α線はヘリウムの原子核です。質量数の小さな原子核のうち、ヘリウムの原子核(
α粒子)は核子あたりの結合エネルギーが飛び抜けて大きい。そのため、エネルギー的には質量数の大きな核がα粒子と残りの原子核に分裂して、安定な状態になる場合があります。
このように、α粒子を放出し、エネルギー的に安定な状態に転移することを
α壊変(α decay)といいます。このとき、壊変する前の核種を親核、壊変後の核種を娘核といいます。
α壊変では、2個の陽子と2個の中性子からなるα粒子が放出されるので、壊変の前後では、
質量数が4減り、原子番号は2減ります。