最終更新: tominosyou 2023年02月04日(土) 14:29:12履歴
- キャンペーンのスタイル(Choosing a Campaign Type) B460P/2B140P
- 関連
『ベーシックセット』第18章「マスタリング」より。
●「ルール重視」か「ノリ重視」(GM独自のルールや解釈をたくさん取り入れたキャンペーン)
●「リアル」か「マンガ的」(「マンガ的キャンペーン」462ページ参照)
●「ユーモア重視」か「シリアス」
●「パズルと謎」か「戦いと冒険」
●「死にやすく、甦らず」か「めったに死なず、すぐ甦る」(魔法や超科学で)
これらはすべて、ロールプレイングに対する正当なアプローチと言えます。しかし、GMとプレイヤーで、ゲームの進め方に対する考えが食い違うと、みんな失望してしまいます。ロールプレイング・ゲームは、プレイを通して展開していく物語であるべきです――プレイヤーとGMの戦いではありません※。しかし、これを実現するには、お互いの理解が必要です。ゲームのまえにほんの少し話し合うだけで、全員がより楽しくプレイできるようになるでしょう。
※プレイヤー同士、あるいはGMと戦いたい場合など、「マンチキン(Munchkin)」シリーズがお勧めです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E...
[[ルールをカスタマイズする>キャンペーンのスタイル#Customizing_the_Rules]]このベーシックセット全体にわたって、ルールを自分好みに調節したいGM向けの項が含まれています。次のようなものです。
●「新しい有利な特徴」(113ページ)「新しい不利な特徴」(161ページ)「新しいテクニックの作成」(221ページ)「魔法体系の変更」「その他のパワー」(248ページ)「テンプレートの作成」(第15章)。これらでは、キャラクターの能力を新しく作ったり調節したりするための指針が述べられています。
第5章「魔法」の内容は『魔法大全』で上書きされたので、「選択可能な魔法システム」(234ページ)は「魔法体系の変更」に変換します。
●「キャラクターの成長」(第9章)には、キャラクターの成長についてのオプションがあります。
●戦闘に偏ったキャンペーンの場合、第12章「上級戦闘」、第13章「特殊な戦闘の状況」が、第11章「戦闘」に追加の詳細を加えてくれます。
●「選択ルール」という名前が付いている項は、選択式の追加ルールです。例えば「増強の限定」(108ページ)「万能技能」(170ページ)「故障」(385ページ)「技能の維持」(283ページ)「成功判定への影響」(330ページ)「戦闘中のさらなる努力」(338ページ)などです。慣れないGMであっても、どの追加ルールを“付け加える”かを明示することによって、ルールをすばやくカスタマイズできます。
[[パワーレベル>キャンペーンのスタイル#Power_Level]]
- パワーレベル(Power Level)
キャンペーンの種類を決定する上で重要な手順となるのは、「PCが開始時にどれだけのCPを持った状態でゲームを始めるか」を決めることです。これはキャンペーンの種類に直接の影響を与えます。強力なヒーローは現実の困難をマンガ的な簡単さで突破するでしょう。一方、超人にとっては造作もない遊びも、ふつうの人間にとっては死を招きかねない悪夢です。
GMにとって、適切なパワーレベルを選択する確実な方法は「フィーリング」を重視することです。最初に何回かキャンペーンをこなせば、あなたはプレイヤーたちがどのようにCPを費やすか理解するでしょう――そして、そのPCたちが、あなたが作った冒険にどのように対処するかもです。あなたはその経験を生かして、次のキャンペーンで適切なパワーレベルを選択できるでしょう。しかしそれは“今回”あなたを助けてはくれません。そこであなたは以下の一覧を見て、最も適切と思えるものをまず考えてください。
以下にパワーレベルと、ヒーローたちに推奨される開始時のCPの例を挙げます。
- 弱々しい(Feeble、25CP以下):小さな子供、意志のない奴隷、ゾンビ、など。PCには不向きですが、陰々滅々としたキャンペーンや非常にユーモアあふれるキャンペーンには向いています。
- 平均的(Average、25〜50CP):会計士、タクシードライバーといったふつうの人々。
- 優秀(Competent、50〜75CP):スポーツ選手、警官、富裕な紳士、など。ふつうの人々と比べて、冒険で明らかに役立つ長所をもっている人。
- 例外的(Exceptional、75〜100CP):「スター」スポーツ選手、「年期の入った」警官など。少々の経験があれば、こうした人々は専業冒険者になることができるでしょう。
- ヒーロー的(Heroic、100〜200CP):現実に、肉体・精神・社会面で頂点に立っている人々。例えばSEAL隊員、世界的に有名な科学者、億万長者など。ほとんどの専業冒険者は150CP前後で冒険をはじめます。
- 画期的(Larger-than-Life、200〜300CP):カンフー映画やファンタジー小説の主役。すでに名をなしている専業冒険者の典型。
- 伝説的(Legendary、300〜500CP):叙事詩や民間伝承の主人公。これは“気骨のある”超人や、「リアリズムに徹した」超人や、神々の恩寵を受けた人間に最適のパワーレベルです。
