wiki復活ツールをポケットから取り出しておもむろに作業を始めた。

ネット上にギボシムシの大きい画像がないのが不満な人用に貼ってみた。
暗黙の了解で大きな画像貼るのあえて避けてるっていう話もある。
普通に海水浴場の砂浜の地下に潜んでるのでくれぐれも掘らないでください。
間違って出土してしまった場合は見なかったことにして埋め戻しておきましょう。
独特の臭いを放っててこれは一嗅の価値あり。
一説によると異臭を放つギボシムシの存在を覆い隠すために砂浜は厚く砂が積もってってるっていう話。
適当にほじくってると違う人も時々出てくる。
切断せずに掘り出すのが難しいけど、四天王の一角を占めてるだけあって伸びると1mくらいにはなるかな?
砂の下には魔界への入り口があるので穴を掘って城を作ったり人を埋めたりする遊びもほどほどに。
人目に晒されることがないので見た目を気にしない方向へと進化を遂げたのかと。
砂をクリーニングするのが彼らの日常業務で浅瀬に糞が点在してることもある。

  以下ギボシワールドを楽しんでってください










   違う人も出てくるけど下のは誰だかわからないので「やましたくん」って呼んでる

   
http://video.fc2.com/content/20130312rPq6WJd5
お尻から砂をムリムリ出した直後の動画を撮ってみたけど、このやましたくんは収穫中に切断してしまってる気がする。

   やましたくんとも違うこの人も、独特の臭いを放つ


                  ギボシさんとやましたくんは・・・

                          いつもなかよし

                    ねんえきなかま

                  ぬーらぬーら・・ぬーらぬら ぬりとぬら


   砂粒の凝縮感のある三日月形のこの人は・・


   ずいぶんとだらしないゴカイさんでした。


   一方こっちの怪しい小人さんは・・


   ドロクダムシの一種かな?(遊泳中)


   他人のそら似っていうやつだけど・・


          コンニチワぼくピエール


   左からピエール、ミケランジェロ、ダビデ、ハバノビッチ


https://sites.google.com/site/nmiyamoto621/jhw/jhw...
ギボシムシの解説サイト。
ヒモムシ、ウロコムシ、ギボシムシは外観では判別の難しい種類や未記載種ラッシュの可能性があるので待ちに徹するのが無難。
ヨコエビ、ドロソコエビ、ワレカラ、コツブムシなどは
http://marine1.bio.sci.toho-u.ac.jp/tokyobay/ikimo...
身近に見られるものの解説があるけど、マルエラワレカラはやはり複数種混合だったのか・・・
http://marine1.bio.sci.toho-u.ac.jp/tokyobay/ikimo...
ゴカイ類はこちらで・・・多毛類の研究者が同定しないと正確さが保てないってことで、このコンテンツが出来るまでは身近なゴカイを総説したサイトもなかった。
よく見るけどよくわからんアレが「シダレイトゴカイ」とか・・便利サイトになってる。
ミズヒキゴカイについては内湾砂泥底のアレと外洋に面した磯の砂だまりのソレはニホンスナモグリ・ハルマン・スナモグリの関係のように別種かと。
ゴカイの飼育についてはタマシキゴカイのように明らかに泥喰い食性のものを除くと、結構肉食の種類も多くて大型種については深夜人目につかないとこでガーデンイール並みに身を乗り出して腐肉をあさるのを見れるかも。
スゴカイイソメについては巣材を作るのに外に顏を出す必要があるので、ある程度砂厚と底面積のある水槽で“てきどにふてきせつなもの”を離れたところにセットすると中の人が時々出てきて“しょうもないもの”で巣作りするのを観察できる。
スゴカイイソメを利用して謎オブジェを作って遊ぶと面白いかも。
中の人は伸びると公称データ以上に身長が伸びるので、深夜に30cmくらい出てきてるのも見たことある。
大型種については小さい状態で採集して水槽の中で化け物まで成長させるのも可能で、注意点は塩分濃度がその種に対して適正かという点と泥の中から引きずり出して食べるようなカニやハゼなど捕食者の存在。
見るからにやる気値の高い凶暴そうなカニはさておき、NGなのはオウギガニやヨツハモガニ・オサガニ類など静かな殺戮者。
ゴカイについてはその食性はゴカイされてる傾向があるけど、魚の切り身を沈めとくと結構色々なゴカイが寄ってくる。
飼育のさいにはタマシキゴカイやミズヒキゴカイなどのデトリタス食性のゴカイはデトリタス供給が重要で、一方オニイソメのような肉食傾向の強い物は給餌不足に注意。
ゴカイの仲間は一応牙が明瞭にあれば肉食かなって感じだけど、その最たるものがウミケムシってことで・・・
ミズヒキゴカイの触糸は生息状況からすると懸濁物質をかき集める器官と思われ、水槽のお掃除係に導入してもいいかも。
水槽のお掃除要員としての採集については内湾性のゴカイは低塩分に適応してるので、なるべく外海よりの岩礁などで採集するのが吉。
タマシキはそのナマコ的食性から生息域と同様な砂泥でないと飼育は難しいので注意。
タマシキゴカイの生息パッチを制限する要因っていうのは恐らく採餌と塩分濃度の2つだろうってことで、やや低塩分を好むゴカイだけど川の流れ込みのない海岸でも地下水脈の海岸での滲出によって塩分濃度が若干下がってるとこで見られる。
逆にタマシキゴカイの糞があることで塩分が希釈されてるエリアってことがわかるかな。
http://www.airies.or.jp/publication/earth/pdf/11_2...
ゴカイの生態はここに詳しいけど、ツバサゴカイのU字型の巣穴づくりや水流を生んで有機物を呼び込んで濾過食をする生態はアナジャコと共通。
またツバサゴカイが発光することに触れられてるけどヒメギボシムシも発光することが知られてる。
  

