まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

554 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/19(水) 22:04:01.88 0

ごとんごとんと揺れる電車は、トンネルを抜けて海沿いを走っていた。
眩しいほど鮮やかな空の青と、少しだけざらついた深みのある海の青。
どこまでも続く青をまっすぐに引かれた水平線が区切る。
小さい頃に絵本で見たような風景が、そのまま目の前に広がっている。
のんびりとこんな風に海を眺めるなんて、いつぶりだろうって思った。
向かいに座るみやは、視界が開けた瞬間に子どもみたいな歓声をあげながらカメラを取り出した。
いつものスマホじゃなくて、一眼レフとかそういう感じのごついやつ。
パシャパシャと立て続けにシャッター音が聞こえてくるけど、そんなに変わるような風景でもないんじゃないかな。
そんなことを思っていたら、不意にレンズがこちらに向けられた。
パシャ、と一度だけ切られたシャッターに、表情を作るのは間に合わない。
ああ、鈍ったなあ。

「ちょ、いきなり」
「ももの分も撮っとこうと思って」
「えー」
「どうせ自撮りとかしないじゃん」
「……そりゃ、そうだけど」

いたずらっ子みたいに、みやはふふんって笑った。


みやからの連絡は、唐突な上に強引だった。
今週末の土曜日、7:30に新宿駅集合。二泊分の荷物を持ってくること。
文面からは、どうせ暇でしょって空気が漂ってきた。
そりゃまあ、暇ですけど、確かに。
でも結局、荷物の準備をして指定された場所へ向かってしまったんだから、私にどうこう言う資格はない。
しかも、普通の旅行なんてそうそうしてこなかったものだから、中途半端に大きなキャリーケースと一緒。

「お、ちゃんと起きれた?」
「そりゃまあ」

今日はまだ始まったばかりだというのに、みやはすでに上機嫌だった。
本当、るんるん、なんて擬態語がぴったり。
じゃあ行くよ、って歩き出したみやの後を追いかける。

「ちょっと。どこ連れてくつもり?」
「さーて、どこだと思う?」

なんて、切符に書いてあるんだけどさ。
そう言いながら、みやが差し出してくる切符を受け取った。
アイドルをやってた頃に何度もお世話になった、水色の切符。
行き先は関東だけど、東京からは少し離れた場所。

「え、ど、どういうこと?」
「まあまあ、ももは何も気にせずうちについて来ればいいから」

任せといてって胸を叩くと、みやは再び歩き出す。
よく分からないけれど、どうもこれから私はみやと旅行に行くらしい。
すたすた行ってしまうみやを追いかけて、引っ張ったキャリーケースはタイルの間でコトンと音を立てた。

556 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/19(水) 22:07:14.22 0


「もも、もーも」
「ん……あ、れ」

みやの声がする。なんでだっけ。
まだふにゃふにゃの頭が、徐々にあたりの様子を認識し始める。
タタン、トトン、とリズミカルな音が耳に届く。
みやは私の目の前に座っていて、おはよう、と手を振っていた。
ああ、そうだ。
なんだか知らないけど旅行に来てるんだっけ、私たち。

「そろそろ降りるよ」
「もう?」
「うん」

窓の外に広がる風景は東京都は全然違って、流れる時間もちょっと緩やかな感じがした。

「案外、近いね」
「言っても2時間は経ってるよ?」

そっか、2時間ちょっとで来られるものなんだ。

「あんま遠くても疲れるかなーって思って」
「まあね」
「うちが運転できれば一番良かったんだけどね」

できないから電車ってことで。
そこに全く文句はないんだけど、やっぱり腑に落ちてないのは。

「……なんで旅行?」
「嫌だった?」
「や、そういう話じゃないけど」
「じゃ、いいじゃん。ほら降りるよ」

みやが言うのと同時くらいに、電車がホームへと滑り込む。
こうして、私とみやの二人旅はゆっくりと幕を開けた。


555 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/19(水) 22:05:51.71 0
ル ’ー’リ<新宿駅のどこ!!?

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