- 超人的(Superhuman、500〜1000CP):人間を超越した存在(例:戦車を素手で倒せる超人)や、ファンタジー世界の強力な生物(例:軍隊を丸ごと倒すことができる怪物)です。
- 神性(Godlike、1000CP以上):本物の半神は、ほとんどの場合自分の望んだ事を行なうことができます。
エラッタ修正:「伝説的(300〜500CP)」の説明
【誤】神に匹敵する人間にとっては最高のパワーレベルです。
【正】「リアリズムに徹した」超人や、神々の恩寵を受けた人間に最適のパワーレベルです。
[[キャラクター作成の問題>キャンペーンのスタイル#Character-Design_Problems]]1つの分野に大量のCPを費やすプレイヤーもいます。結果、その能力を濫用できるPCが生まれます。逆に、考えられるすべての状況に備えて広範囲にCPを費やすプレイヤーもいるでしょう。結果、CPをふつうに割り振ったキャラクターの分野を侵すかもしれません。その両方を試みる人がいることもあります。1つの性質に相当量のCPを費やして、その能力を他の用途でも使えるよう“創造的な”方法を見つけ出すのです。これらにはいくつかの対抗手段があります。
●幅広い能力の選択肢を提示する(Offer a broad selection of abilities):
パワーレベルが高いキャンペーンでは、CPを大量に必要とするようなさまざまな高価なオプションを提示するべきです。莫大な財産レベル、超常的有利な特徴、魔法、超能力、強力な種族テンプレート......できればこうしたものを複数用意します。それらが利用可能であることをプレイヤーに知らせて、可能であれば特殊な能力についての拡張ルールを用いてください。
●開始時のCPを「基本CP」と「経験CP」に分ける(Divide starting points between “base points” and “experience points.”):
プレイヤーには最初、開始時のCPのうち一定の割合しか与えないでください。そしてプレイヤーに、あなたが承認できるような集中しながらもバランスのとれたキャラクターを作ってくれるよう頼みます。一度キャラクターを承認したら、プレイヤーに残りのCPを「それまでの冒険で得たかのように」与えます――こうすることで、キャラクターの物語にそぐわない新しい有利な特徴や技能をあまり沢山は獲得できないようにします。
●特定の能力を要求する(Require certain abilities):
プレイヤーに最後のCP1点まで気ままに使わせることなく、ヒーローに多くのCPを持たせることは可能です。能力値の固定セットを用いて、予算に適度な自由裁量権を与えるとうまくいきます。例えば、超人は全員が「ミュータント能力」(実質は種族テンプレートです)のセットを持っており、さらに好きなように費やすことができる200CPを得ます。特殊部隊員は全員が100CPの“基礎訓練”テンプレートと、それを調整できる50CPを得ます。
●あるカテゴリーの能力を要求する(Require certain categories of abilities):
能力そのものを決めることが硬直しすぎると思えるなら、能力を「分類」にわけてCPを費やすよう要求してください。例えば、秘密諜報部員は「社会的性質」「戦闘能力」「専門的技能」にそれぞれCPの10%を費やさなければならない。超人は最低でもCPの20%を攻撃・防御・移動のパワーにそれぞれ費やさなければならない、というように。
●能力値の上限を定める(Limit attribute levels):
能力値はゲーム上非常に多くのものに影響するので、これに多くのCPを費やしたキャラクターはときどき問題を引き起こします。これを防ぐために、個々の能力値や、能力値に費やすCPの合計に上限を課してください。
●相対的技能レベルを重視する(Emphasize the value of relative skill level):
キャラクターのコンセプトが多数の技能を必要とする場合、「高い能力値を買って技能には僅かなCPしか費やさない」という誘惑があります。これは高い技能レベルを安く得る方法かもしれません。しかし、結局これは“能力値による底上げ”ということです。よりバランスのとれたデザインを推奨するためには、プレイヤーに対して「相対的技能レベル(166ページ)のルールを多用する予定」と伝えてください。
[[GMの制限>キャンペーンのスタイル#GM_Limitations]]たとえ“バランスをとった”パワーレベルが高いPCであっても、あなたがそれに対する備えを怠っていれば、冒険やゲーム世界をめちゃめちゃにしかねません!以下にパワーレベルが高いゲームへのGMの心構えをいくつか挙げましょう。
●ヒーローの能力を知る(Know the heroes’ abilities):
強力なPCのキャラクター・シートには非常に多くの情報があります。もしあなたがそれに精通していなければ、めったに用いることのない能力をプレイヤーが使用したときに、ゲームはきしみ声をあげて停止します。さらにひどい場合、その忘れていた能力によって、あなたの慎重な計画がまったく無駄になってしまうことがあります!