 異界から彷徨い出てきたエダアシクラゲ・・・よくみると多数のぽにょを引き連れてる



テツイロナマコは外海に面した磯の潮間帯の岩の下で見られる。
他のナマコと比べても柔らかい体と強靭な吸着力で荒磯ならではの物理的な作用に適応してるようで、同じように突起が不明瞭で黒いしみのような斑紋があればイソナマコかな。


           はがそうとすると管足の強力な吸着力で抵抗


                   ついに大脱腸が始まった・・・


                放出し終わった内臓の詳細  ☞  アッチに続く(画像をクリック)


                      ここでフジナマコが便乗
http://www.youtube.com/watch?v=QbNHbB3wV0M
生息環境についても言及されてるってことで貴重な動画かな?
こういう環境にはマナマコの黒型や青型(青緑っぽい一番普通のやつ)がいることも。


               水質悪化に伴ってフジナマコの内臓放出が始まったと思ったら・・・

           数日後に平たくなって死亡してたので“なまこせんべい”を作成



      死骸には黒っぽくて細長いヒモムシがたかってたけど、体はもろいようで触ると千切れやすかった


         魚の切り身を落とすとどこからともなくたかりにきて、肉の中に入り込んでることも      


              漁師が厄介者扱いしてるグミ軍団


            地肌はピンクというか肌色というか・・・


        そうではなくて白っぽいのを岩磯潮間帯のゴロタ場で見かけたら


        シロヒゲナマコの可能性あり
http://nh.kanagawa-museum.jp/kenkyu/nhr/27/27_81_8...
和名が付いたのは2006年で2005年以前の記録なしとされてるけど、それ以前から見かけてるのでたんにイシコと誤認されて見落とされてきた種類なのかと。
同じタイプのものが各地のblogや磯生物のサイトで画像掲載されてるようだ。

