雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - 綺麗なあの子は居候 7
357名無し募集中。。。2017/10/28(土) 16:53:21.130
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あの日以来、私は変にみやを意識してしまい、なんだかぎこちないやり取りしか出来なくなってしまっていた。

……かといって、まだ“どうなりたいか”の答えなんて出なくて。
みやは恐ろしいほど変わらない。いつも通り話しかけて来るし、笑いかけてもくれる。その笑顔が、何故か心臓に悪くて。私はその度にみやと接しづらくなって、奇妙な居心地の悪さを感じてしまった。


そんなある日。夕食後、みやはいつになく真剣な顔で私と向かい合った。

「もも。ももはさ、みやがモデルやってるって知ってるよね?」
「そりゃあね」
「…まだ正式には決まってないんだけど、モデルと並行して歌手デビューしないかって話が来てるの」
「へー、すごいじゃん」
「どう思う?」
「どうって…」

単純に珍しいなぁと思った。みやは家にいるとき、ほとんどお仕事の話をしない。帰りが遅いとか、泊まりとか、朝が早いとか、そのくらい。聞かなくても雑誌を見れば分かるし、私が興味なくても佐紀ちゃんが情報を話してくる。
だからあえて私から聞くこともなかったし、みやもまた、自分からお仕事の話をすることはなかった。
そういうわけで、みやからお仕事の話、しかも相談をされるとは思ってなかった。

「みやはどうなの?やりたいの?」
「…うん。歌うことは好きだし、やりたいかも。でも…」
「でも?」
「………ももはさ、みやの歌好き?」
「何それ、私の好みが関係あんの?」
「どうなの?」
笑って誤魔化そうとしたのに、許されなかった。
「…前も言ったじゃん。…好き、だよ」
「じゃあ、やろっかな」

なにそれ。

358名無し募集中。。。2017/10/28(土) 16:54:03.860
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「と、いうことなんだよね」
「なるほど」

ふむふむ、といった顔でブラッドオレンジを口に運ぶ舞美。
ここは舞美オススメの隠れ家的?カフェで。ゆったりした音楽と、少し暗い照明が雰囲気を醸し出すいいお店だった。さすが舞美、いいとこ知ってんね。


━━正直、人選に失敗したかなあ、とは思ったけど、こんなこと佐紀ちゃんには相談できないし。愛理は愛理でなんか最近忙しそうなんだよね。やっぱり受験かな?茉麻は論外だし…

でもまあ、元はと言えば舞美の紹介から全部始まったわけだから。ここは責任取ってもらおう。

「なんかごめんね?忙しいのに付き合ってもらっちゃって」
「大丈夫だよ。ちょうどドラマの撮影終わったところだったし」
「はー、やっぱり売れっ子って違うんだね」
「何が?」
「日常的に使う言葉が違う」
「そうかな?全部日本語だよ?」
「それでね」

やや強引に話を進める。舞美の本気なのか冗談なのか分からないボケにいちいち突っ込んではいられない。

「私が好きっていうから、その、新しい活動も始めようかなって言われて」
「ああ、歌手デビューの話?ずいぶん悩んでたもんね」

一応気を使ったのに、舞美は既に知っていた。━━そりゃそうか。お仕事の面なら、私より舞美の方が近いもんね。……お仕事の面“なら”?

私が自分の言葉に妙な引っ掛かりを感じていたら、舞美が心配そうな顔で覗きこんできた。━大丈夫?顔色悪いよ?だって。いつものことだよ、と返すと、そうだね。と言われた。そこはもうちょっと気の利いたこと言えないかな。

359名無し募集中。。。2017/10/28(土) 16:54:50.300
でも、なんか。なんかさ。
なんとなく、理屈ではなく感覚が有った。それに気付きたくないような、早く気付きたいような。普段はそういうスピリチュアルなこと信じないのに、この時ばかりはそうも言ってられないっていうか。