●ルールを知る(Know the rules):
ヒーローがより多くの能力を持っているほど、ゲーム中に用いられる特殊ルールの数は増えます。ゲームが始まる前にそれらを読んでおいてください。これはゲームを停止させるのを防ぎます。そして高いパワーの能力を濫用することを好むプレイヤーが、みんなのゲームをだいなしにするのを防ぎます。
●挑戦をヒーロー向けに調節する(Fit the challenges to the heroes):
PCのキャラクター・シートを片手に、あなたのキャンペーンのメモを読み直してください。この簡単な手続きで、「あなたが準備している敵・謎・危険はヒーローにとって挑戦ではない」としばしば気づきます。この結果、プレイヤーがトラックででも通り抜けられそうな“穴”を前もって修正することができます。
●さまざまな挑戦を提供する(Present a variety of challenges):
ヒーローがすべての挑戦に対して〈銃器-20やく言いくるめ-25〉で挑めるような事態は避けてください。一点集中型のキャラクターなら、仲間に助けを求めなければならなくなるような方法でゲームを進行させるべきです。同時に、何でも屋のキャラクターなら、グループ内にいる真のエキスパートに頼らなければならないような、かなり大きなペナルティを与えた成功判定をときどきはさせてください。
●賭け金の高さを知る(Know the stakes):
キャンペーンのパワーレベルは、ヒーローたちの能力と直面する危険の規模双方を規定するだけではありません――その両者の間にある不釣り合いの上限も規定します。パワーレベルの低いキャンペーンでは単におもしろいくらい弱かったり、うっとうしい程度に困難だったりする挑戦でも、パワーレベルの高いキャンペーンにスケールアップすると、退屈であるか「致死的」になるかの二極化します。いつでも即座に対応できるようにしてください!もしヒーローたちが敵を簡単に圧倒して、プレイヤーが退屈したときには、より強力な増援を登場させてください。もしPCがひどくやられていれば、なにか運のいいできごとを発生させるのです。
●柔軟に構える(Be flexible):
強力なPCたちはより多くのことができます。そのため、彼らの行動を事前に予想するのは困難です。重ねて言いますが、素速く対応してください。プレイヤーが自分たちの能力を使ってプロットを巧みにすり抜けたときには、ペナルティを与えてはいけません。しかしプロットの穴をつくために、凶器としてそのすぐれた能力を使用したときには、まるであらかじめ備えていたかのように、いつでも創造的な対抗手段を思いつかねばならないのです。
[[システム上の制限>キャンペーンのスタイル#System_Limitations]]ガープスはどのようなパワーレベルでも機能するようにデザインされています。しかしパワーレベルの高いゲームで起こりうる“問題となる能力”すべてに対して、特別なルールを提供することはできません。ルールが状況をうまく扱っていない場合、以下の修正のうち1つを試してください。
●追加ルールを使用する(Use optional rules):
多くの場合、追加ルールはパワーレベルの高いキャラクターに特に対処するため存在しています――例えば「技能の維持」(283ページ)。そうしたルールは、しばしば「遊べる」ゲームと「遊べない」ゲームを隔てる部分になります。
●判断を断行する(Exercise judgment):
もしルールが暗黙のうちにあるパワーレベルまでを想定しており、PCがそれを超えているときには、自由に先の部分へと拡張してください。例えば、「行為の難易度」(328ページ)にあるペナルティの下限は-10です。しかしあなたのキャンペーンで、技能レベル25〜30のヒーローが登場する場合、-15〜-20のペナルティを課すことは何も間違っていません!
