カンバスに宿るもの
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kuroe_trpg 2016年07月02日(土) 20:51:06履歴
あらすじ
画家をしている友人からから誘いを受け、個展を訪れた探索者達は彼から相談を受ける。
「恋人の様子が最近おかしいんだ」
1.導入 芦名からの相談
探索者達が日々を過ごしていると、一通の絵ハガキが届く。
それは探索者達の友人である芦名優一からで、個展を開いたからぜひ来てほしい、というものである。
NPC
【芦名 優一（あしな ゆういち）】28歳 男性
職業 画家
STR13 DEX6 INT12 アイデア60
CON10 APP13 POW11 幸運55
SIZ15 SAN65 EDU15 知識75
HP11 MP11 回避12 DB+1d4
芸術〈絵画〉：66％ 制作〈油絵〉：65％
目星：50％
探索者の共通の友人である男性。
若くして才能ある画家で、いくつかの賞を受賞している。都内の美大を卒業している。
少々気が弱いが明朗快活で社交的な性格。佐多慶子という恋人がおり、本人は彼女にかなり執心しているようだ。
【個展会場】
駅から五分ほど歩いたところにある小さなギャラリーである。
受付があり、探索者達はそこで芦名と出会うことになる。
ギャラリー内には二十程度の作品が展示されている。作品の種類は主に絵画（油絵）である。
芸術〈絵画〉、制作〈油絵〉、あるいはアイデア/2に成功すれば、それが中々素晴らしい作品群であることがわかる。
失敗した場合はタコ足配線のように見える。
テーマは「生きづらさ」
一通り作品の解説をしたり、近況を報告しあったりした後、芦名は探索者達を食事に誘う。
〈描写〉
駅から五分ほど歩くと、小奇麗なギャラリーに到着します。
受付には、あなた達の共通の友人である芦名優子がいます。
ギャラリー内部には、二十ほどの絵画が展示されています。
モダンアートといいますか、前衛的な作品群であることは全員に理解できるでしょう。
2.芦名の悩み
近場のカフェで食事を摂ったあと、芦名はおもむろに相談に乗ってほしい、と探索者達にもちかける。
「恋人の様子が最近おかしい」
相談の内容はおおよそ以下の通り
・恋人の名前は、佐多慶子
・最近寝食を忘れて気味の悪い絵ばかり描いている
・肉体的に非常に衰弱しており、今にも死にそうである。
・性格も変わってしまった様である
・精神疾患の既往歴は無い
・失職やその他のトラブルにも心当たりはない
KP情報 絵画の呪い
絵画の呪いの完成条件や伝達条件は以下の通り。
PCが詳細に把握する必要はない。
�ゝ伺獣�70以上の芸術家による絵画の作成
�↓，虜鄒�完了後、これを見た人間から毎夜1d3のPOW吸収
�０貭衫未�POWを吸収したのち、作者の血を垂らして完成
�ご粟�した絵画を技能値70以上の芸術家に見せる
�コ┐鮓�せられたものが絵についている血液を摂取
※��が終了した時点で絵画の呪いは人間から絵画に移る。
※�イ�終了した時点で絵画の呪いは絵画から人間に移る。
KP情報
佐多慶子は呪いの絵画によって呪われた状態にある。
この呪いは才能あふれる画家（技能70以上）にのみ発動する。
この呪いはいわゆる“ミーム”であり、人間に憑依→人間が完成させた絵画に転移→その絵画を目にした新たな人間に憑依、というライフサイクルを持つ。
そのたびに力を増大させ、完全となった暁には邪神に近しい存在となるだろう。
絵画を描き、それに描き手の血を垂らすと絵は完成する。
発動条件は完成した呪いの絵画をに掛けられた血を体内に取り入れること。
絵画を完成させた犠牲者は、絵画に操られてそれを他人に見せるよう動く。
絵画の影響下から完全に逃れられるのは、呪いの転移した絵画が完全に破棄されるか、絵画から呪いがほかの人間に憑依した時である。
呪いの影響下から逃れた人間は精神的に摩耗し、鬱状態に陥るが、この状態は時間をかければ回復可能である。
呪われた場合は人格が変容し、INTとPOWが上昇する。
さらに、新たな呪いの絵画を作成すべく創作活動に没頭する。
【佐多 慶子（さた けいこ）】（呪い状態）26歳 女性
職業 画家
STR8 DEX11 INT21 アイデア99
CON10 APP14 POW21 幸運99
