まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

362名無し募集中。。。2017/10/28(土) 16:58:10.940
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それからというもの、みやは歌手デビューに向けて準備を始め、同時に一緒にユニットを組むメンバーの募集も始めた。
私はてっきりソロでやるものと思っていたので、結構驚いた。
本人曰く『一人でやるよりみんなでやった方が楽しいじゃん?』とのこと。…みやらしくて笑ってしまう。

その影響か、みやは今まで以上に忙しくなった。連日帰るのは日付が変わるギリギリで、朝も早くなった。
みやは疲れた顔も弱音も見せないけど、でも確実に疲れは溜まってるはずで。
『最初が一番大変って、みやは知ってるから』とか言ってかっこつけようとはしてたけど、私は心配だった。

…それと、これは個人的なものだけど。
そういう事情から、付き合ってるのにあまり恋人らしいイチャイチャ的なものが出来ていないわけで。
みやを責めるつもりはもちろんないけど、でもやっぱりさぁ、女の子だから憧れたりもするじゃん?
趣味の乙女チックシミュレーション(みやからは妄想呼ばわりされた)で寂しい心を紛らわせる日々が続いた。

363名無し募集中。。。2017/10/28(土) 16:59:37.980

やがてみやには二人のユニットメンバーが付き、三人組女性ボーカルグループとして二度目のデビューを果たした。

「女子」を主なターゲット層にしたこのグループはみやの広告効果もあり、デビューから数ヶ月で人気グループへと急成長した。売れるのが早かった分、人気を維持するのも大変なんだと千奈美がぼやいていたっけ。


そして、初ライブの前日。
明日のライブに備えて、という理由で久々の一日オフを貰えたみやは、朝から大騒ぎだった。緊張する緊張すると言いまくり、太陽が一番高い位置に来ても、沈み始めても、月が出ても騒いでいた。

明日は早いから、もう寝よう。と少し早めにベッドに入ったものの、すっかりみやの緊張が移ってしまった私は、目がバッチリ冴えてしまっていた。

「もも」
静かなみやの声。「まだ起きてる?」
「…うん」
少しだけみやがこちらを向いたのが、ベッドの揺れと軋む音で分かった。

「眠れない」
「私もそうだよ」
「喋ってたら眠くなるかな」
「どうだろ。逆に起きちゃいそうだけど」
「あのね」
無視か。ただ喋りたかっただけか。

「みやさ、前、歌を歌うかどうか、ももに聞いたことあったでしょ?」
「あったねぇ」
なんだかずいぶん昔のことのように思える。

「みや、ずっと迷ってたんだよね。歌は好きだけどさ、ただ歌いたいだけならカラオケで十分じゃない?好きな歌だけ歌えるし」
「うん」
「だから、本当にデビューするなら、それ以上の理由がいるなあって思ってた。…ね、カラオケ行った日のこと覚えてる?」
「ああ、あの日ね」
そういえば、あれ以来行ってない気がする。

「みやの歌を聴いたももがさ、言ってくれたじゃん。みやの歌好きって。聴けて良かったって。……正直ね、みや、うまいねって言われることはよくあったの。でも、みやの歌が好きって言われたことは、そういえばなかったなって思って。そう思うと、なんかジーンと来ちゃって」
あくまでも静かに語り続けるみや。暗いせいで、その表情までは分からなかった。

「誰かのために歌うって、こういうことなんだなーって分かった。…それでね、思ったの」

ふと。なぜかみやが泣いているような気がした。
「この世界に一人でも、みやの歌が好きって言ってくれる人がいるならさ。うち、その人のために歌いたいなって。
…だってさ。みやは大好きな歌を歌えてハッピーじゃん?で、その人も大好きなみやの歌を聴けてハッピーじゃん?ハッピーなその人を見たら、みやももっともっと幸せになれる。それってなんか凄くない?」
凄いよ。そのめちゃくちゃな理論が凄い。溢れてきた涙に気付かれないよう、小さな声で可愛くない返事をした。

「なに泣いてんの」

バレた。

「別に……泣いてないよ」
「普通にバレてるけど。…ほら」
ギュッと抱き締められた。
耳元で、優しいみやの声が聞こえる。
「それが、みやの歌う理由なんだよね」

「っ……そっか。みやなら、ほんとに世界中の人をハッピーに出来ちゃうかもね」
だといいけど、なんて声がして。

「………言葉にしたけど、案外壊れなかったね」
って、独り言みたいにみやが言った。
あの日の歌を思い出して、「みやに勇気があったからだよ」って返すと。
━━運命、変えられたのかもね。
笑い混じりにそう言ったのが聞こえた。

364名無し募集中。。。2017/10/28(土) 17:00:12.120

翌日。
あのまんま寝てしまったようで、ガバッと起きた時には、隣にみやはいなかった。しまった、と急いで寝室を出ると、ちょうどみやが家を出ようと玄関で靴を履いているところだった。

「ご、ごめん!せっかくの本番の日なのに」
「やっと起きたんだ。…いいよ、お見送りくらいはしてほしいけど」
「それはもちろん」
「ありがと。じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい。…あ、待ってみや。上向いて」

上?と不思議そうに向いたみやの喉に。
行ってらっしゃいとか、頑張ってって気持ちに、ほんの少しのヤキモチも隠し味として混ぜて。
チュッ、と軽くキスをした。

驚いた顔でこちらを見るみやの身体を反転させ、頑張ってきて!って言いながら背中を押してあげる。

━━みやの歌で、世界中の人をハッピーにしてあげて。そしたら、みやが世界一幸せになれるでしょ。

とまでは、さすがに言えなかった。


おしまい

365名無し募集中。。。2017/10/28(土) 17:01:30.500

終わりです。

・歌手びちゃんのライブ前、色んな想いを込めて喉ちゅーする一般人ちの話読みたい!って気持ちで書き始めたら想像以上の長さとグダグダ感で心が折れそうになりました

・感想やら応援のレスありがとうございました。励みになりました

・最後におまけ置いておきます。微妙なみやももとやたら出張る愛理話になりました(悩みましたが供養の気持ちで投下)

・まったく宣伝ではありませんがBuono!横アリのニコ生再放送が明日21:00〜ですので是非是非 消失点も聴けます

・コットンイベ行かれた方お疲れ様でした。みやももに幸あれ

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