汎用TRPG「ガープス(GURUPS)」について、だべったりつづったりする所。 魔法関連ルールの編集者募集中!

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ベーシックセット』の「はじめに」より。

はじめに(Introduction) p.4/p.5

 ガープス(GURPS)とは、「包括的で汎用的なロールプレイング・システム(Generic Universal Role-Playing System)」の頭文字をつなげたものです。この名前は、もともとは冗談にすぎませんでした―― “ 正式名称 ” を思いつくまでのあいだ、このゲームを示すための暗号のようなものだったのです。それから数年の時が流れました。この間ずっとこのゲームを調整していたのですが、誰も「ガープス」に代わるいい名前を思いつきませんでした。ガープスという名前は奇妙に聞こえるかもしれませんが、今ではすっかりなじんでしまっています。

「包括的(Generic)」――RPGにはさまざまな楽しみかたがあります。テンポのよいスピーディなゲーム展開を好む人もいれば、なにごとも緻密で明確にルールで定めたゲームを好む人もいます。ほとんどの人は、この両極端のあいだのどこかに位置しているでしょう。ガープスでは基本となる簡潔なルールに、好きなだけの精密さを付け加えることができるようになっています――特に戦闘のルールはそのようにデザインされています。簡潔なルールにどれだけ詳細さを“追加”するかはあなたの自由ですが、それがガープスというシステムであることに変わりはありません。あなたがこのルールをどのように利用しようとも、すべてのゲーム世界はガープスというシステムのもとに矛盾なく包括されるのです。

「汎用(Universal)」――ガープスの基本システムは、リアリティに重点を置いてデザインされています。そのため考えられるすべての状況――ファンタジーから現実世界のシミュレーションまで、過去、現在、未来のすべての世界にも対応できます。わたしは以前から、ひとつのゲーム会社がファンタジーRPGのためにひとつのシステムを出版し、西部劇RPGのためにはまた別のシステム、SFのために、スーパーヒーローもののために......とさまざまなシステムを出版することに疑問を感じていました。ガープスは、あらゆる背景世界での冒険に対応できる汎用的なシステムです。さらに追加ルールや資料集などで、ガープスの基本ルールを特定の背景世界に『微調整』することもできます。
 特定の世界のために微調整したルールであったとしても、すべてガープスというシステムでとりあつかうことができます。西部開拓時代のガンマンが第2次世界大戦時の特殊部隊員と一緒にルネサンス期のイタリアにタイムスリップして、ともに冒険する......という状況も、ガープスなら容易に管理することができます。それこそが多くのファンのみなさんが遊んでおられるものなので、第4版では、そうしたキャンペーンをサポートできるような橋渡しの背景を付け加えました。

「ロールプレイング(Role-Playing)」――ガープスは敵と遭遇して戦うだけのゲームではありません。ガープスのルールは、真の『役割演技』を楽しむことができるようにデザインされています。むしろ役割演技を積極的に支援するように作られているのです。ガープスのルールを使えば、あなたと異なる誰かの『仮面』をかぶって、その人になりきることができるのです。

「システム(System)」――その名の示すとおり、ガープスは「組み立てられた体系(システム)」です。他のTRPGの多くはシステムと呼ぶにはふさわしくないでしょう。ちょっとした基本ルールに、さまざまな追加ルールをつぎはぎしたものがほとんどだからです。だからそうしたルールは理解したり、プレイするのが難しくなっています。ガープスは――とくに第4版は――すべてひとつにまとめてあります。わたしたちはすべてのルールが互いに矛盾なく機能するように、たいへんな努力を払いました。そしてそれに成功したのです。ガープスを使えば、あなたは想像できるかぎりのどんなキャラクターでも作ることができ、思いつくかぎりどのような行動も取ることができます。

