雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - 姫始め
239 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/02(月) 02:37:57.35 0

半分くらい剥かれた状態で放置されたみかん。
画面が点灯したままのスマホ。
そして、突っ伏して寝てるらしい家主——みや。

それが、みやの部屋に到着したももを出迎えてくれた光景だった。
電気も暖房もつけっぱなし。
ここまで綺麗な寝落ちもなかなかない気がする。
持っていた荷物を適当に床へ投げ出して、そっとみやの横にしゃがんでみた。
みやの顔は見事なまでに緩みきってて、もうなんかそれだけで今日(というか昨日?)の疲れが解消されるような気がするから不思議。
本当はももが帰るまで待っててくれるつもりだったのかな。
そうだったら嬉しいなって、ちょっと期待しちゃったりもして。

「みや、ただいま」

小さな耳の穴にそっと囁きかけてみたけど、想像通り全くの無反応。
こりゃ本格的に寝ちゃってるなあ。
まあね。もも的には可愛いみやびちゃんが見られて満足ってだからいいんだけどね。
ふふって笑って、みやの髪の毛をそっと撫でる。
もっとこのまま眺めてたいけど、さすがにちゃんとしたところで寝てほしい。
体痛くなっちゃいそうだし、風邪ひいてもまずいし。

ほっぺをつついてみる。反応なし。
ちょっとつまんで伸ばしてみる。反応なし。
鼻……はさすがに怒られそうだからやめとこう。
ここは王道にってことで、ちょっと強めに揺さぶってみた。
そこでようやく、みやの口から微かにうめき声が漏れる。

「みやー、ベッド行こ?」
「……んー……」

みやの脇から腕を差し入れて、どうにか抱き起こす。
さすがに抱えられないからね、自立してね。
みやの意識はまだ夢の世界にいる感じだったけど、わずかに体重を支えようと力が入るのが分かった。
このくらいならいけそうかな。
ほとんど引きずるようにして、みやを寝室まで連れていく。
二人でベッドに倒れ込むようにして、どうにかみやの体を横たえた。
よしよしオッケー。
もも自身はベッドから起き上がろうとして、不意に感じた抵抗に動きを止める。
なんでって……みやにぎゅって腕を掴まれてたから。

240 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/02(月) 02:38:19.53 0

「みや?」

ねえ、今ちょっと唇ぴくってしたでしょ。
さては起きてるな?

「……みーやびちゃん」

みやの睫毛が静かに震えて、すっと開かれる瞼。
くるり、みやの瞳がももを映す。
カラコンを外してるからか、ちょっとだけ幼い感じのみやがそこにいた。

「ね、ちょっと離してくれない?」
「やだ」
「……拗ねてるの?」
「別に」

拗ねてるっていうか、いじけてる?
新年早々って思わなくもないけど、みやのためならいいよ。
つきあってあげる。
まずは素直じゃないみやからちゃんと話を聞かないとね。
そう思って、どうしたの?って口を開きかける。
だけど、それは言わせてもらえなかった。
いきなり触れてくるみやに、呼吸ごと奪われたから。

「んっ……みや、ちょっと」

ねえ、さすがに急過ぎない?
抗議したかったのに、うるさいって言うみたいにみやは再び近づいてくる。
寝てたはずのみやに気づけば組み敷かれていて、ちょっとこれは、まずい状況。

「ね、みやっ、んんっ」

ちゅ、って立てられた音に、少しだけスイッチが入りかかる。
いやいや、ないない……だって、さっき帰ったばっかだよ?
ちょっと待ってほしい、そう思うのに。
みやの舌は耳朶あたりで自由に遊んでて、言葉は吐息に変わった。
その間にも、みやの指先は服の中に入ってくるし。
本当、油断も隙もあったもんじゃない。

「……ぁっ、ちょ、だめっ」

勝手に動き回ろうとする手を、服の上から掴んで制止する。

「シャワーくらい浴びさせてよ」
「やだ」
「ねえ……あっ、もぅっ」

今日のみや、なんでそんなに強引なのってくらい強引。
半ば無理やり背中に回ってくるみやの指。
しばらく好きにさせないと、落ち着いてくれなさそう。
手伝うように背中を反らすと、胸周りの拘束が少しだけ緩められた。
ちょっとだけ、みやの表情が柔らかくなったようで。
それが、気のせいじゃなければいいと思った。

241 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/02(月) 02:39:19.82 0


さっきまでの性急さが嘘みたい。
みやの掌は、ふんわりと優しく触れてくる。
やわやわと揉まれて。
さらさらと撫でられて。
柔らかな部分にキスをされて。
みやって、ももの胸触るの好きなの?
いつも思うけど、思うだけ。
だって、口にする余裕なんて与えてもらえないから。

「ふっ……ん……」

急に吸い付いてみたり、つついてみたり。
みやの触れ方は、いつだって予想外。

「ぁっ……」

胸に気を取られている中で、唐突に首筋へと舞い降りた柔らかさ。
思わずぞくりとして、でも漏れそうになった声は右手で防いだ。
かと思えば、つーっと耳朶あたりまで舐め上げられる。
湿り気を帯びた熱が忙しなく出入りする度に、水音が耳の中に積もっていって。
その度に、ぞわぞわしたものが腰のあたりで渦巻いた。

