wiki復活ツールをポケットから取り出しておもむろに作業を始めた。

\一部の画像はクリックすると全体が見れるよ/

            クロココモリグモ物語の始まり・・・

                  水田にて


                  ちょっと拡大 


              更に拡大


                   この状態では水面をうまく歩けない


               孵化した幼体は70匹くらいだった(だいぶ拡散した後)


                最後の1匹になる

       ここからは旅立ちの物語・・


            ここからは別の物語

                無事拡散した


左手は田んぼの泥ゾーンで、右手はカワベを飼育してた名残の各種砂混合ゾーン


泥に穴を掘って潜んでるとこ・・・恐らく気化熱で涼しいと思われる(画像中央)


                     クロコ対決

           前脚を上げるのは威嚇

傾斜をつけて撮影しやすくしてる(足場が滑るので機動力が大分下がる)


                        クロコ幼体の脱皮殻


               シロココモリグモの誕生です


               こんな感じで隠ぺい色が失われる


     ↑↓クロコの孵化したての幼体




                    糸くずのおまけつき・・         


      これは空気抵抗を減らすストリームラインか?


     いつか水中を素早く泳ぎ回るクモが見つかっても不思議でない          


               一風呂浴びてきた

 
 外雌器はカワベとの違いは明瞭(左-クロコ / 右-カワベ)    
  
            アライトコモリグモここから

              土の中から出てきたとこ 


              背甲中央から腹背にかけての明斑は細かい木くずに見えなくもない


              これから何が起きるのかとゆいますと・・・  

     同じく卵嚢を抱えたクロコとご対面

          クロコもよくがんばった

     ウヅキのオスとフジイさんが参戦

    やはりウヅキがダントツ素早かった 


              フジイはクロコやカワベとは棲み分けてるかな


              クロコが潜んでるとこ  


上とは別個体だけど、カワベ用ケースで始動したのがまずかった・・・(水やり間に合わず)


            フジイは早い段階でクロコに襲われたようだ 


               一方ウヅキは安全圏に避難

クロコは対乾性能はカワベやキシベ・ウヅキなどのPardosaには劣りPirataに近いものと思われる。
一方で高温多湿への耐性はPirataに大きく劣る。
Arctosaのなかでも川砂で飼育しやすいカワベや、リターくずなどで飼育しやすいアライト・ヒノマルと比べると明らかに田んぼの泥が飼育しやすいようで、ポイントは穴を掘って潜んでるのが確認しやすいことと水分量がぱっと見でわかること。
穴に潜んでれば集団飼育時の相互干渉が減るメリットもある。
クロコの成体のケースにフジイを入れといたらいつのまにか食べかすになってたけど、一方でウヅキは生き延びてる。
フジイはウヅキほどの機動力がないのが死因のようで、またウヅキは少しでも上の方へ登ろうとしてるのもクロコとの遭遇機会を減らしてると思われる。
ちなみにクロコの生息地で見られたイナダハリゲ、キクヅキ、ウヅキ、Pirataはいずれも機動力でクロコに勝るわけで、脅威はイオウイロハシリグモやトカゲ、カエルなどかな。
一方で水田の徘徊性の他のクモに対して潜むことに関してはアドバンテージを持ってる。
気を付けないと採集後に見失いやすい。

ヒノマルは土中に生活圏を拡大したArctosaのようで、いったん土の中にこもるとArctosaの中でも高い飢餓耐性を誇る。
このへんが活動量の多いPardosaに対しての優位点となってる。
カワベはArctosaの中では耐乾性能が高いようで、その辺で高地のガレ場にも対応性を持つのが類似種のクロコとの大きな差。
山麓では川辺の石河原でアライトと、高山では岩礫地でチリコモリグモと同時に出現することもある。
体格的にはカワベと比べるとチリの方が小さい。

