CoC界隈で活動している黒江による、クトゥルフ関係の制作物置き場。


あらすじ
ふとしたきっかけで訪れた島で、探索者たちは村の歴史と生活をめぐる大きな事件に巻き込まれる。

NPC紹介

【魚沼 賢治(うおぬま けんじ)】38歳 男性 
魚ヶ島村の村長・民宿の主人
STR:6 DEX:14 INT:15 アイデア:75
CON:13 APP:15 POW:10  幸 運:50
SIZ:12 SAN:50 EDU:12 知 識:60
H P:13 M P:10 回避:28 ダメージボーナス:0
[技能]
説得:70% 製作〈料理〉:70% 聞き耳:50%
水泳:50% 博物学:40% 機械修理:40%
武器 こぶし 1d3
魚ヶ島村の村長であり、民宿の主人である男性。人間。温和な性格の細身の優男である。
父親は混血児達に対して強硬な態度を取っており、それが原因で殺害された(表向きには事故死)。
妻とは五年前に死別、娘である由美を男手一つで育てている。
混血児たちに対してはあまり快く思ってはいないものの、村全体の繁栄を考えて黙認している。
基本的に事なかれ主義。

【魚沼 由美(うおぬま ゆみ)】15歳 女性 
賢治の一人娘、探索者たちのサポート役
STR:5 DEX:14 INT:14 アイデア:70
CON:15 APP:15 POW:16  幸 運:80
SIZ:9 SAN:80 EDU:9 知 識:45
H P:12 M P:15 回避:28 ダメージボーナス:-1d4
[技能]
聞き耳:60% 隠れる:50% 忍び歩き:50% 目星:50%
水泳:50% 製作〈料理〉:40% 操縦〈船舶〉:25%
武器 こぶし 1d3
魚ヶ島村の村長である賢治の一人娘。人間。活発で好奇心旺盛。
探索者たちの案内兼世話役としてついてまわる。都会に憧れがあり、村の事情については薄々感づいた上で、恐怖を持っている。

【鶴田 浩一(つるた こういち)】38歳 男性 
村で唯一の医師、
STR:12 DEX:16 INT:16 アイデア:70
CON:8 APP:9 POW:12  幸 運:80
SIZ:13 SAN:60 EDU:20 知 識:45
H P:11 M P:12 回避:32 ダメージボーナス:+1d4
[技能]
医学:75% 応急手当:75% 生物学:50% 薬学:50%
武器 こぶし 1d3+1d4
村で唯一の医者。人間。村の出身であり、故にこの村の事情によく精通している人間のひとりである。

【神谷 亮(かみや りょう)】45歳 男性 
神主、事件の黒幕
STR:13 DEX:8 INT:14 アイデア:70
CON:7 APP:12 POW:16  幸 運:80
SIZ:13 SAN:0 EDU:15 知 識:75
H P:10 M P:16 回避:16 ダメージボーナス:+1d4
[技能]
オカルト:85% 目星:50% 聞き耳:50%
武器 こぶし 1d3+1d4
魔術 緑の深淵の落し子の召喚/従属
魚ヶ島にある住吉神社の神主。人間。島の現状を憂いて方策を探るうちに冒涜的な知識に飲み込まれ発狂。
緑の深淵の落し子を召喚して村人同士の対立を煽り、村ごと深きものの血族を葬ろうとしている。

【漆間 章造(うるま しょうぞう)】72歳 男性 
灯台守 島の真実を語るもの
STR:15 DEX:8 INT:11 アイデア:55
CON:8 APP:10 POW:13  幸 運:65
SIZ:15 SAN:65 EDU:12 知 識:60
H P:10 M P:16 回避:16 ダメージボーナス:+1d4
[技能]
こぶし:70% マーシャルアーツ〈軍隊式格闘〉:40%
目星:50% 操縦〈船舶〉:50%
魚ヶ島村の灯台守。人間。一時期海上自衛隊に勤務しており、腕っぷしは強い。
三十年ほど前に退役して島に戻ってきた。
混血児に対しては非常に嫌悪感を抱いており、何かあれば強硬な手段に出ることも辞さない、と考えている。