ニセクロナマコの特徴は刺激を受けたり環境が悪化するとキュビエ器官を放出することで
http://www.youtube.com/watch?v=Uyzo8DYEyoA
http://www.youtube.com/watch?v=lKWSLg5PDiU
これでも足りないと続いて内臓の放出が始まる。
http://www.youtube.com/watch?v=Ux6XiMAebn8
動画のは別の種類だけどだいたいこんな感じで、全部出しきってスッキリ。
キュビエ器官自体は魚に突かせて有毒性を学習させるためのものかと。
以前は水槽のお掃除部隊としてニセクロナマコがクロナマコとして流通してたため水槽の壊滅的な事故が時々起きてたようだけど、近年はアカミシキリなど識別しやすい弱毒性の他のナマコが流通するようになってる。
同じようにモミジガイとしてトゲモミジガイが売られてるケースがあるので注意。
モミジガイ自体もTTXを持ってることが多いようで、ヒトデサポニンの拡散とアンモニア発生・バクテリアの活動による急速な酸欠の連鎖がはじまるので、飼育中に死んだ場合は速攻取り出して換水するのが無難かな。
ヒトデの仲間は肉食が基本で喰い散らかして水質を悪化させる一方自身は水質の悪化は好まないっていう性質があるので、家庭の水槽で直達発生で繁殖するケースのあるヌノメイトマキヒトデなどの一部のヒトデを除くと基本的には熟練者向きかな。
残飯処理係としては他の棘皮動物に比べると維持難度が高いので根本的に向かないかも。
一方でウニの仲間は基本雑食で、人工餌でもたんぱく質系でも海藻でも何でも食べるので残飯処理係むき。
ヒトデと比べると水質変化や水温上昇に鈍感な種類が多いのも利点かな。
欠点はカルシウムの必須性からライブロックなどを齧るので、美観を重視するサンゴ水槽などには向かないこと。
特に藻対策として導入すると状況によっては空爆状態のような無残な惨状をもたらすものと思われ、向いてるのは肉食魚水槽のお掃除係。
弱毒性のマナマコの場合はキュビエ器官をもたないけど内臓放出するわけで、それをおとりにして逃げるってとこかな?
この場合弱毒性のナマコ戦略が『いけにえとして体の一部を提供するヤモリの尻尾戦略』だとすると、甲殻類でも手足の脱落しやすいものにはその傾向があってスナモグリなんかも恐らくその一つ。
スナモグリの場合はハサミが脱落した後、トカゲのしっぽのように長時間ピクピク動いてる。
http://video.fc2.com/content/20120614nBe0MLpy
とりあえずは魔界にオイデオイデしてるってことで・・

イカの墨もタコ墨のような目くらましに留まらず「うまみ成分によるおとり戦略」とされてるけど、カニの中ではスベスベマンジュウガニが爪の部分に高濃度のTTXを保有してて捕食者に対しての忌避学習効果を持ってるものと思われる。
ニセクロナマコの場合はキュビエ器官を放出するとカニなどが興奮して食べようとするので、同じような学習効果を期待できるけど弱毒性のナマコの場合はこういう学習効果は見込まれず、むしろ刺激すれば餌にありつけるのかと学習してしまう可能性もある。


            ↑↓ ニセクロナマコ



                 マナマコ黒色型


  マナマコ黒色型とアカナマコ(上面/下面)


                アカナマコその1


          アカナマコその2(色は大きく分けて2タイプある)


    上はアカナマコで下はマナマコ(それぞれ上面/下面)


    アカナマコとマナマコ普及型(腹部下面の赤いのがアカナマコでマナマコは概ね他の色)


             マナマコ普及型


   普及型の下面(通称アオナマコ)


        ↑↓ アカナマコの口の様子



    同じくアカナマコの疣足を拡大してみる。
疣足は機嫌がよいとビンビンにとがって期限の悪い時は目立たなくなるようだけど
http://www.pref.iwate.jp/~hp5507/report/seika-h20/...      
数については遺伝するようだとのこと。


個体によっては結構たんぱくしつを好むものもいるようだ。


上と同じ個体が周囲に粘膜を張り巡らせてた

          こっちはアカナマコが魚の切り身を食べてるとこで・・・

                  ムラサキウニと取り合いになることも


                       アカナマコつやつや


                       アカウニゆらゆら

ナマコの天敵としてはヤツシロガイがよく知られてるけど、ヤツシロガイについてはそれ以上に小学生時代の浜辺歩きの大物として有名か。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/hp/sasaki/sasaki/0142....
貝類の食性についてはここで整理されてるけど、サビシラトリは堆積物食者に分類されてて水管を伸ばしてる様子はヒモムシのとこにて。
http://www.youtube.com/watch?v=Uyzo8DYEyoA
おまけ・・・カクレウオさん。


