wiki復活ツールをポケットから取り出しておもむろに作業を始めた。

Pirataは石の下のギャップなどでコンパクトな棚網を張り、卵嚢を保護しているのを見ることもある。
ハラクロコモリグモとならぶ、土壌との結びつきの高い やや大型の徘徊種のなかでも 土中に穴を掘って潜んでることの多いヒノマルコモリグモ や、 入梅ごろ卵嚢を背負って徘徊してるのを見かけるアライトコモリグモなどは 飼育時に物陰の小さな空間にコンパクトな部屋を作り 表面にゴミをつけて偽装する習性が見られる。 またヒノマルコモリグモは運動量の多いPardosaと比べると 長期の絶食に耐える。
これらに見た目の雰囲気は似てるものの、チリコモリグモは飼育時には植物体の上で静止してることが多い。


    河原では一番風格のあるのがこのアライトコモリグモ(画像はメス)


    大型になるのは他にはハラクロとエビチャだけど    


    ヤツラとは背甲の毛並みが違うとおっしゃってます


ブルックおまえそこにいたのかよ!
        


そういえば最近ホネ人間くってないなー 


穴掘りの秘訣はこの脚の付け根にあり


歩行に特化したPardosaより太ましい

さて・・・・ぼちぼち仕事だ。

最初は速攻で脱出するけど、しだいに体半分出したとこで様子を伺うようになる


ほとんど背中が脱げそう・・・

フジイコモリグモはヤマハリゲコモリグモやウヅキコモリグモに似るが、背甲の斑のパターンが異なる。また走り回って逃げるのが好きなウヅキやヤマハリゲらPardosaと比べると、逃避行動に落ち着きがあるので混生エリアでは意外と見分けやすい。
なおウヅキは裸地環境を好み海岸にも進出してるのに対してフジイは樹木のある環境を好む。
フジイはケヤキやムクノキなどの生えてるような河畔林でよく見られ、たまに木の幹をどんどん登っていくのを見る。
Pardosaとフジイは荷物に上ってくることも多い。

ウヅキに似たものにタカネコモリグモがあるけど、これはヤマハリゲコモリグモよりも更に高地の種類なのでなんとなく見分けられると思う。
高地の雪田周辺でヤマハリゲコモリグモを一回り小さくしたようなものをみつけたので色々調べてみたところ、色型から判断するとキタハリゲコモリグモの可能性が高いようだ。
しかし肝心の触肢先端の爪の部分が毛に埋没して見えなかったり、飼育中に最後の最後で脱皮不全を起こしたり前途は多難。
当初は積雪下に置かれる期間が長くて採餌期間が短くなったために小型化したヤマハリゲコモリグモかと思った。
周辺では色々な生き物のライフサイクルが他の場所よりも微妙に遅れてた。
この辺の棲み分けを局地的ながらまとめてみると・・・
雪解けのもっとも遅い雪田斜面でキタハリゲ(・・かな?)
それを取り囲むエリアで優占種として出現してたのがタカネコモリグモで、これはササ原、ハイマツエリア、岩礫地、裸地、草原など環境は選ばなかった。
また岩角地を中心に偶発的にチリコモリグモとカワベコモリグモが出現。
その下部のエリアにはヤマハリゲコモリグモと礫地にカワベコモリグモ。
山麓ではヤマハリゲコモリグモと川沿いにキシベとカワベ。
といった構成になってて、キタハリゲが体格で勝るタカネに封じ込められてるような状況になってた。
雪田草地ではタカネが殆ど見られなかったのは、保護色が有効にならないからだろうか?
タカネの下限を決めてる因子の一つは夏の夜間の最高地温かな?
飼育下では日中の高い温度には耐えるけど、夜間の気温が下がらなくなるのには弱い。
これは岩礫地の高山植物と同じ傾向か。
一時的な高温はやり過ごせても夜間のある程度の冷却が見込めないと、体温調整が出来なくなるんだと思う。
いわゆる熱中症のようでぐったりとしてくる。
出現高度は単純な温度ラインや地形状況とは一致してないようだ。
気温変化についても最寄の観測所の変動と単純にはリンクしてないことがあるので一応実測しておく必要がある。
高地の岩が複雑に重なってるとこは岩の奥はかなり温度が低いようで、水を飲みながらコケを調べてたらマメシジミが見つかった。