【大木戸 翔平(おおきど しょうへい)】33歳 男性 
村の駐在。事件の犠牲者
STR:16 DEX:10 INT:13 アイデア:65
CON:13 APP:10 POW:13  幸 運:65
SIZ:14 SAN:65 EDU:16 知 識:80
H P:14 M P:13 回避:20 ダメージボーナス:+1d4
[技能]
組み付き:60% マーシャルアーツ〈柔道〉:35%
拳銃:40%
武器 ニューナンブM60 1d10 二発 故障ナンバー00
魚ヶ島村の駐在。人間。高校卒業後この村に戻ってきて駐在をやっている男性。
村の事情についてある程度理解しており、大規模な衝突が起きないよう気を配る調整役を買って出ている。

・魚ヶ島
太平洋沖に浮かぶ3平方キロメートルほどの小さな島。島の周囲は一部を除いて急峻な崖となっている。
現在二百人ほどの村民が住んでいる。
亜熱帯気候で一年中温暖な島である。
主な産業は漁業。また自給自足できる程度の農業や牧畜も営んでいる。
周囲の島や本土との連絡は少なく三日に一度の定期連絡便があるのみである。携帯の電波は通じない。
この島は数十年ほど前から深きものによって侵食されており、現在住民の四割に当たる80名ほどが深きものとの混血となっている。
血族は主として島の西側に居住し、成長して変異が進んだものは日中ほとんど表に出ない。
また変異のそれほど進んでいないものは、漁に出たり水産加工場で働いたりしている。
彼らは繁殖のために、まだ変異の進んでいない若い娘を、東側の村落や観光客のもとに送り、誘惑している。
彼らの魔術によって島の漁業は大漁を保障されており、村民としても彼らを必要としている部分が有るため、
混血でない村民の過半数は彼らを疎ましく思いつつも、現在まで大きな衝突には至っていない。
しかし一部の住民は混血児たちに恐れとも憎しみともつかない感情を抱いており、
その過激派ともいえる住民たちの存在が本シナリオで起こる惨劇のきっかけの一つとなる。



・港
魚ヶ島中央部。漁港として使われているほか、四日に一度来る定期連絡便が発着する船着場でもある。
近くに水産加工場があり、とれた魚は缶詰や干物にして出荷される。
また十数隻の漁船が停泊しており、これは探索者達がこの島から脱出手段となりうる。
水産加工場で働く者の多くは深きものの混血であり、多少なりとも変異が進行している。
ここで働くものは探索者たちをあまりなかに入れたがらないだろう。
加工場は夜間のみ操業しており、昼間にここを通った探索者達は人がいないことを奇異に思うかもしれない。
変異が進んだ混血児を夜間で歩くなどして目撃した探索者は0/1d2の正気度喪失。

・集落
魚ヶ島中央東部。主に混血でない普通の村民が暮らす集落である。
この集落に暮らす村人は基本的に親切だが、村の西側の集落についてはあまり答えたがらず言葉を濁し、西の集落に行かないよう、また夜間に出歩かないよう忠告する。
南の方には探索者たちが泊まる民宿『魚人(うおんちゅ)』がある。
民宿の主人は村長も兼ねている。
また集落の北の方には診療所と商店がある。焦点は食料品や雑貨を扱っているが、本土のような品揃えは望むべくもない。

〈魚人(ウォンチュー)〉
集落,瞭遏5ヶ島村に唯一ある宿泊施設、木造二階建ての小規模な民宿である。
村長である魚沼賢治が主人をしている。探索者達は滞在中ここに宿泊することとなる。
料理は新鮮な海鮮料理をメインに、島で取れるアシタバのおひたしなどが出される。
魚人の二階は宿泊部屋、一階は大浴場と食堂である。