ヒラムシが逆さになって水面を這ってるようだけど、口は体の中央にあるってことで中央部の模様が腸と思われ多岐腸目の名前の由来となってる。

ヒラムシの仲間はヒモムシと並んで有毒種は多そうで、一部の種類はフグ毒を持ってることが知られてる。
元々物理的には無防備なグループゆえにTTX以外にもいろいろな毒性物質が検出される余地がありそうだ。
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/62560211
http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/02F00518
中でもヒモムシ類については防衛だけでなく捕食に使ってる可能性が示唆されてるのは興味ぶかい。
そういう状況は見たことないけど生きてる貝類とかも襲ってるのかな?
TTXを利用した捕食行動については他にヒョウモンダコやヤムシでも知られてる。
TTXの循環ついては海底デトリタス中の細菌(ビブリオ菌の一種など)→TTX保有生物の消化管を経て他の器官に蓄積→それら生物を捕食することによる蓄積→ って感じらしいけど、更にTTX保有生物が死ねば腐肉食性のTTX貯蓄生物に喰われるかデトリタスとなってサイクルの輪が閉じるわけで・・・
オオツノヒラムシについては卵の毒性が特に高いってことは、卵の防衛戦略として機能してるってことだと思う。
ヒラムシに擬態してるとみられてる生き物としては、アカククリやチョウチョウコショウダイとサラサハタ(両種は幼魚期はヒラムシのようなヒラヒラ泳ぎをする)などが有名かな。
http://www.youtube.com/watch?v=7lNGlL-bzv0
サラサハタの幼魚
http://www.youtube.com/watch?v=kj7OUQwebeg
チョウチョウコショウダイは成長過程で白い部分と着色部分との「地とパターンの関係」が逆転し、最初は白い斑紋の中のほくろが増えてって一方で茶色い部分が途切れていき次第に白地に有色斑紋のパターンに入れ替わってく。
http://www.youtube.com/watch?v=ZDXWlASfb8Y
アカククリの幼魚
http://www.youtube.com/watch?v=7UkZHDIujUc
アカククリの幼魚が擬態してると思われるヒラムシの一種で、カリオヒラムシという和名がついてるものと同種かどうかは不明。
ちなみにクロシタナミウミウシも同じ色型。
http://www.youtube.com/watch?v=5fx-YgcP8Gg
http://www.youtube.com/watch?v=S0c3NyupRuY
ヒラムシの交尾の様子(ちなみに雌雄同体)
内容は動画みれば空気で分かるかと。
詳細は Flatworm's Penis Fencing でぐぐるよろし。
http://www.youtube.com/watch?v=F9Tlk6oGytg
比較としてセトリュウグウウミウシの交尾

