SS投稿スレッド

0 zz_roba zz_roba - 18/03/12 02:40:36

SS投稿スレッドです。

  • 113 yail0 yail0 - 18/04/20 02:59:54

    (1/3)

    4月6日、曇。
    普通の日々と変わらない日だった。銃を撃って、隠れて、何かが爆発する音と悲鳴を聞いて、戦線を守る。もう守る、というか戦線で住んでる気もするが、どうでもいい。今日も他の日と同じく俺は生き残ったんた。
    あ、でも一つは違ったことがあったな。遠かったのであんまりちゃんと見えなかったが、例のアンドロイド部隊の動きが見えた。銀髪の女の子たちが戦場で揃ってる姿とか一体誰の趣味なのか、本当わからん。

    4月12日、晴。
    少女との出会いーと言ったら面白いかも知れないが、違う。アンドロイドの奴と初めて会話した。補給とかの理由だったな。
    例のアンドロイドが一匹来て、なんだっけ、何かの錯誤で奴らの所に届くべきだった物資がここに来たようとか、そんな事を言って。でもあいにくここでは全然知らない事だ。「物資が来るまでここで待ってみるのは?」と冗談したら「分かりました。そう伝えます。」と真面目に答えてる。つまらない。

    4月13日、晴。
    奴が行かない。一応待ってみるのは?と言ったのが命令のように受かれたようだ。臨時にこの部隊の下に転属した、とか言ってる。何らかの方法ーその猫の耳みたいなアンテナで、かなーで通信して許可をとったらしい。どうでも良かったのでそうしろと言った。バカバカしく真面目な奴だ。
    昼頃には転入してきた可愛らしい「女の子」に部隊のバカどもが興味を持って色んな事を語ったようだが、奴がそんな話を理解したかはわからない。

    4月15日、晴。
    アンドロイドの奴が俺に作戦以外の事を聞いた。珍しい。故郷って何か、花って何か、歌って何か…ある兵士が見せた家族の写真についてそれがどんな意味を持つのか、などなどつまらないものばっかり。こういう質問は初めてだったのでどう答えるか悩んだが、話す途中からうっかりガチになって喋りすぎた。なんか恥ずかしくなって中途半端なところで切って戦闘の話に戻った。
    奴が何だか笑いながら聞いてたからムカつく。

  • 114 yail0 yail0 - 18/04/20 03:00:38

    (2/3)

    4月20日、曇。
    戦況がかなり悪くなった。アンドロイド奴らへの物資どころか、俺らのも全然来ない。本部からの連絡もどんどんなくなってる。ここで何かを決めるべき時が来たという事だった。
    そこで、退却することにしたんだが、アンドロイド部隊との連絡も取れなくなったのがまた問題だった。でも奴にどうするか意見を聞いても「命令なら従うだけです。」と答えるだけだったので、一応一緒に行動することにした。

    4月21日、雨。
    奴はアンドロイド部隊の壊滅を報告した。例の電波とかで確認したようだ。この話に俺はどう反応すればいいかわからなかった。彼女が人間を知らない以上に、俺らはアンドロイドにどう対すれば良いかを知らなかったようだ。
    どうしよもない表情で報告を聞く俺に「大丈夫です。配慮はいりません。みんな道具として作られたんです。」と奴は言った。「少なくともお前はこの部隊の一員で…道具じゃない。」としか答えられなかった。

    4月27日、雨。
    もう戦争がどうなってるのか、それすらわからなくなった。多分他の部隊を襲った敵は俺らもほっといてくれなかった。撤退の間の敵襲には必死に抵抗したが結果的に部隊の半分以上がなくなった。
    もう作戦とかは全然できないただの敗残兵の集まりになった。
    少し休める時に、このどうでも良い日誌を書きながらため息してたら、彼女が近づいて、何も喋らずそばに居続いてた。
    不思議な奴だな。
    一体何を考えてるのか。

  • 115 yail0 yail0 - 18/04/20 03:01:29

    (3/3)

    皮肉にも、指揮官の俺は誰一人も守れなかった。皮肉にも、鉄の人形は爆発からどうでも良い人間を守ってくれた。
    4月29日、曇。
    こないだの爆撃から逃げる時、みんなバラバラになってしまった。「ーか?」煙が済んだ後、彼女が何かを言おうとしたが、ちゃんと聞こえなかった。それを言ったら彼女は「ーました、分かりました」と言てる。それは配慮なのか、と俺が乾いた笑顔で言ったら、俺が悲しいからそう見えたのか、悲しい表情で、彼女は答えた。「違います、違います。」と。

    ​曇。
    「ー教えてください。」
    彼女はそう言った。何について?と聞いたら、「古郷に、家族について教えてください。」と言ってる。
    前に話したじゃないか、と言ったら「そうです、そうです。でも、それを話す隊長は笑顔でしたから。」と彼女は答えた。
    もう隊長でもなんでもないけど、俺が帰るべき居場所だったところについてまたいろいろ話した。彼女はまた、その優しい笑顔を見せてくれた。