〈診療所〉
集落,遼漫B爾罵0譴琉緡典ヾ悄D疆弔医師をしている。
落ち着いた環境と専門的な医療器具などがあり、ここで治療をすればファンブルが出ない限り医学が成功する。
しかし専門的な分析機器などは置いていない。
診療所の棚にはカルテなどがあり、この村で死亡した患者や病を受けた患者のデータが保存されている。
混血児たちは病気やケガに強いため、村の西側に住む人間のカルテはほとんどない。
また鶴田が取り寄せたインスマス病に関する論文や、遺伝子疾患に関する本が棚に置いてある。

・学校
魚ヶ島東部。島で唯一の教育機関。二名の教員が働いている。
一応校庭があり、やや高い位置にあるので、災害時などの際は村民はここへ避難することになっている。
村の西側に住む村民の子供もここへ通う。生徒数は小学生・中学生合わせて15人程度。

・発電所
魚ヶ島東部。村の電力を一手に担っている小型の火力発電所。
逆に言えば、ここを破壊された場合、村の電気系統は全てダウンすることになる。
周囲には金網が張り巡らされており、侵入は簡単ではない。

・神社
魚ヶ島北東部。住吉神社という名前で、水の神を祀っている。簡素な拝殿と社務所兼住所がある。
住吉神社は底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、表筒男命(うわつつのおのみこと)と呼ばれる三柱の神を祀っており、海の神、航海の神、また和歌の神とされる。
深きものによる侵食が始まってから、祭事はないがしろにされており、神社もそれほど手入れが行き届いていない様子である。
神主の名前は神谷。普段は社務所に詰めていか境内の掃除をしている。
社務所の中には、神社の歴史について書かれた巻物がある。
だいたいは役に立たないものであるが、図書館ロールか母国語ロールに成功すると、以下のような記述が目に入る。
『水底の血族あり。村衰えしとき、富をもたらすものなれど、血に穢れをもたらすもの也。深き淵より出ずるものあり。姿悍ましきものなれど、水底の血族を除く助けとなるもの也』
水底の血族は深きもののこと、の深き淵より出ずるものは緑の深淵の落とし子のことである。
つまりこの村では、過去に村を侵食していた深きものどもを、緑の深淵の落とし子を使役して追放した過去があるということを示している。

・灯台
魚ヶ島南東。古いタイプの灯台であり、常に一人の灯台守がここに詰めている。
この灯台に上ると島の全景を見わたすことができる。
ここから村を見た探索者達は集落ごとに家の様子が異なることに気が付くだろう。
△僚戸遒廊,僚戸遒茲蠏物が幾分立派で、の集落は逆に手入れをされていないように見える。
また、途切れた道の先は洞窟になっていることがわかる。

・駐在所
港を見渡せる位置にある駐在所。駐在の大木戸が詰めている。ここを通過して集落△諒へ向かうと呼び止められて注意喚起される。
集落△諒はあまりよそ者を歓迎しない住民が多いので、トラブルにならないよう、あまり近づかない方が良い、と。

・集落
魚ヶ島西側。ここは混血児の中でも比較的変異が進んでいない若いものが生活している。
一日目に探索者たちのところに来た若い娘達もここで生活している。基本的には排他的でよそ者が入るのを歓迎しない。
村人にジロジロと監視させて、あまりここに長居しないように警告させるとよい。
確かにこの場所は怪しく、探索者達の興味をそそる場所であるかもしれないが、混血児は現在のところ積極的な悪事をなしているわけでは無い。

・集落
魚ヶ島西側。ここは混血児の中でもかなり変異の進んだものが生活している。
彼らは日光を嫌い日中は表に出ない。窓にも板張りがされている。
探索者達がうろついているとふと視線を感じる。目星とアイデアの組み合わせロールに成功すると、
変異の進んだ混血児に見られていることに気付き、0/1d3の正気度を喪失する。

