まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

924名無し募集中。。。2017/10/25(水) 17:06:45.450

「ねぇねぇ、最新号見た?」
「見た見た!もーほんと可愛い!マジで憧れる〜」
「やっぱいいよねー」


大学で他の子たちが喋っているのをなんとなく聞く。聞くと言うほど大したものでもない。ただ耳に入ってくる情報の一つというだけ。
話題は最近原宿だか渋谷だかを騒がせている人気ファッションモデルのことみたいで。
別にいいと思わないけどなぁー、なんて思いながら、以前友達にやや無理やりそのモデルが載っている雑誌を見せられたことを思い出した。

「よっ」
「あ、茉麻遅いよー今日休むのかと思っちゃった」
「寝坊しちゃってさ。ごめんごめん」

一つ年下だけど同じ授業を取っている友達の茉麻だ。ちなみになぜ同じ授業を取っているかについては割愛するね。………あれは先生が悪いって。ほんとに。

「ね、先週のコナン見た?」

もう授業が始まると言うのに、ウキウキでアニメの話をする茉麻。私は彼女の未来に少し前の自分を重ねて、他人事ながら心配になった。

925名無し募集中。。。2017/10/25(水) 17:07:29.060

――――――――
「ただいまー」

いやぁ疲れた。ゼミの発表資料を集めるために図書館に籠ってたらこんな時間になっちゃった。
私は一人暮らしだ。大学進学と同時に引っ越した。
家族と別れての暮らしはやっぱり寂しい。でも一人は一人で楽な部分も多いから気に入ってる。バスタオル溜めてても怒られないしね。

「おかえりー」

……ん?
私一人暮らしだよね。幻聴かな。意外と疲れ「ももー?」

……………………

ゆっくりとリビングのドアを開ける。そこには。

「どーしたの?」

不思議そうな顔をした、今日大学で話題になっていたファッションモデル様が偉そうにソファでくつろいでいた。誰の家だと思ってんだおい。

「…なんでいるの?帰ったんじゃなかったの?…みや」
「いやーそのつもりだったんだけどさ」

にこにこ。そんな擬音が適切な笑顔で、みや━夏焼雅は言った。

「もう少し、ここに住まわせてもらおっかなって」

━━先日、私はひょんな事情でみやと出会い、そのまま彼女を数日間我が家に居候させた。しかし昨日、確かに目の前のこいつは「じゃーそろそろ帰るわ」とか言いながら手をひらひらさせて帰ったはず。

「一応聞いてあげるね。なんで?」
「ここ結構居心地いいし」
「帰れ」
「埼玉からいちいち東京来んの面倒だし」
「帰れ」
「ももだって帰って来てみやがいたら嬉しいでしょ?」
「本気で言ってる?」
「当たり前じゃん」

何故か誇らしげなみやの顔。なんでそこでドヤ顔すんのさ。

「…そういえばなんで入って来れたの?合鍵返してもらったよね?」
「舞美に借りた。あの子ほんといい子だよね」
「あの筋肉バカ次会ったらただじゃおかない」
「ももじゃ返り討ちだよ」

脳内で無駄に綺麗な顔をした幼馴染に殴りかかってみるも、満面の笑みで受け止められた。くそ、妄想でもだめか。

「もういいよ。どうせ帰る気ないんでしょ?…今日だけだよ?」
「やったー!」

疲れたし好きにしなよ、と続けると無邪気にはしゃぐみや。
うん、私は雑誌のみやよりこっちのみやの方が好きだな。一つしか年齢変わらないのに、なんか幼く見える。

926名無し募集中。。。2017/10/25(水) 17:08:29.510

「で?」
「で?ってなに?」
「ご飯。もものこと待ってたらお腹空いちゃってさー」
「ないよ」
「…………」
「ねぇお願いだからさ、この世の終わりみたいな顔すんのやめてよ」
「だって……ご飯ないとか、じゃあみやはなんのためにももを待ってたの」
「知らないよ。逆になんで食べてないの?」
「ももが買って来るものとばかり」
「私みやがいるとか聞いてないからさ、自分の分しか買ってないよ?」

あぁそっか!と言いたげな顔であぁそっか!と言ったみやを眺めながら、この人多分知性が全部顔面に行った人なんだなぁと思った。

928名無し募集中。。。2017/10/25(水) 17:09:36.770
結局、近所のスーパーでみやの分のお弁当を買うことになった。何か作ってあげようか?と聞いたら、ひきつった顔で断られた。失礼なことだ。

「そういえば舞美さ、ついに彼女できたらしいよ」
「え、ほんとに?そんなこと一言も言ってなかったのに」
「マジマジ。みやもまだ会ったことないんだけどね」
「えーどんな子なんだろうね」
「なんかね、『魚みたいですごく可愛いんだよ』って言ってた」
「ねぇ付き合ってるんだよね?」
「そうだよ?」