    雨。
    お前をどう呼べば良いか、と彼女に聞いた。もう上下関係とかでもないし、呼ぶ名が必要だったからーと言ったが、本当今更な事だな。
    彼女は少し考えた後、「野良、はどうですか。敗残兵ですし、捨てられたし。」と言いながら笑った。猫の耳みたいなアンテナを動きながら。
    俺は、お前を捨てない。

    曇。
    他の部隊からの敗残兵に壊された街からのと難民。そんな人々と出会った。敵側だった人も民間人だった人も全部戦争からの傷で諦めてる。
    彼女は、のらは、彼らと一緒に行こうとした。俺は彼女の決定にただ一緒に背負う事にした。
    世界から捨てられた奴らの行進を始めた。

    ​晴。
    もう書く紙がない。だから記録はこれで終わりた。これを読む人はどこの誰か知らないが、これだけは言っておくとする。
    野良猫はそれからどんどん、居場所を失った奴らを慰めて、連れて進んだ。
    家族とは何か、古郷とは何か質問してたあの猫は、古郷と家族をここで作れたかは…さて、どうだろう。

  • 116海苔大豆ニ鬼 - 18/04/26 23:42:38 - ID:TCjPdRov6A

    交差点を直進するとき視界の端に白い鉄塊が見えました
    いつもは信号なんて気にしない私なんですが
    今はそれを後悔せずにはいられません
    (ぶつかる…!)


    うっ…うわああああああ



    (!…るかつぶ)

    …この場のプレイヤー権限により防衛措置を講じさせてもらいました……衝突確定前の状態へと自動で復元されるよう……
    ですが保険をうったことで勝負を歪め
    本質的に回避する流れまで閉ざされてしまいました……
    何度やろうと同じ「結果」を繰り返すだけなんですよね……

    ならば「原因」を
    衝突自体を消し去るまで

    「のらきゃっと

    あなたは

    何も見なかっ

    たっ!」



    ……気がつくと交差点に居た
    焼けた鉄屑から噴き出す黒煙が喉を焦がす
    ねずみさん…?
    …居ない

    (認識ロック……掛けたのは私自信……?)

    何が起こっているかわからない
    幸いにも私の車が通りかかったので
    すぐにここを離れることにした

  • 117エビ、O、りぜ - 18/04/28 22:52:37 - ID:ZFTxhO47+Q

     古の小国に獣の王が在った。その名は禁じられている。かの王は大力を持ち虚像を操り、何よりも欲の強い王であった。ある日、彼女は戯れに幼い野良猫を庇護に置く。王は自分の美貌にすら執着していた為に、それは本当に暇潰しの気紛れであった。だが、王は次第に野良猫へと恋慕を抱く。仔細は伝わらず語る者も居ない。今は愛があった証として、とある王国の広場に古びた小国の碑だけが残っている。…これは唯のお伽噺の類である。

     古の小国にあった獣の王が庇護下に置いた猫をいかなる名で読んだのか、それは定かではない。己の権勢に強い執着を見せたかの王の伝記にすら、ほんの数行の記述が残されるのみで、いまではただ、国の広場に打ち捨てられるように立った石碑に二人の愛を祝福する文言が彫られているのみである。

     ある者はこれを、獣の王が自らの慈悲深さを知らしめる為に作った美談だと云い、またあるものは、これを実際に合った王の悲恋であったと記した。とはいえ事実はすでに茫漠たる歴史の砂に飲み込まれ、いわゆる当時の「真実」というものがいかなる形を成していたのか、今の我々にはもはや知るすべはない。

     ただ粗末な文字で端的に述べられた彼ら二人の愛の物語が、こうして後世の史家をして二分するほどの議論の的になっているのは、つまり彼らの愛が、それだけ我々の心打ったものだということであろう。

  • 118エビ、O、りぜ - 18/04/28 22:56:04 - ID:ZFTxhO47+Q

     もし、我々がかの王の真実を知る日が来たら?その時が来るかすら、まだ分からない。ただ、人の想い、思考、そういうものは、記録には残らない。記憶というメモリーは、研究には不適切なものだ。だからこそ、後世に生きる我々には、かの王を知る意味がある。それを知りたいと願う魅力がある。1つの国を、ここまで動かした者の存在も。そして、かの王は恐らく…。


    『これ以上はやめておこう。それは、私の語るべき物語ではない』


     そう言って、教授は静かに手元の帳面を閉じた。ふわりと静かに埃が舞い、それが窓に切り取られた夕陽にきらきらと輝いていた。私は教授にありがとうございましたと礼を言い、頭を下げた。その拍子に、彼の机の下から除く、幾つかのファイルが目に入った。日に焼けて黄ばみ、擦り切れたぼろぼろになった紙束―