 ガープスはもう20年近く出版され続けています。これは全くの無から作り上げたものではありません。すべてのゲームは、前からあるものを元にして作られています。私たちは成功から学びました――私たち自身の成功から、そして他の人々の成功から。わたしは、優れたゲームというのは、簡単で分かりやすく、読みやすくて理解しやすいものだと思っています。そこで、ガープスをできるだけ“親しみやすい”ものにしようと最善を尽くしました。ガープスは、他のさまざまなゲームの影響を受けています。『チャンピオン』(ヒーロー・ゲームズ社)の柔軟なキャラクター作成システム、『トンネルズ&トロールズ』(フライング・バッファロー社、日本語版は社会思想社)のソリテア度の高さ、『エンパイア・オブ・ペタル・スローン』(M.A.R.バーカー)の精密で豊かな背景世界などが、わたしに強い影響を及ぼしました。
 しかし、ガープスは過去のゲームの成功点を繰り返すだけの作品ではありません。初期のゲームの失敗点からも、多くのことを学ぶことができます。わたしはガープスで、以前のシステムで達成できなかったいくつかの点を達成しようと努力しました。
もちろん、最優先で達成しようとしたのは柔軟な「汎用」性です。他にも汎用をめざしたシステムは存在しますが、それらはリアリティのない単純化(魔法の電撃とピストルがまったく同じように扱われる)か、整合性のなさ(それぞれの背景世界ごとに無数の特殊ルールを覚えなければならず、まったく別のゲームを覚えるとの大差がないばかりか、キャラクターを異なる世界に持っていくことさえ困難)の、どちらかの罠に陥ったものばかりでした。しかし、ガープスのシステムは、その統一性を失うことなく多様な世界に対応することに成功したと自負しています。第4版となる本書では、第3版においてはサプリメントで解説されていたさまざまなルールが追加されています。これらは「ベーシックセット」に含める価値が充分にあるものです――だから本書に収められています。
 次に重視したのはルールをきれいに体系化することです。あなたも、何冊ものルールのページを繰ったあげく、探しているルールを見つけることができなかった経験があるでしょう。ガープスでは、目次や索引、用語集を充実させ、本文中にも参照項目を明記しています。これらがあなたの役に立てば幸いです。
 3番目に重視したのは、プレイのしやすさです。ガープスでは、必要とされる細かい計算のほとんどをゲームの開始前に行ない、キャラクター・シートに書き込んでおくという方法を取りました。いったんプレイを始めてしまえば、難しいことはなにもありません。わたしは、リアリティを失うことなく、可能なかぎりスピーディなゲームを楽しむことができるよう、最善をつくしました。それに成功しているかどうかは、あなたが判断してください。
 たいていの場合、あるRPGのシステムが成功するか否かは、定期的に公式のサプリメントやシナリオが出版されるかどうかにかかっていました。しかし、ガープスに関してはそうではありません。確かに、これまでにも数多くのガープス関連サプリメントを出版してきましたし、これからの予定もぎっしりとつまっています。しかし、ガープスは他のゲームのサプリメントでも、できるかぎり矛盾なく使えるようにデザインされています。どうしてそのようにしたのかって?
 あなたがガープスのプレイヤーだとしましょう。あなたは地元のホビーショップで、とても面白そうなサプリメントを見つけました。しかしそれは、他社の別のゲームです。
 問題ありません。ガープスはわかりやすい言葉と簡単な数学に徹しています。距離はメートル(m)やキロ(km)、時間は分や秒で表記されるので、置き換えは簡単です。あなたが別のゲームの面白そうなサプリメントを見つけたなら、ぜひ手に入れてください。それを、ガープスのソースブックとして使うことができます。
 同じように、あなたのサークルでは他のシステムが好んで遊ばれているとしても......あなたはガープスの冒険を遊ぶことができます。そのゲームで用いられている単位をメートル、分、その他基本的な用語に変換することができれば、ガープスの冒険を移植することができます。
 ガープスを発表したとき、わたしたちはこれがRPGシステムの“基準”になることを夢見ていました。このゲーム分野はそのころから比べると遙かに大きくなりました。今たった1つの基準は存在しません。しかしガープスは基準の1つになりました。これはすばらしいことです。私たちは他のすべてのRPGを駆逐するとか、全RPGの規格をガープスに統一すべきだと願ったことはありません。その反対に、ガープスを他のシステムに“適応”させてほしいと考えているのです――明確に文章化された冒険であればどんなものでも機能するシステムを提供することによってです。
 なんにせよ、みなさんがいま手にしているもの、それがガープスです。わたしは、ガープスがこれまでデザインされたRPGの中で、もっともリアルな、自由度の高い、汎用システムになったと満足しています。この第4版は18年間の連続的なディベロップと2年間の共同作業の成果です。どうぞ、楽しんでください。
 最後に、この版の改訂者2人に改めて感謝の気持ちを表します。2年間かけてさまざまな異なるシステムで検証・フィードバック・実験を行ない、15年あまりかかって集められたルールの素材を首尾一貫した1つのものとして組み立てた、ガープスの編集長ショーン・パンチとデビッド・パルバーです。彼らなしでは完成しなかったでしょう。

