まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

321名無し募集中。。。2017/11/12(日) 19:20:40.870

いくら10年以上の仲だからって言っていいことと悪いことがあるのは理解してる。
だけど、もしうちの想像通りなら・・・桃にはみやに隠し事してほしくない。みやに桃のことで傷ついてほしくない。
自己満かもしれないし、かっこつけかもしれないし、でも、二人にとって後ろめたいことになるのは嫌だ。エゴかな。

「その、さっきの話。蒸し返して申し訳ないんだけど…みやは奇跡って言ってたけど、ホントは病院で治療してたり、したとか?」
語尾が小さくなってしまったけど、勘のいい桃は言いたいことを察してくれたみたいだった。
「茉麻の言いたいことはよくわかるよ」
「そう?」
「説明がつかないもんね。普通は女同士がいくら愛し合ったって妊娠できないし。男の人から提供してもらうとか、現状、そういうのしか」
桃の受け答えはあまりにも淡々としていて、「あー」とも「うん」ともつかない間抜けな声が出た。


「茉麻、前にBerryzで海外行ったとき、私とみやが変な虫に刺されたの覚えてる?」
「変な虫?」
「すごく綺麗な虫でさぁ、みんなで綺麗だねーなんて言ってたら私とみやだけ刺されて騒いでたの、覚えてない?」
桃に言われて急に思い出した。今の今まで忘れてたけど、そういえばそんなことあったな。
なんだかやけにキラキラしていて、光の当たり具合によって色の見え方も変わる不思議な虫だった。

「あー、うん。思い出した」
「あの虫、白い百合の蜜しか吸わないんだって。ロマンティックだよね。だからあんなに綺麗なのかなぁ?」
「うーん…どうだろうね…」
「でね、これは妊娠してから知ったんだけど。……ちょっと、耳貸して」
桃は辺りを見回してからうちの耳元で囁いた。
「その虫ね、メスだけで繁殖できるんだって」
「え………?」
「それで刺されたあとに体質?が変わったみたいなんだよねー」
うっそ。ザ世界仰天ニュースの世界じゃん。みやが奇跡が起きたって喜んでたのはあながち間違いじゃなかったのか・・・

「この話、ナイショにしててね。悪用する人が出ないように公表してないらしいから」
「それは当然守るけど。そんな話ホントにあるの…?」
「嘘みたいだよね。男同士は無理だけど女同士なら可能なんだって」
「へぇ…」
わざわざ終わった話を蒸し返してまで聞いておいて、ろくな相槌も打てない自分が情けなくなってくる。

「メスだけで繁殖する生物は他にもいるらしいよ。でも私達ケースは、っていうか人間の場合は?ちょっと違うんだって」
「そうなんだ…」
「メス単体で繁殖することは単為生殖っていうらしいんだけど。んー、私とみやのことは詳しく話すと生々しいからやめとくね」
「あ……うん。結構難しい話だね…」
「難しいよぉ。私も経緯は理解したけど仕組みはイマイチだし。みやなんて全然」
「あ、そうなの?」
何も知らされず無邪気に喜んでいるんだとばかり思っていたから、ホッとした。うちの予想が外れて本当によかった。いや、疑ったうちが悪かった。
「みやね、すっごく喜んでくれたんだ。よくわかんないけどめっちゃ嬉しい!って」
「うん。言いそう。脳内再生余裕だよ」
「でしょ?」
「ごめんね。うち勝手に勘違いしてた」
「気にしなくていーよ。だって私が茉麻でも同じこと考えると思うもん」

しつこい、失礼だ、そう責められてもおかしくないのに、桃は優しい。
きっと最初からうちの考えてることわかってたんだろうなって思う。
「桃、ホントにおめでとう。うち、ちゃんと言ってなかった気がする」
「ありがとう。そーだ、5月に生まれる予定だよ」
「オッケー。会いに行くから生まれたら連絡して?」
ニッコリと笑った桃の顔はもうすっかりママって感じで、なんだか心のモヤモヤが一気に晴れた気分だった。