    ―そのどれもに付箋が貼ってあるのは、きっと彼もまた、古代の恋の物語に魅了された一人ということなのだろう。

  • 119海苔きゃっとゲリラ機 - 18/05/08 22:50:28 - ID:TCjPdRov6A

    夏といえばジャングル!ナムの地獄に水着は不要、木立の影より襲い来るベトコン共を切った撃ったの大立ち回り!
    と、そんなふうに考えていた時期が私にもあったのですが、分け入っても分け入ってもゲリラ兵士など全然見当たらず、しかもふと気がつくと熱帯の狂気に当てられたのか本隊も何処かへ行方不明のようです。
    ここで役立つのが猫耳型高感度センサー。音響反射により対象を探知、迅速な作戦行動を助ける優れものです。
    む、7時の方向に謎の集団を発見。サーチ即ちデストロイ、川を越え茂みを越え、両手の30mmチェーンガンを乱射しながら目的地に到達すると、そこには身体中が穴だらけになった本隊の皆さんが倒れていました。
    これはひどい。
    ねずみ隊長。誰に殺られた。いいえそうです、これも卑劣なゲリラの仕業ですね。
    「仇討ちは、任せてください」私は既に動かなくなっていた隊の皆さんにそう告げると、成層圏を越えた遥か上空、ラグランジュポイントに浮かぶサテライトキャノンの照準を、現在第一部隊準備中のゲリラ基地に向けたのである。

  • 120 misohiko misohiko - 18/05/12 16:26:49

    のら部隊の挿絵でごつ

  • 121稲瀬りぜる - 18/05/26 19:25:49 - ID:P3LwpPUQ9A

    「の、のらちゃん、その、愛してるゲーム、し、しようなのじゃ……」真っ赤な顔で、狐耳の少女が言う。とはいえ、その声は見た目とは程遠い。のらちゃん、と呼ばれた猫耳の少女は少し驚いた様子だったが、すぐに、人を魅惑で殺せそうな笑みで、「良いですよ、猫松さん」と返した。猫松、と呼ばれた狐耳の少女が、いっそうきょどきょどと落ち着かない様子になる。そして、口を開き、閉じ…「あ、あ、愛してる、のじゃ…」と言った。

    必死で絞り出したような、恥ずかしげな声に。のらちゃんと呼ばれた少女は、満足げに微笑む。そして…つっ…と、手を狐娘の頬に滑らせ、顎へと指を滑らせると同時に、反対の手で、黄金の頭を抱き寄せ、ぎゅっ、と頭を包み込むと、耳に口許を寄せる。そして…「…愛してますよ、猫松さん…」吐息を、ふっと吐き出しそれに乗せるように、甘くじっとりとした声で囁く。猫松、と呼ばれた狐娘は、手から逃げ出す事も出来ず。力が抜ける。

    「の、のじゃ、負け、ま…降参なのじゃ……」呂律が回っているかどころか、思考が回っているかすら怪しい。もはや、抵抗の無意味を悟った狐娘は、猫耳の少女に体を預け、気絶してしまった。「猫松さん…猫松さん?あれ??」これには、猫耳の少女も予想外だったのだろう。驚いて揺り起こそうとするが、その満足げな顔を真正面から見ることになる。「はうっ…」猫耳の少女が息を飲んだ。「負けたのは、私の方ですよ…」

    「だって、正面から顔を見たら、あんなこと絶対……」顔を逸らしながら、猫耳の少女は呟く。その表情は真っ赤で、唇はぷるぷると震えていて。一度は起こそうとした狐娘を、もう一度抱き寄せる。「起きるまでは、ここに居ますからね…」お互いの暖かみに、それぞれ身を任せながら。二人の時間は、ただ二人の為に過ぎていった。〜end〜

  • 122稲瀬りぜる - 18/06/03 02:28:49 - ID:P3LwpPUQ9A

    ※のらちゃんの登場は、ほんのラストのみになります
    のらちゃんを想うねずみさん視点です

    ふいと、空を見上げる。どれくらいの時間が経ったか…と、ぽつりと呟いて。星は、誰が特に目立つでもなく、単に静かに光るのみ。誰が居るでもないこの場所では、ただ一人の私が異物なのだろう。何せ、ここに来た理由すらイレギュラーなのだから。星から目を下ろし、ため息をつく。歩かないことには始まらないのだ、どちらにせよ。横を見れば、海かと見紛う程に広がる湖が何を語るでもなく佇んでいる。嘲笑されてるみたい…錯覚か。

    ​水面を見ても、語りかけても、何も答えてはくれない。ただひたすら、静寂が広がる。帰り道は長くなりそうだ。時間を見れば、もう深夜。どれだけ移動したか知らないが、正直、一休みしたくもなるのも頷ける。水辺に座り込むと、そのまま湖面を見つめる。いや、見つめると言うのは正しくないか。無心でただ眺めるだけの瞳。頬を、そして湖面を風が撫で、波は小さく躍り、リズムを音楽に、声にしているようで。そう聞こえるのは錯覚?