TTXは腐肉食性の小型〜大型巻貝、ワレカラ、ウロコムシ、イソギンチャクなどからも検出されてて、検出される生物群や種数はどんどん追加されていくと思われる。
フグについてはTTXに誘引されて選択的にTTX保有生物を選好して捕食してるらしいほか、採餌過程でTTXの前駆物質を取り込んでそれをTTXに変換してる可能性が高いことが明らかになりつつあるようだ。
http://www.gijutsu.ne.jp/01committee/pdf/83.pdf
TTXについてはここのP27によるとヒラモミジガイ、モミジガイからも検出されてるようだけど
http://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi/49/...
この研究では捕食によるモミジガイ類→ボウシュウボラのTTXの移動経路とモミジガイ類のTTXの季節変動が説明されてる。
ただ季節変動といってもサンプル数が少なくて大きな個体差が見られるので、もっと緻密な調査が必要だろう。
さて次のステップとしてはモミジガイ類の食性が気になるわけで・・
http://www.gokaiclub.com/2011/09/tetsu/1786
このリストだとTTX生物は見当たらないけどポイントは胃の内容物として残らない生物にありそうで、ヒトデの性質として魚の死骸が着底すると物の数分でたかるっていうのがあるけどモミジガイ類は中でも量的に顕著。
沿岸で遭遇率が高そうなのがクサフグの死骸ってことで、TTX選好性を持ったフグの体内でTTXが集積&増幅されたあと死骸となってモミジガイに捕食されるとすると一部のTTX移動の輪が閉じることになる。
夏にTTXの毒力が下がる傾向がみられるってことは体内にTTXが完全に留まってるわけではないってことになりそうだけど、モミジガイ自体の採餌活性も水温が低くなると上がって夏は下がってるような・・・
多分底質のTTXの季節変動も並行して調査する必要があると思う。
トゲモミジガイの毒力は5-6月と11-12月にピークがあるとされてるけど、5-6月についてはいくつかのフグの産卵のピークと重なるかな。
フグはヒラムシ同様卵の防衛物質としてTTXを蓄積してるとも考えられるので、モミジガイ類がフグの卵を選択的に食べるかそれらを食べる生物を食べるかして5-6月のピークが発生してる可能性を考えてもよいかも。
11-12月には同じように更に別の生物のなんらかの活動に伴ってピークが発生するのかな。(もしくはフグの死骸の多い時期だったり・・)
TTXの特性として哺乳類には味覚的に知覚しにくい?ものの魚介類は知覚して学習的に忌避することが知られてるけど、だいたいの生き物がネコマタギしてくなかでTTX選好性を持つ生物がフグの死骸を(探知して?)占有することができ採餌戦略としては効率的になる。
モミジガイ類→ボウシュウボラ→クサフグっていうのは考えにくいので、クサフグ→モミジガイ類→ボウシュウボラという方がすっきりしてそうだ。(TTXの本体は主にV. alginolyticus?)
http://jdream2.jst.go.jp/jdream/action/JD71001Disp...
モミジガイ類の腸内細菌として存在してるとなると、季節性が現れるのもうなづける。
http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/62560211/1987/3/ja
これをみるとフグなどと同じく卵巣、産出卵の毒力が際立って高いことからすると産卵直前に個体としての毒力がピークに達して産卵後はメスの毒力が下がる可能性がありそうだ。
トゲモミジガイやモミジガイについては性別があるので、毒力のピークとなるシーズン中に大きなばらつきがあることについては性差が含まれてる可能性もありそうだ。
メスの平均毒性はオスの2.5倍と資料にあるけど、シーズンによってこの差が変動するのかも。
トゲモミジガイについては12月の満月の大潮に産卵してたという情報があるので、11〜12月のピークとその後の毒力低下はこの辺で説明することもできるかな。
これらをまとめると5〜6月はフグの卵を捕食して一回目の毒力のピークが現れ夏を中心に採餌活性が鈍り特に腸内のTTX要因菌が減少。
秋になって水温が低下し始めると再び採餌活性が上がって、晩秋にかけてTTXを卵巣に貯蓄していって12月頃に産卵し年を越すとメスについては毒力がオスに近づいて平均毒性が下がるっていうモデルができあがる。
そうするTTXの体内各組織での分布パターンに季節性があるのかどうかも調べる必要が出てくる。
トゲモミジガイのライフサイクルについてはそもそも産卵期は年1回なのか不明だけど、8月上旬に撮影された放卵の様子のダイビング画像があるとこをみると(水温28〜30℃)産卵期は年二回なのか通年なのか?
年2回だとすると2回の毒力のピークは抱卵直前のピークって感じになるわけだけど、6月下旬(水温20度)にも放精のダイビングlogがあって、モミジガイについては11月に放精してる様子も撮影されてるようだ。

http://karapaia.livedoor.biz/archives/51994125.htm...
モミジガイにはモミジガイシダムシが内部寄生してるそうだけど、これは中々ヤバイ生物のようで・・・
寄主選択の特異性を検証するために、全く別のグループの生物への移植実験が試みられてるらしい。

ところでチゴガニ、コメツキガニ、ヒライソガニについて麻痺性貝毒に対する抵抗性が認められるそうだけど、これら3種はカニの中でも肉食は弱くて前2者はデトリタス食(主に泥に付着してるケイ藻をこしとって食べてるのか)で後者は雑食的な通常の採餌行動の他、顎脚を使って懸濁物質をこしとるツノヤドカリ類と同じような採餌行動を見せることもある。
季節的に大量発生する麻痺性貝毒の原因となるプランクトンを常態的に摂取することに対する抵抗性を持ってるってことかな。
肉食の強いカニの場合はPSP(麻痺性貝毒)を感知して忌避することも可能と思われるけど、デトリタス食の場合は選択的な忌避は難しいゆえの適応かと。

http://www.youtube.com/watch?v=l4Ua1C_KT3o
ここでなんとなく気になったウニ動画をペタリ


           砂の中から現れたのは・・・


           ヒモムシの一種


生物死骸を食べるのが基本だけど、ヒラムシ同様食物連鎖で毒を蓄積する種類も結構いそう…
食物探索に関してはアンモニアあたりを探知して砂の中などから出てくるのかと。
    全体像☛アッチ(画像をクリック)  


         この種類は顏のくびれが特徴の一つかな?
            (この後スタッフがおいしく・・)