― スティーブ・ジャクソン


コラム:作者について(About the Authors) p.6/p.6

[[作者について>はじめに#About_the_Authors]]

スティーブ・ジャクソン(Steve Jackson)
 長年にわたってゲームを遊びつづけてきたスティーブ・ジャクソンは、1977年からプロフェッショナルとしてゲームをデザインするようになりました。今までに彼がデザインしたゲームとしては『オーガ』『G.E.V』、さまざまな賞を獲得した『Illuminati』、そして大ヒットした『カー・ウォーズ』、恐るべき『マンチキン』などがあります。スティーブ・ジャクソンはさまざまな団体の幹事やボランティアをつとめており、最年少でオリジンの殿堂入りをはたしています。テキサス州オースチンにあるSteve Jackson Games社の設立者です。
 同時にアメリカSF作家協会(Science Fiction Writers of America)の会員としても活発に活動しています。一時期はSFの熱心なファンで、同人誌の作成やコンベンションの参加(あるいは主催)にかなりの労力を費やしたこともありました。今では他の人の書いた文章を読み、コンベンションに参加することを楽しんでいる――そんな感じです。
 他の趣味はネットサーフィン、レゴ、ローリングボールのオモチャ、ガーデニング(特にスイレン)、熱帯魚の飼育などです。

デビッド・L・パルバー(David L. Pulver)
 デビッド・L・パルバーはカナダ、英国およびニュージーランドで成長しました。彼は人生のほとんどの期間SFファンでした。そして1978年以来の熱心なゲーマーで、1988年からはプロの著者でした。彼の処女作は『ガープス・ウルトラテック』で、以降50冊以上のRPGとサプリメントを執筆してきました。『Transhuman Space』『ガープス・バイオテック』『Big Eyes, Small Mouth』(第2版)などが含まれています。ブリティッシュコロンビア州のビクトリア在住です。

ショーン・M・パンチ(Sean M. Punch)
 ショーン「Dr.クロム」パンチは粒子物理学者になるつもりでしたが、結局ガープスの編集長になりました。1995年以来、彼は2巻の『ガープス・コンペンディウム』と『ガープス・ライト』を編纂し、『ガープス・ウイザード』と『ガープス・アンデッド』を執筆し、その他20冊以上のガープス関連書籍を編集・改訂しています。他に数十冊のルールを立案しています。
 ショーンは1979年以来の熱心なゲーマーです。ゲーム以外の趣味は、映画、コンピュータ、ワインです。ケベック州モントリオールに妻ボニーと共に住んでいます。3匹の猫と1羽の鳥が同居しています。