SIZ12 SAN65 EDU14 知識70
HP11 MP21 回避22 DB+1d4
芸術〈絵画〉：82％ 制作〈油絵〉：80％
武器 こぶし50％ 1d3+1d4
呪文 MINDBLAST 消費MP10（ルルブp284）
対象の正気度を5減らし、少なくとも一時間の間一時的狂気に陥らせる。MP対抗。
才能あふれる画家。芦名の大学の後輩であり、恋人である。
現在絵画に呪われ、創作活動に没頭中である。
元々の性格は温和でバランス感覚に優れているが、絵画の影響で冷淡且つ無感情な様子を見せている。
3.芦名のアパート
芦名のアパートはギャラリーから近い場所にある。
芦名と恋人の佐多は同棲しており、2Kの部屋を二つ借りて片方を居住スペース、もう片方をアトリエとして使用している。
まず探索者達は居住スペースへ通される。
〈居住スペースの描写〉
皆さんが画家の部屋というものについてどんなイメージを持っているかはわかりませんが、
室内は混沌としたインテリアで飾られている、という事もなく、適度な生活感にあふれた快適そうな部屋でした。
バランス感覚あふれる人間、という佐多の評価が思い起こされます。
部屋には、ソファ、コーヒーテーブル、PC、本棚には図鑑、美術雑誌、専門書や小説などがあります。
奥にはドアがあり、その部屋は寝室として利用されているようです。
寝室には特に何もない。ベッドや衣服などが整頓されて置かれているだけである。
芦名は探索者達に茶を出し、佐多と一度話をしてくると告げる。その際、不安なので誰かついてきてほしい、と探索者に話す。
全員でついて行ってもいいし、誰か部屋に残ってもよい。
居住スペースには、PCや本棚がある。
本棚を図書館や目星で調べれば、雑誌のスクラップが見つかるだろう。
雑誌のスクラップには、佐多や芦名に関する記事、彼の大学時代の師である臼井教授、彼と個人的親交がある江川の記事が収集されている。
PCのメールソフトを開けば、佐多が江川とたびたび連絡を取っているのがわかる。
ここで江川の住所がわかるが、当然パスワードが掛かっているので、開くにはコンピューター技能に成功する必要がある。
パスワードは佐多だけではなく芦名も知っている。
4.佐多のアトリエ
〈描写〉
アトリエとして使われている部屋は、もう一つの部屋に比べ、圧倒的に雑然としています。
玄関から見える芦名の占有スペースは、画材やキャンバスなどが散乱しており、入ってみると、絵具や塗料の化学的な臭いが鼻を突きます。
その部屋の奥に佐多の部屋がある。
芦名がしばらく逡巡した後にノックをすると、少し時間をおいて佐多が出てくる。
〈描写〉
佐多はやや子供っぽい風貌をした、可愛らしい女性でした。
しかし強い印象を与えるのは、その瞳。
無機物を見るような目。とでも表現すればよいのでしょうか。
面識のない皆さんに対しても、路傍の石ほどの興味を示したようには見えません。
しかしその瞳は深遠なる知性と強固な意志を宿し、いかなる異常にも陥っていないように見えました。以前の彼女とはすっかり変わってしまった、という事を除いて。
芦名は佐多に対し、心配だから一度ちゃんと話をしよう、と持ちかけるが、佐多はそれに興味を示さない。
芦名と探索者達を押しのけるように外出する。扉の鍵はかけずに出ていくので、探索者達は佐多のアトリエに入ることが出来る。
「まあいいわ。漸く次の段階に入ったところだから」
コレは絵画の作成が完了し、�△離侫А璽困貌�ったことを示している。
〈描写〉
佐多のアトリエは、明らかに異様な雰囲気を放っていました。
散乱した画材、カンバス。それから描きかけては打ち捨てられた絵画。
しかしこれらは特に不自然ではないでしょう。
異彩を放っていたのは、その絵に描かれていたもの。
あえて形容するならば、肉の渦。あるいは、沸き立つ臓物。
その悍ましいモチーフから、無数の、太い肉の触手が生えています。正体不明の生理的嫌悪。0/1d3の正気度を喪失します。
部屋のほぼ中央にはイーゼルに立てかけられた未完成の油絵がある。探索者達は数ある絵画の中で、これが最も醜悪なオーラを放っていることがわかる。
絵を見ると同時に探索者達は奇妙な脱力感を覚え、魂そのものの温度が下がってしまったような感覚に陥る。1d3のPOWを一時的に消失する。
