まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

649 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/06(日) 09:36:13.78 0

携帯が振動し、メッセージが届いたことを通知した。ロックを解除すると、珍しい相手からの便りだった。

“今日会えない?”

−−−−

最近一気に寒くなったな。なんて思いながら冷たくなった指先をこすり合わせて温める。
この季節はわけもなく寂しくなる。もうすぐ年が明けてしまうからか、世間のクリスマス商法のせいか、それとも本能的なものなのかは分からないが、少し胸がキュッとするこの感覚を覚えると、冬の到来を知る。
ふと視線を上げると、あの子が来るのが見えた。遠くからでも分かってしまうのは、あの特徴的な歩き方のせいか、それとも。

「お待たせ〜」
「もう、遅いよ」

悪びれることもなく、軽い挨拶を投げてきた。誘っておいて、10分遅れてくるとは何事だ。と小突いてみると、おざなりな「許してにゃん」が返ってくる。
本人がそんな適当に自分の持ちネタをやるのはどうなのと心の中でつっこみつつ、目的地へと向かった。

駅から少し外れたところに、お気に入りのカフェがある。
うるさすぎず、静かすぎず、ゆったりとした時間が流れており、
ソファに座ってゆっくりと話せるところが良い。
きっと、今日は大切な話をされるはず。そんな気がしたからこの店にした。
繁華街から離れているため、道も静かだ。人々の喧騒や車の騒音はなく、ただただ木々が風に揺られる音や、鳥の鳴き声だけが聴こえる。
それらに耳を傾けながら、ももと他愛もない話をしながらのんびりと歩いた。

ホットミルクティーに砂糖を一つ落とし、くるくるとかき混ぜながらももは言った。

「私、幼稚園の先生になる」

その声に迷いはなく、しっかりとした意志と共に私の胸にすとんと落ち着いた。
それはずっと、彼女の夢だった。その夢のために寝る間も惜しんで努力してきたのをずっと側で見ていた。
ベリーズとして活動している時は、ももがはっきりとした夢を抱き、そこへ向かって頑張っている姿を見るのが寂しかった。
私は、ベリーズとしてもっともっと頑張りたかったから。ももがそう思っていなかったわけじゃないことは分かっている。
ただ、進むずっと先が、違う方向を見ていることが寂しかったのだ。
でも、本当に叶えたい夢だということもわかっていたから。だから、私には応援するという選択肢しかなかった。

「そっか」
「だから、ハローも卒業するし、このお仕事もお休みする」

言い終わり、カップに口をつけるももを見て、私もコーヒーを一口飲んだ。
苦味と香りがふわっと口の中に広がった。今の気持ちを表しているかのような味だなと思った。

「がんばってね」

私たちの間に、それ以上の言葉はいらなかった。ももも同じように考えているらしく、嬉しそうに笑って頷いた。
その後は、コーヒーが冷めるまでいろんな話を途切れることなくして。ふと時計を見たら思いの外時間が過ぎていた。
そろそろ帰らなきゃだ。そう思った瞬間、一気に寂しさが襲った。もっとももとステージに立ちたかった。あーでもないこーでもないとライブの構成を一緒に考えたかった。
ももが自分より年下の子たちをまとめている姿を見ていたかった。
なんで、ももの夢は私の願いと同時には叶えられないんだろう。

お店を出て、駅へ向かって歩く。夜になると一層静けさが増す。ささやかな街灯の灯りを頼りに、お互い、今度は黙ったまま歩いた。
無言が続いても気まずさは覚えなくて、むしろ心地よい。

「ねえもも」

声をかけ、立ち止まった。ももはしばらく歩いてから私が立ち止まっていることを認識したらしく、歩みを止めこちらへ振り返った。

「どしたの?」
「もも、アイドル辞めるんだよね」
「うん、そうだね」
「そしたら恋愛も解禁だよね」
「んー、まあそうなるのかな」

650 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/06(日) 09:36:40.11 0

困ったように笑うももを見て、心臓がどきと跳ねた。息を一つ吸って、吐く。そしてまた一つ吸った。
冷たい空気が、胸を切なく締め付ける。

「なら、みやと付き合ってよ」

明日ご飯行こうよ、くらいの気軽さで言葉にした。本当はめちゃくちゃ緊張してるけど、かっこつけたいから。
上着に突っ込んだ両手をぐっと握りしめる。緊張して手が冷たくなるのは昔から変わらない。
この手を温めてくれていたのは、いつもももだった。

数秒の空白の後、ももは目を丸くして驚いた。私の言った言葉を理解した途端、落ち着きをなくして彷徨う視線。
私は離れていた距離を詰めて、ももの肩に手を置いた。

「ゆっくり考えてくれていいから。みやからの宿題ね?ももち先生」

からかうように先生と呼ぶと、普段なら「も〜」と肩を叩かれるが、
今日はそんなやりとりもなく、ももはただただ唖然として立ち尽くす。

「もも?帰るよ?」
「……あっ、え、うん」

思案しながら歩いているのか、いつもよりも歩く速さが遅い。それに合わせながら、ゆっくりと歩いた。
わけもなく寂しくなる季節も、ももと歩いてたら寂しくない。
ずっと、隣にいてほしい。メンバーとしてではなく、恋人として。

「……みや」
「ん?」
「卒業するまで待っててくれる?」

驚いてふと横を見ると、ももの綺麗な横顔がそこにあった。口をきゅっと結んだ、真剣な表情。
「好き」を伴わない告白に、「好き」を伴わない返事。
でも、お互いの気持ちは痛いほどに伝わった。

「今までずっと待ってたもん。8ヶ月なんてへっちゃらだよ」

そう言ってみせると、ももは照れたように笑った。
その笑顔を見た途端に、気持ちが伝わった嬉しさがこみ上げて、泣きそうになる。涙腺がツンと刺激されるのをぐっと堪えて、息を一つついた。
そっと、すぐそばにある右手をとる。すると、弾かれたようにこっちを見る視線。

「ねえ、みや?」
「これは、"友達"として」

まだ卒業してないよと言いたげなももに言い訳をしてみるも、今まで手なんて繋いだことがないくせにと自分で言ってて笑いがこみ上げてくる。
ももも呆れたように笑いながら、手に込める力を強めて、「駅までだからね」と言った。

−−−−

"今年もイロイロありましたけども
来年もずっと隣にいて"−−

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