(魔法の)工程
目的とする事象改変を行うために組み合わせられた複数の魔法の、一つ一つの魔法処理のこと。
起動式から
魔法式を構築するという
現代魔法のスキームが形成されるにあたり、
起動式を効率よく記述するために、
魔法式を「工程」というモジュールに分解したほうが都合が良かったために作られた
便宜的な概念。
一般的には、民生用魔法は戦闘用魔法より多段階の工程が必要とされる。
よく勘違いされていることだが、魔法の工程はそれ自体が独立した魔法ではなく、工程すべてを合わせて一つの魔法となっている。
たとえば、まず地上で静止している物体を宙に浮かべて、少しの間だけ宙に浮遊静止させたのち、ゆっくりと地上に戻す『
浮遊?』という魔法では、工程は次のようになる。
【第1工程】加重系反重力魔法工程 | 物体を空中に浮かべる工程 |
【第2工程】移動系停止魔法工程 | 物体を空中に保持する工程 |
【第3工程】加重系重力制御魔法工程 | 物体をゆっくりと地上に落下させる工程 |
【第4工程】移動系停止魔法工程 | 物体に衝撃を与えず地上で停止させる工程 |
『
浮遊?』を構成しているこの4つの工程は、1つ1つが独立した魔法ではなく、4つで1つの魔法である。
初めに魔法を発動する段階で、最後の停止プロセスまでの
魔法式を構築し、
変数?を定義し終わっている。
もしこの4工程全てを賄う
魔法力がなければ、『
浮遊?』という魔法は「途中で中断」されるのではなく、「最初の工程から作用しない」。
工程が独立しているのであれば、
魔法力が足りなくなった時点で魔法は中断されるはずで、実際にはそうはならないことが、工程全てを合わせて一つの魔法であり、工程はあくまでも魔法の一部であるということの証左である。
(出典:2巻106P,5巻8P,14巻36〜40P)