ある山域では・・

〜S(南に伸びる尾根筋の意味)
数値は 出現地点÷付近の最高地点の値

#キタハリゲ?|≒1.00
――――――
#タカネ=0.76〜(チリコモリ、カワベ // ハイマツの下限
―――――――――――――――
#ヤマハリゲ(カワベ
―――――――――――――――
#ヤマハリゲ/#キシベ、カワベ

#は優占種で( は局所的か散見される程度のもの

となってたけど

緯度は変わらない他の山域では

〜S 

 〜不明〜  ハイマツ帯  
―――――――――――――
#エゾコモリ=0.94 岩礫地 // ハイマツの下限 
―――――――――――――
 〜不明〜  針葉樹林帯
―――――――――――――
#タカネコモリ=0.74 岩礫地
―――――――――――――
#キタハリゲ?=0.5 カラマツーササ
―――――――――――――
#ヤマハリゲ?  なんか色々  

となってた。
 
尾根の方位が変わると積雪期間などが変わって大きく環境条件が変わることになる。
また高地では主に西側から吹き付けてくる風雪の関係で、尾根の西側と東側でガラッと環境が変わることもある。
この場合は風衝地とか風背地とかがキーワードになる。
当然風背地側に雪庇が出来て雪崩が起きやすくなり、樹木の生育が妨げられて草原が発達しやすくなる。
ここでそのようにして出来た草原と同標高の樹林地のクモの出現を比べると、余り変わらなくてガッカリしたりする。

キシベには黒色型、白色型、灰色型、黄色系とあるけど増水後の地形変化に伴って組成が変化するかとか調べてみると面白いかも。
白っぽい土丹が露出してるとこでは黄白色の個体が多かった。

ある程度の山で標高を上げていくと中腹まではXysticusが見られるけど、上のほうではクロヤチグモ類やアカギフクログモなどの徘徊する世界になってて地表を徘徊するカニグモ類を見かけなくなる。
積極的に探してないのが原因なのか排他的なのかはわからない。
高地では山麓のハリゲコモリグモ類によく似たものにエゾコモリグモがいて、タカネコモリグモよりも更に高い場所の岩礫地で優占してることもある。
Pardosaのやや小型の種はお互いに酷似していて、オスの触肢の色のパターンの違いや生息場所の違いなどいろいろな要素から絞り込んでいく必要がある。
平地の湿所に出現するイナダハリゲはオスは触肢の色で見分けやすいけどメスはヤマハリゲとの識別は困難。
カラコモリグモは大河川中流域のうっそうとしたクズ原の地表で大群をなしてる。
同所的にオオヤミイロカニグモなどが見られる。


  卵嚢を抱えたカラコモリグモ


        子グモを背負ったハリゲコモリグモ


     ↑ 大分減ってきた
          ↓ ちょっと拡大   

     

     一足お先に背中を降りたやつ


石河原ではキシベコモリグモとカワベコモリグモがみられるがカワベコモリグモは高山の岩礫地でも見られる。
地域によっては河川中流域から上流域、更にガレ場を伝って高山帯岩場まで連続的に分布してるようだ。
キシベとカワベは同所的ながら逃避行動が若干異なるので比較的見分けやすい。
カワベは眼列を見ると上方視に強いようで、やや太目の足は脛節並みに発達した膝節などは穴掘りに適応した形態のようだ。
高山や河原の石の下に小さい穴を掘って潜んでるのが見られる。
河原では石の下に指先程度の穴を掘ってたので潜るのがすきと思いきや、
結構登るのが好きだったので、高地の山頂まで登ってくるのはうなずけた。
飼育中に砂の中にこもって産卵してたメスの存在に気づかずに放置して乾燥してた飼育ケースから突然子グモを乗せたメスが出現して驚いたこともあった。


     カワベコモリグモ


   底砂は完全に乾燥しケースを片付けようとしてたところに・・・


お尻から糸を出して、風に乗って飛び立とうとしてるキシベコモリグモのオス

時たま吹く突風に乗って飛び立つのかと思いきや、植物を替えたり
他の植物に糸が引っ掛かるとちょっと様子を見に行ってまた戻ったり・・
最終的には再び地上に戻っていった。
川は流心から岸に向かう小さい波のようなものがあって、ある程度の流速になると
水面を走って対岸へ渡るのは難しくなる。
でも、空を飛べば対岸に渡ってよさげなメスを探索できるといったとこか。
サーファーのいうところの?「今日は俺の波は来なかった」っていうやつかもしれない。
水面に落下したときは走らずに足を立てて体に当たる風をヨットの帆のように受けてキシベに戻ってくることもある。
無駄な体力を使わないいい方法だと思う。

