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tominosyou 2023年02月04日(土) 15:06:12履歴
怪我や病気は"負傷(Injury)"をもたらします。これは(普通)一時的なヒットポイント(HP)の減少で表しています。
負傷はしばしば"突き抜けたダメージ(penetrating damage)"の結果として発生します。これは、攻撃の基本ダメージから防護点を引いた後のダメージです。しかし、病気・過度の緊張などは、ダメージによらない負傷をもたらします。
負傷によってHPが0以下になると、ほどなく意識を失ってしまうでしょう。HPがマイナスになっても、すぐ死ぬわけではありません。しかし、ダメージがかなりひどいと、死の危険があります。平均的な人間の場合、HPが完全な状態から1〜2度斬撃か銃弾を受けると、HPがマイナスになります。これはリアルで……現実的な処理です。マンガ的な戦闘であっても、英雄が数十回の攻撃を受けて立っていることはありません。彼らは攻撃を回避し、防具も助けになっています……しかし、戦うことが死と隣り合わせなのは間違いありません。行動する前に考えてください。
目次
例え一度に受けるダメージがそう大きくなかったとしても、何度も傷つけられると徐々に弱くなり、機能が衰えてしまいます。以下の分類は、HPが低下したりマイナスになった時の効果概要です。すべての効果は累積します。
傷を負うと、知力と敏捷力を受けたHPダメージと同じだけ低下します――ただし、どれだけ傷を受けてもペナルティは-4までで、次のターンのみです。この効果は「衝撃」(Shock)と呼ばれて、一時的なものです。その後のターン、敏捷力や知力、技能レベルは元に戻ります。
衝撃は敏捷力や知力を基準とする技能レベルに影響を与えますが、能動防御などの防御的な反応には影響しません。「一時的な能力値へのペナルティ」参照。ですから、ひどく負傷した後のターンには、即座に反撃を試みるよりは、逃亡を試みたり「全力防御」する方が良いでしょう。
負傷すると、出血によってHPを失い続ける可能性があります。犠牲者は傷を負ってから1分経過するごとに、生命力判定を行ないます。この場合、失った5HPごとに-1のペナルティを課します。この生命力判定に失敗すると、出血によってHPを1点失ってしまいます。ファンブルすると、出血によって失うHPは3点になります。クリティカルで成功すると、出血は完全に収まります。普通の成功なら、その段階で出血のHP損失はありませんが、やはり1分ごとに判定を続けなければなりません。3回続けて判定に成功すれば、出血は収まります。あるいは、あなた自身か他の誰かが<応急処置>判定を行なって、成功すれば出血は止まります。「応急処置ルール」参照。
どのような傷によって出血するかはGMが決定します。切り、刺し、貫通体による傷からは普通出血します。叩きによる傷からは普通出血しません。しかし例外はあります。焼きと侵蝕による小さな傷からは、明らかな出血はありません。こうしたダメージは肉を焼き、火傷が出血を防ぎます。こうした負傷で「大怪我」した時には、適切な手当てをされるまで血漿(けっしょう)を分泌し続けるため出血として扱ってください。
通常、キャラクターは1回の打撃で充分な負傷(末端の部位ならHPの3分の1、四肢ならHPの半分)を受けた場合しか、部位は損なわれません。よりリアルにするには、どこに傷を受けたかを記録しておいて、合計の負傷が部位に応じた値(HPの3分の1もしくは半分)を越えた段階でそこが損なわれるとします。しかし、これでは記録が複雑になってしまいます。紙媒体ならキャラクターの絵の欄に「正」の字を書いて記録しておくなどしておくといいでしょう。
この場合も、余分の負傷は記録されません。例えば、HPが11として、腕に合計6点以上の負傷を受ければ、その腕が損なわれてしまいます。それ以上の腕の負傷は、切断されたかどうかを判断する時以外は無視してください。四肢に繰り返し打撃を受けたとしても、それで殺されたりはしないわけです。
大怪我した場合と、頭部(頭蓋骨・顔・目)や重要器官に衝撃のペナルティを発生させるような負傷を受けた場合には、あなたは即座に生命力判定を行なわねばなりません。判定に失敗すると、転倒して朦朧状態になります。
修正:
生命力判定に成功すると転倒/朦朧状態になりませんが、衝撃の効果は通常通り適用されます。
失敗すると朦朧状態になります(以下参照)。強制的に「伏せ」の姿勢に変更され(していなければの話ですが)、持っているものがあれば落としてしまいます。この効果を「転倒」と呼びます。
失敗度が5以上、もしくはファンブルした場合、気絶します。「意識不明からの回復」を参照してください。
「負傷耐性」があれば、影響を少なくすることができます。「脳がない」のであれば、頭蓋骨・顔・目への負傷は転倒と朦朧状態を発生させません(ただし大怪我であれば別ですが、その場合でも判定に特別なペナルティはありません)。「重要器官がない」も重要器官と鼠径部の負傷は転倒と朦朧状態を発生させません(これも大怪我であれば別ですが、その場合でも判定に特別なペナルティはありません)。「集合体」と「均一」は「脳がない」と「重要器官がない」を含んでいます。
エラッタ修正:訳語不統一
【誤】「均一体」
【正】「均一」
ここで言う「ターン」は全体のではなく、「能動ターン」のことと思われる。