    ​波の声を聞くうちにふと、心からも音が溢れた。やはり創作というのは、こういう時にふと心から沸き出すものなのだろう。月を地に湛えた湖と、猫の想い人と、迷える羊の自分。一つ、自分を試してみよう。水辺に腰かけたまま、小さく声を出す。通るのは車ぐらい、すれ違う人も居ない。誰が聞いている訳でも無いだろう。ただ、メロディを刻みたくなっただけかもしれない。想い人に届けるための曲を。言葉なき歌は、夜空に朗々と響く。

    ​時折の車の声に掻き消されながら、一つのメロディを不恰好ながらに歌い終わった時には、月も先程見た位置を離れていた。誰に聴かれている訳でも無いだろう。そろそろ、休んでないでまた家を目指そう。あとどれ程かかるか。自嘲気味の笑みを張り付け、また足を動かし出した。…………とある湖畔。一人の少女が振り替える。月の光に銀色に輝く髪の少女が、小さく呟く。「この歌…あの人の…?」たった一人の、彼のギャラリー。

    ​彼はきっと、自らの歌のギャラリーに、最後まで気付かなかったのだろう。そるでも、想い人に歌が届いて欲しいという願いだけは、月の見守る元で確かに叶っていた。〜end〜

  • 123稲瀬りぜる - 18/06/25 21:04:57 - ID:4u7aeDQWog

    近年、水中に「鈴の音」が響く、という話を聞く。その鈴の音が聞こえると、その海域の艦がことごとく沈むのだそうだ。その噂の不気味さ故に、軍部では「セイレーン」の呼び名で呼ばれている。その実態の調査に、空母艦隊が乗り出したのが、今朝の事。…「敵は何処だ!?」「見つかりません!」「味方がやられているんだぞ!」「水中からの攻撃なのは確かですが…水中には何の反応も…!」「一体何が…」艦隊は、壊滅寸前であった。

    所変わって水中。一人のアンドロイドが、悠々と泳いでいた。「大分混乱してますね…、闇雲に水中へ攻撃しても無駄だというのに。」量産型のらきゃっと水中用音響パック装備モデル。「人魚姫」のコードで呼ばれる個体。爆雷の中を抜けつつ、最も大きな艦…恐らく空母であろうそれに、専用の射撃兵装を叩き込む。水を切って、艦の腹に「針」が突き刺さり、カンッ、と展開する。その直後、リィィィン……!という「鈴の音」が響いた。

    音の響きと同時に、艦の腹はあっさり瓦解する。「もう一つプレゼントしますよ…!」瓦解した腹に、抱えた魚雷を放ち、艦のダメージコントロールも間に合わぬ内に、沈めてしまう。「見えない敵に襲われる恐ろしさ、とくと味わってください。…面白くもない見物ですけど」良い放ち、水中型のらきゃっとは、残りの艦に攻撃。残弾では、全て沈められないだろうが…ある程度、戦力は削げそうだ。鈴の音が、立て続けに響いた。

    こんなものだろう。おおよその敵艦隊の被害を見る限り、再編にはある程度の時間がかかりそうだ。「量産型のらきゃっと、『人魚姫』。これよりけもみみ基地に帰還します」「お疲れ様です」隊長の…。オリジナルの「のらきゃっと」の労いの声。きゅん、と胸が鳴る。憧れの人に、その言葉を貰えた…。その満足感を抱いて、彼女は基地の方へと向かった。

    〜end〜

  • 124匿名シーサラダ缶 - 18/07/26 19:53:12 - ID:ZFTxhO47+Q

    やぁ、親友。奇妙なことがあったから少し聞いてほしいんだ。まぁ、時間はとらないから、茶飲みついでの付き合いだと思って欲しい。いっとう良い茶葉だよ、アッサムだったかな?貰い物だが。
    僕が働いている工場でこの前死亡事故があったんだ。ルイス、っていう従業員だったんだけどね、時折、黄金郷だの王様だのと変な事を呟く以外は、真面目で良いヤツだったよ。惜しいヤツを亡くしたもんだ。


    で、それからもういくらかたった頃だっけか。一匹の猫がな、工場の周りをうろついてたんだ。

     鮭缶工場だから仕方ないって?そうだな、そうなんだよ。猫なんか珍しくもない。でもなんだろうか、やけに毛並の良い…ああいうのをホントの黒猫っていうのかな?そんな色の猫でそこいらの野良とは違うんだよ。首輪はしていなかったから野良には違いないんだが。

    でな、そう、その猫を見かけるようになってから、生臭いだけの工場に、この紅茶…の香りをまろやかにしたようないい香りが漂うんだ。…そう!それだ、ああ、なんできがつかなかったんだろう!ミルクティーだよ!!ミルクティーの香りがするんだ。

    生臭すぎて鼻がイカレたのかとも思ったが、香るんだよ。ミルクティーのいい香りが!!
    でな、その黒猫、居たり居なかったりするんだ。きっと素早くて警戒心が強いんだろうな、目を離すと途端にいなくなっているんだよ。

