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tyounekogami 2023年09月11日(月) 20:56:54履歴
『ベーシックセット』第1章「キャラクターの作成」の「財産と名声」の「社会的重要性」より。
「地位」は社会的な立場を表します。多くのゲーム世界では、地位レベルは-2(奴隷や路上生活者)から+8(強力な皇帝や神王)の値をとります。その世界の平均的な住民は地位レベル0(自由民やふつうの市民)です。特に地位レベルを指定してCPを支払わない限り、地位レベルは0になります。地位を得るには、1レベルにつき5CPが必要です。地位5レベルになるには、25CP必要ということです。逆に、-2レベルなら10CPを獲得することができます。地位レベルを維持するためにはお金がかかります(2巻第19章参照)。「地位」はその個人の個性(「名声」とは関係ありませんし、属している種族的・民族的集団(「社会的尊厳」「社会的弱者」)とも関係ありません。地位は他人の反応に影響を与えることがあります。しかしその主な目的は、社会においてあなたがどの序列にいるのかを示すことにあります。要するに「地位」は権力を表しています。
[[高い地位>地位#High_Status]]地位レベルが1以上ということは、キャラクターがその社会の支配層の一員であることを意味します。世襲の貴族であったり、成功した商人であったり、政治家であったりするわけです。いずれにせよ、あなたが属する社会のメンバーは、あなたの地位に敬意を払ってくれるでしょう(反応判定にプラスの修正があります)。また、あなたは自分自身の努力で地位を得ることもできます。あなたが属する社会の構成員は(そしてその人々だけ)、あなたの地位に敬意を払ってくれるでしょう。
地位が高いキャラクターは、さまざまな特権を享受することができます。内容は、GMが自由に決めてください。誘拐犯に狙われることもあるでしょうし、仲間内での競争も熾烈なものでしょう。「支配者階層」を専門に狙う犯罪者につきまとわれることもあるでしょう。
[[低い地位>地位#Low_Status]]マイナスの地位レベルは、路上生活者だったり奴隷だったり、あるいは極端な貧乏であることを意味します。こうした低い地位は、特徴の「社会的弱者」とは異なることに注意してください。たとえば、江戸時代の女性は、極めて高い地位でありながら、女性という「社会的弱者」であることによる反応修正-1を受けるようなことが起こり得るのです。また論理的には、現代の犯罪者は地位の高低に関わらず、犯罪歴があれば「社会的弱者」になる、ということもあります。
「地位」「名声」「社会的弱者」の3つの組み合わせが、興味深い結果を招くこともあるでしょう。例えば、明らかに地位が低く、非差別集団に属するキャラクターが、英雄として名声を得ることで、他人からよい反応をされることもあります。
[[地位レベルと反応修正>地位#Status_as_a_Reaction_Modifier]]反応判定を行う際、キャラクターとNPCの地位レベルの関係が影響を及ぼします。GMはもちろん好きなようにNPCを演じてもかまいませんが、ここに一般的な指針を載せておきます。
キャラクターの地位が高ければ、“たいていの場合”反応にプラスの修正があります。地位の低い者を相手にするとき、地位レベルの差だけ反応にプラスの修正があります。地位の低い者を相手にするとき、地位レベルの差だけ反応にボーナスがつきます。地位レベルが3の場合、地位レベルが1のNPCの反応は+2になりますし、地位レベル0のNPCなら+3になります。ただし、支配者層を憎むNPCの反応は逆に悪くなるでしょう。
地位レベルが低いと、“たまに”反応にマイナス修正があります。キャラクターに対して基本的に友好的なNPCは、キャラクターの地位レベルが自分より低くても(マイナスでない限り)気にしません。ある国の王は、騎士たちより遥かに高い地位にありますが、騎士を侮蔑したりしないので……ほとんどの場合は。しかし、基本的に中立なNPCや、すでに怒っているNPCなどは、自分より地位が低いキャラクターには一層悪い反応を示すものです。「一介の騎士であるおまえが、王である私の作戦にケチを付けようというのか!」というように。この場合も、地位レベルの差が反応の修正になります。ただし、ここではペナルティです。
キャラクターの地位レベルがマイナスの場合、地位レベルが1以上のNPCの反応には、その差だけマイナス修正があります。キャラクターの地位レベルが-1、NPCがレベル2なら、-3の反応ということです。ただし、このようなマイナス修正は-4より悪くなることはありません。
[[地位を認識する>地位#Recognizing_Status]]地位レベルが反応判定に影響するのは、相手があなたの地位のことを知っている場合のみです。世界にもよりますが、キャラクターの地位は装備や服装や態度などから判断することができます。とても高い地位にいるキャラクターは顔が知れ渡っているかもしれませんし、あなたに付き従っている従者たちによって、地位が明らかになることもあるでしょう。
社会によっては物理的な証明(IDカード、紋章入り指輪)などを提示したり、簡単なテストを行なったり、超テクノロジーや魔法による走査を行なわなければ地位を確認できないところもあります。地位によって反応修正を得られる機会は減少しますが、そうした社会でも地位を得るのに必要なCPは下がりません――あなたが普通に生活していれば、誰かがあなたになりすますのはむしろ難しくなっているからです。
[[身分制度のない世界>地位#Classless_Meritocracies]]多くの世界において、特に封建制度下では、「地位」は社会的な階級を表しています。しかし社会によっては――特に現代や未来を舞台にしたものであれば「身分制度がない」こともあります。しかしこれは社会的な階級が存在しないというわけではありません。爵位や生まれついての特権にかわって、財産・学歴・役職が社会における相対的な地位を表すだけのことです。身分制度のない社会においてはPCが“直接”買うことができる地位は2レベルまでです。これは高等教育、専用のライセンス(弁護士や医者のような)、名家の生まれ、文化的業績(ロックスターから桂冠詩人までさまざま)、などの組み合わせを意味しています。より高い地位を得る唯一の方法は、「財産」や「階級」によって自動的に獲得できる地位を得ることです。
何らかの「階級」――「地位」ではなく――が権力を表す公式の尺度である社会では、高い地位をあなたの利点として使うためには工夫が必要です。例えばあなたは名家の出で非常に高度な教育を受けており、2レベルの地位を持っています。さらにあなたは「大富豪1レベル」(地位+2)で、地方の一部門の長であるため「官僚階級3レベル」(地位+1)なら、結局あなたの地位レベルは5です。しかしながら「官僚階級6レベル」(地位+2)である高級官僚に意見を通すためには何らかの社会的コネを使う必要があります。あなたは上流社会ではより多くの影響力を持っているかもしれませんが(地位レベルは5対2)、法律の上では相手のほうが強力なのです(階級は6対3)。
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