雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - カプセル 13
481名無し募集中。。。2020/04/12(日) 03:49:12.290>>483

渋谷からちょっと歩いた大通り沿い、ガラス張りのスペース。
それが、よーちゃんが探してきてくれたポップアップストアの場所だった。
あんまり広くない方がいいな、ってみやの希望通り、どこからでも全部見渡せるくらいでいい感じ。
でもガラス張りだから、あんま狭いって思わないのもいい。
ぼんやり外を見たら、パパとママに手を繋がれたちびっ子と目が合った。
あれ、初詣っぽい。そっか、まだ世間はお正月休みだっけ。

「ど? 気に入った?」
「めっちゃいい」
「そーか、よかった」

くるって振り向くと、がらんとしたスペースの真ん中に立つよーちゃんが目に入る。
全身黒っぽいコーデでざっくり髪をまとめたよーちゃんは、いつもよりずっとずっと細く見えた。

「店内の装飾、今日の午後には納品されると思うから。細かいところ詰めような」

ふふん、って笑うよーちゃんは、自信たっぷりで、楽しそうだった。
気合いの入った黒シャツ、仕事モードの時にしか着ないの、みやは知ってる。

「あー……そう、だよね」
「どうした?」
「や、なんでもない」

肩をすくめたよーちゃんが、「何さ?」って言いたげなのが分かる。
でもたぶん、言っても苦笑されるだけだと思う。
実感なんて全然わいてないし、何ならまだ夢の中なのかな?って気分だって。
洋服では一回やらせてもらったけど、今のコスメブランドはもっと小さいところから育ててきた感じだからさ。
本当、よーちゃんいなかったらいろんなことが実現してなかった。

「よーちゃん」
「んー?」
「ありがと」

Macを開きかけてたよーちゃんが、ぱたんとそれを閉じる。

「まだ早いよ、みやび」

これからだろ、って親指立てるよーちゃんは、めちゃめちゃ頼もしかった。
あの日、ももんちにいきなり呼ばれて行った日の帰り道と同じみたいに。

483名無し募集中。。。2020/04/12(日) 03:50:41.370


よーちゃんが迎えに来てくれたのは朝の9時くらいだったっけ。
さすがにももは起きる気配がなくて、しみちゃんがしょぼしょぼした目のまま玄関まで送ってくれた。
車の中で「ありがと、ごめんね」って言ったら、よーちゃんは運転席であっさり笑った。
「気にすんなー」って笑うよーちゃんは、嘘とか言わない人だからきっと本音なんだろう。
チッチッて鳴り始めたウインカーの音聞いて、なんとなく今なら言えるって思ったのを覚えてる。

「あのさー」
「んー?」

指先にもものあばらの感覚が残ってる。
ほっぺに当たったふわふわした髪の感触を覚えてる。
よーちゃんとホットワイン飲んだ夜に聞いた歌が頭の中で流れる。
とととっ、て胸のあたりが震えた。

「ちゃんとさー、頼ってよって、言えた……と思う」
「……そりゃー成長だね」

そう言いながら、よーちゃんはぐいーってハンドル切った。


お昼を過ぎると、よーちゃんが言った通り、次から次へといろんなものが運び込まれてきた。
棚や看板は前使ってたやつ。敷き布はいつか使いたいって思ってたやつを引っ張り出してきたのもある。
あと、みやのお気に入りは、壁に貼る予定の親猫と子猫が向かい合うシルエットのステッカー。
鳴き声で「miaow!」と「mew!」って吹き出しをつけんの。可愛くない?