全身に鳥肌が立つ感覚。学食で変な優越感を感じた時、そしてあの日以来、私の中の何かが、確実に変わった気がする。━━あと必要なピースは一つだけ。そんな気がする。

「それってさぁ」

ぼんやりと考えていたら、不意に舞美が口を開いた。

「恋じゃない?」
「誰が?」
「みや」
「誰に?」
「もも」

え。何言っ……

「ももが好きだから、もものために歌いたいってことなんじゃない?」

カチッ。最後のピースがはまる音を、頭のどこかで聞いた気がした。

私もちょっと分かるかもー、なんてニコニコしながら言う舞美。
嘘でしょ。みやが私を好きとか、そんなの

「で?」
「な、なに?」
「ももの気持ち的にはどう?」
「………」

びっくりだよ。当然だよ!……でも、一番びっくりしたのは。
………その事実が、驚くほど心にストンと落ちてきたことだ。
あぁ、そうか。そうだったんだ。言葉にすればそんな簡単なことだったのに。どうして気づかなかったんだろう。本人に聞いたわけでもないのに、それが正しいという確信めいた気持ちがあった。

━だとしたら、答えはもう、決まってるはず。こちらもまた、確信めいていた。


いつからそうだったのかなんて、聞かれても分からない。どうしてなのかも、ちゃんとした説明は出来ない。でも、それでも。
みやにそういう好意を持たれていたとしたら、それは泣きそうなくらい嬉しいことだし。━━私も同じくらい、ううん。それ以上の気持ちを返してあげたい、応えてあげたい。素直にそう思った。


「ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい。あ、なっきぃの話も今度聞いてね」
「うん。舞美、ありがと!」

手を振られながら店を出る。確か今日は早めに帰ってこれるって言ってたはず。駅までの道を走りながら、そういえばなっきぃって誰だろうと思った。

360名無し募集中。。。2017/10/28(土) 16:56:20.270
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…あ、帰って来た。
今日は頑張って手料理を作った。みやの好きなオムライスだ。喜んでくれるかなあ、なんて思いながら玄関まで迎えに行く。

「ただいま…なにこの匂い」
「おかえりー。今日ね、オムライス作ったんだ」
「え、何故に?」
「ご飯作るのに理由なんていらないでしょ。てか、それ失礼だからね」
「ゆるしてにゃん」

またか。でも今日はほんとに許してあげる。


ご飯は、意外と高評価だった。ただ時々すごく微妙な顔をしていたのは気になったけど。ケチャップのムラがどうの、とか言ってたかな。細かいやつめ。

361名無し募集中。。。2017/10/28(土) 16:57:12.500

━━よ、よし。
「ご飯作ってもらっちゃったし、お皿洗いはみやがやったげる」
というお言葉に甘えてソファで待ち中。
言うぞ。言うぞ。……あーやっぱり緊張する。
…でも。言わなきゃいけない、って分かるから。


「あれ、ももまだお風呂入ってなかったの?」
「みや」
「なに?」
「話があるの」
「話?」
「実はね。━━ふーっ。」
「なに、そんな緊張する話なの?」
「う、うん。━あのね…みやのことが」
「うん」
「好き、です」
「うん」

うんて。いやうんて。

「あ、あのね、みや。私の言ってる好きってのは」
「恋愛の好き?」
「…そうです」
「知ってる。みやも好きだよ」
「え、あ、そう、なんだ…へぇ…」
「それだけ?…お風呂入ってきな」
「ま、待って。これさ、付き合うってことでいいの?」
「いいんじゃない?」

ずいぶん軽いなおい。

「なんかさ、もっとこうさ、感動的な何かはないの?」
「感動的な何かって?」

泣くとか?と聞かれ、うーんと考える。

「…そういえばいつから私のこと好きだったの」
「わりと前から」
「そうなんだ!?」
まったく気づかなかった。

「好きってか、興味?だけどね。好きって気付いたのは最近」
「へぇ…」

遠い目になってしまった。そっか。知らないのは、私だけだったんだね………

その日は特になにもせず、普通にお風呂入って普通に寝た。


…付き合うって、こんなあっさりしたものでいいのかな…

メモ
・付き合い始めたのでみやびちゃんはももちのベッドに入れてもらえることになりました