「世界ナゼそこに?日本人」とカルトの問題について考えています。

バングラデシュとテロ事件

2016.07.25の放送分は以下の内容でした。

バングラデシュで貧しい子ども達のために頑張る日本人男性
南アジア・バングラデシュ人民共和国の首都・ダッカのはずれに住む36歳の日本人男性に密着!
彼は大学を卒業後バングラデシュに渡り、ストリートチルドレンや極貧家庭の子ども達に無償で食事や勉強の機会を提供する「子ども達の家」を設立。
現在では45人もの子ども達が共同生活を送っているという。
しかしいったいなぜ彼は、バングラデシュで子供たちを救うために日々奮闘しているのか?
波瀾万丈の人生ドラマに迫った!

MC:ユースケ・サンタマリア 新井恵理那
ゲスト:はしのえみ 小島瑠璃子 東貴博 渡部陽一

番組終盤、この男性の父親が「息子がバングラデシュに行くと言い出したときは反対したが、最後は本人の意思を尊重した」旨を語っているときに、画面の左上に「このVTRは6月上旬に取材したものです」との文章が表示されました。
プロが制作してゴールデンタイムに放送している番組ですから、すべての映像や字幕に演出意図があるはずです。



これは2016.07.01に発生した悲惨なテロ事件を念頭に置いてのことでしょう。

ダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件

カルト被害者出演が発覚した5月末以降、「急な番組内容変更」があり、ナイジェリアの回は謎の放送中止までなったことから、制作に余裕がないことは推測できます。
「ネタがないから今週は休みです」というわけにはいかないが文句も言われたくないので、「6月上旬に取材したからテロとか関係ないんですよ」と予防線を張ったのでしょう。
いずれにせよ、3週間前に発生したテロ事件については触れず番組は終了しました。

「世界ナゼそこに?日本人」は、ドキュメントバラエティを冠しながらも、カルト被害者の特異な人生経験に寄り添う気がなかったように、事前に想定していないテロ事件にも対応しないのでしょう。当たり障りないのが一番です。

ところが、番組ではバングラデシュは、政治的な混乱があり、貧しく、治安が悪いと強調していました。
そんな土地で活躍している日本人は尊いという演出意図なのはわかります。
それでも「バングラデシュは貧しいけれど、いい人ばかり」と描いておくべきです。
日本人だけでなく、バングラデシュ人にも当たり障りのない内容にしておくのがフェアな制作姿勢というものです。


余談
今回に限らず、被取材者で途上国支援をしている人は、調べてみるとNGOを主催していることが多くありますが、なぜか番組内では触れません。
立派な活動は宣伝すべきです。
メリットもなくテレビ出演してくれるのは、よほどのお人よしだけです。
カルト被害者まで取り上げてしまったのは、多くの在外日本人がテレビ出演に消極的だったためでしょう。

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