「あ、それはもう少し右で——」

よーちゃんが指示出ししている横顔から目を外して、くるっと周りを見渡してみる。
スペースをふんわり二つに区切って片方は大人向け、もう片方は子ども向けの商品を配置することになっていた。
はっきり区切りたくないって言ったのはみや。背伸びしたい子も絶対いるって思ったから。
大きくなったらこれつけたい、って憧れて買うコスメもすっごくいいでしょ。

「あれ? みやび、あれって」

よーちゃんが指差した先で、両手をぶんぶん振ってる二人組が目に入る。
何あれ、めっちゃ目立ってるし。

「なんだっけ、にへーさんとこばやしさんだっけ?」

「元気だねー」ってよーちゃんが呑気に笑う。
さっきよりめっちゃ吹雪いてきてるし、あの中で手振ってんのは元気だわ。
今日準備日って言ってたの、覚えてくれてたのかな。

484名無し募集中。。。2020/04/12(日) 03:51:33.380

「うわー! みやちゃん、よーこさん!」

お店のドアを開けてあげたら、二人がパタパタってかけ寄って来た。
赤ちゃん抱っこしたにへちゃんの後ろから、ひかちゃんがひょっこり顔を覗かせる。

「ちょっと、差し入れでも持って行こうって話になって」
「うわ、ありがとー」
「これ、よかったら」

ひかちゃんが差し出してくる紙袋は、マカロンで有名なお店のロゴ。

「ごめん、中ちょっとごちゃごちゃしてるから」
「良いですよ、結構コート濡れちゃってるんで」

ひかるが自分のコートを広げてみせる。
確かに、雪で濡れて結構まだらに色が変わっちゃってる。

「おー、雪、結構降ってんですね」
「うわ、ほんとだ」

見上げた空はグレーで、大っきめの雪がボロボロ降ってくる。
お昼前にはまだちらほらくらいの雪だったのに、今はちょっとした吹雪みたい。
よーちゃんが言うには、夜になるにつれてもっとひどくなるらしい。

「ありがとね、寒い中」
「いいんですよー、そもそも予定あったんで。お邪魔しちゃ悪いんで、顔出すだけですけど」

にへちゃんが抱き直した娘ちゃんのほっぺも、りんごみたいに真っ赤だった。

「今日、何時くらいまでかかるんですか?」
「んー、どうだろ。夜まではやるんじゃない?」

ひかちゃんの質問に、よーちゃんをちらっと見上げる。
「まあそうだな」ってよーちゃんは頭をかいた。
みやもよーちゃんも凝り性だから、たぶん時間があればあっただけやっちゃうと思う。

「オープンしたら、また来ますね」
「うん、招待状送るから。二人とも。あ、三人かな?」

ひかちゃん、にへちゃんって見て、娘ちゃんにも目をやる。

「みやちゃんてそういうとこ良いですよね。粋、っていうか」

にへちゃんが娘ちゃんの被ってるニット帽を撫でながら、にーって笑う。

「え、粋?」

みや的には普通かなって思うんだけど。
よーちゃんが後ろでぷって吹き出す音がする。なぁんで笑うかな。

「いいよ、作ろ。三人分」

笑ったままの声で、よーちゃんはそう言った。

485名無し募集中。。。2020/04/12(日) 03:52:17.440


くあ、てよーちゃんが欠伸するのが聞こえる。
スマホを見たら夜の21時過ぎだけど、みや達はまだお店の中にいた。
あれもこれもって気になり始めたらとことん凝っちゃうんだよね。
でもこういうの、学園祭前みたいでわりと悪くない。

「ちょっと休む?」
「んー、もうちょっと」

Macの画面を眺めたまま、よーちゃんの長い指がパラパラ動く。
まるでピアノでも弾いてるみたいに、きれーな指。

「何か飲み物買ってこよっか」
「ん。コーヒーのブラック」
「おっけ」

よーちゃんの声に送られて、みやは店の外に出た。
踏み出した靴底がびちゃって音を立てる。わー、雪積もってんじゃん。
こんなに降るの、東京だと数年ぶりとかなんじゃない?
ちょっとテンションが上がって、みやはぴょこんってステップ踏んだ。