   ウヅキコモリグモのオスの大きな特徴は前脚のフサフサした直立毛

           わきげでこうげきなう
オスの前脚にフサフサした直立毛が生える種類はウヅキだけではないようで、ライオンのたてがみ効果っていうかメスにフッサールを誇示したりオス同士の闘争でフッサフッサとチアリーディングのように威嚇し合ったり(・・チアリーダーがやってるのは応援と称してじつは敵への威嚇か?)実際はどうだか知らないけど多機能なものの可能性があるわけで、この毛を剃って検証すれば何かわかるかもしれないし、何ら変化が見られなくてがっかりすることになかも。
Pardosaはただでさえ紛らわしいわけだけどメスの立場からすると、ウヅキ♀的には色合いの比較的近いタカネコモリグモやヤマハリゲの♂からウヅキの♂を識別するのにはこのフッサールが役立つかな。
北海道を例にとると(どの程度混生するのか不明だけど・・)ヤマコモリグモ、タカネコモリグモ、ウヅキコモリグモの間ではオスの頭胸部の正中条が細いをa,太目をbとして、オスの前脚の毛の有無を0,1で表す(0がナシで1がアリ)と・・・ ヤマコモリグモ-a1 / タカネ-b0 / ウヅキ-b1 となってメスから見てもスッキリ。
ウヅキのメスは他のPardosaと比べると色々なPardosaとの遭遇機会があるようで、なかなかメンドクサイ立場かも。
Pardosaについては 触肢の色 / 背甲正中条が ナイ、ごく細い、中程度、とても太い / 違うサイズの2種の混生 の3つがメスから見た配偶者簡易検索の基本で、それに加えて前脚の色や毛の有無、儀式行動って感じなのかな。  
平地の水辺では触肢の色では 黒=イナダハリゲ、ウヅキ / 白黒=ハリゲ、キクヅキ で、イナダの触肢が黒いのはハリゲよりもむしろ混生機会の多いキクヅキとの識別に一役買ってるのではないかとにらんでる。
これら4種ともオスの背甲の色型は異なるしイナダとウヅキ、ハリゲとキクヅキの間に体格差があることが多いので識別指標がいろいろ用意されてる感じかな。
亜成体で性徴が現れないことも配偶者として適不適を見分けるポイントになるのかと。 
http://redspiders.narod.ru/lyc.htm
こうして見てみるとPardosaのオスを見分ける指標はそれなりにあるけど、上のページ一番下のモリコモリとヤマハリゲ、エゾコモリの♂は他人の空似なわけで触肢は先端に爪がない→モリコモリ、掌部に巨大なかぎづめあり→エゾコモリ、その他→ヤマハリゲと見分けられるけどメスはどうしてるのかな?
http://arachno.piwigo.com/index?/category/304-xero...
モリコモリグモ詳細
エゾコモリグモに似たものはいろいろいるようで、Pardosa saltansとかPardosa alacrisとか下のページでの比較が面白い。
http://www.spiderling.de/arages/Fotogalerie/specie...
こうして海外のサイトをみて見ると・・・
http://crocea.wordpress.com/lycosidae/
日本ってのは文明の遅れてる国ってのを痛感する。


                 ウヅキの子グモが玄関に侵入してた


後ろはクロコ幼体だけど、手前のPirataには機動力で大きく劣る(脚の長さの違いに注目)


                    ハリゲコモリグモのメス


               拡大してみる


       ハリゲのオスの顏をズームアップ


飼育中のハリゲのメス(この個体は丘陵の森がふるさと)
時々地中にこもっては卵嚢をこさえてるけど、水やりするとびっくりして出てくる
生後しばらくはウヅキの幼体と変わらない。

下から2つめは卵嚢を抱えた♀の採集から成長して丁度2か月後に♂成体となったばかりのもので、一番下は同時に撮影した母親。
餌発生装置の餌供給が一時途絶えてたので、早ければ一ヶ月半くらいで成体になりそうだ。
ただしこの速度で大きくなるのは1〜2匹程度で初期段階で相当な共食いが発生してることが想像される。
現地では既にオスが絶えてた一方で母親はまだまだ健在。
壁面の汚れはショウジョウバエなどの糞で、これを伝って上まで登ってくる。
この個体は蓋がなかったころに一回脱走してたやつだと思う。
一ヶ月先行して始まった別地域採取のサンゴ砂・貝殻砂のハリゲケースでは、2ミリに満たない拡散して間もない幼体がたまに見られる程度で、母グモの産卵は続いてるけど成長した子グモは皆無となってる。
一時的に水切れを起こしてた可能性もあるけど床材の隠蔽度(色彩&隠れる隙間)による親グモによる捕食リスクの差なのか、それとも床材の中で発生してる子グモの餌となりうる生物量の差によるものなのか詳細は不明。
同じサンゴ砂でもクロコは順調に成長してるのが対照的。
ハリゲとイナダハリゲについては適した用土がはっきりしたけどヤマハリゲ、タカネコモリ、エゾコモリも恐らく同じと思われる。
この中でタカネについては人間が凍える温度まで温度を下げてなおかつ湿度を保たないと夏越しは困難で、電気代がかかる割には見返りっていうのは特にない。
エアコンの温度設定は20度とかそんな感じで、現在の電力事情では反社会的な行動と受け取られそうだ。