[[マンガ的キャンペーン>キャンペーンのスタイル#The_Cinematic_Campaign]]
- 用語:マンガ的(cinematic)
ガープスのルールはほとんどの場合において、リアリティを強調しています。キャラクターは落胆し、負傷し、病に倒れ、時には死ぬこともあるでしょう。そういうものです。しかし、緊急事態のときにはリアリティを忘れることにしてもよいでしょう(すなわち「リアルに進めるとゲームが破滅してしまう場合」です)。それ以外の場合には、リアリティがゲームを支配します。“マンガ的な”キャンペーンというのは、リアリズムが支配しないキャンペーンのことです――もしそうしたら、リアリズムが絶えず物語の妨害をしてしまうからです。マンガ的なキャンペーンでは、冒険活劇的なヒーローは数十人の敵を倒すことができます。なぜなら物語がそれを求めるからです。宇宙船は宇宙の静寂の中でも、風を切るような音をたてたりうなり声をあげたりします。なぜなら素速く動くものは風を切るような音を立て、強力なエンジンはうなり声をあげるからです。“ふさわしさ”は単なる“正確さ”を常に超越して支配します。
マンガ的キャンペーンでは、プレイヤーとGMの双方がこの原則を理解し同意していなければなりません。そして物語を語ることに協力しなければなりません。ガープスにはそれを助けるルールも含まれています――しかし、叙事詩的な物語はルールを常に超越しがちであることを理解しておいてください。
[[マンガ的パワーレベル>キャンペーンのスタイル#Cinematic_Power_Level]]マンガ的なゲームは“どんな”パワーレベルで進めることも可能です。マンガ的ゲームはしばしば高いパワーレベルのゲームです――逆もあります――しかし「マンガ的」というのはスタイルであって、CPのレベルではありません。リアルで厳しいキャンペーンにおける一流の特殊部隊員は、莫大なCP総計を持っているでしょう。一方でロビンフッドの仲間たちは100CP未満でしょうが、マンガ的キャンペーン向きです。
それでも、マンガ的なヒーローは普通の人々よりも明らかに有能であるべきです......そして、大多数のヒーローよりも優れた素質をもつべきです。さしてGMの側が“ごまかす”ことをしなくても、彼らのキャラクターが物語の要求をたやすく達成できるほどなら、プレイヤーはこれがマンガ的なストーリーであると信じるほうがたやすいでしょう。
プレイヤーが“どのように”CPを費やしたかはいくぶん重要です。ガープスではマンガ的ゲームにふさわしい多くの能力を提供しています。叙事詩のヒーローは「運命」をもっています。そして多くには“ツキ”があります――ありきたりな「幸運」よりも、「暴虎馮河」や「都合のいい偶然」のほうがふさわしいでしょうが。「発明家」「謎のアイテム」「銃の達人」「毒舌」「達人の指導」「武器の達人」「万能の天才」などを認めるべきです。また、そうした性質に関係するすべての技能も認めるべきです。さらには「万能技能」(170ページ)を認めてもかまいません。
[[マンガ的キャラクター>キャンペーンのスタイル#Cinematic_Characters]]有利な特徴と技能は、それ独力ではマンガ的なヒーローをつくりません。プレイヤーはキャラクターのコンセプトを考えることで、キャラクター・シートのデータを1人の人物にまとめあげねばなりません。特に、叙事詩的なヒーローには2つの要素が必要です。
●動機(A motivation):
愛と名誉は昔ながらの伝統です。しかし、すべてのマンガ的キャラクターが誠実だったり善良だったりするわけではなく、“いい人”ですらないこともあります。邪悪な夢と目標―― 一途で不合理な復讐心 ――もそれがふさわしいなら自然に受け入れられます。しかし一途さだけではキャラクターを極度に単純化することがあります。プレイヤーはキャラクターの個性に磨きをかけるよう意識して努力しなければなりません。
●世界における位置(A place in the world):
マンガ的なヒーローは愛する人、師匠、恋人、別れた恋人、敵、生得の権利、一族の呪いなどをもっています。それらはただ登場して、役割を果たして、消え去るのではありません――ゲーム世界の一部として存在すべきです。こうした物語はゲーム世界を“定義する"一部だからです。
[[マンガ的プレイ>キャンペーンのスタイル#Cinematic_Play]]マンガ的キャンペーンにはいくつかの約束事があります。
●マンガ的世界は秩序だっています。