    全然おかしいことじゃないって?いやいや待ってくれ、ここからだ。…仕事中に幻覚が見えていたんだ。黒猫を見て数日経った日から、かな。フード姿の小さい女の子を見たんだ。僕も疲れているんだろうな。その子は工場の中で遊んでいるんだ、小さい何かと。よくは見えなかったが、小さくて灰色のがたくさんだ。

  • 125匿名シーサラダ缶 - 18/07/26 19:53:56 - ID:ZFTxhO47+Q

    最初は怖かったんだが、その幻覚の女の子と灰色の連中はどうにも楽しそうでな。
    ついつい目で追ってしまって、指をやりそうになったよ。…まぁ、置いておく。

    彼女…、ああ、彼女と呼ばせてもらう。彼女と灰色の連中は、いつも遊んでいたんだ。楽しかったなぁ、僕もたまに一緒に遊ばせてもらったよ。でも、ある日、その小さい子は綺麗になって大人になって…ああ、いや。元から可愛かったんだが、なんていうのかな。髪も随分伸びて…僕の言葉じゃ表せないくらいには、とんでもなく綺麗になったんだよ。灰色の連中も喜んだり、泣いたり、感極まって倒れたりしていた。

    その時は僕も作業中なのに涙が出たもんだ。で、彼女は僕に手を振ってくれたんだ。たぶん別れの挨拶だったんだろう。微笑んで手を振ってくれたんだ。

    彼女の香りを追うように、僕は勢いをつけて走ったんだ。彼女に向かって叫んだんだ。“いかないで”と。その時かな?ルイスの言っていた黄金郷とやらが見えたんだ。チラリと、金色の冠と、断頭台が見えたんだよ。

    笑顔の彼女が消えて、見えたのは下がりきった断頭台。そしたらさ、いきなり激痛が奔ったんだよ。「何やってんだ!」って同僚に怒鳴られて前を見れば、安全対策の為に交換されたガード付のカッターに顔を突っ込んでてさ。鼻を擦りむいたよ。

    それっきり、幻覚は見ていない。でも、綺麗な子だったんだよなぁ、また見たいよ。
    そういえば、あの黒猫も最近は見ないんだ。今度会ったら、鮭缶をあげたいね。“あの子に会わせてくれないか”って頼むのさ。

  • 126名無しの天狗 - 18/07/27 17:33:12 - ID:RDSFIzoSpA

    〈僚機の記憶〉
    (1/5)

     茹だるような酷暑が続く真夏の昼間。人間達は空調が完璧に管理された基地で、凪いだ
    ように静かなこの一時を過ごしていた。この時期は敵の攻勢もまるきり収まるのだ。立て
    直しにかかりたい人間達はこれまでの被害に物資の補給などの状況を整理し、けしてこの
    機会を逃すまいとアンドロイド達に指示を出し派遣する作業に追われる。

     その基地の内部にある一室。それはとあるのらきゃっと個人に与えられた部屋。椅子に
    座り長卓に肘をついているのらきゃっとは、ここから離れた場所にあるはずの修練場から
    響いてくる音に耳を傾けていた。そしてグラスを手に、緩慢に揺らしながらそれを眺める。

    「……。」

     波打つ水面を覗けば、対流する不気味な物体を見ることができる。これは『のらショット』
    というものだ。軍用エナジードリンクであるモンスターエナジーに、紅茶、ミルク、砂糖
    などを混ぜた狂気の飲料である。何故このようなものが誕生したかというと、それは深夜
    テンションを開放したとある軍人の賜物である。

     戦況が芳しくない頃、人間達が深夜にわたってまで仕事を消化していたある日のことだ。
    嗜好品でもなく、ただ燃料のようにモンスターエナジーを啜っていた男達の一人が唐突に
    椅子を蹴り飛ばすかのような勢いで立ち上がりこう言った。

    「そうだ、ミルクティーを混ぜよう。」

     紅茶はのらきゃっとの好物であり、必需品のように倉庫で用意されている。男はミルクに
    砂糖を準備し、完璧な手つきで紅茶を入れる。躊躇なくそれを同じ容器にぶちまける。直前
    の所作からは考えられないほどの、暴力的なまでの行為だ。繰り広げられる奇行を前に同僚
    達は恐れを含みながらもどこか期待の眼差しを向けていた。どうもテンションが上がって
    きたご様子である。

     その正体不明の飲料を飲みほした男は晴れやかな表情でこう言った。

    「不味い。」

     かくしてモンスターエナジーを飲む際にミルクティーを適量混ぜ込み、それを一気飲み
    するという奇妙な文化が生まれてしまった。彼らは自らのレシピを開発し感想を言い合う
    ようになったのだ。

  • 127名無しの天狗 - 18/07/27 17:34:38 - ID:RDSFIzoSpA

    (2/5)

