CoC界隈で活動している黒江による、クトゥルフ関係の制作物置き場。

1.KP向け情報
考古学者である乾晴彦は、縄文遺跡発掘作業の過程で偶然にも謎の金属板と、その下に隠されたヘビ人間の遺跡を発見する。
遺跡内部に入り、ヘビ人間の襲撃によって行動不能となった彼は、友人である探索者達に遺跡の調査を依頼する。
探索者達は遺跡内部や金属板についての謎を解いて真相に迫り、ついにはヘビ人間達と対決することになる。

2.NPC紹介
【乾 晴彦(いぬい はるひこ)】35歳 男性
情熱的な考古学者
STR12 DEX7 INT15 アイデア75
CON17 APP10 POW13 幸運65
SIZ13 SAN65 EDU19 知識95
HP15 MP13 回避14 DB+1d4
図書館:80% 考古学:75% 歴史:72% 人類学:70% 説得:61% 
オカルト:55% 博物学:46% 説得:70% 目星:40% 回避:40%
武器 こぶし50% 1d3+1d4
神奈川県にある御津門大学歴史学科に所属する講師。専門は考古学。
驚くべき情熱とタフネスによってフィールドワークを行う精力的な男性である。
本人はあまり表立っては言わないが、超古代文明の存在を確信しており、その証拠を見つけ出そうと日夜研究に励んでいる。
探索者達の同僚であったり、研究仲間であったり、上司であったり、個人的な知己であったりする。

【Veronica=Francesca(ヴぇろにか ふらんちぇすか)】21歳 女性
秘密多き女性
STR8 DEX15 INT10 アイデア50
CON15 APP15 POW11 幸運55
SIZ12 SAN55 EDU12 知識60
HP14 MP11 回避30 DB0
図書館:70% 母国語〈英語〉:60% 回避:60% 応急手当:59% 
クロスボウ:55% 他の言語〈日本語〉:50% オカルト:45% 目星:40% 考古学:36% 
武器 こぶし50% 1d3
クロスボウ 55% 2d6 射程100m 2R1発 耐久15
大学で宗教学を学ぶ傍ら、「セント・ジェロームの剣修道団」という秘密結社の構成員として活動する女性。
この団体はカトリック教会にルーツを持ち、神話生物(しばしば彼らはサタンと混同している)と敵対する活動を行っている。
本シナリオでは神話生物活動の痕跡を嗅ぎつけ、探索者達の前に姿を現す。アメリカ生まれ日本育ち。敬虔なカトリック教徒。
少々エキセントリックで狂信的なところがあり、都合の悪いこと、疑わしいことはすべてサタンのせいにする傾向があるが、実際人外の者を嗅ぎ分ける嗅覚は鋭い。愛称はヴェラ。
神話生物の目撃によって発狂した場合は、必ずその対象を破壊しようと試みる。

【麦島 征四郎(むぎしま せいしろう)】77歳 男性
人間社会に潜伏するヘビ人間
STR5 DEX10 INT20 アイデア99
CON12 APP13(人間時) POW15 幸運75
SIZ11 SAN65 EDU21 知識99
HP12 MP15 回避20 DB-1d4
言いくるめ:78% 考古学:68% 図書館:65% オカルト:55% 
他の言語〈アクロ語〉:48% 人類学:48%  
武器 こぶし50% 1d3-1d4   
儀礼用ナイフ 25% 1d4-1d4
装甲 1ポイントのウロコ
埋蔵文化調査財団という法人の理事であるが、その正体は年経たヘビ人間である。外見は40歳程度の少々高慢な男性に見える。
人間社会に溶け込みつつ、関東近郊のヘビ人間の支援を行っている。
本シナリオにおいては、乾が発掘作業で掘り当てた遺跡がヘビ人間の遺構であることに気付き、財団の圧力をかけて作業を中止させ、これを保護してヘビ人間達を解放しようとしている。
なお、埋蔵文化財団の麦島を名乗り、同朋の支援をしているヘビ人間は複数存在する。