ロールプレイング・ゲームとは(What is Roleplaying?) p.7/p.7

[[ロールプレイング・ゲームとは>はじめに#What_is_Roleplaying]]
 ロールプレイング・ゲーム(略してRPG)とは、それぞれのプレイヤーが、架空の冒険世界の住人である『キャラクター』の役割を演じるゲームです。具体的にどのような内容の冒険を楽しむかは、ゲームマスター(GM)が決めます。それぞれのGMは、世界の背景を設定し、プレイヤーが演じるキャラクターが出会うさまざまな人々の役割を演じるのです。
 RPGの冒険には、なんらかの明確な最終目的があるかもしれません。お姫さまを助けるとか、宝物を見つけるとか、侵略をくい止めるとかいったことです。あるいは、いくつもの冒険を重ねていく、終わりのないものであってもかまいません。どのような冒険を楽しむかは、すべてGMとプレイヤーに委ねられているのです。キャラクターが(そしてプレイヤーが)いくつもの冒険を重ねていく「キャンペーン」は、あるいは何年も続く壮大なものになるかもしれません。すべてはGMとプレイヤー次第です。
 RPGを楽しむには、ゲームボードは必要ありません(もっとも、ガープスを含むいくつかのRPGでは、戦闘状況を解決するために、GMの判断で「ゲームボード」とコマを使うこともあります)。ゲームは会話によって進行していくのです。GMがその場の状況を説明し、それぞれのキャラクターが見聞きしていることをプレイヤーに告げます。それに対してプレイヤーは、自分のキャラクターがどのような行動を取るかを説明します。キャラクターの行動が決まったら、GMはその行動の結果を述べます。このようにして、ゲームは延々と続いていくわけです。行動の結果は状況に応じてGMが決めたり(考えられる展開の中で、もっとも面白くなりそうなものを選びます)、ルールに規定されていたり(よく行なわれる行動について、現実的な結果が書かれています)、サイコロでランダムに決めたり(ゲームに偶然の要素をいれることで、よりスリリングなものにします)するのです。
 ロールプレイング・ゲームを行なう目的の1つは、それぞれのプレイヤーに、キャラクターが直面する事態を体験させることにあります。ゲームの中で、プレイヤーはさまざまなキャラクターの役割を演じます。厳格な日本の侍、中世の道化師、知識豊かな僧侶、はじめての宇宙旅行に臨む貧民街の少女......およそ、考えられるあらゆるタイプのキャラクターたち。同じ状況におかれても、彼らはそれぞれがまったく違った反応を示すでしょう。それこそが、ロールプレイというものなのです!ですから、良いRPGを遊ぶことによって、プレイヤーはグループ内の協調の大切さを学び、より広い視野を得ることができるのです。
 もちろん、そうした教育的な側面だけではRPGの本質をとらえることはできません。RPGはあらゆる娯楽の中で、もっとも創造的な楽しさを得られるものの1つです。他のほとんどの娯楽は受動的に楽しむものです。観客はただ座って演目を眺めるだけで、その娯楽の作成にはまったく関与しません。
 しかしロールプレイング・ゲームにおいては、“観客”が舞台を作り上げていかねばなりません。GMが中心的な脚本を書き、プレイヤーが登場人物の台詞や動きを決めていくのです。話の中でなにか面白いことを起こしたければ、そうすることができます――あなたが、その物語の登場人物なのですから。
 そして、他の娯楽のほとんどは、できるだけ多くの人々を楽しませるために大量生産されたものであるのに対し、ロールプレイングゲームのプレイは、その冒険に参加した人々によって毎回毎回作り上げられる、貴重な宝石のような存在です。GMが(あるいはシナリオの著者が)提示した原石を、それぞれのプレイヤーがそれぞれ違った形に磨きあげていくのです。
 ロールプレイング・ゲームのもう1つ重要な点は、プレイヤーが必ずしも競争をするわけではないことです。RPGの冒険はほとんどの場合プレイヤーが演じるキャラクターのグループ(これをパーティーと呼びます)が、協力してなんらかの目的を達成しようとします。目的を達成できるかどうかは、うまく協力できるかどうかにかかっているといってもいいでしょう。
 そして、うまく役割を演じることに対する最大の報酬は(現実の人生と同じように)、勝利することではなく、キャラクターが成長することです。プレイヤーがどれほどうまく自分のキャラクターを演じたか(それはGMが判断します)に応じて、キャラクターの成長の度合いも変わってくるのです。そして、すべての冒険が終わったとき、GMとプレイヤーは、1つの物語を共有することができます。それはキャラクターがどのように人々と出会い、いかに協力して試練をくぐりぬけ、そしてどうやって勝利したか(そうでありますように!)という物語です。


ルールの基礎(Quick Start) p.9/p.8

[[ルールの基礎>はじめに#Quick_Start]]
 ここに、ガープスのシステムのすべてを簡単にまとめたものを紹介します。ガープスのベーシックセットは2冊組でかなりの分量があります。しかし、そのほとんどは細かいデータや特殊な状況に関するルール、背景的な情報なのです。システムそのものはごく簡単なものにすぎません。
 ガープスは、プレイヤーにとってもGMにとっても“親しみやすい”ものであるようにデザインされています。ガープスには数多くの細かいルールがありますが、重要な用語は索引で見つけることができますし、関連項目もできるだけ示すようにしてあります。そして、細かいルールのすべては“選択ルール”であり、それを使うことでゲームがより面白くなると思われるときだけ使えばいいのです。
 ガープスの基本となるシステムは、たった3つのルールです。この3つを理解すれば、それだけでゲームを始めることもできます。