スーパーまでの道をのんびり歩きながら話をする。ていうかなんで私もみやのご飯探しに付き合わされてるんだろう。

余談だが、舞美は私の幼馴染だ。幼くしてその美貌を買われ芸能界入りし、女優兼モデルとして活躍している。モデル繋がりでみやと仲良くなったらしい。
何より、みやに私を紹介した諸悪のこんげ……人と人との縁をとても大事にするいい子だ。
基本的に彼女が教えてもいい、と判断したことはみや経由で私に伝えられる。曰く、『みやも桃も口固いし、信用出来るから』らしい。……あ、着いた。

929名無し募集中。。。2017/10/25(水) 17:10:41.080

「うーん」
さっさとお弁当コーナーに行き、真剣な顔で吟味するみや。皆の憧れのモデルさんがこんなところでお弁当選んでるってすごい光景だなぁなんて思いながら、ちょうど冷蔵庫からきゅうりがなくなっていたことを思い出した。

「ごめん、きゅうり買って来るね」
「きゅうり?」
「すぐ戻って来るから選んどいて」

え、みたいな顔をしたみやを置いて野菜コーナーに行く。
私のおやつ。味噌つけるとおいしいんだよねぇ、なんて思いながら先程のみや以上に真剣にきゅうりを選んでいると、後ろから声を掛けられた。

「あれ、もも?」
「おー、愛理じゃん。どうしたのこんな時間に。バイト?」

近所に住んでいる高校生の愛理だ。なんだか好かれているみたいで、いつも私を見掛けるとふにゃふにゃした笑顔で近付いて来る。cafe Buono!とかいうカフェでバイトしているらしい。他の店員がやたらつまみ食いしようとする、と愚痴っていたのを思い出した。

「そう。店長に捕まっちゃってさ」
「さすがだねぇ看板娘さん」
「やめてよー…ていうかももは何してんの?」
「え?きゅうり買おうかなって」
「へぇ」

930名無し募集中。。。2017/10/25(水) 17:11:42.700

「ももー?…あ、いた」
ちっさいんだからウロウロしないでよ、なんて言いながらみやが近付いて来て、私の持っていたカゴにお弁当を入れる。……忘れてた。

「…誰?」

愛理がぽかんとした顔で聞いてくる。
どうしよ、親戚ってことにしようかな。なんて物凄い速さで考えていたら。視界の端で、何かがスッと前に出たのが見えた。

「こんにちはー。ももの友達の夏焼雅でーす」

あろうことか変装のために付けさせてたマスクも帽子も取って。元気に挨拶したみやに、こんにちはというよりこんばんわだけどね。なんて冷静なツッコミは入れられなかった。
限界まで目を見開きフリーズした愛理に、ごめん、後でちゃんと説明するから!と言い捨て、何か言いたそうなみやを連れて急いで会計し半ば引き摺るように店を出た。


「ちょっと」
家に入り、ようやく一息ついた私にみやが睨む。

「みや、まだあの子のこと紹介してもらってないんだけど」
「あの子は近所に住んでる子。……アウト、かなぁ」
「何が?」
「愛理が誰かに話して噂にでもなったら大変でしょ」
「あぁ、だからあんなに焦ってたんだ。まぁ大丈夫じゃない?なんかいい子そうだったし」
「……」

お腹空いたー、なんて言いながらお弁当をチンし始めたみやを見て、私は一瞬でもみやを心配したことを激しく後悔した。

62名無し募集中。。。2017/10/26(木) 16:47:03.950
モデルびちゃんと一般人ももち つづき


ーーー
あの後愛理にメールで軽く事情を説明すると、こう返ってきた。
「分かった。周りの人たちには黙っておくね。で、その代わりさぁ」

あー。出たよこのパターン。…一旦目を閉じる。
なに要求されんだろ。勉強教えてとか?何か奢れとか?

うーん、と唸りながら目を開けて再び読み始める。ちなみにみやはお弁当を食べ終わり、今はお風呂中。家主より先に入るってひどくない?

「今ももの家に夏焼さんいるんだよね?私さっきちゃんとご挨拶出来なかったから」

ここまで読んでから、反射的に携帯をテーブルに置いた。
やばい。会わせろってことか。やばいぞ。どうしよ…あ、出てきた。

「お風呂ありがとー」
「はいは…ち、ちょっと!なんて格好…」
「ん?」
「ん?じゃない!」

あろうことか、みやは全裸にバスタオル巻いた姿で出てきた。寒くないのかなぁ。風邪引くんじゃない?

「カゴに着替え置いてたでしょ!?なんで服着てこなかった!?」
「いやほら、化粧水塗らないと」
「は?化粧水?」
「うん。いつもは脱衣場に置いてるからそのノリで入っちゃってさ。でも上がってから、あ、ここももの家だからないんだーって」

も、もういい。分かった。私が悪かったから。化粧水やら乳液やら全部渡してやり、無理やりお風呂場に押し込める。ここよりは暖かいはずだし。あれ、ちょっと床濡れて……




今日は疲れた。私も早くお風呂入って寝ちゃいたい。ああでも、愛理の件どうしよう…
まぁいいや。なんか適当に理由つけて保留にしておこ。

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