【阿見 逸史(あみ いつじ)】62歳 男性
御津門大学図書館館長
STR10 DEX7 INT18 アイデア90
CON11 APP10 POW14 幸運70
SIZ17 SAN65 EDU22 知識99
HP14 MP14 回避14 DB+1d4
図書館:95% 言語学:90% 信用:88% 博物学:77% 説得:75% 
他の言語〈英語〉:70% 他の言語〈仏語〉:66% 他の言語〈ラテン語〉:58% 
他の言語〈北京語〉:55% クトゥルフ神話:8% その他すべての学問技能に+20%
武器 こぶし50% 1d3+1d4  
神奈川にある御津門大学図書館の館長。体格の良い偉丈夫であり、この種の人間にありがちな頑固な性格をしている。
御津門大学図書館は日本でも有数の蔵書数を持つ巨大な図書館である。
本人の専門は言語学で、自らも数か国語に精通する多言語話者。
御津門大学図書館には秘密の閉架書庫が存在し、館長の許可なしに閲覧することはできない。

3.導入、考古学者
シナリオの開始は関東近郊。時期はどの季節でもよい。
探索者達は神奈川の御津門大学に勤務する大学講師である乾の関係者である。
ある日、彼は探索者達を誘ってささやかな酒宴を催す。面識のない探索者達が互いに自己紹介をしたり、近況を報告し合ったりした後、乾は自らが手がけている遺跡の発掘事業について話し始める。
彼は山梨県で縄文遺跡の発掘を行っていたのだが、発掘作業が終盤に差し掛かったころ、下の地層から謎の金属板が出土した。
そこには曲線の多い未知の言語らしきものが記されていた。乾は金属板の写真を持っており、それを探索者達に見せる。
〈考古学〉〈人類学〉に成功した探索者は、これが少なくとも古今東西で人類が普通に使用していた言語ではないことが判る。
〈クトゥルフ神話〉に成功すれば、これが有史以前に用いられた可能性のある魔術的な言語である可能性に思い至るだろう。
また〈アイデア〉や〈地質学〉*2に成功すれば、銀色の金属板は腐食が少なく、もしこれが有史以前のものだとするならば、銀や銅、鉄などではなく、ステンレスのような合金なのでは、と見当がつく。
当然縄文時代に金属の精錬技術はなく、言語も(表向きには)未知のものであることから、人類史を覆す大事件(乾はこれが超古代文明の遺産ではないか、と主張する)であることは疑いようもない。
しかし興奮の内に新たな発掘作業に取り掛かろうとしたところ、突如大学当局から作業中止の令が下ったのだ、と乾は心底悔しそうに語る。
もし真相を明らかにすれば必ずや大ニュースになる。大学で表だって調査はできないが、個人でこっそり調査を行おうと彼は考えており、探索者達に手伝いを依頼する。
乾は探索者達に遺跡の場所を伝え、今週末に現地で落ち合おうと言って別れを告げる。

4.遺跡
次の週末、探索者達は山梨県の山中にある遺跡の発掘現場へと向かうだろう。ふもとの街から車で40分ほど走り、山道を30分ほど行ったところにその現場はある。
現場に向かう途中で、探索者達は同じく移籍へ向かう途中のヴェロニカと遭遇する。彼女は遺跡の存在をどこからか嗅ぎつけ、自らの組織の目的の為に調査に来たのである。
探索者達が彼女を誰何すれば、自分は宗教学を専攻する大学生であり、「セント・ジェロームの剣修道団」という結社の一員である、と誇らしげに語るだろう。
そしてこの遺跡がサタンの隠れた拠点ではないかと疑い、調査に赴いたのだ、と話す。
探索者達は彼女に対して、少しエキセントリックな人間である、という印象を受けるだろう。
ヴェロニカは探索者達の目的を尋ね、自らも遺跡の調査に同道することを提案する。探索者達が渋れば自らの知識が役に立つことをアピールするし、断っても勝手についてくるだろう。
周囲は広葉樹の森であり、直径は60mほどの円形の広場である。縄文遺跡の発掘はほとんど終了しており、表面から1mほど掘り下げられた地表が露出している。
これ自体は特に(文化的に貴重ではあるが)変わったところのない縄文遺跡であるが、広場の中央付近に一段低くなった場所があり、そこに50cm四方程度の金属板がある。
金属板は鋼とほぼ同等の硬さを持っており、表面には写真で見たものと同様の文字が刻印されている。
乾に見せてもらった写真とこの金属板が同一のものだということはすぐに判る。この文字がどのような意味を持つかは後の項目で述べる。
金属板付近に乾はおらず、代わりに金属板の手前、人ひとりが通れるくらいの穴が開いていて、地下へ続く石階段が見える。
〈聞き耳〉に成功した探索者は、地下からうめき声が聞こえることに気付くだろう。また、この場所でいくら待っていても乾はやってこない。彼は地下にいるからである。
階段の高さはおおよそ4mほど。建物で言えば1階から地下1階に下りて行くのと同じぐらいの深さである。階段を降りると、そこは奥行12m、幅8m、高さ4mほどの玄室である。
部屋の左右には四角柱の巨大な柱が3本ずつ。その柱の間に青い棺が5つ。正面にはカクテルグラスのような形をした金属でできた直径40cmほどの水盤。その奥には入り口の金属板と同様の文字が刻まれた重厚な石の扉がある。
この空間はさらに下層にあるヘビ人間の遺跡へとつながる部屋である。遺跡には約1万年前、石器時代に人間との争いに敗れたヘビ人間約100体が休眠状態にある。この部屋は、奥の遺跡を護る戦士たちのものなのである。
この遺跡は何か(近年ヘビ人間の活動が活発化していることと関係しているかもしれない)をきっかけにして休眠から目覚め、1万年の時間を経て再び地上に開放されることとなったのである。