芸術〈絵画〉や制作〈油絵〉などに成功すれば、この絵画がすでに完成しているが、何かが足りないことを感じる。
さらに宗教画のような崇拝の念を持って描かれたことに気が付く。
オカルトロールでも、宗教画のような雰囲気を感じることはできるだろう。さらに、何らかの呪術的意味合いがあることに気付くかもしれない。
この絵画に対して技能を使用した探索者は、絵と『目が合う』
〈描写〉
さて、あなたは絵を詳細に観察する。
気味の悪い絵であろうと、ただの絵だ。油絵の具で描かれた、ただの絵画だ。
それなのに、そのはずなのに。
描かれた肉塊は脈動などしていない。絵にある瞳は光を宿してなどいない。
しかしそれでも、それでもなお。
『 目 が 合 っ た 』
そう、あなたは感じる。
心臓につららを挿し込まれたような感覚。1/1d4+1の正気度を喪失する。
「口論していた際に一度絵画を破壊してみたけれど、懲りずにまた描いている」と芦名に言わせることで、未完成の絵画を破壊しても無駄であることをそれとなく伝えること。
さらに、絵画系技能、目星に成功すれば、様々な絵画の中、一つだけ筆致の違うものがあることに気が付く。
醜悪なモチーフが描かれているのは変わらないが、どうやら別人によって描かれたもののようである。「神のミーム」という題がつけられている。
その絵画には赤黒い塗料が付いており、特にロールの必要なく探索者達はそれが血だと気付く。血の付いた絵画を目撃した探索者は0/1d2の正気度を喪失する。
芦名に聞くと、これは数週間前に共通の知人であり師である臼井教授から贈られたものである、と答える。
それは佐多が豹変したのと同時期である。
おそらく探索者達は臼井教授に話を聞こうとするだろう。
臼井教授は体調を崩して療養中で、自宅にいるという事を芦名が教えてくれる。その自宅の住所も、芦名は知っている。
臼井教授は感じのいい穏やかで優しい人だ、とも教えられる。
5.臼井教授
〈描写〉
芦名のアパートから電車と徒歩で40分ほど、閑静な住宅街に臼井教授の自宅はあります。
臼井教授の自宅は、美大の教授らしく非常に個性的な住まい、というわけでもなく、ごくごく一般的な、やや広めの二階建て住宅です。
クリーム色の外壁や小さな庭はよく手入れされ、花壇では背の高いヒマワリが夏を謳歌しています。
インターホンを押すと、臼井教授が出てくる。
〈描写〉
臼井教授は感じのいい方、という話を芦名はしていたように思いますが、皆さんの受けた印象は、感じのいい、というものからはかけ離れていました。
頬はこけ、土気色の肌には白色の混じった無精ひげが生えています。落ちくぼんだ眼窩の底では、濁った瞳が猜疑の光を放っており、見る人間に威圧感を与えます。
精神分析や心理学ロールに成功すれば、彼が精神的に消耗していることがわかる。
探索者達は応接間に通されて茶を振る舞われる。
佐多の様子について心当たりを尋ねられた教授はおそらくこう答えるだろう。
「もしや、寝食を忘れて創作に没頭しているとか？」
教授もまた、アメリカの友人から絵画を贈られ、憑依された一人である。解放された後はうつ状態に陥り、通院しつつ自宅で療養している。
以下の内容を、臼井教授は熱に浮かされたように話す。絵画の呪いの伝播条件、破壊のタイミングに関する示唆が含まれているので、
改変する際はそれを損なわないよう注意すること。
「……君たちは、呪いというものを信じるかね」
「呪い、というのは正確ではない。おそらくはもっと、生命に近いもの」
臼井教授の瞳が奇妙な熱を帯び始めます。
「に、二か月ほど前、米国の友人から荷物が届いた。一枚の絵画だ」
「それには実に気味の悪い絵が描かれていた。その上、カンバスの絵には大量の乾いた血がこびりついていたのだ」
「しかしそれを見た瞬間、私は抑えようもない感情に支配された」
「その血を、自分の体内に入れたい。そのカンバスに宿るものを、自分の中に取り入れたい」
「次の瞬間、私は自分の親指の皮膚を食い破り、カンバスの乾いた血に流血する親指を押し付けていた」
「それが、絵を完成させる前の私の最後の記憶だ」
老画家の瞳は、話す内容も相まって、すでに狂気すら帯びているように感じられました。
皆さんの話や相槌も聞いているのかいないのか、教授は熱に浮かされたように話を続けます。