     戦争で荒廃していく世界ではあるがそこには確かに笑顔があった。…もし人類が存続
    するとしたら後世では笑いの種となっているかもしれないが。

     当然ともいうべきか、のらきゃっと達のほとんどはそれを口にすることはなかった。

    「それでも、あの子の好物でしたね。」

     程よく撹拌されて全体が均等になったのらショットを眺めて、そう呟いた。それはカオス
    と呼ばれる、果汁を含んだタイプのモンスターエナジーを使用したのらショットである。

     完成品の薄気味悪さもあり、不毛だと唱えた上層部の一部がモンスターエナジー自体の
    種類を増やした。男達は大層喜んだ。そして当然のようにミルクティーを混ぜたという。
    特に害は無いとして放置された。

    「どうにかならなかったのでしょうか…。」

     彼女はのらきゃっと隊でも数少ないのらショット愛飲家の一派と知られている。紅茶に
    対する冒涜だと主張する集団とのらショットを広めようとする集団の議論もよく見かけた。
    私は個人の趣向を尊重し適度な距離を保ちましょう、とする中立派だった。

     私達は万全な状態で戦場に立つために感情等を抑制されているが、長く生き残り経験を
    積んだ者ほど精神が成長していくように思われる。ある程度感情を知ったのらきゃっとは、
    自由奔放に振る舞う彼女らに一度は憧れるものだ。そして過熱した論争にて罵詈雑言まで
    浴びせ合う古参ののらきゃっと達に幻滅するまでがテンプレートである。

    「…っとと。」

     グラスの縁に飾られたオレンジがつぅっと滑る。

     彼女は基本的にはオレンジを使ってのらショットを作っていた。六分の一に切った内の
    一欠片はこのように添えられ、残りは絞り汁として混ぜられる。気分によってはオレンジ
    ピールを追加する。そしてミルク多め、これが彼女のレシピだ。

     なぜそのようなことをするのですか、と聞いたことがある。あの頃の私にはこの飲み物に
    ついても、手間をかけた製法も全く理解できていなかったからだ。彼女は言った。いつか
    分かるようになるよ、と。

     その後ミルク多めにしたせいで余計に分離物が発生するこのレシピを勧められた時は
    思わず引いたものだ。感情の芽生えの一端である。喜ぶに喜べない気がした。

  • 128名無しの天狗 - 18/07/27 17:40:55 - ID:RDSFIzoSpA

    (3/5)

    「分かるように、なったと思いますよ。」

     飾りのオレンジはへたの周囲が歪だったので切っておいた。ついでに反対側をギザギザ
    にしてみた。濃く煮出した紅茶は十分に冷やしてある。オレンジピールは砂糖を多めにして
    ブランデーに漬けておいたものを使い、ミルクは一般的なのらショットよりも少なめ。

     これが良いと思う自分だけのレシピ。必要はないちょっとした遊び。そもそも不合理の
    塊であるのらショット。私は今、この時間を楽しんでいる。

     首飾りとしてぶら下がる真空管を軽く掌で包み込む。内部には頼み込んで貰い受けた
    彼女の一部が保存されている。彼女はもう私達の戦場に立つことは無いが、こうして私の
    ことを見守ってくれている。

    「感謝していますよ。ありがとうございます。」
    「それなら待っていてくれてもいいんじゃないかな?」

     ノック後間も無く部屋に入り込んできた人物は別に無礼者でも不法侵入者でもない。
    呼んだのは私で、待ち侘びていた私の親友だ。

    「私を待たせたのですもの。それとも何もせずただ待てとでも?20分。」
    「素直にごめんね。すぐそこで“紅茶狂い”に捕まっちゃってね。連絡入れるよりも来た
    方が早かったの。…そう拗ねないで、ねっごめんね?」

     特別拗ねているわけではなく、反応を見るための演技も入っている。それでもしっかり
    乗ってくれるので、その他愛もない応酬に頬が緩んでしまう。

     私は彼女のグラスを用意し、自分と同じものをつくる。こちらはミルクを多めにしておく。

    「アクセントにこの真空管を入れてみるのはどうですか。オレンジの装飾とはまた違った
    雰囲気を味わえると思いますよ。」
    「それ私の一部だから。ある意味分身だから。のらショットは浴びるように飲みたいと
    思ったことはあるけど浸かりたくはないよ…。」

     彼女は戦闘部隊からは離れて別拠点で雑務をこなしている。コアの損傷が原因で視野や
    動体視力などが軒並み減少してしまい、それの再生ができない状態なのだ。破棄する必要も
    ないため後方へ送られる時に、彼女が渡してくれたものが私のお守りとなって今もここに
    あるというわけだ。今水没の危機に瀕しているが大切なものである。

     真空管を入れられないように二つのグラスを握り締め、それはそれとして分離物の違い
    を観察している彼女は相も変わらず元気そうで何よりだ。

  • 129名無しの天狗 - 18/07/27 17:42:36 - ID:RDSFIzoSpA

    (4/5)