5.遺跡内部
〈玄室および柱〉
〈知識〉や〈地質学〉*4に成功すれば、壁や柱の材質は切り出されたブロック状の花崗岩(御影石)であることが判る。
〈考古学〉に成功すれば、部屋の状態からして、ピラミッド建造よりも旧い時代のものではないかと見当がつく。
〈芸術(建築)〉や〈物理学〉に成功すれば、この部屋はいまだ十分な強度を保っているものの、現代建築のそれよりもいくらか貧弱であり、ダイナマイト程度の火力があれば崩壊させることが可能であることが判る。



〈棺〉
青いガラス製の棺であり、これを作った存在が高度なガラス加工技術を持っていたことをうかがわせる。
5つの棺の内3つには、後述の金属塊が放置されている。また、棺の中に限定して〈目星〉に成功すれば、大きめの鱗が落ちていることに気付く。
鱗はこの超古代遺跡の主であったヘビ人間のものである。〈アイデア〉等で鱗の大きさを推定すると、少なくとも人間大の大きな生物の鱗ではないかと見当がつく。
〈生物学〉に成功すればコブラに近縁の生物であることが判るだろう。

〈金属塊〉
棺と同じような直径10cm程度の水晶の球体に、金属の取手が付いており、それと直交するように6本の棒が伸びている。
有り体に言えば、銃のような形状をした金属塊である。しかし当然、リボルバーやオートマチックといった既存の拳銃とは似ても似つかない。まるでSFで宇宙人が持っている銃の様である。
これはヘビ人間の武器である破壊光線(Destructive beam)である。これを使用すると燃えるような光の塊が対象に向けて打ち出され、対象は1d10+1のダメージを受ける。
人間が使用する場合の基本命中率は5%だが、棺に放置されているものは何れも故障していて、使用することはできない。
この武器はキーパーコンパニオンp108に記載されている殺人光線(Death ray)をより取り扱いやすくした武器である。
銃把は銀の合金、水晶の内部には水銀に似たキラキラした成分不明の液体金属が詰まっている。もし探索者達がこの銃をいじりまわした場合、球体が割れて中身の液体金属が溶け出す。
〈回避〉や〈幸運〉に失敗した場合、探索者はその液体に触れてしまい、腐食性の液体に手を侵されて1ポイントの耐久力と0/1の正気度を喪失する。

〈水盤〉
入り口の金属板と同様の金属でできた水盤である。成人男性のヘソぐらいの高さがある。
〈オカルト〉に成功した探索者は、これが聖杯のような形をしていることに気が付く。つまりなんらかの魔術的な意味がある、ということである。
またPOW*3に成功した探索者は、この水盤から不思議な力を感じるかもしれない。