「そこからの記憶はほとんどない。何やらずっと絵を描いていたような気がする」
「描き上げた絵画を前にして、手首を深く切り、その絵に大量の血を注いでいるところで私は自分を取り戻した」
そこまで話して息が切れたのか、臼井教授は浮かせた腰をすとんと落として、深く息を突きました。
「それがその絵画の完成だったのだ」
「もう一度言う。その時に呪いの絵画は完成したのだ」
「私は自分を取り戻した。しかしなぜか、目の前の絵画が、悍ましい絵の描かれた血まみれの絵画が、この上なく美しいものに感じた。」
「まだ私は完全に呪いの影響を脱していなかったのだろう。身体が言うことを聞かなかった」
「金縛りのような気分で、私は自分の身体が佐多君に絵を見せに行くのを眺めていたよ」
「佐多君がこの絵画を見て、愛おしそうに抱くのを見た後、私は気を失った……」
この常軌を逸した話を聞いた皆さんは、0/1d3の正気度を喪失します。
しばらくすると、臼井教授は疲れたのか、話を打ち切ろうとする。
「呪いの絵画を破壊してくれ。タイミングを誤ってはいけない」
【臼井 正英（うすい まさひで）】61歳 男性
職業 大学教授
STR5 DEX10 INT16 アイデア80
CON8 APP8 POW10 幸運50
SIZ14 SAN25 EDU20 知識99
HP11 MP10 回避20 DB0
芸術〈絵画〉：80％ 制作〈油絵〉：78％
武器 こぶし50％ 1d3
美術界では比較的有名な画家であり、芦名と佐多が通っていた美術大学の教授である。
6.情報収集
探索者が図書館に向かい、図書館ロールに成功した場合以下の情報が得られる。
ミームについては生物学ロールや知識の半分、インターネット検索での情報を出してもよい。
・佐多や江川は新進気鋭の画家であり、一般紙の文芸欄でも記事が掛かれるほどである。（新聞記事）
・ミームについて（呪いについて、ミームについて）
【ミーム（meme）】
ミームは遺伝子との類推から生まれた概念である。
情報を遺伝子と同様の自己複製子と考えると、それは人間やメディアを媒介してあたかも生物であるかのように伝播し、拡散していく。
生物同様、それは当然「進化」することもある。文化や都市伝説、呪いもミームとして定義されることがある。
このあたりになれば午後もかなり遅い時間になり、探索は明日へと持ち越される可能性が高いだろう。
またこの時点で、芦名に頼んでアパートのPCを調べたり、その上で江川の住所を尋ねたりすることも可能だろう。
7.江川の自宅
江川は都内にある小奇麗なマンションに住んでいる。
また、直近に佐多から江川に対して、
「見せたいものがある」というメールを送っていることがわかる。
江川の自宅は小奇麗なマンションの一室である。
江川の自宅に入るには、芦名を連れたうえで、説得、信用のロールに成功する必要がある。臼井教授を連れて行けば+30でロールができる。
事前にコンタクトを取った場合、江川は「佐多から『近々見せたいものがある』というメールを受け取った」
「その作品について途中でもいいから見せてほしい、と言ったが『完成品でないと意味がない』と言われた」などと話す。
一日目の夕方、佐多から江川に『明日の十時に絵を見せたい』と連絡が入る。
【江川 有紗（えがわ ありさ）】 30歳 女性
職業 画家
STR10 DEX13 INT15 アイデア99
CON10 APP15 POW12 幸運99
SIZ14 SAN60 EDU14 知識70
HP12 MP12 回避26 DB0
芸術〈絵画〉：84％ 制作〈油絵〉：81％
武器 こぶし50％ 1d3
美術界で頭角を現しつつある気鋭の画家。佐多と面識があり、時折PCメールでやり取りをしている。
臼井教授とは面識がないが、有名な画家なので顔と名前は知っている。
8.悪夢
探索一日目が終了、もしくは午前零時を回ったとき、探索者はこの夢（白昼夢）を見る。
〈描写〉
あなたは夢を見る。
音のない夢。立体感のない夢。
あなたは絵画の中だ。昼間に見た、肉の渦の中。沸き立つ臓物の胎内。
逃げようともがくが、逃げられない。赤黒い絵の具で塗り込められる。
血だ。血で塗り込められている。
濃厚な血の臭いが鼻腔から最短距離で脳に届く。
音のない夢だ。あなたの叫びは聞こえない。
立体感のない夢だ。出ることは叶わない。