・途切れた道の向こう
魚ヶ島西側。途切れた道の途中には、集落△亮禺圓二名警備にあたっており、先に進まないように警告される。
この道の向こうは海へと続くトンネル状の洞窟になっていて、その奥にはクトゥルフの寵愛を受けしものが潜んでいるのである。
道を迂回するか警備をうまくだますなどしてすり抜けた無謀な探索者は、人のモノとも獣のモノともつかぬ不気味な咆哮を聞いて0/1d3の正気度を喪失する。
さらに進むならば、クトゥルフの寵愛を受けしものに発見され、戦闘になる。探索者達にほとんど勝ち目はないだろう。

【魚ヶ島村の一般的な住民】 
STR:10 DEX:10 INT:13 アイデア:55
CON:10 APP:10 POW:10  幸 運:65
SIZ:13 SAN:50or0 EDU:10 知 識:60
H P:12 M P:10 回避:20 ダメージボーナス:0
[技能]
こぶし:50% 1d3
もり(武装している場合):30% 1d6

基本的に通常の住民も、混血児も同じような能力値を持った存在として扱う。

1.導入
物語は島に向かう船の上から始まる。探索者達がのる船は小さいものの一応船室がついた中規模のものである。

探索者たちは魚ヶ島へ旅行者としてやってくる。人気のない島でゆっくりと、あるいはビーチでのんびりと、また、噂で聞く島の若い女性を目当てにやってくるのかもしれない。
探索者たちは相互に知り合いであってもいいし、そうでなくても構わない。
知り合いでない場合は自己紹介などをしてもいいだろう。
どのみち宿で合流するので、話しかけさせてもいいし、そうしなくても別段問題は無い。

魚ヶ島は本土から船を乗り継いで15時間程度の孤島である。
探索者たちは昨夜に本土を出発し、船内で一泊、シナリオが開始されるのは朝頃だろう。
島に着くのは午前十時ごろである。

2.上陸
船が港に入ると、ひとりの男性と女の子が迎えに来ている。
この村の村長兼宿の主人である魚沼賢治とその娘である魚沼由美である。
彼らは探索者たちを集落,量噂鼻惶人(ウォンチュー)』に連れて行く。
探索者たちが互いに知り合いでなければ、宿で昼食をとっている間に自己紹介させてもいい。
賢治と由美が挨拶をし、村の簡単な地理を説明してくれる。
その際、村の西側については、排他的な住民が多いのであまり近寄らないよう忠告される。
一日目の午前は探索者達に海で遊ぶよう促すといいだろう。
探索者同士の絆を深めるいい機会であるし、平和的な日常の演出にもなる。
また、探索者達が海に行く際、由美が付いてこようとする。
村には娯楽も少なく遊び相手もいないため、探索者達に構って欲しいのである。

3.村
探索者たちは午後に村を回る機会がある。
島は非常に小さいので、端から橋まで歩いても三十分程度しかかからない。
村の各施設に関しては上記参照。
神社には神谷がおり、境内の掃除をしている。彼が居る住吉神社は水を祀る神であると教えてくれる。
村の事情について彼はよく知っているが、あまり話したがらない。探索者が望めば社務所にある資料を見せてくれる。
説得や言いくるめに成功した場合は、ごく表面的な情報について教えても良い。
灯台には漆間がいて、煙草をふかしている。
彼は深きものの血族に対して嫌悪感を抱いているため、探索者たちに関わらないよう忠告する。
それでも探索者たちが真実を聞きたがるならば、西の集落に行って見ればいい、と言う。

4.夕食
一日目を終えた探索者たちは宿で体を休めることになる。
宿の食事は島で採れた海鮮を中心としたものである。
食事が終わると風呂を勧められる。風呂は三人程度なら一度に入れる広さである。
男性が風呂に入ると、村の若い女性が背中を流しますよ、と入ってくる。
彼女たちは深きものの血族であり、繁殖のために探索者たちを狙っているのである。
アイデアに成功した探索者はこの行動について違和感を持っても良い(「村ぐるみでこういうことをやっているのだろうか?」)
また風呂に入っていない探索者が聞き耳に成功すると、何かが破壊されるような音が北東、次いで北西ですることに気が付く。
これは神谷が緑の深遠の落とし子を使って発電所と港の船舶を破壊しているのである。
発電所が破壊された瞬間、電気は途絶え、宿は真っ暗になる。
そして探索者達は闇の中に、緑の深遠の落とし子の咆哮を聞くのである。
この突然の出来事に探索者は混乱し、0/1d3の正気度を喪失する。