カワベコモリグモなんかは平地で夏をすごす場合は、日中は石の下に潜んでれば染みこんだ水の影響(水温+気化熱)で河原の表面よりも低い温度が保たれてるので、あとは気温の下がる夜徘徊すれば意外と快適に夏を過ごせることになる。


        上流域でも特にカワベがたまってる環境。

カワベコモリグモの幼体に行動や外観がよく似たものに、全く別のグループのミヤマタンボグモがあり、こちらは背甲の淵に向かって特徴的なギザギザ斑がある。
採集しない限りはちょっと見分けがつかない。
ミヤマタンボグモが基物に付着し放置された卵嚢から自力で出嚢出来るのと比べると、コモリグモは親が卵嚢をあけないと孵化出来ずにそのまま死んでしまう。
他に土壌の発達した環境ではシボグモの幼体もややコモリグモに似る。

ヒノマルコモリグモは成長過程では雄は雌と同体色。
土の中に穴を掘って生活し各地の発達した土壌で多く見られる。
やや湿った場所を好むようだ。飢餓状態には弱いコモリグモ類の中では長期間の飢餓に耐える特性を持ってる。
日常的な活性がやや低いということもあるのだろう。
オスの前足に白黒のコントラストが目立つが、これは求愛ダンスで用いるものだろう。

エビチャコモリグモは一見するとヤチグモに似た比較的大型のコモリグモで、アライトコモリグモやハラクモコモリグモなど同所的な大型のコモリグモと比べると群生する傾向が強い。
河川ではキシベコモリグモよりも若干陸側の、ススキなどが生え土壌が見られ始める辺りにまとまって見られる。
サイズ的に近いアライトコモリグモとは、繁殖シーズンがうまくずれてるようだ。


  一見するとヤチグモ風で手足もがっしりしてる・・しかし手足でいいのか?

Pirataは特徴的な背甲のvの字斑のほかに、なんとなく営巣するっぽいことで同所的なPardosaなどとは見分けられる。
これらのグループは全身が黒色化してる暗色型も時々見られ、営巣中のものが一見ヤチグモのように見えることもある。
また陰湿な沢沿いに多いPirataの中でも比較的大型のクラークコモリグモについてはアオグロハシリグモ幼体、カチドキナミハグモのオス、シノビグモなどが一見すると間違いやすい。


                         多分クラークかと


            大きい方はクラークだろうけど小さい方は何かな?    


     なかまをよんだ(卵嚢持ってないのは小さい方のオス)
  

          おそわれてる・・・
 

瀕死になったものをすかさず外雌器をチェック → コガタコモリグモに決定
オスはチビコモリグモと前足のツートンカラーは共通。


               こうしてコガタコモリグモに落ち着く

     卵嚢が落ちてしまったので・・・

   こぼれた卵嚢を再び抱えさせてみる(2つ目の卵嚢はいらないそうです・・)


                     2回目の子守り中


                ちょっと減った



    河川敷の草むらにいたナミコモリグモのオス


   ↑↓ 少し離れたクズの生い茂ったとこにいたチビコモリグモのオスとのツーショット



   ↑↓ チビコモリグモのオス

同じような環境に住むウラシマグモやヒノマルコモリグモのオスと共通の特徴が見える


チビコモリグモのオス触肢(フックがごんぶと)


ナミコモリグモのオス触肢(チビみたいにややごんぶと)



    チビコモリグモとコガタコモリグモのツーショット


ルームメイト生活二日目にして・・・死んでるのはドッチだ?


                 チビの方でした
  
チビ・コガタのPirata小型種は一回り大きな種類やハリゲ類に便乗して分布してることが殆どで、単独で現れるのはみたことないかも。
クラークなんかは途中まで仲間かと思ってたのに、どんどんでかくなりやがってって感じだと思う。
チビとコガタは前足にコントラストがでるけど、メスが遠目に見て同サイズの他のPirataの幼体と見分けるのに便利なものになってる。

          コガタコモリグモが出産

コガタとクラーク?の生まれたての子供だけど、かたや出嚢数が40匹を超えたのに対してコガタは半分程度だった。
生まれたての子供は体格差は見られないので、成体までの脱皮回数とそれに伴う成長速度が違うのだろう。