〈石扉〉
高さ3mほどの巨大な扉であり、到底人力で動かせるようなものではない。
〈アイデア〉に成功すれば、この扉が何らかの機構を使って開くものではないか、と予想できる。
扉の表面には入り口の金属板と同種の文字が刻まれている。

玄室内は照明が無く暗いが、奥の方に懐中電灯のものと思しき灯が付いており、男性のうめき声が聞こえる。
探索者達が近寄ると、それが乾であることに気が付く。彼はひどく負傷しており、半死半生の状態である(耐久力は2まで低下しており、意識も朦朧としている)。
その身体の数か所には焼け焦げがあり、筋組織が露出するほどの重傷である。また乾のそばには彼の荷物が投げ出されている。
知己のグロテスクな創傷を目撃した探索者は、0/1d3の正気度を喪失する。
乾は待ち合わせ時間の前に発掘現場に到着し、金属板付近の入り口に気付いた。玄室に足を踏み入れた乾が奥の扉を検分していた時に、運悪くヘビ人間達が覚醒したのである。
彼は玄室の奥に追い詰められるような形になり、ヘビ人間の破壊光線の犠牲となった。しかし持ち前のタフネスでなんとか一命を取り留めた、という訳である。
〈応急手当〉や〈医学〉を施せば乾は意識を取り戻す。しかし負傷のショックから記憶はあいまいになっており、ヘビ人間達の容姿を覚えていない。何かに襲われたような記憶がある、と述べるだけである。
ヘビ人間達は乾を襲った跡玄室を出て、現在周囲の森に潜伏している。
探索者達は乾を一刻も早く病院に送るべきであり、この場でじっくり玄室を検分するというのは、あまりにも非現実的で非人間的な行動である。
もし探索者達がそうしようとするならば、KPは再び探索の機会があるだろうということを、それとなく伝えること。

6.再調査
発掘現場での治療に成功しなくとも、乾が死ぬことは無い。負傷の原因は高エネルギーによる重度の熱傷であり、どんなことをすればこういうことになるのか見当もつかない、と担当医師は語る。
乾は処置を受けた後、一般病棟に移ることになる(治療を受けていない場合は耐久力が2d3回復する)。
相変わらず何者に襲われたかの記憶ははっきりしていないが、玄室に在ったものははっきり覚えている。アレは間違いなく超古代遺跡の一部だ。と乾は熱っぽく語る。
そして他の人間や組織に横取りされないよう、自分の代わりに調査してほしいと探索者達に懇願する。
必要があれば自分の研究室の分析機器を使用してもよいし、文字の解読についてはもしかしたら御津門大学図書館の閉架書庫に関連の資料があるかもしれないと話し、阿見館長に相談すればよい、とアドバイスする。
再び発掘現場に赴いて、玄室での調査を行った結果得られる情報は5.遺跡内部で記述した通りである。
遺物を鑑定したり、その結果を阿見館長に突きつけたりするために、いくつかのアイテムや試料、文字の写真などを持ち帰ることが期待される。
発掘現場から帰投する際、遺跡付近にいる麦島と入れ違いになる。彼こそが埋蔵文化調査財団の理事であり、大学当局に圧力をかけて遺跡の発掘を中止させた張本人である。
埋蔵文化調査財団は御津門大学の史学科と密接な関係を持っており、多くの卒業生も就職していることから、強い影響力を持っているのである。
彼はこの遺跡がヘビ人間のものであることに気付き、それを保護しようとしている。遺跡の金属板付近に立っていた彼は、探索者達に気付くと疑わしげに誰何する。
乞われれば自己紹介して名刺を差し出すが、探索者達に対して警戒を解かない。そしてここは歴史的に貴重な遺跡であるため、勝手に荒らさないよう警告する。
ヴェロニカは麦島を非常に警戒する。彼女は人とサタン(神話生物)を判別する鋭い嗅覚があるのだ。