(1)成功判定(Success Rolls)
[[成功判定>はじめに#Success_Rolls]]
 成功判定とは、キャラクターの持っている技能能力値を基準として、試みた行為が成功したかどうかをサイコロで決めることです。たとえば、重い扉が閉まるのをくい止めることができたかどうか調べるなら、体力を基準にして成功判定を行ないます。ピストルを撃って敵に命中したかどうかを判定するには、〈銃器技能で判定を行ないます。
 ガープスで使うサイコロは6面体サイコロだけです。成功判定を行なう場合、6面体サイコロを3個振ってください。出た目の合計が、基準となる能力値技能レベルの数値(これを目標値と呼びます)と同じか、それより小さければ、キャラクターはその行動に成功します。そうでなければ失敗です。たとえば、体力12のキャラクターが体力判定を行なうなら、サイコロ3個の出目の合計が12以下なら成功するわけです。
 目標値は、さまざまな要因によって修正を受けることがあります。たとえば、とても重い扉を押さえることができるかどうか調べるとします。このときには体力を基準として、それより2小さい値を目標値にします。この成功判定は「-2の修正をうけて体力判定をします」と表記されたり、もっと簡単に「体力-2判定」と書かれたりします。いずれの書き方にせよ、もしキャラクターの体力が12なら、サイコロ3個の合計が10以下で行為に成功することになります。重い扉を押さえるより、とても重い扉を押さえるほうが難しいのと同じように、12以下を出すより10以下を出すほうがより難しいわけです。
 この逆に簡単な行為に関しては、基準となる数値にプラスの修正をうけて目標値が大きくなることもあります。たとえば、かなり人に慣れた犬と仲良くなるには「〈動物使役〉+4判定」を行なうといった具合です。この場合〈動物使役)の技能レベルが12なら、サイコロ3個の合計が16以下で成功することになります。16以下を出すのは12以下を出すよりずっと簡単ですから、人に慣れた犬と仲良くなるのは、普通の犬と仲良くなるよりずっと簡単だということがわかります。
 成功判定に関するより詳しいルールは、2巻第10章の「成功判定」の項を参照してください。

(2)反応判定(Reaction Rolls)
[[反応判定>はじめに#Reaction_Rolls]]
 プレイヤーが演じるキャラクターを「プレイヤー・キャラクター」あるいは「PC」と呼びます。これに対してゲームマスターが管理するキャラクターを「ノン・プレイヤー・キャラクター」あるいは「NPC」と呼びます。
 PCがNPCと出会ったとき、NPCがどのような態度を取るかはサイコロの出目に応じてGMが決めます。この判定は選択ルールであり、NPCの反応はGMが自由に決めてもかまいません。しかし、ときにはNPCの反応をサイコロで決めたほうがゲームが盛りあがります。
 反応判定では、GMがサイコロを3個振って反応表(2巻付録)を参照します。サイコロの目の合計が大きければ大きいほど、NPCはPCに対して友好的な反応を示し、さまざまな援助を行なってくれるでしょう。
 PCの中には、反応判定の際にサイコロの目に修正を行なうことができる特徴技能を持っている者もいます。たとえば容貌が美しくて反応+2のPCがいれば、そのPCを見ることができる(そして、美しいと感じる)NPCは、反応判定のサイコロの目に+2することになります。こうしたプラスの修正があれば、NPCがPCを手助けしてくれることが多くなるでしょう。
 反応判定に関するより詳しいルールは、2巻第18章「反応判定」を参照してください。

(3)ダメージ判定(Damage Rolls)
[[ダメージ判定>はじめに#Damage_Rolls]]
 戦闘の際、キャラクターの攻撃が敵に命中するかどうかは、(1)の成功判定(攻撃側の武器技能判定や、防御側の防御判定)で判断します。もし攻撃が命中したら、どれほどのダメージ(負傷)を与えられたかサイコロで判定します。ダメージは「サイコロ数+修正」の形で決められています。定められた数のサイコロを振り、出た目の合計に修正を加えてください。たとえば、「3D」のダメージというなら、サイコロ3個を振って出た目の合計がダメージになります。「3D+1」のダメージなら、サイコロ3個の目の合計に1を加えます。「2D-2」のダメージなら、サイコロ2個の目の合計から2を引いた値になります。
 実際に敵が受けるダメージは、こうして得られた数値にさらにいくつかの修正を行なった値になります。防御側が防具を着用していれば、ダメージは減少します。武器の攻撃型が「切り」や「刺し」であれば、防具で減少した残りのダメージが大きくなることがあります。「クリティカル」によってさらに大きなダメージを与えることもあります。こうした細かいルールは、すべて「戦闘ルール」で説明されます。2巻第11章から第13章を参照してください。しかし戦闘ルールはいくつもの細かい項目に分かれています。そのすべてを使用すれば複雑でリアルな戦闘を楽しむことができますし、第11章の基本戦闘ルールだけを使えば戦闘をスピーディに行なうことができます。