      こんなとこに隠れてることもある(ミドリヒモムシ)


一見するとヒモムシっぽいけどサビシラトリの水管で、干潟の水中でびよーんと伸びて採餌してるのをときどき見かける。
画像は左手から水管を出して周囲を探ってるとこ。


                      岩の下からは2匹のヒモムシさん


                     うどんよりそばが好きです


                        動き出した


                         流しソーメンに混ぜてよし


                        ピンクヒモムシって名付けといた

ところでこれはなにかとゆいますと・・・

ケヤリ様の真の御姿だけど、アクアリストの大半は中の人の真実を知らないと思われ・・
真の姿がばれると釣り人の手による絶滅を免れえないので、漁獲民の興味を引かないフサフサ系の生物に擬態することで破滅を免れてる。

カシパン類の大雑把な体の構造と
http://bss.sfsu.edu/holzman/courses/fall02%20proje...
http://www.biolbull.org/content/169/2/431.full.pdf
http://webs.lander.edu/rsfox/invertebrates/clypeas...
実際に食物が粘液と細かい管足の動きによって流動していくのを捕えた動画。
http://www.youtube.com/watch?v=ykoYhCmiaH0
これはウンコしてるとこかな・・
http://www.youtube.com/watch?v=DIQJOrPNmbI

満潮時に斜めに刺さった状態で懸濁物質を吸着して採餌してる様子と
http://www.youtube.com/watch?v=bhbcUWfZinA
採餌様式の解説
http://www.asnailsodyssey.com/LEARNABOUT/SAND/sand...
ななめのカシパンのとこにブンブクが混じるの図
http://www.youtube.com/watch?v=MG0XgRvAVpw
ブンブクは陸上でもこの速度
http://www.youtube.com/watch?v=RbBPJSEbeMs
懸濁物質食者(suspension feeder)としてはヘビガイの仲間が有名だけど同じような採餌行動を示す生き物としては
http://www.youtube.com/watch?v=FSlq82ulSTM
http://www.youtube.com/watch?v=X8fOXVdgXSg
クラゲムシなんてのもいる。

カシパン類は大量によだれを垂らしてそのよだれに絡まった懸濁物質を漉しとって食べる生態(=surface deposit & suspension feeder)で、底生の懸濁物質食者はよくプランクトン食と誤解されることがあるけど、プランクトンと有機物とを選択的に選り分ける手段はないため基本的には有機物食の中にプランクトンも含まれる形となる。
プランクトン食の海洋の表層生物の場合は海底と比べると有機物自体が少ないので、何かをこしとって食べる=プランクトン食(=plankton feeder)と分類されやすいけど、これは捕食者の被食者に対する体の大きさの比率も包括する幾分恣意的な概念のようで、クジラがナンキョクオキアミを捕食することについてはプランクトン食と呼ばれるけど、メバルがオキアミしか食べなかったところでプランクトン食と呼ばれることはなさそうだし、最近ではヒゲクジラも結構小魚などを捕食してることが明らかになりつつある。
棘皮類でもカシパン類が主に懸濁物質食ならナマコはデトリタス食、ヒトデは主に肉食、ウニは雑食の傾向が強いかな。
河川生態学では川虫を中心にShredder(収集食者=流下してきた落葉などの粉砕)Predator(捕食者=肉食)Collector(収集食者=網などで有機物をキャッチ)Grazer(刈取食者=付着藻類食)という食性戦略カテゴリーわけがされてるけど、基物となる岩の川の流れに対しての位置関係の上流側(流れの当たる面)、側面(平行面)、上面、下流側の面、底面という要素と(造網、固着、匍匐など・・・)行動形態に伴う生活型に関する要素や河川形態や瀬・淵などのパッチや川底の粒径などが加わる。
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/dat/nenpo/no48/48b0/...
その辺はこの資料の冒頭にまとめられてるけど、海の生き物でいうとShredderはある意味ウニ、Predatorはヒトデ、Collectorはケヤリ・オオヘビガイ・ウミシダなど、Grazerはカサガイ類が該当しそうだ。
どちらかというとCollector的性質の強いカシパン類だけど、有機物を収集するうまい仕組みを進化させた生物に便乗する生物もいるわけで、カシパン類にはダキクモヒトデ、ウミシダにはコマチクモヒトデという口器付近にへばりついて運ばれてくる食物をかすめどりするタイプの生き物もいる。
ケヤリにはサワラビガイが付くことが知られてるけど
http://rendive.blog39.fc2.com/?q=%A5%B5%A5%EF%A5%E...
このリンクから飛ぶとサワラビガイ発見から卵塊の2・3・4・5・6週後の経過の動画が閲覧できて結構貴重な記録かな。



