雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - 癒せません
334 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/18(日) 01:31:08.20 0
ももはさあ、色気がないよね。
突然そんなこと言われたら、どんな反応をするのが正解なんだろう。
褒められてないことは確かなんだけど、まあ自分でも思ってはいることだし。
というか、そもそもの話ね。
のんびり漫画読んでる時に言われたって、そりゃないでしょ、としか言いようがない。
「……なに、いきなり」
なんてことが頭をぐるぐるしたのはほんの一瞬で、結局言葉になったのは平凡な一言。
「何ってわけじゃないけど」
パジャマでベッドの上にいるのに、全然色気なくてびっくりしちゃった、とかさ。
これが少しでもからかうような感じだったらまだノリで返せたのに、真顔で言われたら結構マジなやつかなって思う。
あれ? これ、凹むべき?
「だって今、そういう雰囲気じゃないし」
「や、なんていうか……そういう問題じゃなくて」
そんなことより、漫画の続きが気になるんですけど。
ちょうどヒロインがとってもロマンチックに告白されそう、みたいなシーンなのに。
「もも、誘うの下手じゃん?」
「……いまする話?」
「わかんないけど、今思ったから」
スイッチ入ってない時にこの手の話をされると、なんだかひどく間抜けな気分になるの、私だけかな。
みやはなぜかすごく真剣な顔をしているけど、私の意識は完全に漫画の続きへと向いていた。
どんな風に好きだって伝えるかって、すごく重要でしょ?
でも、たぶんここで相手しなかったら拗ねちゃうだろうから仕方なく漫画を伏せて置く。
それと同時に、みやが上がってきてベッドがぎしりと鳴いた。
正座を崩して座っていた私の膝辺りに、四つん這いになったみやがぺたりと手のひらを置く。
しっとりとした熱は見てみぬふりを決め込んだ。
「なーに? デレびちゃんなの?」
「なんかほら、そういうとこ」
どういうとこよ?って聞きたかったけど、サワサワと太ももで遊ぶみやの手に邪魔された。
「いっつもうちばっかじゃん?」
「いやー、そんなことは……ないんじゃないかなあ」
「そんなことあるし」
みやの指摘はごもっともなんだけど。
でもちょっと考えてみてほしい。
だって、あのセクシー担当夏焼雅様ですよ。
そんな人に誘われてその気にならないわけなじゃん。あとはほら、据え膳は全部食べる主義ってだけで。
「たまには、そっちから誘って欲しいんですけど?」
「や、でも……もうわりとその気になってない?」
335 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/18(日) 01:32:07.45 0
私の指摘が気にいらなかったのか、みやに軽く爪を立てられた。
いや、だからそういうとこだって。私もそんなに我慢強くないわけで。
その手をとってくるりと上にのしかかろうとしたら、思いの外強い力で抵抗された。
今のってそういう合図じゃないの?
「ちゃんと言って」
「えーっと……何を」
「そんくらい自分で考えてよ」
じゃなきゃやだってさ。
どっちかというとしたいのはみやびちゃんの方なんじゃないの?なんて煽る手もあったけど、さすがに機嫌悪くなって面倒くさいことになりそう。
しょうがないなあ、たまには本気出しますか。
「今夜は寝かさないぞっ?」
「は? ふざけてんの?」
「ちょ、地味に傷ついたんですけど」
「ネタとか要らないから本気でやってよ」
そんなこと言われましても。
「おねがぁい♡」
「演技しすぎ」
「一緒にぃ……寝、ぶふっ」
「自分でやっといて吹かないでよ」
改まって真剣にやろうとすればするほど、妙な方向にねじ曲がる。
世の中の皆さんは、こんなこと本気でやってるらしいけど、本当にすごい。
「普通に言えばいいんだってば」
「だってぇ……あ、そうだ、みやにお手ほ」
「絶対やだ」
今日のみやはやけに意地っ張りで、どうにも譲る気はないらしい。
うーん、困ったなあ。
どっちにしたってしたいんだろうから、素直に折れてくれてもいいのに。
「泣きの一回ね」
「いや、頼んでないけど?!」
「いいからはやく」
3、2、1とカウントダウンされたら体が準備体制に入っちゃうのは、ほとんど条件反射みたいなもの。
もー、こうなったらヤケだ。
336 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/18(日) 01:33:22.54 0
「……しよ?」
ぐっとみやの体を引き寄せて、耳元に囁く出血大サービス。
やりきってから、じわじわとほっぺが熱くなるのを感じた。
あ、これ無理だ。ちょー恥ずかしいやつだ。なんてことやらせんの、みやびちゃんたら。
ていうか、みやからの反応がない。今のどうだったの?
「みや?」
名前を呼んだら、ばか、って聞こえてきて、そのままぎゅっと抱きしめ返される。
これは、合格ってことで……いいのかな?
「あの……続き、しても?」
「……そこ聞くとか、マジ」
「ああ、ごめんごめん」
尽くせと言わんばかりにみやの声が湿っているのが分かって、思わずにやついてしまった。
よかった、ちょうど顔がみやから見えなくて。
手探りで近くにあったリモコンを手に取ると、部屋を真っ暗にして準備完了。
求めてくるみたいに伸びてくるみやの手に、結局誘われたのはどっちなのか分からないけれど。
「……いっぱい、してあげるね?」
見下ろしたみやの顔が満足そうに笑った気がしたから、まあいいか、って思った。