「はー、さーむ」

ほわほわ消えていく白い息。
近くのコンビニまでは5分くらいだから、信号待ってる間もそんなに辛くない。
雪の向こうに見える信号機を眺めてたら、ポッケに入れたスマホがブルブルって震える。
取り出したスマホに「もも」って表示が見えて、ざわってみやの全身に鳥肌が立った。

217名無し募集中。。。2020/07/19(日) 02:00:24.690

ももからの電話ってだけでめずらしいのに、こんな夜中にかかってくるなんて。
なんだか嫌な感じに急かされて、みやは通話ボタンを押す。

「もも?」
「……あ、」

ざらざらした雑音の中で、うっかり漏れたようなももの声がした。
今のもも、電話の向こうで「どうしよう、繋がっちゃったよ」って慌ててる気がする。

「どうした、なんかあった?」
「いや……うーん……みや、今って」
「大丈夫だけどなに?」

忙しいってみやが言ったら、切るつもりだったなって分かった。
ああもう、そういう気のつかい方するような仲じゃなくない?
ってちょっとだけイラッとしたのを、足元の雪を蹴ってごまかした。
さっきより、雪が靴に引っかかる感じがする。まだまだこれから積もるかも。

「今日さあ、雪、結構降ったでしょ」

まだ降ってるか、って独り言みたいにももが付け足す。
「そうだね」って言いながら見上げた空から、はらはら落ちてきた雪がほっぺに当たって溶ける。
次から次に落っこちてくる雪は、街灯の光をキラキラ反射していた。

「それでさ、ちょーっと、電車が止まっちゃってて」
「は? もも今どこいんの?」

ももが口にした駅の名前は、みやも聞いたことあった。
めちゃくちゃ千葉の奥の方じゃない?って思ったら、ピンポーンって音が割り込んできた。
さっきからやけに騒がしいと思ったら、駅で足止め食らってたんだってようやくピンときた。

「終電前に動くかどうか——」
「え、やばくない?」
「こっちはどうにかするよ。それより……雛子のこと、お願いできる?」

218名無し募集中。。。2020/07/19(日) 02:02:24.190

自分のことより、雛子ちゃんのことなんだ。当たり前か、ももだし。
声だけなのに、みやを見つめるももの上目遣いが簡単に浮かぶ。
わかったってば。ももの顔を脳内でぺたんと押さえつけた。

「ね、みやが最初?」
「え?」
「最初に、みやに電話した?」
「……まあ、そう、だけど?」

それが何?って顔してるんだろうな、もも。
ももにとってはちょっとしたことでもさ。
みやにとっては、ももが一番にみやを思いついてくれたことが、すごく大事。

「なんとかしてみる」
「急に、ごめ」
「頼れっつったじゃん」

勢いよくみやが言ったら、ふふ、ってももが笑う気配がした。

「みやは変わんないね」
「どういう意味?」
「なんていうの、いつも、ちゃんと本気だなって思って」
「……あ、そ」

ニュアンスからして、褒められたのかなって思う。たぶんそう。
ももの声、ちょっと真面目だなって思った。きっと、顔も真面目。

「なるべく早く帰るようにするから」
「ん。ももも気をつけて」
「ありがと」

電話が切れる瞬間、くしゅんって小さく聞こえちゃって。
スマホに当ててた耳から、さぁって冷たさが広がる。
でも、みやが何か言う前にぷつって電話は切れちゃった。
ねえ、本当に気をつけてよ、もも。

219名無し募集中。。。2020/07/19(日) 02:02:48.120


コンビニでコーヒーとレモンティーを買ってる間に、外はさらに寒くなったみたいだった。
みやの靴の下で、積もった雪がきゅうきゅうと音を立てる。
「なんとかしてみる」なんて言ったものの、タイミング的には微妙。
お店の準備はまだ終わってない。みやがいなきゃ進まないことばっかだし。
結局みやが思いついたのは、しみちゃんに電話をかけることだった。
数コールの後、「みや?」って聞こえた声は柔らかかった。