ウミシダの上面の口器周辺の様子・・・
採餌中は触肢の先の方からどんどんと有機物が運ばれてくる。


コマチクモヒトデがとりついてるけど、取り付くメリットは捕食の回避とベルトコンベアー式のラクチン採餌で、偶発的にクモヒトデがウミシダに取り付いたとこから歴史が始まったのかな。


裏返すと他にも取り付いてたようで、向こう側には別の人もいるようだ   


ウミシダについては恐らくサポニン系の有毒物質による防衛と思われる。
ウミシダカクレエビやウミシダウバウオが付くことで知られるけど、ウバウオの仲間も粘液系の毒を体表から分泌することで知られてる。
ちなみにウミシダの天敵はマンジュウガニ類で、彼らの毒蓄積のプロセスに一役買ってると思われれる。
他にも肉食性の巻貝の“何か”に襲われてる可能性がありそうだ。
同所的なカコボラなんかは充分怪しいけど・・・・


コマチクモヒトデを裏返すとこんな・・
寄生しないと採餌出来ないわけではなくて、被食率が大きく上がってしまうだけなので飼育は可能。
餌は懸濁物質なのでOFの濾過槽に入れとけば維持できるかも。   


  コマチガニは自分の操縦してるウミシダが撃破されると別の機体に乗り換える


        運ばれてくるチマチマしたものを摘まむのに適したハサミ


                   裏面はこんな

http://reu-o.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-5...
ミツハコマチガニはコマチガニよりは少ないそうで、識別も容易ではないそうな


      イソガニのメガロパがウミシダに着底してた


    側縁の鋸歯が成長しても保存されるってことで・・・


                 二人は仲良し      


                ぐりとぐらでした

                    ついでに・・・

                            ふつうのクモヒトデ

ウミシダは行動など見るとカシパン類とは違うフジツボやカメノテに近い感じのタイプの懸濁物質食のようで、懸濁状態になると活性化してウニウニ動き出す。
ウミシダと同所的な懸濁物質食の固着性の生物との違いは移動力を持ってることで
http://www.youtube.com/watch?v=OHj6e9Krtfw
http://www.youtube.com/watch?v=S-FPc14ovDM
ウミシダの遊泳
http://www.youtube.com/watch?v=rGsyJ1YNkEM
歩行
http://www.youtube.com/watch?v=pWAJYJp3w8A
ついでに産卵動画

棘皮類はカクレエビや小型のカニの住処となるほかヤドリニナの寄主となることも多く、テツイロナマコにはテツイロナマコヤドリニナがいるらしいけど・・・一体どこに?
トゲモミジヒトデヤドリニナはスナヒトデやモミジガイ類に多数ついてることも多くて比較的見やすい方かな。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/hp/sasaki/sasaki/0165....
寄生性の巻貝の中には殻を失ったものもいて Asterophila japonica は完全に異形で、ウスモミジガイやスナイトマキから見つかってるとのこと。
性的2型が著しくてオスはメスの偽外套に付着とある。
http://caliban.mpiz-koeln.mpg.de/brehm/band10/high...
こちらは何が何やら・・・

             トゲモミジガイ率いるモミジガイブラザーズ

トゲモミジガイはフグ毒を持ってるのが知られてるけど、こやつを食べる肉食巻貝もTTX(=いわゆるフグ毒)持ちになるので要注意。
オランジェットのような色合いで、ついつい食べたくなってしまうのはわからなくもない。


             トゲモミジヒトデヤドリニナは外部寄生だけど・・・

                一方・・・

アカヒトデヤドリニナの下の方に伸びてるのは癒着器官だろうか?