赤黒い夢だ。全身の穴から生臭い血液が流れ込む。
狂気で心臓が圧搾され、はじけ飛んだ衝撃であなたは目を覚ました。
……心臓は早鐘のように打っている。打っているようだ。潰れてはいない。
生々しい狂気が、いまだ夢の残滓として脳にこびりついている。0/1d3の正気度を喪失する。
また、精神的に激しい疲労を覚える。1d3のPOWを一時的に消失する。
9.絵画の破棄
翌日になると、芦名から探索者にメールが来る。
『例の絵が完成しそうだ』
その文面からは非常な不安が感じ取れる。非常に心細い様子なのがわかるだろう。
芦名の自宅へ行くと、佐多はまたしてもアトリエに詰め、芦名は居住スペースの方で不安そうにしている。
PCを調べると江川という女性と時折やり取りしていたことがわかり、彼女の住所も判明する。
絵画を完成するための作業が終了するのは一日目の午後五時ごろ。油絵具が渇いて絵画が真に完成するのは午前0時頃である。
朝九時頃、佐多は絵画を持って外出する。絵を直接見せるために江川の家を訪れるのである。
江川の家はアパートから30分ぐらいのところにある。
尾行しようと思えば容易にできる。
呪いの絵画を破棄するためにはいくつか方法がある。
・完成した直後に佐多のアトリエに侵入、襲撃して絵画を強奪する。
この場合、絵画系技能の高い（70％以上）探索者は絵画を見ることで呪いに感染する危険がある。佐多と戦闘にもなるだろう。
・佐多が移動中に襲撃、絵画を強奪する
佐多と戦闘になる。警察を呼ばれるリスクがある。
・佐多を江川の自宅の中で襲撃する。
佐多と戦闘になる。
・佐多が江川に絵画を渡したのち、江川から絵画を回収する。
江川に佐多の絵画を見ないように言い含めておかないと、江川が絵画を見てしまう危険がある。
戦闘になれば非力な佐多はマインドブラストを使用してくる。
江川は戦闘には参加しない。
絵画を回収すればシナリオ終了である。
誰も傷つけずに回収するのが最良。
佐多との戦闘の末回収すれば次善。
江川を含む誰かが呪いにかかったり、佐多を殺害してしまうとバッドエンドである。
絵画を破壊した場合には、破壊した探索者、もしくは一番近くにいた探索者は0/1d6の正気度喪失。
〈描写〉
あなたは、断末魔を聞いたような気がした。この絵の中にある何か、『カンバスに宿るもの』、その末期の叫び。
ふと透明で巨大な手が伸びてきて、あなたの全身を魂ごと鷲掴みにした。
あなたの正気を握りつぶさんとする、最期の一撃を、あるいは加えようとしたのかもしれない。
しかしその寸前、あなたを捕えているものから力が抜ける。
目の前の狂気があなたの魂を目掛けて放った一矢は、その心の臓寸前で止まり、落ちた。
身が凍るような瞬間の殺意。あなたは0/1d6の正気度を喪失する。
〈Good用エンディング〉
さて、皆さんは無事絵画を回収、破棄することが出来ました。
その後江川にも異常はなく、佐多は精神的に衰弱こそしましたが、芦名の献身的な支えによって徐々に元気を取り戻しつつあるようです。
皆さんはお二人の幸せを願ったりするのでしょうか。
人から人へ移っていく絵画の呪い、徐々に完成していく、カンバスに宿るもの……。
もしそれが完璧なものになっていたら、一体どうなっていたのか、それは想像の域を出ませんが。
皆さんは、なにか恐ろしい災厄を、未然に防いだのかもしれませんね。
おめでとうございます。そして、お疲れ様でした。
〈Bad用エンディング〉
その後、皆さんは江川（あるいは、呪われた探索者）が失踪したという話を聞きます。彼女は何処へ行ったのか、それは誰も知りません。
人から人へ移っていく絵画の呪い。徐々に完成していく、カンバスにやどるもの……。
もしそれが完璧なものになっていたら、一体どうなるのか、それは想像の域を出ませんが。
あるいは、未曽有の災厄となり、人々を襲う事も、もしやあるのでは。
そんな不安が、皆さんに襲い掛かります。
ともあれ、事件は終わりました。
皆さんに安息はないでしょう。だって次なる狂気が、すぐそばに口を開けているのですから。
報酬
絵画を回収する 1d6
佐多を無傷で正気に戻す 1d3
佐多を殺害する -1d4
呪いを野に放つ -1d4
呪いを受ける -1d20
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