323名無し募集中。。。2017/11/12(日) 19:25:19.250

そういえば、もう一つ聞きたいことがあったんだ。
「最後にもう1つ聞いてもいい?」
「どーぞ」
「どうして今日誘いに乗ってくれたの?悪阻キツそうなのに」
グルメフェスなんて行く前から無理そうだってわかってたはずなのに。みやだって桃の体調を知ってたら止めそうなのに。

「茉麻って私のこと大好きなんだなって思ったからかな♡」
「真面目に答えてよ(笑)」
「えー?真面目に答えてるのに」
「……グルメフェスだよ。匂いすごそうだなぁとか思ったりしなかったの?」
「ん?したしたー」
なんでおどけてるの。さっきから返事が軽すぎる。

「そこから気付くかもって、桃なら想定してたでしょ?やっぱやめとこうってならなかった理由ってなに?」
「レモン液買いたかったからねぇ…」
そうじゃないんじゃないの、と問うと「なかなか粘るね」とニヤリとされた。
「もー。言わせたがりだなぁ。…茉麻なら大丈夫って思ったからだよ。私もみやも」
「大丈夫って、どういう意味で?」
「ほしがるねぇ。んー、私がみやと一緒に住んでても、妊娠してても、その相手がみやで理由がちょっと複雑でも、っていう意味かな」
「なるほどね」

なんとなく想像してた答えと一緒だった。なのになんでわざわざ聞いちゃったんだろう。本人の口から聞きたかったのかな。
桃がおどけてたのは、わかってるくせにって意味だった?でもちゃんと答えてくれて嬉しかった。

「結構な勘違いしてたけど、本当にうちで良かったと思う?」
「もっちろん。むしろこっちの都合でいきなり混乱させてごめんね」
「ううん。うちでよかったら、これからも何でも言ってほしい」
「ありがとう。茉麻優しいねぇ」

このこの〜、と腕をツンツンされた。痛いよ、なんて言いながらメンバーっていいなぁとじんわり感じていた。

325名無し募集中。。。2017/11/12(日) 19:27:45.190

目の前の信号が赤に変わった。
もうすぐ駅だよ、と言われたので、桃とはここでバイバイすることにした。
昼間と違って日が暮れて肌寒いから、妊婦さんが身体冷やしちゃダメでしょ?

「この次の信号を左折して、真っ直ぐ行ったら駅に着くから」
「次の信号を左折ね」
「左折わかる?左だよ。お茶碗持つ方!」
「そのくらいわかるよ(笑)」
「そう?じゃあ、またね。今日はありがとう」
「うん。また遊ぼう。身体大事にしてね。送ってくれてありがとう。じゃーね」


桃と別れ、言われた通り次の信号を左に曲がり、駅に向かって歩いていると、大きな遊具のある公園が見えた。
見覚えがあった。そういや、今日桃を家まで送ろうとタクシーでここに来た時も、来たことがある街だと思ったことを思い出した。

あぁ、と思った。うちはあの時、今日と同じように二人のことを見ていたんだ。
始まりは思っているより前、という桃の言葉の意味をようやく理解した。
隠すの大変だったと言っていたけど、意外と気付こうと思えば気づ付けたのかもしれない。あの時の二人を思い出すと、そんな気もする。後出しジャンケンだけどさ。

二人はそれも踏まえて今日うちに告げたのかな。・・・でもそんなことはまぁいいや。
二人が幸せなら細かいことはどうでもいい!って思えるくらい、今日は良い日だった。
Berryz工房で良かったと思った瞬間は今まで何度もあったけど、今日もそう思える日になったのは間違いなかった。


駅に着いた。ホームから見える夕日が眩しい。
しばらくベンチに座って眺めていた。

二人の幸せそうな光景。いいな、羨ましいなって思ったよ。


素敵な人でも現れないかな
遠くない未来ならいいな


ちょうどイヤホンから流れてきたの。タイミング良すぎでしょ。

うちもいつか二人にいい話ができる日が来ますように。


おわり

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