探索者達は怯えながら夜を過ごすことになるだろう。
もし様子を見ようと外に出ようとした場合、賢治に強く制止される。
村の夜は深きものどもの混血児が跋扈しているためである。

5.二日目の朝
二日目の朝、朝食後に村長があわただしくしているのに気づく。
発電所と港の船がほとんど破壊され、駐在が殺害されたからである。
これらはすべて神主である神谷が自ら召喚した緑の深遠の落とし子を操って行ったことである。
探索者たちは部屋にこもっていてもいいし、村で起きている出来事について情報収集をしてもよい。
事件はすでに町中に知れ渡っている。何が起こったのかを聞けば教えてくれるだろう。
港に行くと、島の漁船の類がほとんどすべて破壊されていることに気が付く。
あくまでもほとんどであり、すべての船が完全に航行不能となっているわけでは無い。
この情報は島から脱出する際に重要となる。この時点で探索者達に気付かせてもよいし、気づかせなくてもよい。
また、注意深く破壊された場所を観察したり、聞き耳・アイデア(嗅覚として)に成功した場合は、
ナメクジが這ったような痕跡がそこここに付着していることがわかるだろう。
生物学か博物学に成功すれば、それがナマコやウミウシに似ているが、わずかな腐臭を放つ不快なものである。発電所に行くと、発電所が手ひどく破壊されて機能を停止していることがわかる。
修理には相当の機材と人員が必要になるだろう。ここにも粘液が付着している。
また、詳細に観察(目星、機械修理、電気修理)すれば、爆発物や鈍器などではなく、非常に巨大なヘビに締め上げられたように壊れていることがわかる。
そんな生物はいるはずはない。そのような奇妙な思考に至った探索者は0/1d2の正気度を喪失する。

6.駐在の死
駐在所には血痕と、巨大なナメクジが這ったような痕跡がある。
かすかな腐臭を感じるだろう。駐在の死体は集落,凌芭貼蠅鳳燭个譴討い襦

・駐在の死体
駐在の顔は苦悶に歪み、己に降りかかった理不尽を問うているように見える。
彼の味わった恐怖を感じ取った探索者は0/1d2の正気度を喪失する。
彼は神谷が操る緑の深遠の落とし子によって殺害された。
目的は村人たちに恐怖と疑心を植え付けること、状況を収拾する人物を殺害することで、村の混乱に拍車をかけることである。
鶴田の所見によれば、駐在の死因は胸部圧迫による窒息死(圧死)
死体への医学か鶴田への心理学に成功すればその所見に偽りがないことがわかる。
死体には腐臭のする液体が付着している。先ほどの医学に成功すれば、これは生体から発生する粘液であることがわかる。
粘液の調査は生物学でも可能である。しかしこんな臭いの粘液を出す生物は聞いたことがない。調べた探索者は0/1d2の正気度を喪失する。

7.灯台守の抗議
二日目の昼、探索者達が宿で昼食を摂っていると、何やら玄関付近で言い争うような声が聞こえてくる。
これは灯台守の漆間が、今回の件について深きものの混血児たちの犯行ではないかと疑っており、村長に村人の決起と犯人の徹底捜査を求めているのである。
探索者達がその場に行くと、彼はバツが悪そうに引き下がる。
そして探索者達に、詳しい話を聞きたければ灯台にこい、と言い残してその場を去る。

