雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - どういうつもり?
917 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/26(日) 00:43:14.12 0
「何、これ」
思わずこぼれたつぶやきは、思いの外低い音で雅の耳に届いた。
「ん? ローター?」
何でもない様子で桃子の口から発せられた名称は、およそアイドルには似つかわしいとは言い難い。
ソファに並んで、まったりとした休日を過ごしていたはずなのに、桃子がいきなり取り出したそれによって空気は一変してしまった。
「……マジ?」
「え、うん」
私はいつだって本気だよ、となぜかドヤ顔をする桃子の手には桜の花びらを模したような何か——桃子に言わせればローターらしい——が載っている。
「最近、みやびちゃんがお疲れだったみたいだから、買ってみました」
ほい、と手渡されたそれは、ぱっと見たところ可愛らしい置物にしか見えなかった。
だが、裏を見てみれば確かにボタンがついていて、きっとそれを押せば振動するのだろうと言うところまで想像できた。
「一応聞くけど」
「ん?」
「どういうつもり?」
だってさあ、と桃子は小指をぴんと立てて語り始めた。
桃子の言い分としては、最近忙しくなってきていてそういう機会も減っていて。
気持ちだけが盛り上がったとしても、体がついていこないことだってある。
そこで、それを助ける道具があれば、ハッピーになれそうじゃない?、とかなんとか。
「それにさ、一人で寂しい時に使うって手もあるじゃん?」
「使わないから」
「えぇー」
きっぱりと言い切った雅に対して、桃子が不服そうな声を上げる。
そんな桃子に対し、雅は厳しい視線を向けた、つもりだった。
座っているせいで身長差はほとんどないはずなのに、桃子はあえて少しだけ身を屈めてこちらを見つめてくる。
上目遣いな桃子の瞳が、きらりと光って雅を映す。
どの角度が最も可愛らしく見えるのか、分かってやっているあたりはさすがアイドルと言うべきか。
「じゃあ、みやは——寂しくなったりしないの?」
「っさい」
頬がさあっと熱を持つのが分かって、雅は視線を床に逸らした。
「ねーえ、みやびちゃん?」
「……なに」
「試してみたいと思わない?」
想像した通りの言葉は、想像を超える甘さを持って雅の体に染み込んだ。
続かない