7.鑑定
持ち帰った試料は乾の研究室で解析することができる。既に乾から連絡が行っており、探索者達は研究室を自由に使用することができる。
考えられる分析方法としては、試料が作られた年代を推定することだろう。〈考古学〉を用いて自分で分析してもよいし、研究室にいる大学講師に任せてもよい。
講師は御津門大学で非常勤講師として働いている天然パーマのやや清潔感に欠けた男性で、考古学にも精通している。
分析に用いるのはボルタンメトリーという分析方法である。これは試料に電圧をかけてその酸化還元の様子から年代を測定するものである。
至急である旨を伝えて分析にかければ、おおよそ6時間ほどで結果が出るだろう。遺跡から出土した物品はどれも、1万年前に加工されたものである、ということが判る。
これまで探索者達が調べてきたことが、数値的に裏付けられるわけである。これは遺跡から出土したものが考古学史を覆すものであるという強力な証拠に成り得、館長に秘密書架の閲覧を求める際の有力な根拠となる。

8.文字の分析
御津門大学図書館は午前8時から午後9時まで開館している。一般人でも登録をすれば使用することができる施設である。
乾の名前を出せば、比較的簡単に館長に取り次いでもらえるだろう。阿見館長は探索者達の目的を聞き、興味を持つ。
金属板か石扉の写真を見せれば、それが古代アクロ語であることも特定できる。
その言葉に関する資料が確かに秘密書庫の中に存在する、という事も明かしてくれる。
しかし秘密書庫には貴重(中には危険)な蔵書が数多くあり、興味本位で本を閲覧することはできない、とはっきり言う。
彼は非常に頑固な人間なので、説得するためには交渉系の技能ではなく、しっかりとした根拠を示すことが必要となる。
具体的に言えば、前項で示した年代測定のデータがそれである。当該遺跡が歴史的な大発見である証拠を示せば、館長は秘密書架への入室を許可するだろう。
秘密書架は図書館の地下3階にあり、厳重に施錠されている。大小様々な本があり、変わった装丁のもの、羊皮紙に書かれたもの、見慣れない言語や書体のものが含まれている。
その中には歴史的に貴重な書物や、いわゆる魔導書と呼ばれる本もあるだろう。経験を積んだ探索者としては興味深いものもあるかもしれないが、今回の探索行に役立つものは特にない。
特に〈図書館〉に成功せずとも、目的の本は見つかる。それはアクロ語の不完全な辞書である。これを使って探索者達は金属板の文字、石扉の文字を解読することになる。
文字の解読は、それぞれの対象に対して〈他の言語(アクロ語)〉(初期値は1%)で行う。これに不完全な辞書の使用によるボーナスを+10加える。
さらに〈考古学〉〈人類学〉を所持している探索者は、それぞれの技能値の1/5(端数切捨て)を技能値に追加してよい。
また2度目以降のチャレンジではロールに+5のボーナスが付き、以降これは累積する。
例えばヴェロニカがチャレンジする場合、1%(初期値)+10%(辞書)+7%(考古学/5)=18%でのロールとなる。ロール1度につき2時間が経過する。
解読後、参加した探索者は全員1d3の正気度を喪失し、それと同じ値の〈クトゥルフ神話〉を獲得する。また〈他の言語(アクロ語)〉にチェックを付けることができる。
解読のロールに成功した探索者の正気度減少および〈クトゥルフ神話〉の増加量は1d3+1となる。解読の成功によって開示される文章は以下の通り。
通常成功では一部解読できない単語があるが、技能ロールでスペシャルを出せば完全に解読できる。()の中は[解読不能]と表示されるべき部分である。

〈金属板〉
幾星霜を経し戦の果てに、我等終に此の地へ至る
(病み疲れし)勇敢なる子等は地下に眠り
恨み燃えし怜悧なる子等は地上に残る
今(雌伏)の時、此の屈辱に耐えるべし
此処は時代の墓にして、我等が種族の墓にあらず
(星揃い)時満ちたれば、偉大なるイグの名の下に
誇り高き子等が目を覚まし、再び(大地に覇を唱えん)

〈石扉の文字〉
この扉の先、戦の勇士が眠る
偉大なるイグの子等よ、(来るべき復讐)の時を待て
後の時代に生き残り、再び扉の前に立つべし
月の出る夜、(聖杯)を(仇敵)の生き血で満たせ
新たな時代を解き放ち、鬨の声を上げよ

金属板に書かれているのは、遺跡の役割を示すものである。ヘビ人間達は人間達との生存競争に敗れ、この地まで落ち延びた。
そして再起を期して遺跡を建造し、その中で休眠状態に入ったのである。
石扉の文章は扉の封印を解く方法について書かれている。月の出る晩、生け贄の血を捧げることで扉が開く、というものである。