 これら3種類の判定の他に、ガープスにはもう1つ重要なルールがあります。キャラクター作成に関するルールです。GMは各キャラクターを作成するために一定のキャラクターポイントCP)を与えます。能力値を高く設定しようとすれば、それだけ多くのCPを必要とします。有利な特徴技能にもCPが必要です。逆に「強欲」や「バーサーク」などの不利な特徴を選んでCPを獲得することも可能です。詳細は第1章から第4章に書かれています。
 ゲームで必要とされるさまざまなデータの計算は、ゲーム開始前、キャラクター作成の段階で行ない、キャラクター・シート(13ページ)に書きこんでおきます。ですから、いったんゲームを始めてからは、めんどうな計算は不要です!
さあ、分かりましたか?これでもう、あなたはガープスの冒険を楽しむことができるのです。これから先に書いてあることは、細かいディテールにすぎません。楽しんでください。


約束ごと(Conventions) p.10/p.9

[[約束ごと>はじめに#Conventions]]
 ガープスの計算では以下の約束ごとに従ってください。
●サイコロ(Dice)
[[サイコロ>はじめに#Dice]]
 ガープスの冒険で使用するのは、6面体サイコロだけです。「成功判定」のすべてと、他のほとんどの判定では、この6面体サイコロを3個まとめて振って、その合計と「目標値」を比較します。
 戦闘ダメージを計算するとき(「ダメージ判定」)などには、「サイコロ数+修正」の形で判定の方法が示されています。ある武器の致傷力が「4D+2」と書かれていたら、それは「サイコロを4個振り、その出目の合計に2を加える」ことを意味します。「3D-3」なら、「サイコロを3個振り、その出目の合計から3を引く」のです。
 同様に「2D」と書かれていたら、サイコロ2個の出目の合計をそのまま使ってください。冒険シナリオで、「基地は5Dの兵士と2D+1の警備ロボットに守られている」などと書かれていたら、兵士の人数を決めるときにはサイコロ5個の出目の合計を使い、警備ロボットの数はサイコロ2個の出目の合計に1を加えたものだということです。
 とても大きな数字が必要なときには、サイコロの出目を何倍かするように指示されることもあります。「2D×10」なら、サイコロ2個の出目の合計を10倍してください。

●端数の処理(Rounding)
[[端数の処理>はじめに#Rounding]]
 ほとんどの場合において数式を用いるのが最適の方法です。ルールの公平さと現実性と一般性を保証する方法です。しかし時として不便な端数が発生することがあります。特別に記述されているのでない限り、端数は以下の原則に従って処理してください。

「CPは切り上げます」:CPをパーセントや係数で修正する場合、端数は切り上げ(繰り上げ)てください。例えば15CPの特徴に+15%の増強をかけた場合、計算の結果は18.75CPですが切り上げて19CPになります。マイナスの場合、「切り上げ」というのはプラス方向へ丸めることを意味します。例えば-7CPに2分の1という係数を適用する場合-3.5CPになりますが、これは-3CPになります。
エラッタ修正:「端数繰り上げ」という言葉はすべて「端数切り上げ」に修正統一します。

「キャラクターの行動・ダメージは切り捨てます」:キャラクターがある行動を可能かどうか計算する場合――どれだけのものを持ち上げられるかどうか、どれだけ遠くにジャンプできるか、など――あるいはダメージや他の戦闘結果を計算するときには、すべての端数を切り捨てます。例えば+50%のダメージボーナスがある3点の攻撃を命中させた場合、4.5点の端数を切り捨ててダメージは4点です。

 例外および特殊な処理(“四捨五入”や“端数はそのまま”)を行なう場合、関係するルールで特別に説明されます。

コラム:メートル法変換(Metric Conversions)(日本語版に記載なし)/p.9

[[メートル法変換>はじめに#Metric_Conversions]]
 「Metric Conversions」はGURPS日本語版には掲載されておらず、GURPS原書のみに掲載されている単位変換表です。
https://gurps.fandom.com/ja/wiki/Metric_Conversion...参照。

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Pyramid 3/76: Dungeon Fantasy IV

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GURPS Template Toolkit 2: Races
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