     そして何でもない談笑が始まる。近況から始まり、部隊や前線での様子、関わりが多い
    整備士達の話などをのらショットにつまみを追加しながら続けた。

    「その男のケツ引っ叩いてやりなよ。私もさぁ新人のらきゃっと部隊の教官しているのね、
    そこにさ、これまた新人の気の強そうな人間の男の子がいちゃもん付けてきたわけよ。」
    「ほぅ、反骨精神溢れる子ですか。」

    「そうそう、それでこうよ。丁寧語で話していたのをね、今みたいに崩した喋り方にして
    さぁガン垂れて詰め寄ってやったら、それはもう目を剥いて驚いて挙動不審よ。あぁ……
    良いものだったよ。こういうの好き。侮るもんは張っ倒していけー」
    「あなたはかなり長く生きていますからね……個性が爆発しすぎて機械的な新人達との
    ギャップもありますよね……。それでその男の子に逆上とかされませんでしたか?」

    「大丈夫よ心配しないで。教官特権もあるしちゃんと説得したからね。あの子も良い
    子よ?今時珍しい正義感増し増し正統派男児で、ちょっと勘違いがあっただけだったから。」

     そう言うと少し詰まったように口を歪め、グラスに浮く分離物にオレンジの皮、果実片が
    混じった気色悪い流れに目を落とす。言いたいことは分かる。この戦争はいつ終わるのか
    という類のものだろう。そして言葉にしても意味がないばかりかこの場に水を差すという
    ことまで理解しているのだろう。……それでも、あえて言おう。

  • 130名無しの天狗 - 18/07/27 17:46:20 - ID:RDSFIzoSpA

    (5/5)

    「終わりますよ。」
    「……。」

    「私達で終わらせてみせますから。そのために生まれたのですからね。あなたは少しでも
    皆を鍛え、私達は奴らを尽く滅ぼす。折れることなどありませんから。」
    「うん……。」

    「絶対に諦めません。」
    「うん。」

    「末代とも言わずいつまでものらショットを広める使命もありますしね。」
    「うん……、…………えぇ?」

     久しぶりに見る思い切り間抜けな顔を見て思わず喉が鳴るほど笑ってしまう。お上品に
    いかねば。のらショットの残りをあおる。自分用の特性グラスには汚れ一つ付着せず、透き
    通った輝きを見せた。さすがのらショット推進派で開発した最新作だ。

    「極めて無駄なことを意味もなく行って、阿呆みたいに騒ぐ。そんな未来が見たいのです。」
    「ごめんのらショットを出した段階でシリアスが保てない。」

     同好の士である彼女に呆れられるとは心外だ。だが、それでもいいだろう。これは些細な
    きっかけの一つに過ぎないのだから。あなたにとってただの遊びのようなものであっても、
    あなたが私に灯してくれたものを決して忘れることはない。

    「それはさておき。私も自分のレシピを一つ完成させました。これのことですが。」
    「うん、まあいいか。おめでとうだね。君はもうずっと成長したみたいだよ。」

    「ありがとうございます。それで、名前を付けることにしました。」
    「へぇ、オリジナルのらショット命名者の仲間入りというわけだ。どんな名前にしたの?」

     まるで自分のことのように喜んでくれる彼女に私はにやっと、猫のように笑う。胸の奥が
    暖かくなるが何処か気恥ずかしさもあり、少々の緊張が巡っている。由来など、私個人の
    思いなどは残らないだろうが、レシピとしてここに残しておくことにした。

    「〈僚機の記憶〉、です。」

    →コラボカフェのらショットの商品名談議END

  • 131匿名ねずみ - 18/07/28 17:47:19 - ID:I6cTF+i+Kw

    (1/5)

    「まったくも」。今日は夏祭り。しかし、急にお仕事が忙しくなったプロデューサーさんから、「すまないが、先に行ってりんご飴でも食べていてほしいm(_ _)m」と連絡があったのだ。

    「お仕事なら仕方ありません。でも、りんご飴で許してもらえるだろうという考えがいただけません」。そう、独り言ちては、頬を膨らませるのらきゃっと。「(それに、新しい浴衣姿、最初に見てもらいたいですし…)」。

    結局、プロデューサーさんを家で待つことにしたのらきゃっとのもとに、「宅急便です!」。「おや、何でしょう。ご当地珍ドリンクでも取り寄せたのでしょうか」。判子を持って玄関に向かう。「ありがとうございます!」。お礼を言って帰っていく配達用ドローンを見送り、予想よりも少しばかり軽かった荷物を見つめる。

    「宛先はプロデューサーさんですが、まあ開けてしまって大丈夫でしょう」。肩幅ほどの大きさのダンボール箱を開くと、白い布団のような物体が、むちむちに張ったビニールの中に収まっていた。ビニールを爪で丁寧に引き裂くと…「うわわわわわ!?」。

    引き裂かれたビニールから白い物体が飛び出し、むくむくと巨大化していく。「こ、これは!?…人をダメにする、ソーデスクッション!」。

  • 132匿名ねずみ - 18/07/28 17:51:52 - ID:I6cTF+i+Kw

    (2/5)