9.失踪
探索者達が文字盤を解読したあたりで、病院(もしくは、乾の親族という事にしてもよい)から連絡がある。乾が病室からいなくなった、というのだ。
そして乾の行方に関して心当たりがないか探索者達に尋ねる。乾が向かった先は当然遺跡の発掘現場である。
彼は(おそらく遺跡の管理権限に関する挨拶などで訪れたと思われる)麦島から贈られた見舞いの品に仕込まれた支配血清によって操られ、遺跡へと連れ出されたのである。
このイベントはシナリオ内の時刻に関わらず発生する。もし探索者達がぴったりと乾に付き添っているようであれば、代わりにヴェロニカが拉致されたことにしてもよい。
ちなみにこの時点で事件発生から一晩が経過していた場合、ヴェロニカは在日米軍に所属している組織の支援者から横流しされたダイナマイト2つを入手している。無論、遺跡を破壊するためのものである。

10.決戦
探索者達が遺跡に向かうとそこは前述のとおり直径60mほどの広場である。中央の金属板があった場所付近にはヘビ人間の歩哨が1人立っている。
夜間であれば発見するのに双眼鏡や〈目星〉が必要になるかもしれない。歩哨は呪文によって乾の姿に変身している。
〈アイデア〉に成功した探索者は、もし彼が本物の乾であれば、重傷を負っているにしてはしっかり立っていることに気付く。
もしロールでスペシャル以上を出したならば、まるで彼が慣れないきぐるみを着ているような仕草をしていることに気付くだろう。
探索者達が歩哨に近づくと、歩哨は無言のまま探索者達を警戒する。必要であればシューシューという蛇独特の威嚇音を発するだろう。
復活したヘビ人間達はまだ人間の言葉をうまく扱えないのだ。ヘビ人間に攻撃を仕掛けたり、不意打ちで3ポイント以上のダメージを与えたりした場合、ヘビ人間は変装を解く。
もし探索者達が不審な行動をとり続けたり、歩哨を一撃で無力化できなかったりした場合は、彼は遺跡内部で作業をしている仲間を呼ぶだろう。
その場合は追加で2人のヘビ人間が出現する。うち1人は破壊光線を装備している。変装を解いたヘビ人間を目撃する、あるいは増援のヘビ人間を目撃した場合、0/1d6の正気度を喪失する。

〈描写〉
それは人の形をしていたが、人類とは明らかに異なる存在だった。
巨大な蛇が鎌首をもたげたような胴体に、長い手脚が付いている。
爬虫類独特の極めて細い瞳孔が、ギラギラとした敵意を持ってあなた達を見つめている。
それは進化の系統樹を遡り、遥か太古に生まれた知性。
旧き地上の覇者であり、失われた隆盛を取り戻さんとする復讐の徒。
星霜を超えて復活した、現存人類の敵対者。
このおぞましき種の仇敵に遭遇した探索者達は、0/1d6の正気度を喪失する。

【ヘビ人間の戦士】
STR13 DEX10 INT18 アイデア90
CON15 APP10 POW13 幸運65
SIZ13 SAN- EDU- 知識-
HP14 MP13 回避20 DB+1d4
武器 爪35% 1d4+1d4
儀礼用ナイフ 35% 1d4+1d4
破壊光線 30% 1d10+1
(遺跡内に残っているヘビ人間2体のみが所持)
噛みつき 35% 1d8+POT15の毒
ヘビ人間の毒はコブラに近縁の神経毒である。この毒のPOTへの抵抗に失敗した探索者は、1R後より運動系技能に-30のペナルティを受ける。
抵抗に成功した場合のペナルティは-10である。〈応急手当〉〈医学〉〈薬学〉に成功すれば、この値を10軽減できる。それでも放置すれば命に係わる危険な毒である。
ヘビ人間は近接武器と噛みつき攻撃の両方を一度に用いることができる。

太古の遺跡より復活したヘビ人間達。この場所で探索者達が遭遇する彼らは、遺跡の守護者のような存在である。古代ギリシャのトーガのような衣服を纏っている。
もし、ヘビ人間達に正面から戦いを挑む探索者達に対してより致命的な攻撃を加えたいというKPは、キーパーコンパニオンp108に記載されている殺人光線(Death ray)をヘビ人間達に装備させてもよい。
この武器のダメージは[30-(犠牲者のCON+装甲]にも及ぶ。