8.灯台守の話
探索者達が灯台を訪れると、漆間がいらだたしげにパイプをふかしている。探索者達が聞けば、彼は村についての真実を語るだろう。
この村はもともと普通の漁村だったが、大した産業もなく、村は貧しかった。
さらに子供たちは成長して街を出ていき、村の人口は減り続けた。
そこに60年ほど前から台頭してきたのが深きものの血族(漆間は彼らを水底の血族、と呼ぶ)たちである。
彼らは術を用いて村に大漁をもたらした。しかしその対価として、自らのテリトリーを確保し、自らとの交配を村に強いたのである。
現在、村の人口の四割(80人)が深きものとの混血となっている。
彼らは人間との交配を通じてその勢力を増し、この村を乗っ取ろうとしているのだと漆間は語る。
深きものとの混血となった住民は、若いころこそ普通の人間と同じ容姿をしているが、
年を経るにつれて徐々に変異し、目は離れ、顔は平面に近くなり、魚のような顔貌となる。
さらに年を経ると、完全に人間とはかけ離れた半魚人のようになり、海へと還っていく。
集落△筬はその混血児たちが多く住むため、村長やほかのまともな村民はあまり観光客を近づけたがらないのだ、と。
このような常識からかけ離れた神話の一端に触れた探索者達は、0/1d3の正気度を喪失し、クトゥルフ神話技能を2%得る。
この話は賢治と神谷も知っていることなので、探索者達が彼らに証拠を突きつけたり、強く迫ったりした場合は彼らに話させてもよい。

9.小競り合い、争い
夕方、深きものの混血児に反感を持つ村の過激派の青年たちが、集落△里△燭蠅悩血児たちとトラブルをおこし数名の死傷者が発生する。
村の緊張感が一気に高まり、まさに一触即発の状況となる。
村長やその他比較的探索者に好意的な村の住民は、探索者達に害が及ばないように、宿の中に留まるよう強く進言する。
港へ向かうと、東西の集落の住民たちが少し離れてにらみ合っている。
探索者達が彼らを説得(言いくるめ、信用)すれば、彼らはしぶしぶ退散するだろう。
もしそれに失敗しても、現時点で大規模な衝突が起こることはない。
探索者がそうしない場合は現場に居合わせた医師の鶴田や村長である賢治がその任を負う。

10.暴動、襲撃
その噂が広がるとともに、村は不穏な空気に包まれる。漆間が若者を扇動し、武装して集落◆⊇戸遶に向かう。
それを受けて混血児たちも反撃に出る。両者は港の付近で衝突する。
もし探索者達が様子を見に行くならば、今にも衝突しそうになっている両者を目撃するだろう。
彼らは非常に殺気立っているために、説得や精神分析でなだめることは不可能である。
また、両者が衝突する寸前、港に異変が訪れる。
村の異変を察知し、深きものの混血の危機に気付いた島周辺の深きものどもが港に上陸して、東の集落の住民に襲い掛かる。
そうして村は阿鼻叫喚に包まれる。やがて西からはクトゥルフの寵愛を受けしもの、東からはそれに対抗するために、神谷が操る緑の深淵の落とし子が現れる。
探索者達が宿に留まっている場合は、深きものどもに襲撃させて港の方へ追い立てるとよい。
そして探索者達はその地獄絵図のような状況の中で怪物たちを目撃し、1d6/2d10の正気度を喪失する。
またこの際に村長は自ら身を挺して探索者達を守ろうとする。村長としての責任感と、娘を思っての行動である。
そして探索者達に自分の娘を守ってくれるよう頼む。

【緑の深淵の落とし子】 
上級の独立種族
STR:40 DEX:5 INT:15 アイデア:75
CON:25 APP:- POW:20  幸 運:99
SIZ:50 SAN:- EDU:- 知 識:-
H P:38 M P:20 回避:10 ダメージボーナス:+4d6
[技能]
押しつぶし80% 4d6
偽足60% 2d6あるいは組み付き
装甲 なし。ただし通常武器のダメージ無効
毎R1d3の耐久力回復
神谷によって召喚/従属させられている神話生物。
当初の目的は島に混乱をもたらすこと、現在の目的はそれに加えて深きものの血族を根絶することである。
神谷によって操られており、神谷が意識不明もしくは死亡した場合、海にかえっていく。