「もも」
「へっ、あ、やぁ……っ」

みやの腕が伸びてきて、あっという間に両手が上の方にまとめられる。
その流れで、ぱちりとみやの視線に出会う。
あ、だめだ。
みやに、全部見られてる。
そう思った瞬間、さあっと体温が上がった気がした。

「手、ここ。動かしたらだめだからね」

みやの言葉は呪文のようで。
なんかもう、それだけで動けなくなる。

「なんっ……で、ぇ、あぁっ、う」

言い終わるより前に、みやの指が先っぽを意地悪く摘んだ。
痛い、痛いけど、それさえも今は。

「きもちいい?」
「……ぅ、ん……ぁっ」

本当は全部、伝わってるんだと思う。
でも、みやはいつだって聞きたがるから。
今できる精一杯で、みやに返事をした。

242 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/02(月) 02:40:02.44 0

確かめるように下りていく、指。
ぐっと押しつけられて、自然と太ももに力が入る。
みやが、嬉しそうに声を漏らしたのが聞こえた。
そんなことしなくたって、分かってるくせに。
ももの反応、見たくてやってるんだ。

——いい?

熱っぽい、みやの瞳。
頷く以外に答えはない。
衣擦れの音がして、するりと全部奪われた。
恥ずかしすぎて、無意識のうちに顔を覆う。
こら、って掠れた声がした。
あ、と思う間もなく腕は再び頭の上へ。

「顔、見せて」
「や、だ……」

足も閉じさせてくれなくて。
ぐっと割られる膝。
全てがみやの目の前に晒される。
せめて、と目を閉じると、瞼に柔らかいものが触れた。

「……すき」

もも、かわいい。
みやは、そればかりをくりかえす。
それしか知らないみたいに。

「み、や……あっ、んぅっ」

入口あたりで留まってた指が、ゆるゆると動く。
うれしそうに、何度も上下して。
ふっと止まったかと思えば、ぐっと割り込んできた。

「あっ、ああぁっ!」

お腹のあたりから、ぞくぞくとしたものが這い上がってくる。
掌全体が、そこを覆ったのが分かった。
少しだけ、静止するみや。

243 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/02(月) 02:40:36.00 0

ちょっとだけ開いた視界に、ふっと目を細めるみやが見えて。
ねえ、遠いよ、みや。

「……こっち、来て」

ちゃんと見てるから、だから。
両腕を伸ばしたら、温もりが飛び込んできた。
みやの脇から、腕を回す。
素肌に擦れる、みやのパジャマ。
ざらついて、気になった。
でも、今更脱いでなんて言えない。

「んんっ、ぁぁあっんっ!あぅっ」

みやが動き始めるのが分かった。
好きなところ。
きもちいいところ。
ももよりも知り尽くした指先が、自在に動き回る。
その度に襲ってくる、逃げたいほどの快感。
でも、みやは逃してなんてくれない。
あっさりと捕まって、追い詰められて。
みやの吐息、熱いの、聞こえて。
やっぱり、みやにも、脱いでもらえば良かった。
ちょっとでも熱を感じたい一心で、はだけた襟から覗く肩口に触れる。
白くて、綺麗で、温かい。
安心したのも束の間、強すぎる刺激に思考が奪われる。
どうしよう、きもちいい、でも、むり。
意識を手放すには、もう少し、足りなくて。
夢中で柔らかな肌に歯を立てた。
みや、もっと、ねえ、ちょうだい?

「あっ、あんっ、みやぁっ、もっ! やぁっ」

きもちいいと、すきと、みやと。
それしか考えられなくなって。
ぐるぐる回って、ぱちんと弾けた。

244 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/02(月) 02:40:54.15 0


ももの息がいつも通りに戻った後も、みやはくっつき虫みたいに抱きついたまま。
なんでだろう、みやの感情が流れ込んできたような気がした。
まだ、怠くて重たい腕で、みやの背中をゆっくりとさする。
やがて、みやがぽつりと呟くのを聞いた。

「……寂しかった」
「うん」
「一人で、寂しかった」
「……うん」

そんなことだろうと思ってたけど。

「くまいちゃんがオッケーなら、みやだっていーじゃん」
「それは……大人の事情があったんだってば」

みやも自分で言ってたよね?って説いてみる。
でも、って言いながら、みやの唇はまだ微妙に尖ったまま。
MCでは軽い感じで言ってたけど、相当寂しかったみたい。
本当、可愛いなあもう。
そう思ったら、わっといろんな感情が溢れて、止まらなくて。

「みや。……ぎゅー」

言いながら、片腕に力を込めた。
もう片方は、不器用な寂しがり屋さんの頭を撫でる。

「……すき、だよ」

足らないなら、いっぱいあげるから。
しばらくそうしていると、徐々にみやの体から緊張が消えていく。
気づけば、みやから聞こえてくる呼吸は寝息へと変わっていた。
さすがにちょっと、疲れちゃった。
おやすみ、みや。
いいこ、そう呟いて、もも自身も目を閉じる。

これが八つ当たりだってことは、なんかもういろいろ緩んだ脳みそでは思いつかなくて。
結局、ももがそのことに気づいたのは翌日の朝——ほとんど昼——に目覚めた後だった。


おしまい