「しみちゃん、今時間ある?」
「何? もも?」

いろいろすっ飛ばして正解にたどり着くしみちゃんに、正直のけぞりそうになる。

「……なんでわかんの」
「何となく。声で」

なにそれ、敵わないじゃん。
みやは言わなかったけど、しみちゃんがくすって笑うのが聞こえた。

「で、どした? また何かあったって?」
「なんか、雪で電車止まってて。今日帰れないかもって」

ももの事情と、みやの事情と。
全部聞いた上で、最後にしみちゃんは「わかった」って短く言った。

「ひなちゃんのことは任せといて。みやは自分のことに集中。いい?」
「ん、ありがと」

声だけなのに、ぽんって背中を叩かれた感じがする。
ステージ出る直前の、あの感じ。
もう離れて随分経つのに、今もはっきり思い出せる。忘れないもんだよね。
「よろしく」って言って電話を切る。
あとはしみちゃんの言う通り、自分のことをちゃんとやるだけ。

220名無し募集中。。。2020/07/19(日) 02:03:38.450


みやが店に戻った時、よーちゃんはまだMacとにらめっこをしていた。

「よーちゃん」

声をかけてみても、よーちゃんは顔を上げる気配すらなくて、仕方ないからみやは近くの椅子に座る。
レモンティーのボトルは、ホットを買ったはずなのにもう少し冷めてた。
不意に鼻の奥がチクチクして、みやは小さくくしゃみをした。

「あれ? みやび、戻ってたの」
「ん、さっき」

大きく伸びをしたよーちゃんの背中が、ごきごきって鈍い音を立てる。
マジでずっとMacいじってたのかな。
レモンティーと同じくちょっとだけぬるくなった缶コーヒーをMacの横に置いてあげる。
よーちゃんが首をぐるりと回しながら、ちらっと外を見た。

「うわ、雪やばいね」
「さっきよりひどいかも」

窓の向こうはもう真っ白で、雪っていうより深い霧みたいになっていた。
かしゅ、とよーちゃんが缶を開ける音がする。

「早めに帰った方がいいかなー、こりゃ」
「そんなやばい?」

言いながら、そりゃやばいでしょって自分でツッコんだ。
だって、電車止まるくらいだもん。ももが帰れなくなるくらいだもん。
すぅってお腹のあたりが冷えた気がして、みやは小さく震えた。
レモンティーのペットボトルの蓋を開けようとしたけど、上手く力が入んない。

「んー、JRは動いてるな。ギリギリ大丈夫か……?」

耳の奥で、ももの小さなくしゃみの音がする。
ひなこちゃんはしみちゃんが何とかしてくれるとして、じゃあ、ももは誰が?
頭の中に、ももが震えながら縮こまってるイメージが浮かぶ。
足元で、ベコッて音がした。床に転がるペットボトルが見えた。