ヘビ人間達は臨機応変に遺跡から増援を繰り出す。内部で行われている行為は後述するが、基本的に遺跡内部を空にすることは無く、最低でも麦島とその他2名は残るだろう。
探索者達はダイナマイトを投擲したり、出入り口に設置して彼らを爆殺したりしてもよいし、乾の生死を問わないならば、遺跡の入り口を埋めてしまってもよい。
探索者達が歩哨や増援を突破して遺跡内部へと突入すると、そこでは奥の扉を開くための儀式が行われている。杯を血で満たす為に、麦島が乾の首に儀礼用ナイフを当てているのだ。
探索者達に気付いた麦島は会話も少なく、ヘビ人間達に探索者達を殺すよう命令する。もし探索者達が正面からの戦闘を望まないのならば、ダイナマイトの使用をちらつかせて交渉することが可能だろう。
彼らの命を保障すると嘯いて、逃げる彼らに背後からダイナマイトを投げつけてやるのも一興である。
遺跡を爆破する場合は、遺跡の耐久力を30とする。爆発によってこの耐久力が0以下になれば、遺跡は1d3Rで崩落する。
もし〈物理学〉や〈芸術(建築)〉等に成功すれば、一撃で遺跡を崩落させられるような箇所を発見できるだろう。
戦闘するとなれば、ヘビ人間達は危険な相手である。さらにうち2人は強力な武器を所持している。
また乾は支配血清により朦朧としており、探索者達に敵対するようなことは無いが、自発的に逃げることはできないだろう。
麦島を含めたヘビ人間達が逃走するか、無力化されれば戦闘は終了である。戦闘になれば、麦島は遺跡外部へ逃走しようとする。

11.後始末
事件が終結した後は、探索者達がよほどヘマを踏まない限り警察に捕捉されることは無い。現場は山奥である上、死体が出てもそれはヘビ人間のものだからである。
遺跡は爆破されていようといなかろうと、政府当局の管理下に置かれることになる。少なくとも当分の間、ヘビ人間が復活するようなことは無いだろう。
乾が死亡していなければ、再入院の後、二週間程度で退院する。彼は遺跡の真相に迫りながらもそれを完全に解明できなかったことを悔しがるが、今回の件で多少懲りた様子である。
事件を解決し、麦島を遺跡から排除した探索者達は1d6正気度ポイントを獲得する。乾とヴェロニカが生存していた場合は、それぞれ追加で1d2正気度ポイントを獲得する。

補遺:金属とガラスの歴史
人類史で初めての金属利用の痕跡は、紀元前9500年ごろのイラクにおいてである。
この頃に金属の精錬技術は存在せず、自然に純物質として自然に存在していた鉱石を用いていたようだ。銅鉱石から銅を取り出す技術はさらに3000年ほど待たねばならない。
銅と錫の合金である青銅は紀元前3000年ごろから作られはじめ、日本でその技術が普及したのは弥生時代中期(紀元前200年ごろ)であった。
金や銀が装飾品として利用されたのは、紀元前4000年〜3000年ごろであったとされている。
また本シナリオに登場する金属板は、ステンレス類似の合金である。
ステンレス鋼は鉄を主成分とし、クロム、ニッケル等を含む耐食性の強い合金であるが、耐食性の鉄合金が歴史に登場したのは紀元前400年ごろのインドにおいてである。
しかしおそらくこれは偶然の産物と、気候によるものだと考えられる。現在使われているようなステンレス鋼は20世紀初頭に開発された。

溶岩がガラス化した黒曜石などは、石器時代から用いられていた。
我々がイメージするいわゆるガラスはエジプトやメソポタミアにおいて、紀元前4000年ごろから製造が開始された。
加工技術が発達し、板ガラスが作られるようになったのは紀元前100年ごろであると言われている。
日本において発見されている最古のガラスは、弥生時代前期(紀元前300年ごろ)のものである。小さなビーズのようなもので、国内で生産されたものか海外から輸入されたものかは分かっていない。

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