転倒判定に失敗すると朦朧状態になっていしまいます。同様の効果が、クリティカル命中の結果や特殊効果の一部として起こります。朦朧状態になってしまうと、次のターンは「何もしない」を選ぶしかありません。能動防御は試みることができますが、-4の修正を受けます。後退することはできません。
ターンの終了時に生命力判定を行ないます。成功すれば、次のターン普通に行動することができます。失敗すると朦朧状態のままで、次のターンも「何もしない」を選択しなければなりません。ターンの終了時には、また生命力判定を行なうことができます……この手順を朦朧状態から回復するまで続けます。
命中部位のルールを用いている場合、四肢・末端の部位・目に一定以上の負傷を受けると、その部位が使えなくなってしまうことがあります。このためには1回の打撃で目標のHPの数分の1を与えなければなりません。人間、および人間型生物の場合、その割合は以下の通りです。
場合によってはそれよりも少ないダメージ、あるいはダメージがまったくなしでも部位が使えなくなることがあります。例:クリティカル命中の効果など。
四肢や末端への打撃は、その部位を使えなくする最低限の負傷より多くの傷を与えることはありません。例えばHP10の人間が右腕へ9点の負傷を受けたとします。その人が失うのは6HPだけです――これは腕を使えなくするのに最低限必要な負傷です。例外:目に関してはそのような制限はありません!
●切断(Dismemberment): 上記の限界を適用する前に、負傷がその部位を使えなくする必要な量の2倍以上だった場合、その部位は使えなくなっただけでなく“破壊”されてしまいます。切りや爆発による攻撃は、四肢や末端を切断してしまいます。それ以外の攻撃であれば、回復不可能なほど潰れたり焼かれたりします。
部位が使えなくなる傷は大怪我です。転倒と朦朧状態を避けるためには生命力判定が必要です。「転倒と朦朧状態」を見てください。以下はある部位が使えなくなった時の追加の特殊効果です。これらは切断された時にも同様に適用します。これらの効果は戦闘が終わるまで続きますが、さらに後まで続くかもしれません――「部位が使えなくなる時間」参照。
●手:Hand
傷を受けた手に持っていた物を落とします。もし両手で物を持っていた時には敏捷力判定を行ない、失敗すると落としてしまいます。その手には、何も持つことができません(例:武器)。盾を腕につけて「止め」を行なうことはできますが、盾で攻撃することはできません。傷が癒えるまで「片手」の特徴の効果を受けます。
●腕:Arm
手が使えなくなった場合と同じです――もっとも、手が使えなくても、肘の関節に挟んで物を持つことはできます。腕が使えなくなると、何も持つことはできません。腕を切り飛ばされたのでない限り(GMが決めます)、盾は落ちません。体の前にぶら下がった状態になります。「止め」を行なうことはできません。防御ボーナスを1減少させます。傷が癒えるまで、「片腕」の特徴の効果を受けます。
●足:Foot
転倒します! 松葉杖などの支えがなければ、立ち上がったり歩いたりすることはできません。足が使えなくなっても、壁で体を支えれば、戦うことができます。支えるものが何もなければ、膝立ちか座った姿勢になります。傷が癒えるまで、「歩行障害/脚部一部損傷」の特徴の効果を受けます。
●脚:Leg
転倒します! 戦闘を続けるなら、座った姿勢か、横たわった姿勢と考えねばなりません。傷が癒えるまで、「歩行障害/脚部一部喪失」の特徴の効果を受けます。
●目:Eye
目が見えなくなってしまいます。傷が癒えるまで、「片目」の特徴の効果を受けます――もしすべての目が失われた時には「視覚障害」です。ただし目の代用品があれば話は別です。
人間以外の部位:Nonhuman Body Parts
●追加の腕:Extra Arms
もし3本以上の腕があった場合、単純に使える腕(手)の数が減るということです。もし腕(手)が2本未満になったら、実際に不利な特徴を得ます。
●追加の頭:Extra Head
もし余分な頭が使えなくなった時には、あなたは「追加の頭」による利点を失います。「追加の頭」を見てください。
●追加の脚:Extra Legs
もし3本以上の脚があった場合、足や脚が使えなくなった時の影響は「追加の脚」を見てください。
●攻撃部位:Striker
その攻撃部位で攻撃できなくなります。もし攻撃部位が翼や尻尾である場合、加えて以下の効果があります。
●尻尾:Tail
尻尾によって得られる利点(例「追加の腕」や「攻撃部位」)はもはや機能しません。加えて、バランスを崩してしまいます。距離の近い手作業でない限り、敏捷力が-1されます。水中を泳いでいたり翼で空中を移動している場合、敏捷力のペナルティは-2になって、水中・空中の移動力は通常の半分になります(「高速移動」の最高速度も半分になります)。
●翼:Wing
もしあなたに「飛行/翼」があったら、飛ぶことができなくなり――空中にいたら、落下してしまいます。もし翼が同時に「攻撃部位」であったなら、それを攻撃に使用することはできません。
部位が使えなくなるようなダメージをうけた場合、負傷がどの程度深刻なのかを決めるために生命力判定を行ないます。戦場で受けた傷の場合、判定は戦闘の終了時に行ないます。成功すれば、部位が使えなくなる影響は「一時的」です。失敗すればその影響は「持続」します。ファンブルしたら「永続」します。切断されたら、その影響は自動的に永続です――わざわざサイコロを振る必要はありません!
