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drachenriese 2022年05月06日(金) 23:04:25履歴
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身体形状: | 大柄で非常に美しい人間。 伝説の大ソーサラーが数多の種族を掛け合わせて生み出したと伝えられる。 |
支配領域: | 特になし |
使用言語: | 〈悪魔〉語 |
社会形態: | 他者との共同生活に耐えられないため、単独で生活する。 |
一般的性向: | プライドが高く孤高を保つ。知的である上に自分の身を労する事を避けない。 |
長所: | あらゆる能力に秀でている。老化しない。傷が素早く再生する。 |
短所: | 生殖能力が偏っていて純血の子孫をほとんど作れない。 太陽光に極度に弱い。他者との共同生活に耐えられず団結ができない。 |
命名法則: | 「個人名」のみ。他の月の種族にとって不快な響きを持つ事が多い。 |
既存のファンタジーのトロールとはかなりイメージが異なります(特に見た目)。頑丈な皮膚や陽光を弱点にする点等は地球のトロールの伝承を踏襲しているようです。
★トロール基本セット改(260cp)
体力倍増1レベル(50cp)、敏捷力+2(20cp)、知力+2(20cp)、生命力+4(45cp)
防護点L3(15cp) 皮膚と皮下脂肪による。
闇視(25cp)、不老(15cp)、毒無効(15cp)、頑健(10cp)
容貌/超美人(25cp)、鋭敏感覚L2(+10cp)、我慢強さ(10cp)、
戦闘即応(15cp)、魔法の素質L1(15cp)
再生L3(制限-30%)(70cp) 1ターンに負傷が1点回復。ただし陽光の下では無効。
後援者/黒の月(40cp相当)/登場頻度:稀(20cp) 黒の月とのチャネリング能力を持つ。技能や呪文を直接教わることが可能。魔元帥からの「啓示」の形で受け取る(トロール自身が何らかの交信能力を持つわけではない)。
暴れん坊(-10cp)、高慢(-5cp)、残忍(-10cp)
サディスト(-15cp)、熱狂/黒の月(-15cp)
孤独癖(-15cp) 他人との共同生活に耐えられない。特に同族嫌悪が激しい。超重度の「狭量」として扱う。
危険な使命/常に他の月を滅ぼすために行動する(-20cp) 魔元帥とのチャネリング能力による影響。「自己の信念(大きな誓い)」と錯覚し、強迫観念的に従っている。
生殖能力虚弱(0cp) 純潔のトロールの子が生まれる確率が極めて低い。「性的不能」の一種として扱い、性的誘惑への耐性を任意に発動できる。
弱点/陽光の下では全ての行動判定-4(-30cp)
身長、体重は人間と同じ。ただし体力倍増によって体格が増していることに注意。ちなみに「体力20」の人間の身長、体重は212センチ、106キロ。
トロールはたいてい300cpから400cpで作成されます。ただし、平均を取るほど個体数が多くないため、GM裁量でもっと強化しても構いません。最大で600cp近くに達することもあり、下位の<悪魔>よりもはるかに強力です。
元ルールからの変更点。
旧版から完訳版への変化は主に、追加HPと防護点のCP内訳が変化している程度です。
また、基本セット改は、追加HPは上昇した生命力に統合しています。なお、「黒の月が囁いて師匠もなしに技能や呪文を習得する」のは、明らかに有利な特徴として数えるべきなので、黒の月を「極めて強力な後援者」として設定しました。また、頻繁な啓示によって精神的にも黒の月に汚染され、それが「熱狂/黒の月」や「誓い/常に他の月を滅ぼすために行動する」という形で現れると解釈しています。誓いの方は黒の月という後援者からの「使命」に変更しました。
トロールハーフ(人間とのハーフ)(ルナル完訳版p172参照) 
黒の月の社会構造 
完全版ルールブックの記述に従うならば、黒の月の種族社会においては、超絶美形幹部「トロール」を頂点とした絶対君主制を敷いていると推測できる。
…が、ちょっと待て。
トロールは個体数が少ないため、むしろ王国は稀な存在のはず。
というか、現在のリアド大陸の地図に、公式な黒の月の王国はどこにも掲載されていない。グラダス半島のスティニア高地王国において、人の手によって〈悪魔〉を軍事利用しようとかいうアホな研究がおこなわれていたが、結局それは黒の月の種族ではなく、より強大な人の作り出した結社によって行われたに過ぎない。
既に「トロールによる王国形成の時代」は終わったのだ。
かつての〈悪魔〉戦争時代、マナの濃度が「濃密」状態においては、呪文の習得率が高く、即物的に<悪魔>を召喚して呪文を行使できる悪魔陣営の方が圧倒的に有利であり、長い時間をかけて学習せねば呪文を習得できない&そもそも習得者数が少ない人間側は、圧倒的に不利だったはず。そういう環境下であれば、トロールを頂点とした退廃の国がいくつか並んで群雄割拠状態を形成することもあっただろう。
しかし現在は、黒の月は双子の月によって結界の中に押し込められ、かつてほど魔法が使えるような時代ではなくなっている。マナの濃度が下がる事によって、ほとんど魔法頼みだった黒の月の種族の戦闘力は大きく減衰してしまった。今や、下位種族が群れて肉弾戦能力で訴えた方が強いとかいう有様だ。