       クラーク幼体かな・・


            ほっとくとすぐ共食いが始まる



コガタコモリグモの外雌器とオス触肢(オスはトライデントの先端のような分岐刺が最大の特徴 / メスはチビと違って小さいマルがぽちっと見える)


    Pirataの死んだふり
ごくたまにその場で飛び上がってひっくり返ったまま死んだふりするけど、意味がないと悟るともうやらない。
打ち所が悪くて脳しんとうを起こしてるっていう説もある。
生物の待ち伏せ型の隠蔽的な捕食行動のうちのいくつかは、擬死行動から発展したものかも。
時々ひっくり返って痙攣してアリが寄ってきたとこを捕獲するクモが現れてもいいわけで・・・
和名はアリヨセグモで、腹部の模様にちなんだホホエミアリヨセグモとかフンドシアリヨセグモ辺りを想定してる。
フンドシアリヨセグモについては記載者がボルネオフトアリヨセグモと和名をつけることで、命名に関して学会で抗争が勃発する予定。


右は薄暗い沢沿いの定番のクラークコモリグモのオス・・の死後の世界
クラークケントの割にはちょっと小さいのでナミかと思ったけど、飼育ものなので餌の供給不足のようだ。
オスは腹部が小さいことで機動力を増してる気がする。
人間で言うと逆三角形の室伏体ってとこか。
逆方向の進化を考えてみると、メスを探索することがめんどくさくなってチョウチンアンコウのようにオスがメスに寄生するタイプの進化が考えられる。
これを更に突き進めると、卵嚢の中にいる段階でオスになるものがメスになるものを探知して寄生開始。
そのままメスの一部として栄養を受け取りながら産卵期まで寄生生活を続けて、産卵を終えるとポロっと剥がれ落ちて一生を終えるクモとか進化するのかも。
そうなると移動する義務から解放されるのでひとまず足が退化し、捕食や配偶選択の任務もないので眼も退化。
腹部はメスの体内にめり込んでる仕様なので頭胸部のみがメスの体の外にいぼ状に飛び出してて、外から確認できるのは頭胸部と触肢の痕跡のみ。
成熟すると触肢の部分が伸びまくって外雌器に届くようになるっていう仕掛け。
・・・・フジツボ?
http://fserc.kyoto-u.ac.jp/data/panel/Aold.PDF
というわけでトサカエボシっていう変わった生き物に興味のある人は上の資料をどうぞ。


                 多分クラークの♀かと


キバラコモリグモの外雌器・・・この辺の画像は参考程度で同定には使えないです


                         脱皮直後の様子



           偽者ことシノビグモの亜成体

シノビグモは多分意外といる「見落としクモ」で、夏場は沢沿いのシダなどのビーティング。雪の季節が近づくと石の下とかに隠れてる。
渓谷のクモとしては意外と室温上昇には強く飼育はしやすい。
観光客や登山客が往来する中、ちょっとだけ沢のほうにお忍びで曲がっていくと見つかるかも。
たまに忍びに来た人が残していったティッシュなんかが落ちてることがある。
他に流しソーメンの残骸が散らばってたこともあった。
北面寄りの偏向性があるのか雪解けが若干遅れる場所で見やすいかも。
クモにはあまり関係なさそうだけど生物の環境パラメーターには、方位、礫質、土壌のタイプなどのほかに斜面傾斜というものもある。
スギの林床は特にギャップ(土壌内の隙間)が多いこと。
ヒノキ林床はリター層が発達せず乾燥しやすいことが知られてる。


           シノビグモのオスは脚が長い割にはあまり素早くは動き回らない


             沢筋に生息するだけあって、下面は毛がフサフサしてよく水を弾く


                      周辺ではミヤマウズムシが群れてた

                      他に強大な敵が潜んでて・・・

                この人の全体像は画像クリックにて↑






                       ちょっと窮屈そう・・・


                   動物の骨もよく落ちてるけど、時々リスが齧ってる


ここはシノビグモは1匹だけで、多かったのはアオグロハシリグモとPirata(多分クラークとナミ)。
他はコアシダカ、ヤチグモ、ヤミサラグモの一種、サワガニなど。
シノビグモは機動力で上回るアオグロやコアシダカとは同時には出現してないことを予想してたけど、ここでの出現によって予想は裏切られることとなった。
シノビグモの小さい幼体と他のクモとの見分け方はコアシダカは素早いことと腹部後端の白いポッチ、アオグロは素早いこと、Pirataについてはあきらめるのが早いかな。
     