それは名状しがたき深緑色の不定形。
方々に目や口などの器官を備えるものの、不規則な配置はその存在の異形を際立たせるだけだ。
周囲には狂気じみた唸り声が響き、耐えがたい悪臭が蔓延している。
それは深淵より生まれしモノ。人の知るべきでない世界より来るモノ。

そして他方には哺乳類とも魚類ともつかぬモノ。
体躯は夕に三メートルを超え、幾多の偽足とも触手ともつかないものをぶら下げている。
体表はぬるぬるとした鱗に覆われており、こちらもまた耐え難い悪臭を放っている。
頭と思しき部分から飛び出た眼球は、ただ破壊のみを望むように血走っており、
口からは聞く者の耳をつんざくような咆哮を上げている。
そして二者は互いにぶつかり合い、組合い、互いを戮殺せんと格闘しながら、あたりを破壊しつつこちらに向かってくる。
この混沌の地獄絵図を目撃した探索者達は、1d6/2d10の正気度を喪失する。

【クトゥルフの寵愛を受けし者】 
下級の奉仕種族
STR:20 DEX:10 INT:5 アイデア:25
CON:30 APP:- POW:30  幸 運:99
SIZ:30 SAN:- EDU:- 知 識:-
H P:30 M P:30 回避:20 ダメージボーナス:+2d6
[技能]
かぎ爪65% 1d6+2d6
組み付き45%
装甲5
深きものの血族の変異種であり、非常に強力な力を持つ。人間の襲撃に際して、村の西側から姿を現す。

11.賢者の選択
探索者がとりうる行動は様々だが、大まかに以下の三パターンに分かれるだろう。

1)逃亡して村の中に潜伏、事の成り行きを見届ける。
その場合は神谷の力によって村から混血児は一掃される。
混血児との戦闘が発生する可能性がある。
2)船を奪って逃走
港に行って辛うじて動く船を奪取し、機械修理や操縦〈船舶〉などを用いて外洋に脱出、救助を待つ。探索者達が港の船の存在に気付かない場合は、アイデアロールなどで気づかせてもよい。
時間がかかった場合は混血児との戦闘が発生する。
3)神谷を倒す
神社周辺にいる神谷を倒して緑の深淵の落とし子を退散させる。
戦闘によって人間の村人に多数の死傷者が出る。
村はほぼ混血児たちの支配下に置かれる。

村の中を移動した場合、40%の確率で深きものと遭遇して1d3匹の深きものと戦闘になる。

【深きもの】 
下級の奉仕種族
STR:14 DEX:10 INT:13 アイデア:65
CON:10 APP:- POW:10  幸 運:50
SIZ:16 SAN:- EDU:- 知 識:-
H P:13 M P:10 回避:20 ダメージボーナス:+1d4
[技能]
かぎ爪25% 1d6+db
装甲1 堅い皮膚と鱗
村での争いに際して周辺の海域から集まってきた深きものども。
混乱の中で興奮しており、人間と見れば襲い掛かってくるだろう。
目撃による正気度喪失は0/1d6 
ただし、クトゥルフの寵愛を受けしものを目撃している場合は、KP判断で正気度ロールをしなくてもよい。

12.エンディング
探索者達がどのような選択をしたにせよ、村での事件はやがて警察が知るところとなる。
しかしその事件の特殊性からか、世間には公表されず、利権をめぐった村人同士の内紛として処理される。
探索者達はそれ以上村での出来事に介入できないし、警察の決定に異議を唱えることもできない。
もし、探索者が村から誰かを助け出した場合は、その人間の処遇について探索者達に話し合わせるとよい。

報酬
島から生還する 1d10
魚沼 由美の生存 1d3
探索者全員の生還 1d6

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