ハリゲについては通年保温環境だとかなり高速で世代交代を繰り返す可能性があるけど、これがPardosaの機能なのかPirataやArctosaにもその機能があるのかは不明。
ちなみにPirataは通常は成長が遅めで、Arctosaは体格で勝る分成体になるまでは時間がかかるっぽい。
クロコやカワベは成体に近いものと小さいものと通常2つのサイズを見るから2年サイクルなのかな。
アライトは『台風による洪水の前に拡散を済ませてしまおう』って感じのサイクルで、通常はあまり見かけないクモだけど幼体の拡散時期が特定できれば楽々個体数を確保できるクモになる。
果物の供給が間に合わないためケースを増やせないけど、来年はキシベコモリグモとコガタコモリグモで高速成長を試してみる予定。






出嚢から成体までは2ヶ月、オスの方が先に成体になった気もする。
その後まめには見てなかったものの最初の卵嚢形成確認は更に2か月後。
っていうことで年3サイクルは可能なようだ。


     兄弟オスがカビに覆われてるけど成長が早かった分短い一生となった


     しかし第3世代が跡を継いだわけで・・
画像は第2世代の卵嚢確認から6週間後の第3世代幼体で既に大分成長してる。
卵嚢持ちの第1世代を捕獲してきてからあと10日ほどで6ヶ月となる時点でのこと。
冬場は室温が下がることで少し成長が遅くなるかな?
プラケースのサイズ的に最後まで成長するのは3〜4匹程度なので、雌雄が揃わなくなったときが子孫が途絶えるときかも。

更に2か月後に撮影したものだけど、これが最後の確認となった。
餌切れや水切れも考えられるけど死骸が見当たらないので脱走したのかな?
第3世代は成長差が出てたけど9か月で第3世代の交尾も見込めるので一年で4サイクルも可能なようだ。
餌量によって大きく成長速度が上がるのはPardosa共通と予想してるけど、氷河期などに夏が4ヶ月未満になる一方で(高山で雪解けが6月、初雪が10月みたいな・・・)餌資源が短い夏に一斉発生する(シベリアもそうらしいけど夏の高地はブユなどが大量発生する・・)環境では有利な性質になると思う。


                    再びアライトコモリグモ

                  孵化した


          無断転載軽くおすすめ・・悪用ドゾ


                    お顔を拝見


                 反対向き


       拡散第一号の幼体


再び地中に潜って卵嚢形成してる間に、同居してる拡散1号の幼体も成長した  


           翌年1月になってまだ小さい幼体と・・・


           一回り大きく成長した幼体を餌ケースの下に確認
残念ながら冬季の水切れに気が付かなくて、物語はここで終わってしまった。
 
             再びクロコ物語

隅に定位したと思ったら地中に潜って産室形成したけど、しばらくして天井が開いたのは空気を取り入れてるのかな?
天井を全開にし過ぎたのが気になったのか再び天井を少し封鎖してた。(一番下は卵嚢形成中) 


最初は幼体が見当たらなかったけど、餌ケースをどけてみるとその下に幼体が巣くってた。
湿度が保たれてるので集まってたのだろう。
早くも小さい溝を掘ってる個体もいた。


親が巣から出たり入ったり・・・子供たちもすくすくと成長中(砂の上に小さい双翅の幼虫が発生してる) 


床材が合わなかったようで死因は水切れかな
いつのまにか花崗岩砂、珪砂、鹿沼土のブレンドになってしまった・・・・
サンゴ砂には観察しやすいっていう圧倒的な優位性がある。
そんな珊瑚ワールドにも終わりはやってくるわけで・・・

隣の同時に立ち上げたハリゲコモリグモのケースでは2ヶ月で子グモが母親に追いついて成体化してて、オイディプス状態に陥ってる可能性あり。


同時に拡散した幼体の間で大きな体格差が生じて、成長したのは一枚目の右上寄りにシェルットが見えてる2匹だけになった。
母親の亡骸も徐々にバラバラになりつつある。


  時々脱走しては戻されを繰り返し・・・7か月後GWを迎える


     6月下旬にはキシベ成体程度の大きさに成長・・成長過程で色はやや薄くなったり濃くなったりするかな


                         待機ちう


            暖かくなると怪しい人が時々忍び込んでくる


一年経過して2匹が成長中のようで、餌ケースの下に仲良く営巣中。
この大きさになると壁を登っての脱走は出来なくなるようだ。
Arctosaは餌の発生量に関わらず成長に2年かかる可能性ありで、カワベが亜成体くらいのステージで集団越冬してた時に一回り小さいサイズも混生してたのもうなずける。


安住の地ができると徘徊を見るのはまれになるけど、いったん徘徊し始めるとよく徘徊をみるようになる。          

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