そして、魔法との親和性が高い種族は、その数を激減させた。魔法の使用に制限が付きまくった状況下において、ゴブリンもゲルーシャもトロールですらも、さほど脅威ではなくなったのである。白兵戦が力を持つ世界において重要なのは「数」であり、数はそのまま「力」となる。単独で超強い攻撃を一回繰り出すトロール1体よりも、体力13・剣技能14レベルの荒くれ10人が10回攻撃した方が有利なのだ。
魔法頼みでまともにテクノロジーを磨かず、必要な物資は人間から場当たり的に盗んで使っていただけの黒の月陣営に、もはや勝ち目などない。
以上のような環境において、大半の「闇の王国」は統率者たるトロールを持たず、山奥の洞窟や破棄された山村を拠点として名ばかりの「都市国家」を形成し、細々と狩猟採取生活を送っていると推測できる。平たく言うと「辺境の蛮族」である。
メインとなる住人はゴブリンで、村の支配層を形成する。そして奴隷としてのオークが、肉体労働や雑用全般をこなす形となる。普段は狩猟採取で生計を立てているのだろうが、付近で人間の隊商などが通りかかると、積極的に略奪行為を行う(このあたりが黒の月)。
そして、ごく稀に現れる偉大なる支配者(トロール)が出現すると、その元に集まり、強大な軍事力を持つ王国を築きあげる。だがそれらの大半は、人間の王国騎士団によって本格侵攻が始まると、そこで途絶えてしまう。そしてまた単独の小さな集落で、細々と暮らすことになるのだ。
知性、肉体、戦闘センスなど、どれをとっても一流の超エリートですが、その心は黒の月のそれに等しく、残忍・サディスト・暴れん坊の悪役基本3点セット(?)が揃っています。
また彼らは、黒の月と直接的に交信する力があると言われ(実際は魔元帥の方から一方的に思考を読み取られたり啓示を与えられたりします)、一見すると師匠もなしに、技能や呪文を習得していくように見えます。しかし、魔元帥との思考リンクによって精神まで黒の月に汚染されてしてしまっており、常に他の月を滅ぼすための行動を強迫観念的に行っています(本人は自分の意志でやってると錯覚しています)。
そんな努力家の彼らが、現ルナル世界の支配種族でないのは、彼ら自身が他人との共同生活に耐えられない性癖だからです。プライドが高すぎて、自分以外の「無能」(彼らにとっては自分以外は全て格下の存在です)と対等の生活をする事に耐えられません。
そのため、周辺の黒の月をまとめて勢力を築き上げるまでは凄まじい行動力を発揮しますが、制圧した地域をロクに支配せず、統治は下位のゴブリンやソーサラーなどに丸投げします。ペローマの学者は彼らを総評する際に「君臨すれども統治せず」という表現をしばしば用います。彼らは黒の月の教えである「他の月を滅ぼす」以外には興味がなく、それ以外のことに目を向けようと立ち止まることはありません。
トロールの絶対数は非常に少なく、リアド大陸全域でも名簿を作れるほどしかいません。彼らが他の同族と出会い、子孫を残そうとするのは、同族の死を知った場合のみです。黒の月への奉仕者を減らしてはならないという使命感が同族への嫌悪感を上回るようです。しかし、遺伝子的に非常に偏った種族であるため、純潔のトロールは滅多に生まれません。「豊穣」のエリクサーを使っても、成功率は一桁以下と言われます。
能力が劣るハーフであれば幾分かマシなようで、単純に自分の奉仕者を増やす意味で、人間やエルファなどに子を産ませることがあります。この場合、精神系魔法などで記憶操作を行い、身籠った子が実はトロールであることを巧妙に隠します。また、女性トロールが人間の女性のフリをして男性を誘惑し、知らぬ間に「闇の子作り」に加担させられているケースもあります。
いずれの場合も、生まれた子供は身元を隠され、人間社会で育てます。子供のトロールは、超美形であることを除けば人間と見分けがつきません。しかし、成長と共にあり得ないほど超美形で大柄な身体となるため、神殿からもトロールの可能性を疑われるようになります。
また一方で、黒の月と交信する能力も発動し始めるため、いずれトロールとして自覚することになります。覚醒したトロールは、誰がトロールであるかを悟られないように、素早く密かに育った場所から失踪します。しかし、成長過程でいじめなどを受けた場合は、育った村を丸ごと焼き払うなどといった悲劇が起こる事もあるかもしれません。ただしその場合も、自分が原因と悟られないよう、目撃者皆殺しなどを行って細心の注意を払いますが。
仮に、出現と同時に周辺のゴブリン村を次々と取り込み、強大な勢力として台頭しても、人間の国家が一致団結して討伐隊を差し向けてくる。そうなれば、現状の貧弱な黒の月の戦力では対抗しようがない。
また、野望を抱くより以前に、出身村で「自分の家の子が実はトロールだった」事などが発覚すると、成長する前に問答無用で神殿討伐隊に打ち取られてしまうため、偉大な闇の支配者になる前段階で死亡してしまう可能性もある。
そういう状況下において、血の気が少なく、いくらか冷静さを保てるトロールであれば、正面から人間の王国に挑むような愚策は取らないはずである。洞窟などに単独で潜み、魔法を用いた情報網を整えつつ、支配種である人間が〈悪魔〉信仰に傾くように謀略を練り、同調者を増やす方が、理想の達成手段としては現実的である。
また「黒の月の種族の大軍団」などは、抱え込んでいても目立つだけで使い道がなく、しかも維持コストもかかってしまう。そのため、裏で各ゴブリン村とコンタクトを取り、密かな協力体勢を構築しつつも、表立っては一切顔を出さないスタンスを取っているはずである。
そして「時が来た」と判断した局面において、一気に召集をかけて挙兵するのである。
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