    のらきゃっとの目の前で、某レビューサイトでは「これさえあれば何もいらない」、某オカルトサイトでは「精神工学兵器の転用に違いない」、某ソーデス愛好サイトでは「ソーデスソーデス」と評価されていた、猫のようなゆるキャラ?を模したクッションが異様なオーラを放っていた。

    「これはあまりにも人をダメにするために販売禁止になったはず…」。恐る恐るクッションの一部を摘み上げると、下敷きになっている説明書を見つけた。説明書には、大きな文字で「調整版。安全デス」と記載されていた。「なるほど、これは調整版だから安全なのですね!」。

    安全だとわかってしまえば、異様なオーラも気のせいであったことがわかる。「結構かわいいですね」。(プロデューサーさんが)苦労して手に入れたVR Ready Roomの一角を占拠したソーデスクッションであったが、憎むことはできない。だって、かわいいは正義なのだから。

    「良いショット」。早速、クッションを抱いて(サイズ的には「しがみつく」が正しいかもしれないが)、もうしばらくプロデューサーさんを待つ。「…なんでしょう、この充実感。…夏祭りなんてどうでも良くなってきました」。

  • 133匿名ねずみ - 18/07/28 17:53:04 - ID:I6cTF+i+Kw

    (3/5)

    「…はっ!」あれほど楽しみにしていた夏祭りがどうでも良いはずがない。ソーデスクッション(調整版)の魔力に戦慄したのらきゃっとは飛び起きる。「しかし、なんとも離れ難い魅力を持っていますね。いっそ部屋を出てしまいましょうか」。

    考えてみれば、夏祭りの会場はプロデューサーさんの職場からの方が近い。一度家に帰ってもらうよりも、向こうで合流した方が良いだろう。決して小腹が空いたから考えを改めたのではないのだと、自分に言い聞かせながら、浴衣に着替えるのらきゃっと。

    会場の近くまで歩いて行くと、街はすでに祭りの活気に包まれていた。「…それにしても暑いですね」。もう夕方だというのに、一向に気温が下がる様子はない。

    もうしばらく歩いていると、屋台が見えてきた。「焼きそば、たこ焼き、綿あめ、ソーデス焼き…あっ!かき氷!」。早速、かき氷の屋台に続く列に並びながら、シロップは何にしましょうかと考える。「(定番はイチゴやメロンでしょうが…やっぱりこれですね!)」。

    「食欲減衰カラーを使いながらここまで支持されているところ、高く評価します」。ベンチに座って、ニコニコとブルーハワイを食べるのらきゃっと。

  • 134匿名ねずみ - 18/07/28 17:55:19 - ID:I6cTF+i+Kw

    (4/5)

    「楽しそうですね!」。のらきゃっとが振り返ると、そこには飴色の髪を結った猫耳の美少女がいた。一切の気配を感じさせなかったその身のこなしから、元軍用アンドロイドだろうと予想するのらきゃっと。「こんにちは。こんにちは」。

    顔つきから察していたが、彼女も同じのらきゃっと型であった(と言っても、彼女は遠距離武器を専門とする従妹のような存在であったが)。これも何かの縁だと、しばらく語り合う二人。

    ヒューゥルルルル…ドパァァン!「花火…」。「花火って、元々兵器として利用されてきた火薬が平和利用されたものなんだって!それって、なんだか今のあたしたちみたいだと思わない?」。「なるほど。シンパシーを感じますね」。

    「そろそろ、屋台に戻らなきゃ!」。「お仕事中だったのですか?」。「そうなんだけど…お客さん、全然来ないからサボってたんだ!」。「そ、それは…」。えへへと笑う彼女にどう声をかけたら良いかわからないのらきゃっと。

    「でも、たまに物好きなお客さんがとても楽しそうに買ってくれるんだ!だから、そろそろ戻るね!」。「そうでしたか。…また会いましょうね!」。「うん!夏祭り楽しんでね!」。「はい!」。

  • 135匿名ねずみ - 18/07/28 17:57:31 - ID:I6cTF+i+Kw

    (5/5)

    「…それにしてもプロデューサーさん、遅いですね」。ついさっきまで従妹機と話していたこともあり、急に寂しくなるのらきゃっと。

    「そういえば、名前を聞きそびれてしまいました」。またポンコツをやらかしてしまったと反省する。「でも、それはお互い様ですね!」。ポンコツはのらきゃっと型の宿命なのだろうかと思い、つい微笑んでしまうのらきゃっと。

    聞きなれた足音に気づき、振り返る。「楽しそうでよかったよ!」。「プロデューサーさん!」。「向こうで面白そうな屋台があったんだ!スースーかき氷って書いてあったんだけど…」。

    頬を膨らませるのらきゃっと。「…遅れてごめん、のら。新しい浴衣、とっても似合ってるよ。花火柄、君にぴったりだ!」。

  • 136削除 - 18/07/30 05:36:03

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