いくつかのほかの生物に“宿る”貝類がここにリストアップされてるけど、
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/hp/sasaki/sasaki/0151....
リストにないもので面白いものはホヤの中に埋没してくらすタマエガイなどか。

下の二つはタマエガイがとりついてたホヤの切断面。   


カシパン類の採餌システムはよく考えると人間の口から喉にかけての働きと大差ないような・・・
口から喉がカシパンで腸がナマコってことになる。
ちなみにこのカシパン類のよだれは、体全体から分泌して海底近くに滞ってる有機物を付着させながら上面から外周を通って下面に巻き込んでいく仕掛けになってて、生時はヌメリゴチのようにぬめってたり背中側に大量に泥がついてたりすることもある。


ハスノハカシパンが大量に粘液を出したとこ(上から上面/下面/上面/下面/真横で3・4枚目が食事モード)

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/museum/ouroboros/07_02...
ここの下の方にヒラタブンブクとトウカムリの共進化の歴史が書かれてて、ブンブクやカシパン類の天敵としてはほかにヤツデスナヒトデのような大型ヒトデもいる。
http://www.youtube.com/watch?v=6V6hrd8fbqQ
ヤツデと付いてる割には腕は8本でないことが多くて、棘皮類にとっては基本的な数になってる5の倍数ではない中途半端な数になることが知られてる。
本来は浅瀬のヒトデではないけど刺し網にかかって捨てられる関係で砂底の漁港に定着してることもある。
トガリマルガザミやチビマルコガザミがヒトデやカシパン類に付くことで知られてるけど、こやつも例外ではないようだ。


       助手がおおきさを比較し、更に中に生存者がいないか確認中

共進化というとよく知られてるのはハサミの巨大化したノコギリガザミとシレナシジミ、キバウミニナ、センニンガイなどの巨大化した巻貝の話。
ちなみにオキナワアナジャコもマングローブ域で巨大化した生物だけど、ノコギリガザミに対抗してるのかどうかはよく知らない。
ノコギリガザミは砕く力に特化しててハサミの構造などをカラッパ類と比較すると面白いかな。
成長過程でハサミの大きさだけでなく単純な構成から複雑な構成に歯の形状が変わってって、よりゴツイ貝を砕く作業に便利な形状になってゆく。
http://www.youtube.com/watch?v=NHxObNkgXc8
↑オキナワアナジャコ
アナジャコと比べるとどちらかというとハサミシャコエビ寄りの攻撃可能な強力なハサミを持ってるようで、掘りながらモグラのように他の生物を捕食してるのではないかと・・・
この辺はオキナワアナジャコの巣穴への共生に特化した生物がどの程度いるかである程度予測できるわけで、ポイントは盛り土した塚の方への共生ではないっていう点。
巣穴本体に共生してる生物が少ない場合は中で肉食してる可能性が高くなる。
http://www.geocities.jp/higatakaseki/boyaki/okinaw...
化石としてよく出土するらしいけど、北陸にマングローブ林があったかと思うと胸熱。
英名はMud lobsterだけどスコーピオンロブスター(レッド・スコーピオンなど)の名称で国内のショップで売られることもあるようなので、チャンスと設備がある人は挑戦してみては?


ミゾロギジキンムシはジキンムシ類の中では普通種だけどそうはお目にかかれズ、硬い甲羅にはスベテノ災厄が封印されてる。
誤っても旅人は白い肉を引っ張り出そうとシテはならない。
白い肉を引っ張り出してしまった結果・・・

     うちの弟は呪われてこんな姿に・・・(このあとスタッフが)


         ナン星人のひみつきちを掘削していくと・・・


        石からエーテルを吸い取ってる最中のナン星人が現れる
  

ナン星人に擬態しようとしてる不貞の輩がいろいろいるようだけど・・・
やつらには腹鰭という卑猥な突起が付随してることで見分けられる。(ナン星人の全体像は画像をクリック)  


        真のナン星人には恥じらいがあるので、人目につくことはまずない


人目にはつかないものの海水浴シーズンになると接触機会があるのが・・

                ムニエール星人


海水浴場の濁った水中で時々ちきう人にスキンシップをはかってくるけど\いま足になんか触った!/と一言で片づけられてしまうさだめにある。


ぬるま湯のような環境に飽きたらず陸上に進出した個体は、時々水平方向に3枚に分裂して絶命してしまうことがある。

        2匹のヒラモミジガイの中央に生贄を捧げてはならない・・・・・

血と肉の代償として“なにかかたいもの”が等価交換される場合があり悲劇的である。

                     オイシカッタ…

              \鯉の餌やりここから/


             やっぱり鯉はカワイイ

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