろりと舐められただけでお腹の奥が疼く。

「さーて、帰ろっか?」

かと思えば、あっさりみやの体温は離れてしまった。
何事もなかったかのような、キラキラのアイドル全開スマイルが今は憎らしい。
なぜだか今日はみやが悔しいほどに余裕で、でもそんなところも言ってしまえば大好きで、ただただハマってちゃったなあって自覚させられる。

「もも?」
「……ずるい」
「何が?」

いつもだったら、誰か来るかもとか言ってもお構いなしに……その、最後までしてくれるのに。

「もも、帰る——」

よ、ってみやの語尾を掬い取るように口付けた。
首に両手を回して、もう一回と触れさせて、みやの下唇に軽く噛み付く。
積極的だねってにやつくみやの顔に、ほっぺたが熱を持った。

「……だって、みやが」
「誰かに聞かれたらどうすんの?」

ごくごく正論だけれど、今それ、要らないもん。
頬を膨らませると、ごめんごめんって軽いノリのままに唇を奪われた。

「声、我慢ね」
「……っ」

頷いてみたけど、正直自信はない。
ま、いいか、聞かれても。
そんなことを言いながら、みやの指が触れてくる。
手加減してくれるつもり、ないみたい。
理解したけど、流されないように。
みやの背中にぎゅっとしがみついて、ももはそっと瞑目した。

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