雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - お礼と言ってはなんですが
300 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 23:45:06.29 0

(1/3)

「いまから会えない?」
久しぶりのオフの日。
昼前にとつぜん電話で呼び出されて、最寄り駅に向かう。
特に用事があるわけじゃなかったし、ほんとは1日家でのんびりしようと思っていたけどまぁいっか、なんて気軽に出掛けた。
休みの日にみやからお誘いがあるなんて。
用件はさっぱり思い当たらないけど、心ははずむ。
「もも。あのね、お願いがあるんだけど」
「改まってどうしたの?なーに?」
上目づかいでみつめられて、どぎまぎしてしまう。
みやの目が、なんだか潤んでる。
え、なんだろ。
まさかこれは。
いや、でも、付き合うっていっても、ももたちアイドルだし。
でも、嬉しい。
めちゃくちゃ嬉しい。
「……宿題」
「え?」
「宿題。手伝って」
「はあー??」
なんだそんなこと。
がっかりしている自分にがっかりする。
「ダメ?お礼にケーキ持ってきたんだけど」
「いや、ダメではないけど…」
「よかった!ありがとー、もも」
にこっと笑うみや。
こんな笑顔見せられたら、断るなんてできっこない。
「じゃ、ももの家でやろっか?」
「やった!ももんち行くの久しぶりだねー」
にこにこしているみやを見て、わたしも思わず笑顔になる。
こういう休日も、まあ悪くないかな。

303 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 23:49:49.98 0

(2/3)

「…ちょっと、みや」
「んー?」
「さっきから雑誌ばっか見て!全部ももがやってるじゃん!」
「だってさ、みやがやるよりももがやる方が早いじゃん。早く終わらせて、あそぼうよ」
「そういう問題じゃないから!」
「みやさー、気になってるお店があるんだよね。予約するから、夜ごはん、そこにいこ?お礼におごるし」
「だからー、そういう問題じゃ…」
「ほら、あと3時間しかないから。もも、がんばれー」
人のベッドに我が物顔で寝転がるみや。
「もう…勝手なんだからー。今日だけ、特別だからね?」
「やった!ありがとーもも。大好き!」
「調子いいんだからー」
思わず顔が赤くなるのを感じて、あわてて机に向き直る。

「ももー、ももの本、字ばっかりだね」
「んー?」
誰のために人が苦労しているのかわかっていないような顔で、みやが話しかけてくる。
「これも字ばっかりだー。ねー、つまんない」
「ちょっとみや、もも今みやの宿題やってんだよ!?」
「そうだけど。つまんないなー」
みやはしばらくぶつぶつ言っていたけど、そのうちそれも飽きたみたいで気づくとおとなしくなっていた。

306 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/09/11(日) 23:54:53.38 0

(3/3)

「あー…つかれたぁ。みや、終わったよー」
日が傾いてきた頃、やっと終わった宿題の山を整理して、みやの方に目をやれば。
「…なに寝てるのよー!」
世の中にイヤなことなんて何ひとつなさそうな顔で、みやはすやすやと眠っていた。
「おーい。みやー。みやびちゃーん」
「んー…」
どんな夢を見ているんだか、幸せそうなみやの寝顔を眺めていると、なんだか急に胸がドキドキしてきた。
「…みや?寝てるの?」
「……」
反応がない。
人が頑張って宿題をやってあげたっていうのに、これはないんじゃないかな?
「…みやが悪いんだからね」
起こさないように、そっとほっぺにキスをしてみる。
陶器みたいな肌が気持ちいい。
「みやの寝顔見てたら、眠くなってきちゃった…」
夕飯にはまだ少し早いし、ちょっとだけ、いいかな。
みやの隣にもぐりこんで、目を閉じる。
規則正しい静かな寝息を聞いているうち、わたしはいつの間にか眠りに落ちていた。

「ちょっと!もも!ねえ!」
「…んー、なあにぃ、うるさい…」
「何寝てんの!もうお店閉まっちゃったじゃーん!」
「え!?もうそんな時間?」
「もう、なんで一緒になって寝てるわけ?ありえないんだけど!」
せっかくお店予約したのに、と怒るみや。
「だってみやがあんまり気持ちよさそうに寝てたから…もも、疲れてたし」
「だからってフツー寝る?」
「なによ!お礼におごるって話だったんだから、みやが怒ることないでしょ!」
思わず反論すると、みやは横目でにらむようにして、その目に微笑みをたたえながら。
「お礼なら、もうしたし」
「え?」
「ほっぺにちゅー」
「え?」
「したでしょ?」
いたずらっぽく笑うみやがあんまりキレイだったから、わたしは耳まで赤くなるのを感じながら、なんにも言えなくなってしまった。
「ももに寝込みを襲われるなんてねー」
「や、ちが」
「ま。ももにならいーよ」
にこっと笑うみやにみとれて、言葉を失う。
「また宿題が出たら、よろしくね!」
歌うように続けるみやに、なんかもうこれは絶対に適わないな、とわたしはこっそりため息をついた。

おしまい。