隣接する岩崖基部の落ち葉だまりはアオグロが出現せず、代わりにコアシダカが多かった


そこから少し離れた草地に囲まれた小さな石河原はコガタコモリグモ、ハリゲコモリグモ、キシベコモリグモのほかはゴミムシとコオロギが多く、砂に埋もれた石の下などにカワベコモリグモも低密度で出現し、偶発的にアライトコモリグモが出現することもある。
カワベはPirataやキシベと違って巣穴を掘る能力の高さから浮石でなくても生活できるわけで、出水後の石の埋没(=活用できる浮石空間の総体積が縮小する)に適応してるものと思われる。
ハリゲについては上流の開けた場所でハリゲコモリグモ-コガタコモリグモ群集に対し、中流域のクズエリアでハリゲコモリグモ-チビコモリグモの優占群集を確認。


水の豊富からオオバコがトウオオバコなみに花穂を伸長させてた。

http://video.fc2.com/content/20120925NhnvDqC7
せっかくなので動画撮ってやった(ティム・パードン監修)
http://video.fc2.com/content/2012092562bb2gSq
調子に乗って天敵シミュレーター使ってみた。


                          ラスボスバトルのはじまり


                         安全地帯このへん


                       水面を滑るように移動して・・・・


                         適当な場所に上陸


                     腹部下面のフサフサが水上歩行術の秘訣


                          尻から忍糸を放出


                         ちょっと背後から失礼


              触肢は長い


                        バトルを終えて小舟に乗りこむ


                        クラーク♀と比べてみる(左がシノビグモ♂)


                 カチドキナミハグモと比べてみる(大きい方がカチドキ)

.    
Pirataには大雑把に小型種、中型種、大型種とあって河川の流程で種構成がなんとなく代わるので調べてみると面白いかもしれない。
コモリグモの中でも特に専門性が高くて、見分けられるようになるまで結構修練を要するように思う。環境調査などで色々な種類が記載されてるとうのみにしてよいのかどうだかわからない。

シッチコモリグモは時々河川湿所に出現するが一見するとアズマキシダグモの黒化個体に見えることもある。
恐らく涼しくなる頃に上流からメガネドヨウグモなどとともに漂着してくるのだろう。

徹底して湿所を好むPirataと比べるとPardosaはさまざまな環境に進出してる。
Pardosaの生息環境ではオスの成熟期にまったく別のグループの幾つかのクモのオスの色型が、Pardosaのそれとよく類似する現象が見られる。(→ヤドカリグモなど)

求愛ダンスをするクモ一般の傾向として 触肢の色彩に白と黒のコントラストなどがついてるのが よく見られる。(→他にハエトリ、ササグモなど)
同時にそれらは眼列も前後に展開してることが多い。
単純なコントラストのほうが動きのパターンを捉えたり記憶したりする作業がしやすいのかもしれない。
また単純に白黒のコントラストにとどまる種類は色覚はあまり発達してない可能性があり、成長として赤や青などの顕著な色彩が現れる種類はなんらかの色覚を発達させてる可能性がある。

一部抜粋すると放し飼い中に屋内によく侵入したのが・・カワベ、ハリゲ、ハラクロ
すぐに拡散して定着しなかったのが・・ウヅキ
玄関先に定着して玄関には入ろうとしなかったのが・・ヤマハリゲ
屋内にはあまり侵入しないで外壁に張り付いてるのが・・キシベ
侵入しなさそうなのが・・アライト、ヒノマル、Pirata各種など土壌性の強そうなもの。
といった感じで特にハラクロのオスは移動力が高かった。
ハリゲはいつのまにか子グモがサワガニの飼育ケースに侵入して、発生してる双翅類の幼虫や成虫を食べてそのままつがいにまで成長した。
ヤマハリゲは孵化したての幼体から成体になるまでずっと玄関先に定位してたけど、いつみても山の中を走り回ってるとこからすると一定の場所に定位してること自体は意外だった。


ハラクロの幼体は他のコモリグモとは脚の付け根がシマシマしてることと先が赤茶っぽいことで見分けがつく(体色よりも脚の色に注目)


  ハラクロ♂亜成体か準亜成体くらいか・・


2つの季節サイクルがあるらしく、右のオス成体の挙動が急に怪しくなったので隔離(左は2つ前の画像と同じ個体)
→ これは成長に2年かかるゆえの体格差のようだ  

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