●一時的な影響:Temporary Crippling
HPが完全に回復するまでの間、あなたは「部位が使えなくなる傷の効果」を受けます。全快すると、それらの効果は消滅します。
●持続的な影響:Lasting Crippling
骨折するか、筋肉がひどく切れている(あるいは焼けている)か、その他長引くダメージを受けました。1Dしてください。これがその怪我が完治するまでの月数です(もし医師によって手当てされた場合、TL7以上なら出目-3、TL6なら-2、TL5なら-1してください――しかし、いずれの場合でも最低でも1ヶ月かかります)。「使えなくなった部位(持続)の治療」参照。
●永続的な影響:Permanent Crippling
あなたはその部位を使用できなくなります。機能しなくなったのか、切断されたかのいずれかです。いずれの場合でも、新しい不利な特徴を得ることになります(「片手」「歩行障害」など適切なもの)。あなたはこれによって余分なCPを得ることはできません。これは単にCP総計を下げるだけです。ゲーム世界によっては、この段階の負傷も回復可能なことがあります。「使えなくなった部位(永続)の治療」参照。
衝撃、「特殊効果」、その他のことが“一時的に”あなたの能力値を低下させるかもしれません。体力の減少は、筋力武器であなたが与えるダメージに影響を与えます。知力のペナルティは意志力や知覚力にも適用します。しかし他の副能力値には影響がありません。例えば、体力・敏捷力・生命力の減少は、HP・基本反応速度・基本移動力・FPには影響“しません”。
能力値へのペナルティは、それが関係する技能のレベルも同様に低下させます。例えば知力が-2させられると、すべての知力基準を(知力の低下は意志力と知覚力も低下させるため、意志力基準と知覚力基準の技能もすべて)-2します。
例外:戦闘行動を必要としない防御的な反応――能動防御、抵抗判定、恐怖判定など――はそうした能力値減少のペナルティをうけません。例えば敏捷力が-2されても、止め、よけ、受けには影響しません。
能力値が“永久に”減少すると、すべての副能力値と技能を計算し直さなければならないことに注意してください。
死を避けるための生命力判定に1か2の差で失敗した場合、あなたはまだ死んではいませんが「致命傷」を受けています。この傷は非常に深く、例え止血をしたとしても、体内の傷がやがてあなたを死に至らしめます。
致命傷を受けると即座に無力化されます。意識があるかないかはGMが決定します。別の傷を受けて、再度死を回避するための生命力判定を行なうことになったら、その失敗は必ず死を意味します。
致命傷を受けている間、あなたは30分ごとに死を避けるための生命力判定を行ないます。失敗すると死亡します。成功すれば、もう30分生きながらえたことになります――それからまた判定します。こうした30分ごとの判定でクリティカル成功すれば、奇跡的に回復したことになります。無力化されたままではありますが、もはや致命傷を受けてはいません。
あなたが“致命傷を受けているがまだ生きている”場合、外科処置によってあなたの様態を安定させることができます――「手術」ルールの「致命傷の安定」を参照してください。TL6以上であれば、“外傷の固定”によって手術を待つまでの間、あなたを生かし続けることができます。これにはCPRや酸素吸入、輸血などを含みます。30分ごとに生命力判定を行なう代わりに、あなたの生命力か介添人の<医師>技能のうち高い方で、1時間に1回判定を行ないます。もし人工心肺やその他の生命維持装置を使っている場合、1日に1回です。魔法や超テクノロジーによる生命維持手段を使っている場合、判定する必要はありません!
致命傷から回復した場合、生命力判定を行ないます。失敗すると生命力を1点永遠に失ってしまいます。ファンブルした場合、GMは「傷」の不利な特徴や、似たような効果を与えることにしてもかまいません(例えば傷によって「容貌」が悪化した、など)。
斬首、喉を切るなどは、生命力やHPに関わらず誰でも殺してしまいます。無力化されているか意識のない人間が、明らかに致死的な方法で攻撃されると、死んでしまいます。ダメージ判定を行なったり、残りHPを計算する必要はありません。HPの-5倍に低下します。
これは単に“気づいていない”だけの犠牲者には適用しません。ナイフを持って歩哨の後ろにこっそり動いたとしても、自動的に殺すことはできないのです。「全力攻撃」を選択しましょう!
あなたの命中判定はおそらく成功するでしょう。犠牲者はまったく能動防御を行なうことができません。あなたは多分相手に充分な怪我を負わせて、無力化するか殺すかできるでしょう。けれども、これは“自動的に”ではないのです。
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