雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - Karma-verse 3
171名無し募集中。。。2019/05/29(水) 00:03:57.630

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ゴチャゴチャと建ち並ぶ雑居ビル郡。
どれも似たようなもので違うそれらを走り抜ける。夕日はとっくに沈み暗く汚い裏路地は怖かった。

(ここだ、多分建物の中からする)

辿り着いたの錆びれた印象を受けるビルだった。
外の案内板には入居業者の名前一覧が書いてある。

(えっと、この英単語なんだったかな...んー、このビルに入ってる会社名英語で読めない...フリガナくらい書けばいいのになー)

案内を見る限り五階建てでワンフロアにひとつの会社が入っていて全部埋まっているようだ。


どこに行けばこの香りに近づけるかわからないが全部で5択なんだから最低全部行けばいい。
そう考え、エントランスを抜け1階の会社の扉を開けた。

ドラマで見るようなオフィスの中は少しホコリっぽく誰も居なかった。

部屋をうろつきながら見回す。
なんとなくその辺の机を開けると中には赤いカードが入っていた。

(あど、み、すたー?......わかんないけど大事そうなやつじゃん?なんとなく必要になる気がするしちょっとお借りしマース)

エントランスに戻り傍にあるエレベーターに乗り込んだ。

172名無し募集中。。。2019/05/29(水) 00:11:07.090

「何階からいこうかなー」

5F、4F、3F、2F、1Fと上から並ぶボタン。
1Fの下に横の細い穴があいている。
「さっきのカードはいったりして」

冗談で入れたカードは中に飲み込まれエレベーターは降下しはじめた。

「秘密基地みたいじゃん?ほんとに映画みたい〜」

ぼんやりしている頭は何故かテンションが上がっていく。

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ピコーん

降下が止まりカードが中から出てくる。受け取るとドアが開いた。

「お待ちしておりました。ささ、ご案内致します。こちらへどうぞ」
(あれ?なんでみやの事知ってるの?)
「ええっと...」

白髪まじりの50代くらいの男はなんだかみやの事を誰かと間違えているようだ。中を案内してくれるようだし着いていくことにした。

上の雑居ビルの広さよりもかなり広い気がする。少しくたびれた白い壁紙。天井には蛍光管が付いてる。床は薄い水色で少し柔らかく歩きやすい。

「まずはこの部屋ですね。」

部屋の中は10畳ほどだろうか?立派な重厚感のある木星の机と座り心地の良さそうな高そうな椅子。

「こちらの部屋は管理者専用の部屋になります。前の管理者の方も使っておりました。机の中等は綺麗に掃除してありますしそのまま使えますよ。お気に召さないようでしたら新調致しますが...」
(かんりしゃ?みやの事を新しい管理者だと思ってるのかな?)
「今のままで全然大丈夫です」
「左様ですか。明日にも荷物も届くでしょう、あらためてよろしくお願いします。」
「えっと、はい!」
「ふふ、そんなに緊張なさらなくてもよろしいのに」
「次の部屋はこちらです」

案内された隣の部屋は似たような部屋だった。違うのは学校でよく見るようなデスクが4つ置いてある事だった。

「ここは雑務室になります。私のような職員達が使う部屋です。特に誰がどこを使うかは決まってません。用がある職員にはここにそれぞれ専用のボックスがあるのでそこにメモやらを入れてもらえば大丈夫です。」
「...わかりました。」
(職員?何かの施設なのかな?)

更に進むと重そうな頑丈な扉があった。
「この先は少し汚いのでご注意ください。」
そういうと男はズボンの左ポケットからみやの持っているカードと似た物を取り出しドア横のカードリーダーへスキャンさせた。

174名無し募集中。。。2019/05/29(水) 00:15:58.680

その先には沢山の鎖に繋がれ床に座っている人達がいた。鎖は犬につけられているような首輪から壁に繋がり逃げられないようになっているようだ。
(なに、一体なんなのここは...)
ガシャンピピピピピッ
自動ロックがかかったようだ。

「驚かれたようですね?もしかして現場を見るのは初めてですか?」
「えっと、まあ、そうです」
「私もはじめて目にした時驚きましたよ。まあ時期に慣れます」
(慣れたくないんだけど...)

