最終更新: tyounekogami 2023年05月07日(日) 12:22:22履歴
《[[瞬間防御]]》この呪文は別の呪文1つに対して唱えます。連動された呪文は1回だけ防御呪文として機能し、そのあと消えてしまいます。《呪文遅発》や《呪文連動》とは異なり、《瞬間防御》をかけられた呪文は外部のできごとではなく術者の意志で発動します。つまり、だれかが自分に向かって矢を射たのが見えたなら、術者は《瞬間防御》に連動された《矢返し》を発動することができます。しかし背後から射たれていたのでは発動させることは無理でしょう。この防御は「受け」や「止め」と同じような能動防御として扱います(ただし後退しながら使っても+3の修正はありません)。《瞬間防御》をかけた呪文を発動させると、術者が集中していた呪文はすべて中断されます。ほかの防御呪文と同じように扱います――13ページを参照してください。
《瞬間防御》を唱えたら、連動される呪文を同じ術者がすぐに続けて唱えなければなりません。ひとつの《瞬間防御》はひとつの呪文にしか効きません――複数の呪文をひとつの防御呪文として機能させることはできません。《瞬間防御》の判定は唱えるときにおこないますが、連動される呪文は防御呪文として発動した時点で判定します。《瞬間防御》のための疲労も唱えるときに消費します。連動された呪文のエネルギーは、能動防御として用いたのであっても、違う方法で用いたのであっても、発動した時点で消費されます。連動される呪文の準備時間は《瞬間防御》の直後から数えますが、成功判定と疲労はあとから計算するということです。
連動された呪文は(呪文の修正を考えるうえで)「かかっている」と数えます。ただし、それ自身が発動するときの成功判定のときには「かかっている」とはみなしません。例えば、ある魔術師に《瞬間防御》(と連動された呪文)が4組かかっているとすると、別の呪文を唱えるときの判定には-4の修正をうけますが、連動された呪文のいずれかを発動させるときには(それ自身は「かかっている」とみなさないため、残り3つだけが「かかっている」と数えて)修正は-3になります。
《瞬間防御》に連動された呪文は一度しか使えません。発動すると呪文の効果はすぐに消えてしまい、「かかっている」状態ではなくなります。効果はすぐにあらわれ、その呪文本来の持続時間にかかわらず「一瞬」で効果が消えてしまいます。ですから呪文の種類によっては《瞬間防御》に連動させるのは大変な無駄であったり、まったく無意味だったりすることがあります。たとえば《物質障壁》を連動させればどんな物理攻撃も一度だけ止めてくれますが、次の瞬間なくなってしまいます――効果は高いですが、とても疲労する方法です! 《動物作成》を防御呪文にしても、現れたと思った次の瞬間には消えてしまうでしょう(ただし、わずかに存在するあいだに矢の盾になるくらいはできるかもしれません。こうした場合の動物は、盾となれるよう目標と同じくらいの大きさでなければならないとGMが決めてもよいでしょう)。「効果が永久に続く」呪文はこのルールの例外とします。例えば《大治癒》があげられるでしょう――傷が癒ったという効果は永久に続きます。《瞬間防御》は1人にいくつかけておいてもかまいません。しかし、1ターンに発動させることができるのは1つの呪文だけです。《瞬間防御》に連動された呪文を能動防御として使うのであれば、そのターンに他の能動防御を試みることはできません。ただし「全力防御」を選んでいるのであれば、この限りではありません。詳しくは『ベーシックセット2巻』345ページを参照してください。
《瞬間防御》に連動した呪文は、通常の働きをするよう唱えることも可能です――防御として発動させる必要はありません。このとき準備時間は通常と異なり、どんな呪文でも「1秒」になります。
通常の距離修正や「魔法の耐性」はすべて、《瞬間防御》に連動された呪文が発動する際の判定に関係します(もちろんその呪文の目標が、《瞬間防御》そのものがかかっている人物や物体から遠く離れている場合のことです)。
魔術師は自分以外の人物に《瞬間防御》をかけることができるのを忘れないでください。発動させるのは《瞬間防御》がかかった人物ではなく)術者です。術者と目標の距離ぶんの長距離の修正値をうけることになります。連動される呪文の目標が《瞬間防御》がかかった人物以外のときには、加えてその人物と目標の距離ぶん通常の距離修正(1メートルごとに-1)をうけます。
例:魔術師フェリックスは、友人のレンジャー、ルドルフを目標に《静かに》を《瞬間防御》と連動した呪文として唱えました。フェリックスはつぎに《魔法の目》を唱え、ルドルフが狩りに出るあいだも目を離さずにおきます。ルドルフが気短な野性の猪に出会うのを、フェリックスは《魔法の目》を通して見ていました。ルドルフは呪文をかけることはできません。かれにはその必要もありません! ルドルフが猪をなだめるため〈動物使役〉判定を行なうさいに、フェリックスが《静かに》を発動させました。ルドルフは森のなかに約3キロ入りこんでいるので、フェリックスは-3の長距離の修正値を受けます。(《瞬間防御》のかかった)ルドルフと(《静かに》の目標である)猪のあいだは3メートル離れているので、フェリックスはさらに-3の修正を受けます。さらに《魔法の目》がかかっている状態なので、そのぶんの修正が-1あります。フェリックスは合計で-7の修正を受けて《静かに》の判定を行ないます。疲労もこの時点で消費します。幸い《静かに》の技能レベルは21なので3点(最大)ぶん消費してもたいした疲労にはなりません。そのためフェリックスは最大エネルギーでこの呪文を唱えていました。実際に猪はなだめられ、ルドルフはフェリックスが休んでいるあいだ道を進むことができました。《瞬間防御》に連動された《静かに》はもはや残っていません。フェリックスは《魔法の目》で一部始終を見守っていますが、次に別の動物が現れたらルドルフは自分の力だけでなんとかしなければならないのです。
防御呪文や射撃呪文を《瞬間防御》に連動することはできませんが、その他の呪文ならなんでも可能です。
呪文の解説
- 呪文クラス:特殊呪文
- 呪文系統: 呪文操作系呪文41(連動系呪文03)
- 持続時間:1時間
- エネルギー消費:目標となる呪文に必要なエネルギーに同じ――最低詠唱1。維持は同じ。《瞬間防御》は技能レベルが上昇してもエネルギー消費が減少しません
- 準備時間:10秒
- 前提条件:《呪文遅発》《呪文防御》
- 前提条件数:19
エラッタ修正:【誤】《動物召喚》【正】《動物作成》
【誤】遠距離修正 長距離修正【正】長距離の修正値
魔法関連参照用の定型文
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