できごとには理由があります物語に関連した理由です。一見、それは明白ではないかもしれません。しかし、気まぐれにおこるできごとはほとんどありませんし、重大なことがランダムに発生することも決してありません。これは、筋書きが一直線だったり常に予定通りに進行することを意味しているのではありません。運命による逆転で挫折はあるでしょうし、最後のゴールはあるかもしれませんが、そこにたどり着く方法は決まっていません。
●細部は、直接物語を進行させるもののみが重要です。
不必要なディティールはマンガ的なゲームにとっては邪魔ものです。GMは重要な細部と無関係なものとの違いを認識していなければなりません。例えば、ヒーローが“暗黒の塔”に向かうときに、燃える荒れ野を横切らなければならないとしたら、ヒーローたちは途中で充分な水を発見するでしょう。そうでなければ物語は不充分なものになりますし、水探しに時間をかけても物語はあまり進みません。
●GMはサイコロの出目を無視する覚悟をしなければなりません。
もしサイコロの目がすべての結果を決定するならば、プレイヤーは前進やスタイルを考える前に、確率ばかり気にするようになるでしょう。さらに、サイコロは居丈高なGMと同じほど専制者である可能性があります。勇敢な冒険者がランダムに発生した突然の事故で死んでしまったら、プレイヤーは席を蹴って立ちたくもなるでしょう! 一方で、GMはそう何度もサイコロの結果を変更してはいけません。そうするとプレイヤーは、自分たちがどう行動しようと物語の結果は変わらないのではないか、と思っていまいます。
●GMは劇的な行為が成功することを認めなければなりません。
もしヒーローがシャンデリアにぶら下がろうとしたら、プレイヤーはまさかGMが冷たく「ワックスが塗られていて手が滑った。背骨を打ったな。これからは四肢が麻痺したとして演技してくれ」などと言うわけがないと思っています。あるいは、酒場の暗さのせいで修正された技能判定を延々とやらせて、ゲームの動きを止めてしまってもいけません。
●プレイヤーも約束事によって得られる利点を不適切に利用してはいけません。
そう、ヒーローたちは燃える荒れ野を横切ろうとするでしょう。しかし、それには適切な準備が必要です。「水については気にするな、われわれはヒーローなんだから、水は見つかるに決まっている」とプレイヤーがゲーム中に言うのは、間違ったキャンペーンです。プレイヤーはGMとやりとりをして、キャンペーンのスタイルを守る態度をみせなければなりません。
●GMはヒーローの死を重く扱わなければなりません。
叙事詩的な死には必ず目的が必要です。PCが死ぬときには、その死は誇りに満ちたものです――勇敢に仲間の命を救った、相当な数の敵を道連れにした、などです。運命(GMがその代理人です)は寛大でなければなりません。そのPCが後々あたりをうろついて問題を起こすわけでないなら、けちである必要はないでしょう。もちろん、プレイヤーはこの約束事を濫用してはいけません。死につつあるヒーローはほとんど無敵です......ただし、命を捨てて筋書きを直接進める行動をとろうとしている場合のみです。
[[ルールなんてくそくらえ! 早くやるぞ!>キャンペーンのスタイル#Damn_the_Rules_Full_Speed_Ahead]]
多くのゲーマーは "ルールの軽い" ゲームを好みます。そうしたゲームでは、サイコロを何度も振ってアクションが停滞することはなく、ゲームが素早く動き続けるのです。これはマンガ的ゲームと似ていますが、使用するルールをうまく選択すれば "リアルな" ゲームを素早く行なうこともできます。例えば、命中部位のルールやクリティカル表、ファンブル表を用いると、戦闘がゲーム速度をかなり停滞させます――したがって、それらを省略してください。キャラクターを表現するために十数種類の技能を細かく選択する手間をかけるより、万能技能を用いてください――そして、技能をさらに上昇させるために1つか2つの「才能」を持たせるのです。GMとプレイヤーがルールにとらわれない高速ゲームを望んでいれば、そうするのは簡単です――ガープスを必要不可欠な要素にまでそぎ落とします。そして、様々な判定をいつでもあっという間に行なってしまうのです。
後の『GURPS Power-Ups 7:Wildcard Skills』の「万能技能と才能の対比」において、万能技能と「才能」は重複を避けるべきと記載されているので注意。しかし、GMがそれを望むなら、その制限をもそぎ落とすことは可能でしょう。
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