明らかにヤバい場所に来てしまった事に今更気が付いた。しかし、戻る気はなかった。厚い扉を開けてから香りは強くなった。間違えなくここに何かしらある。

「10年...は経ちますかね...前の研究所で実験体達が結託して脱走。その際に研究員を皆殺しされてしまいまして...私も当時そこに所属していたのですが出張中で難を逃れたんです。
本当に運が良かったんですよ。その時ばかりは普段信じてないカミサマに感謝しましたw
まあ、そういう事があったので
2度とそうならないように鎖で繋いであるんです。」
「αは危険なので個室に隔離してます。ここに居るのはΩのみです。生物兵器用に改造するのは別の研究所ですので危険はありませんよ」

もしかしてここは...

「それなら安心ですね〜少しΩ達の様子を見てもいいですか?」
冷や汗が流れる。動揺が出ないようにしなければ...
「もちろん!気に入った個体がいれば連れて帰ってもらっても構いません。」

一刻も早く脱出しなければまずい。もしバレれたりしたら...

175名無し募集中。。。2019/05/29(水) 00:18:33.690

段々と頭がさえてきた。この香りの正体は多分Ωのフェロモンだ。はやくその人を見つけて逃げ出そう。

鎖に繋がれたΩ達はみやと同じくらいの歳の少女に見えるが皆目に光がなく、目の前を歩くみやになんの興味も示すことも無く、まるで生きる屍のようで不気味で仕方が無い。みな同じ白い病院服のようなものを着ているのも余計に不気味さを増やしている。

プルルルルルル
「すいません、ちょっと電話に出てくるのでしばらくこちらでお待ちください。」
「わかりました。」

今のうちに早く見つけなくては...

繋がれた13人のΩは探してるΩとは違うようだった。
入口の隣にある青い扉に気がつく。もしかするとあそこにいるのかも知れない。
カードで開けた途端に探してた香りが広がる。

「...見つけた!」
中の少女はみやの声に驚き固まる。
大部屋のΩ達と同じように白い服を着て首輪付けられ鎖に繋がれていた。
「あなたを探してたの。早くここから逃げよう!」
「...アナタはだぁれ?」
「私は夏焼雅、みやって呼んで。あなたは?」
「...もも」

ももを助け出すためにはまずは首輪を外さなくてはならない。

「...その首輪の外し方って知ってる?」
「わからない」
「...だよね」

逃走防止の為に付けられているのだ。ももが知っているわけもない。
...とにかく時間が無い。みやは首輪に手をかけた。首輪は革製のようだ。

「...ちょっと痛いかも知れないけど我慢して」
「わかった」

全身の力を込めて引きちぎった。

「...それ、ちょっと前に引きちぎろうとしたけど全然ダメだったのに」
「以外とみや力持ちなのかも?とにかく行くよ!」
「えっちょっと!」
「しばらく大人しくしてて!」

首輪さえなければこっちのものだ。ももをお姫様抱っこして部屋を後にした。

176名無し募集中。。。2019/05/29(水) 00:20:39.290

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みやの両親は共に研究所で働いていた。その為に夜遅くまで預かってくれる保育園に入っていた。

「きょうはママがむかえにくるっていってたのに...まだかな...」
「もうすぐ来るから大丈夫だよ。いつも迎えに来るの遅れる時には連絡あるのにね〜」
「ねーねーせんせーでんわしてみてよ」
「んー、わかったちょっと待っててね」

部屋を出てもし電話に出なかった時に不安にさせないように少し離れた廊下でスマホを取り出し母親に電話をかける。

『...もしもし』

電話に出た声は男性のものと思われる低いものだった。

『すいません、こちらのお電話は夏焼さんのものでお間違いないでしょうか?』
『ええ、そうですが...彼女は今過労のためか貧血を起こしてしまって救護室で休んでる所でして...ご要件をお伝えするのは出来ますがどうしますか?』

予想外の出来事に驚く。

『そうですか...私は夏焼さんのお子さんをお預かりしてる保育所の山田という物なのですが、お迎えの予定していた時刻を過ぎても来られないので心配して電話したのですが...』
『あぁ、雅ちゃんの保育所の方でしたか。すいません、そこまで気が回りませんでした。
今、父親の方は出張中で迎えに行けない状態で...』
『ええ、雅ちゃんからお父さんの話は聞いてます。お母さんもお迎えに来れないとなると...』
『......まだ夏焼さん動けなさそうなので私が雅ちゃんを迎えに行きます。私は父親の大学時代の後輩でして...家族ぐるみの付き合いで雅ちゃんとも面識ありますし』
『...わかりました。場所の方はわかりますか?』

その男が迎えに行く理由は決して善意などではなかった。


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