「みやび? どうしたんだよ、ぼーっとして」

ペットボトルを拾ったよーちゃんが、みやを見上げてくる。
その目が、困ったように細くなった。

「なーにがあった、今度は」

よーちゃんがみやのおでこに、こつんってペットボトルをぶつけた。

「あー……またあれか、ひなこちゃん?」
「……じゃ、ないんだけど」
「え、違うの? じゃあ……」

あ、とよーちゃんが声を漏らすまで、そんなに時間はかからなかった。

「もしかして、みやび」
「ねえ、よーちゃん、今日の雪すごいでしょ」

222名無し募集中。。。2020/07/19(日) 02:04:42.440

電車、止まっちゃってもおかしくないでしょ?
ももからの電話と、しみちゃんとのやりとりと。
よーちゃんに話してるうちに、みやの中である決意が強くなる。

「だから、うち」
「まさか……」

よーちゃんが、ちょっとだけ目を丸くした。
みやがやろうとしてること、よーちゃんにはすぐ分かっちゃったらしい。

「だってもも、凍えてるかもしんない」
「いやでもさ、向こうもいい大人なんじゃ」
「ううん、もも、自分のことはテキトーなとこあるから」

お風呂上がりに髪乾かさないし、ご飯も放っとくとろくなもの食べないし。
スキンケアも適当だし、細かいこと言い出すとキリないんだけど。

「本気か? 今から、千葉?」
「大した距離じゃない」

少なくとも、今のみやにとっては。
2時間だろうが3時間だろうが、もっとかかったって大丈夫。

「明日は戻るんだろうな?」
「もちろん」

半端なことするつもりはなかった。自分のこともちゃんとするし、もものこともちゃんとする。
みやがそう言ったら、しばらく黙ってたよーちゃんが、呆れたように小さく笑った。

「みやび、欲張りってよく言われない?」
「まあね?」
「ははっ、それでこそ夏焼雅か」

よーちゃんはこくこくと頷きながら、缶コーヒーをくいっとあおる。
みやに向き直ったよーちゃんは、なんだかワクワクしてるように見えた。

「しゃーない! 今日は一晩、缶詰だ」
「ごめん、できるだけ早く、」
「いーよ。人使い荒いのは知ってた」

ただし、とよーちゃんが人差し指を立てる。
その指先をみやにまっすぐ突きつけて、よーちゃんはにやっと笑った。

「高級レストランで手を打とうか」
「そのくらいなら全然」

よーちゃんの指先を、みやはつんってつっついた。

223名無し募集中。。。2020/07/19(日) 02:07:15.390

「気をつけてな」ってよーちゃんに送られて、みやは店を飛び出した。
大きな道でタクシーを拾って、ももから聞いた駅の名前を伝える。
運転手さんは明らかに面倒臭そうな声だったけど、気づかなかったことにする。
ジャリジャリと雪の積もった道路を削りながら、タクシーはのろのろと出発した。
スマホを開いたら、しみちゃんからのLINEが届いていた。
無事にももの家について、雛子ちゃんはすやすや寝てるって。
しみちゃんに「ありがとう」って送ったら、「もものことよろしく」って返ってきた。
ほんと、なんでバレてんだろう。全部見えてんのかな、しみちゃんには。
ももにはLINEを送ってもたぶん反応ないだろうから、電話をかけることにした。
通話ボタンを押すの、前まではちょっとだけ勇気が必要だったけど、今のみやはなんだか無敵だった。
数回のコールがあって、ぱっと音が切り替わる。

「もしもし? 雛子に何かあった?」

急いで電話に出たような感じで、ももの声が耳に飛び込んできた。
一言目がそれ?って思ったけど、当たり前かって思い直す。
ももからしたら、みやに託したわけだし。結果的に、みやはさらにしみちゃんに頼んじゃったわけだけど。

「ひなこちゃんなら、大丈夫。しみちゃんが今ついてる」
「え? 佐紀ちゃんが?」

「なんで」って言いかけたももに「ところでさ」ってみやは被せた。
詳しいことは、会った時に話せばいい。

「今日寝るとこもう決めた?」
「え? 私?」
「それ以外ないでしょうが」
「まあ、確かに?」

すっとぼけたももの声は、作ったものだってすぐに分かる。
やっぱり適当じゃんか、もも。

「まさかまだ決めてないわけ?」
「んー、電車もしかしたら再開するかもしれないし」

「ダメでもどうにかなるでしょ」なんて聞こえてきて、思わず「バカ」って言いそうになった。
運転手さんいるから、ぐっと堪えたけど。

「分かった、どっか暖かいとこにいな」
「え? え? どういうこと?」
「凍えてたら許さないから」
「ちょ、みや? え?」
「ついたらどこいるか連絡して」

言うだけ言って、電話を切った。
ももが何か言ってたようだったけど、それも会った時に聞けばいいし。
みやはグーグルさんを呼び出して、駅に近いホテルを探し始めた。